需要の拡大や目まぐるしい技術の進化に伴い、IT業界を目指す人も増えています。
しかしそんな中で、
- 「今は需要があるから良いけど、IT業界は今後どうなるんだろう?」
- 「飽和したり、オワコン化するのかな?」
などと、将来に不安を抱く人も少なくないでしょう。
今回の記事では、IT業界の現状と今後についてご紹介します。
さらに、いまIT業界で注目されている技術をはじめ、今後のIT業界で必要になるスキルなどもまとめました。
今からIT業界やエンジニアを目指す人にとって、ぜひ覚えておきたい内容ですので、ぜひ、参考にして下さい。
- IT業界は市場規模、需要ともに拡大中。
- 今後も拡大はとどまらず、最新技術もどんどん登場する予想。
- それに伴いエンジニアに求められるスキル感も上がる。
- IT業界の大きな課題は、人材不足とリモート環境の整備の遅れ。
- いま注目されている最新技術は、AI、DX、5Gほか。
- 今後のIT業界では、新技術の習得やAIプログラミングが求められる。
IT業界の「現在」の動向・傾向
この章では、まず「いま」のIT業界の動向などについて見ていきます。
市場規模
現代は、IT業界の市場規模は右肩上がりといえます。
以下のグラフは株式会社矢野経済研究所が集計した「国内民間IT市場規模推移と予測」です。
引用:国内企業のIT投資に関する調査を実施(2021年)|株式会社矢野経済研究所
2020年には新型コロナウイルスの影響で、リモートワークが世界的に推奨されました。
その影響もあってオンラインツールが発展したり、リモートワーク環境の整備へ注力する企業も増加しています。
労働者数
いまのIT業界は、深刻な人材不足に悩まされているのが現状です。
以下は経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」の資料のひとつです。
引用:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果|商務情報政策局
赤い線がIT需要で、薄い水色がIT人材の供給数です。
予測ではあるものの、2023年は約34万人のエンジニア不足となっています。
さらに2030年には「少なくて約40万人、多くて約80万人」の人材が不足する予想です。
最新技術の登場・発展
いまのIT業界は、技術の進化・発展が目まぐるしいのが現状です。
たとえばAIや5Gなどをはじめ、最新の技術が次から次へとリリースされています。
これらの新技術はあらゆるシーンで汎用的に活用され、その幅広さはIT業界に留まりません。
具体的には日常生活でいうと、ロボット掃除機が代表的な例でしょう。またスポーツの事例でいうと、AIカメラによるVARなどがあります。
このように、あらゆるシーンで生活やビジネスを効率化してくれる最新技術は、現在進行形で発展を遂げています。
IT業界の「今後」の動向・傾向
この章では「これから」のIT業界の動向などについて見ていきます。
IT需要の拡大
IT需要は今後も衰えることなく、需要はさらに拡大していくとされています。
ITシステムにおける最新技術は、今後も活用の幅がどんどん増えていくためです。
たとえば日常生活では「ロボット掃除機」や「全自動キッチン家電」など、AI技術は欠かせない存在です。
またスポーツ業界でもAIカメラを用いたVARのほか、選手の栄養管理などでAIが使われる事例もあります。
今後も最新技術によって、IT需要はさらに高まるでしょう。
その需要はIT業界にとどまらず、じつに幅広いジャンルで活用されていくことは間違いありません。
IT人材・エンジニアの需要の増加
これからはIT人材およびITエンジニアの需要が、さらに増加していくことが予想されます。
理由は大きく、以下の2つです。
- IT需要が拡大していくから
- 一方でIT人材は不足が続くとされているから
いまのIT業界はAIや5Gなど、あたらしい技術が日に日にリリースされ、より便利にアップデートを繰り返しています。
そのためIT業界だけでなく、じつに幅広い職種やジャンルで活用され、需要はどんどん増えていくでしょう。
しかしそれに見合ったエンジニアの供給が減っていることが、いまのIT業界の課題となっています。
エンジニアの人材不足が今後も長引くことで希少性が高まるため、さらにエンジニアの需要は増加していくとされています。
エンジニアに求められるスキル感
最新技術は今後もジャンルを問わず、幅広いシーンで重宝されていくことは間違いありません。
それに伴いエンジニアに求められるスキルや能力も、高くなりつつあります。
たとえばAIおよびビッグデータをはじめ、IoTやVR・ARなどの映像技術など。またそれに付随するセキュリティ関連の知見も必要になるでしょう。
より新しいものに興味をもって知識のアップデートに励むなど、あらゆる変化に対応する能力が求められるようになります。
IT業界の今後は明るい!
IT業界の「いま」と「これから」の動向などをご紹介してきましたが、総合的に見て「IT業界は、今後の将来性が明るい」といっていいでしょう。
あらゆるサービスが日々アップデートを繰り返したり、まったく新しいサービスがリリースされたりと、現段階ですでに技術の進化はとどまることがないためです。
また現在、世界を代表する「GAFA」と呼ばれる4社は、すべてITサービスを提供する企業です。
こういった影響から、IT業界は今後もより拡大・発展を遂げていくでしょう。
ただその分トレンドの移り変わりも早くなっていくため、IT業界従事者には、こまめな知識の習得が求められます。
IT業界の課題
この章では、IT業界が現在抱えている「課題」について見ていきます。
慢性的な人材不足
人材不足は、いまIT業界が抱えている「もっとも大きな課題」といっていいでしょう。
これからIT需要がどんどん拡大していくのに対し、現段階ですでにエンジニアの供給が追いついていません。
経済産業省の調査によれば、2030年には多くて約80万人のエンジニア不足が予想されています。
その分エンジニアの希少価値は上がり、需要も上がっていくでしょう。
とはいえ、そうなればエンジニアの負担は大きくなります。
残業や休日出勤を強いられることも増え、離職率の拡大にもつながってしまうリスクも否めません。
リモートワークの環境整備の遅れ
新型コロナウイルスの影響から、リモートワーク環境を整備したり、最新システムを導入する企業が増えています。
しかしそれはごく一部なのも事実です。
国内における多くの企業は、リモートワーク環境の整備が遅れていたり、導入の検討すらしていないケースもあります。
労働環境や仕事内容、予算の関係でリモートワークが実現できず、社員にストレスを与えてしまっている企業が多いことは「IT業界における課題」といっていいでしょう。
残業や休日出勤含む長時間労働
残業や休日出勤が多い点は、IT業界全体における課題です。
IT業界ではプロジェクトの最中に、急なアクシデントや仕様変更が発生するケースは少なくありません。
さらに今後は「IT需要が拡大、一方のエンジニアの供給は不足」が予想されています。
その予想通りになれば、エンジニアにはさらなる長時間労働が強いられてしまうでしょう。
IT業界で注目されている技術7選
この章では、いまIT業界で注目を浴びている技術を7つご紹介します。
DX
DXは、デジタルトランスフォーメーションの頭文字をとった造語です。
平たく言うと、「デジタル技術を日常化させて、私生活をよりよいものにしよう」という取り組みを指します。
具体例としては、以下が挙げられます。
- 新車オンラインストア「Honda ON」(HONDA)
- AIでタクシーが呼べるアプリ「Go」(日本交通)
現代の企業にとって、もはやDXへの取り組みは当たり前といっても過言ではありません。
AI
AIは人工知能ともいわれ、主に「人間の脳のように学習する機能をもつシステム」を指します。
具体例としては、以下が挙げられます。
- ロボット掃除機「ルンバ」
- 自動運転技術
- 製造業などに用いられる画像解析技術
- スマートスピーカー
いまやAIの技術はじつにさまざまな分野で活用されており、今後もさらなる発展が期待される「主流の技術」といっていいでしょう。
最近では「ChatGPT」というチャットボットサービスも話題で、こちらもAI技術が用いられています。
5G
5Gは2020年の3月から提供が開始された通信規格を指します。
5Gは従来の4Gと比較して、20倍もの通信速度が出ることが最大の特徴です。
たとえば2時間半の映画のダウンロードには、30分程度の時間がかかります。しかし5G通信を使えば、ダウンロードにかかる時間はわずか数秒。
さらに5Gはその接続性の高さや遅延の少なさといったメリットから、現代において活用の幅が広がっています。
クラウド
クラウドは主に、「サーバーやネットワーク系のサービスがインターネット上で行える仕組み」のことです。
クラウドを活用することで、デバイスを問わずデータを共有できるメリットがあります。
現代では、
- GoogleCloud
- AWS
- Microsoft Azure
といったあらゆるクラウドサービスが存在します。
IoT
IoTとは「Internet of Things」の頭文字をとった造語で、「モノ」と「インターネット」をつなげる技術の総称を指します。
具体例としては、以下のとおりです。
- エアコン各種(エアコンのオンオフがスマホでできる)
- スマートロック(家の鍵の開閉やスマホでできる)
IoTは他にもスマートスピーカーやドローンなど、あらゆる場面で利用されています。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは、「決められた時間ごと、ブロック単位でデータを記録する技術」を指します。
ブロックチェーンで作られたデータは、改ざんが実質不可能です。
そのためセキュリティ面で需要が高く、主に仮想通貨および金融サービスなどで利用されています。
メタバース
メタバースは明確な定義はありませんが、一般的に「インターネット上に構築された仮想空間」を指します。
メタバースでは、インターネット上の自分の分身「アバター」を、自由に動かすことが可能。
空間内を散策したり、他人とアバター越しでコミュニケーションが行なえます。
2021年の10月にはアメリカの巨大IT企業「Facebook」が、社名を「Meta」に変更。「メタバースを主力事業にする」という姿勢を示したことも、大きな話題を集めました。
今後のIT業界で求められるスキル・能力
この章では、これからのITで必要となるスキルをご紹介します。
AIのプログラミングスキル
AIプログラミングのスキルは、これからもより重宝されるでしょう。
AIはすでにあらゆるシーンで活用され、今後もさまざまなジャンルに応用されていくと予想されているためです。
現代のAIの活用シーンとしては、以下が挙げられます。
- スマートスピーカー
- ロボット掃除機
- 食品出荷の際の品質管理
- 製造業における映像・画像解析
- 物流業界における品質や安全性向上
- あらゆるWebサイトに組まれたチャットボット
この他にも、じつにさまざまな場面でAIが活躍中です。
これからプログラミングを学ぶなら、AIなどに深い関連性のある言語「Python」や「R」を選ぶのもひとつでしょう。
トレンドをいち早くキャッチし自ら学ぶ姿勢
トレンドを素早くキャッチし率先して学ぶ姿勢は、この先のIT業界で必須となります。
現代のIT業界は、トレンドの移り変わりが非常に激しいためです。
いま主流の技術でも思っていたよりすぐ廃れたり、新たな技術が誕生することは珍しくありません。
そのため現状に固執せず、新しいものに興味をもって積極的にインプットしていく姿勢が大切になります。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションはもはや時代を問わず、IT業界に必要なスキルといえます。
IT業界は「黙々とPCを触る職人肌の人がやる仕事」と思われがちです。
しかし実際はクライアントとヒアリングや進捗確認など、コミュニケーションが必要となるシーンは多くあります。
今後のエンジニアはAIをはじめ、より新しく高度な技術を取り扱うことになるでしょう。
そのため、認識の齟齬の生まないコミュニケーションが求められます。
IT関連の資格
これからIT関連で長く活躍していくために、IT資格の取得も有効です。
資格があることで、以下のメリットが得られます。
- スキルと知識が証明でき、市場価値が向上する
- 企業によっては、資格の取得によって年収が上がる
資格はいわゆる、スキルと知識の証明です。
IT事業者としての人材価値の担保になり、年収アップにも大きく貢献してくれるでしょう。
レベルとしては、初〜中級程度の資格が好ましいです。具体的には「CCNA」や「基本情報技術者」の取得をおすすめします。
なおITスクール「活学ITスクール」では、CCNAが短期間で取得可能です。
また合格率も98.7%と高い水準を誇るため、資格の取得を目指す方は検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:IT業界の現在と今後を知り市場価値を高めよう
いまのIT業界は市場規模、需要ともに増加の真っ只中です。
これからもその傾向は持続していくものの、一方でエンジニアの人材不足という課題も無視できません。
これから市場価値を高めてIT業界で活躍するには、「いま」と「これから」の動向や傾向を正しく知ることが大切です。
情報を味方につけて正しい対策を施し、IT事業者としての市場価値を高めてほしいと思います。