スーパーから異業種に転職は可能でしょうか。
今回の記事では、スーパーから異業種へ転職できる理由や転職活動のコツなどについて紹介します。
転職する際のコツも紹介しているので、スーパーから異業種への転職を目指す人は知っておきたい情報が満載です。
ぜひ最後までお読みの上、参考にしてください。
スーパーの離職率と平均年収は?
「スーパーの仕事はキツイから離職率が高い」
このように聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?
ここでは、スーパーの離職率と平均年収を紹介します。
スーパーの離職率はどれくらい?
厚生労働省の令和3年雇用動向調査結果の概況によると、スーパーをはじめとする小売業界の離職率は12.0%でした。
業界全体では、宿泊業・飲食サービス業が25.6%で最も高い離職率であり、ここ数年はコロナ禍の影響を受けた業界の離職率が高い傾向にあったため、小売業は業界全体で5番目の離職率の高さとなりました。
スーパーの平均年収はいくら?
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、スーパーを含む小売業の平均年収は314万円でした。
全業界の平均年収が403万円であるのに対して、小売業の年収は90万円ほど低いです。
ただし、年収は勤務するスーパーの規模や年齢、役職の有無により異なります。
スーパーから異業種に転職したいと思った理由
「最近体力に自信がない…このままスーパーで勤められるかな」
「スーパーで働いていて将来性はあるのだろうか」
このように、今の職場で働き続けるか迷う瞬間があるでしょう。
ここでは、スーパーから異業種に転職したいと思ったきっかけを紹介します。
給料が安いから
スーパーで正社員として働いていると、朝の開店準備から閉店作業まで働くことが多くあります。
そのため、「月収を勤務時間で時給換算すると、バイトより時給が低い」という現象が発生します。
24時間営業を行うスーパーもあるため、早朝勤務、深夜勤務の割り増し時給を考えるとさらに時給の開きが広がります。
結果的に、給料が安いから割に合わないと感じて転職する人が多い状況です。
シフト制で土日祝日は休めないから
近年、お正月に休むスーパーが多くなったとはいえ、基本的に年中無休で営業しているスーパーがほとんどです。
そのため、スーパーではシフト制が導入され、シフトに合わせて勤務します。
当然ながら土日営業を含んだシフト制になるため、土日祝日を休むことは難しいでしょう。
土日祝日に友人や家族と過ごすことが出来なくなるなど、プライベートを充実できない状況が続いて不満が溜まり、転職する人が多くいます。
重労働で心身が疲弊するから
スーパーでは品出しやレジ、案内業務などの体力仕事が中心になります。
業務内容の通り、休憩以外は座ることができないため、腰痛やひざ痛に悩む人が多いです。
また、近年では顧客からの要求が高い傾向があり、店員の対応力が求められることが多いです。
肉体的な疲労に加えて、精神的なストレスを抱えてしまうと心身共に疲弊し、転職を決意する人もいます。
スーパーから異業種への転職は難しい?
スーパーから転職を考えたとき、同じ小売業か、異業種のどちらに転職をするか迷うこともあります。
スーパーでの担当業務によりますが、専門性の高い異業種に挑戦することができるか不安になるでしょう。
ここでは、「スーパーから異業種に転職することができるのか」の疑問を解消します。
結論:スーパーから転職は難しくない
では、スーパーから異業種への転職は難しいのでしょうか。
結論からいうと「スーパーから異業種への転職は難しくない」です。
なぜならば、スーパーで得た経験やスキルで十分に異業種への転職が可能になるからです。
前述したように、スーパーの業務内容をそのまま転職先に適用することは難しいですが、スーパーで得た経験やスキルで十分異業種への転職が可能になります。
スーパーの業務では人やモノ、お金を扱うなど、多岐にわたります。
そのため、これらの経験やスキルは異業種でも十分に活かせることができます。
スーパーから異業種への転職が難しいといわれる理由とは
では、スーパーから異業種への転職が難しいといわれるのはなぜでしょうか?
それは、スーパーの業務内容をそのまま異業種に適用することが難しいからです。
例えば、スーパーでは以下の主要業務があります。
- 売り場作り
- 品出し
- レジ打ちなど
このような業務は、同業種には即戦力として活用できますが、異業種にそのまま適用することは難しいです。
また、転職活動時に自分の実績としてアピールできる事項として売上高が挙げられます。
しかし、スーパー全体の取組みか個人の努力かの線引きが難しいため、転職活動でのアピールポイントが弱くなりがちという特徴があります。
そのため、スーパーからの転職は難しいと感じる方が多くいます。
スーパーから転職におすすめ異業種
「じゃあ、どんな業種への転職がおすすめなのか?」
と気になる方もいると思います。
ここでは、スーパーから転職する時におすすめの異業種を4つ紹介します。
販売・接客業
スーパーでの経験やスキルをすぐに活かせる業種として、販売・接客業がおすすめです。
日常的に接客を行っていた経験や、売上金の管理、売り場作りの経験やスキルを活用することができます。
販売・接客業では、さまざまなモノやサービスを売ることができるため、自分が以前から興味のある企業を転職先の候補にしてみてください。
IT業界
突然、「IT業界」といわれると驚かれると思いますが、IT業界はおすすめの転職先です。
なぜなら、IT業界では人手不足が深刻化しているため、未経験者も積極的に採用する企業があるからです。
近年、IT技術を活用するサービスが多く生み出され、ITは日常に定着しています。
スーパーの業務内容に照らし合わせると、POSレジや発注システムなどにIT技術が用いられています。
IT業界は、専門的なスキルを身につけられると同時に需要が高く、将来性も見込まれるためおすすめの業界です。
IT業界にはシステムエンジニアやプログラマーなど複数のエンジニア職があるため、自分に合いそうな職種を探してみましょう。
介護業界
介護業界も人手不足が深刻化している業界のため、おすすめの転職先です。
さらに、日本は高齢化社会に突入し、介護業界は拡大を続けているため、将来性も高いです。
介護業界の2025年問題をご存知でしょうか。
「団塊の世代」約800万人が75歳以上の後期高齢者になることで、さまざまなサービスや社会保障費が不足する可能性があるといわれる問題です。
今後も介護業界の働き手は需要が高い状態にあり、全国の高齢者施設で働くことができるため、勤務先に困ることはないでしょう。
未経験から介護職員を目指す場合、働きながら介護職員初任者研修、介護福祉士などの資格を取得することが一般的なので挑戦しやすい業界です。
物流・配送業界
スーパーでの経験やスキルをすぐに生かせる業種として、物流・配送業がおすすめです。
日常的に仕入れや返品を行っていた経験やスキルを活用することができます。
スーパーでは、モノの出入りの管理や、発送・受け取りを行っているため未経験でも物流・配送業界の業務内容にすぐに応用できるでしょう。
物流・配送業界というとドライバーをイメージする人が多いですが、事務などの役割もあるため、各役割の業務内容を確認して応募することをおすすめします。
スーパーから異業種へ転職活動する時の流れ
転職は今後の仕事人生を左右する大きな出来事です。
出来るだけ効率的に、自分に合った転職先を探す努力をしましょう。
ここでは、スーパーから異業種に転職する時の活動の流れを紹介します。
1.転職エージェントに複数登録する
転職活動を行う場合は、転職エージェントに登録することをおすすめします。
転職エージェントでは、希望条件や経験から自分に適した求人を専門のエージェントが紹介してくれます。
そのため時間がなく、効率的に転職先を探している人にはぴったりです。
また、登録した人にしか開示しない「非公開求人」という種類の求人もあります。
そのため、より多くの求人から希望する転職先を探すためには、複数の転職エージェントに登録することが得策といえます。
また、転職サイトでは全国の求人を閲覧でき、そのままサイト上で応募が可能です。
他にも、登録すると以下のようなメリットがあるので、ぜひ登録しましょう。
- スカウト機能で企業からオファーを受けることができる
- 企業情報を閲覧して情報を得ることができる
- 仕事の適性診断ができる
2.自分の市場価値を知る
市場価値が高いとはどの企業でも欲しがられる人材のことを意味します。
企業が求めるスキルや経験、実績があればあるだけ市場価値が高く、年収も伴って高い傾向にあります。
現在募集中の求人と今の自分の経験、スキルを照らし合わせて、想定年収を算出してみてみましょう。
自分の市場価値を理解することで、以下のようなアクションを取ることができます。
- 自分の市場価値が高い場合、転職活動をそのまま続けて今より高い年収を獲得する。
- 自分の市場価値が低い場合、今の仕事を続けながら経験値を上げたり、資格取得に挑戦する。
また、転職エージェントに自分の市場価値について相談することも有効な手段です。
3.希望する転職先で必要な基礎スキルを身につける
希望する転職先を見つけたら、転職するために必要なスキルは何かを調べましょう。
実際に面接を受ける前にある程度の基礎知識やスキルを身につけることができれば、転職先へのアピールポイントになります。
また、その際にはその仕事が自分に向かないなどの判断もできるため、転職活動を無駄にすることを防げます。
4.求人情報を徹底的に比較する
希望する求人を複数ピックアップできたら、それぞれを徹底的に比較します。
業務内容や年収はもちろん、社風や勤務地、社員の平均年齢、離職率などもみましょう。
これらを総合的に判断し、自分に最も合う企業を第一希望にしてみましょう。
また、比較することで、潜在的な自分の希望条件を洗い出すこともできるのでおすすめです。
5.転職エージェントをフル活用する
転職エージェントは求人の閲覧以外にも、履歴書の書き方、面接の練習など、さまざまなサポートを得られます。
転職エージェントのこれらのサポートは基本的には無料で利用することができます。
転職希望者をサポートすることは転職エージェントの実績にも繋がるため、積極的にサポートするサービスが用意されています。
自分が希望する企業への紹介実績がある転職エージェントを利用すると、検索だけでは得られない企業内の雰囲気やより詳しい情報を手に入れられる可能性が高いです。
転職エージェントによりサービスが異なるため、自分がサポートしてほしいサービスを転職エージェントにお願いしましょう。
スーパーから異業種へ転職するコツ
スーパーから異業種への転職を成功させるためのコツはあるのでしょうか。
ここでは、スーパーから異業種に転職するコツを3つ紹介します。
「未経験可」の求人に応募する
「未経験可」は、文字通り募集している仕事内容が未経験者でも応募可能ということです。
未経験可の求人は、入社後にOJTなどを通して業務内容を学ぶことができます。
そのため、事前に基礎レベルの知識を習得してから面接に臨むと面接官に良い印象を残すことができるでしょう。
反対に「経験者」は、求められるスキルが明確で、即戦力になる人材です。
業務経験が活かしやすい求人を選ぶ
スーパーで培った業務経験を他の業界で活かせる求人もおすすめです。
前述したとおり、スーパーでの業務経験は多岐にわたるため、その経験を活かせる職種は多くあります。
自分が思っているよりも活かせる経験があるはずなので、一度、業務経験の棚卸をしてさまざまな職種に当てはめてみましょう。
人手不足の業界に挑戦してみる
需要の高い業界は慢性的に人手不足という傾向があります。
そのため、未経験者やスキルが達していなくても積極的に採用している企業があります。
現在、人手不足といわれる業界は、IT業界、介護業界、飲食業界などです。
これらの業界は、業務を通してその業界・業種を理解できるので、より実践的な知識を得られるというメリットがあります。
スーパーから異業種へ転職活動する時の準備
転職活動はできるだけスムーズに行いたいものです。
そのため、転職時の準備は重要になります。
特に、異業種へ転職する際には入念に準備を行うことが重要です。
希望の転職先について調べる
求人から希望の転職先が見つかったら、その企業について調べてみましょう。
年収や勤務形態、休暇日数、勤務地などの基本的な情報はもちろん、他にも平均勤続年数や社員の平均年齢、社風、福利厚生などの細かい情報も徹底的に調べてください。
複数の希望転職先があれば、それぞれを比較して自分に最も合う企業が第一希望となります。
転職エージェントを利用している場合、エージェントがその企業について情報を持っている可能性があるため、積極的に質問しましょう。
資格の取得に挑戦する
異業種に挑戦する際には、その業界特有の資格を取得すると転職活動に有利に働くことができます。
特に未経験の業界に挑戦する場合は、基本的な知識を有しているアピールにもなり、加えてやる気も見込まれるでしょう。
資格には難易度があるため、まずは初級レベルから挑戦することをおすすめします。
人手不足といわれる「IT業界」と「介護業界」の初級レベルの資格を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- IT業界・・・ITパスポート、基本情報処理試験
- 介護業界・・・介護職員初任者研修
必要ならスクールに通う
スーパーで働きながら資格や業界についての基礎知識を習得するのは、ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
独学は自分のペースで学習できるというメリットがある反面、疑問点を解消できなかったり挫折しやすいというデメリットがあります。
そこでおすすめなのは、専門知識を学べるスクールです。
スクールでは、費用はかかるものの、専門知識を効率的に学ぶことができ、資格取得を支援する講座も設けられています。
自分の状況に合った学習方法で挑戦してみてください。
スーパーから異業種に転職でよくある質問
スーパーから異業種に転職する際の質問をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
転職は誰に相談すべきか
転職について相談するなら、転職エージェントや転職経験者がおすすめです。
家族や友人に相談することも有効ではありますが、より具体的なアドバイスをもらうことは難しいでしょう。
同僚や上司に相談してしまうと引き留めにあったり、辞めづらい事態になりかねません。
そのため、転職のプロである転職エージェントや実体験の話を聞ける転職経験者がおすすめです。
円満退社するためのコツとは
転職する際には社会人のルールとして、円満退社を心がけましょう。
円満退社に向けて、就業規則を事前に確認したり、引継ぎをしっかり行ったりすることが重要です。
辞めるからといって無断欠勤を行うなど、転職先の耳に入っても恥ずかしくない行動を行いましょう。
まとめ:スーパーから異業種に転職できる!転職の流れやコツを把握して円滑に進めよう
いかがだったでしょうか。
スーパーは年収が低い、体力的に厳しいなどの理由から異業種への転職を考え始めます。
「スーパーからの転職は難しい」といわれて、転職活動自体を躊躇する人もいるでしょう。
しかし、スーパーから異業種に転職することは可能です。
転職活動のコツと流れを把握したり、転職活動の準備をしっかり行うことが重要です。
スーパーでの経験を活かせる業種を見極めて、自分に合う職種に挑戦してみましょう。