エンジニアの仕事は多様な種類があり、それぞれに特有の業務が存在します。
本記事では、主要なエンジニアの職種を紹介するほか、
- それぞれの仕事内容
- 年収
- 必要なスキル
についてくわしく解説します。
フロントエンドエンジニアやプログラマー、IoTエンジニアなど、さまざまな分野でのエンジニアの仕事について興味をもっている方なら必見の内容です。
ぜひ、自身のキャリアパスやスキルアップの参考にしてください。
そもそも「エンジニア」とは?
「エンジニア」とは、工学的な知識や技術を応用し、問題を解決する人のことを指します。
エンジニアは自身の創造性と革新性を活用しながら技術的な課題に取り組み、社会や産業の発展に貢献しているのが特徴です。
たとえば現代では、インターネットやWebの専門知識をもった「ITエンジニア」が代表例として挙げられます。
ほかにもエンジニアはコンピューターサイエンスから土木工学など、さまざまな分野で活躍しているため、社会にとって重要な存在です。
一般的なエンジニアの平均年収
2023年2月に、転職エージェント大手「doda」が発表したデータによると、一般的なエンジニアの平均年収は約442万円です。
一方で、全職種の平均年収は403万円となっているため、エンジニアは基本的な年収水準が高い傾向にあると見ていいでしょう。
また、年代別の平均年収を見ても、
- 20代 → 367万円
- 30代 → 495万円
- 40代 → 621万円
- 50大 → 694万円
このように、年齢が上がると同時に平均年収も上がっていることが見て取れます。
参考:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説|doda
エンジニアは今後の将来性が明るい!
エンジニアは年収が高水準にあるうえ、その将来性の明るさにも、常に注目が集められています。
エンジニアは、近年における技術の進歩とデジタル化の波の中心的な存在といっても過言ではないでしょう。
とくにAI、メタバース、データサイエンスなどの分野ではとくに需要が集中しており、ITイノベーションと社会変革を牽引しています。
これから先もしばらくは、成長を続けていくことは間違いありません。
【職種別】エンジニアの仕事内容
ここからはエンジニアの仕事内容を、主な10種類ごとに紹介します。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れるウェブやアプリのインターフェースの開発を行うのが仕事です。
主にHTML、CSS、JavaScriptを用い、デザインおよびUI/UXを実現しています。
ユーザー目線やデザイナーの指示に基づき、使いやすいシステムを目指すことが前提。
そのため、レスポンシブデザインやクロスブラウザ対応など、各種デバイス最適化も重要な役割です。
また、新しいフレームワークや制作ツールの知識も必要なため、最新のトレンドに追いつく意欲が求められます。
それだけではなく、Webデザインも作成できるフロントエンジニアの方が活躍できます。
Webデザインを学びたいと考えている方は、Creators Factoryで学んでみてください。
こちらではWebデザインをオンラインで学ぶことができ、手厚いサポートを受けることが可能です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、ウェブやアプリの裏側で動くサーバーサイドの開発に携わる仕事です。
具体例としては、
- データベース・サーバー設計
- APIの作成
- ビジネスロジックの実装
などが挙げられます。
大量のデータの処理なども行うため、データベースはもちろん、セキュリティやパフォーマンス最適化の知識も重要です。
システムの堅牢性と安定性に直接関わるため、たいへん重要な役割を果たしています。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、前述したフロントエンドとバックエンド、両方に精通したエンジニアのことです。
つまりクライアント側の要件を理解し、インタラクティブなUIを構築するだけでなく、サーバーサイドの処理やデータベースの管理も行います。
そのため、フルスタックエンジニアは、
- 豊富な知識力
- 応用力
- 柔軟性
- 多様なスキルセット
を武器に、プロジェクトの幅広い側面に対応する能力が求められます。
Webエンジニア
Webエンジニアは、一般的にウェブに特化したエンジニア全般を指します。
担当する業務は主にウェブ関連ですが、フロントエンド、バックエンド開発はもちろん、
- ネットワーク管理
- データベース設計
- セキュリティ対策
なども担っているのが特徴です。
さらにWebエンジニアは、新しい技術の研究やトレンドの追跡も重要な役割。
最新のウェブ開発手法を活用し、使いやすく魅力的なウェブ体験を提供しています。
プログラマー
プログラマーは、コンピュータプログラムを作成する技術者のことを指します。
主にシステムエンジニアが作成した設計書に従って、プログラムコードを書くのがメインの内容です。
ただプログラムを書くだけでなく、企業によっては
- 要件分析
- デバッグ
- テスト
なども、プログラマーが担当します。
また仕様書にある内容でプログラムが組めないとき、システムエンジニアに報告のうえ指示を受けることも、業務のひとつです。
マークアップエンジニア
マークアップエンジニアは、ウェブサイト制作におけるスタイル(外観)を制作するのが主な仕事です。
HTML、CSSといったマークアップ言語を駆使し、ウェブページやアプリのレイアウトやデザインのコーディングを行います。
ただ見た目を実装するのではなく、
- スマホやタブレット対応のレスポンシブ対応
- SEOに強いタグを盛り込んだコーディング
など、考慮すべき点は多岐にわたります。
視覚的な要素の実装となるため、デザイナーが兼任して担当している企業が多いことも特徴です。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ITシステムにおけるインフラ基盤を設計、構築、管理する仕事を指します。
具体的には、
- サーバー
- ネットワーク機器
- データベース
- データセンター
などのインフラ周りに携わり、常にシステムの安定性を保持するため管理・運用を行うことがメインの業務です。
日頃からのパフォーマンスチューニング、トラブル時には復旧対応などを行うため、システムを円滑に使うために欠かせない存在となっています。
IoTエンジニア
IoTとは、「Internet of Things」の略で、モノとインターネットの融合を意味します。
具体的には、
- スマートスピーカー
- スマートウォッチ
- エアコンや電気のアプリ遠隔操作
といったものが挙げられます。
IoTエンジニアは、上記のようなデバイスやシステムの開発、設計、実装に携わるのが主な仕事です。
いま勢いのあるAIに深く関連する分野となっており、自然言語の知識はもとより、AIプログラミングの技術が問われます。
さらに、あらゆる「モノ」を多角的に、視点を変えて注視する発想力も必要となる、専門性の高い職種です。
ゲームエンジニア
ゲームエンジニアは、ウェブやスマホなどのゲームにおいて、プログラミングやフレームワークのスキルを駆使し、開発・設計・実装を行う職業です。
主にゲームエンジンやツールを活用し、
- グラフィックス
- 物理シミュレーション
- 人工知能
- ユーザーインターフェース
など、ゲームにおけるさまざまな要素を開発します。
ほかにも、パフォーマンスの最適化やバグ修正などの業務も担うのが特徴です。
品質管理エンジニア(テスター)
品質管理エンジニア(テスター)は、ソフトウェアやシステムの品質を確保するためにテストを実施するエンジニアです。
品質管理のプロセスの中には、
- テスト計画の策定
- テストケースの作成・実施
- バグの報告
- トラブルシューティング
などが含まれています。
テスターと呼ばれる職業とはいえ、緻密な分析力と優れた問題解決能力が必須。
システムの信頼性と満足度向上に欠かせない存在です。
エンジニアとして働くメリット
エンジニアのメリットは、大きく以下の3つがあります。
需要が高く安定している
メリットのひとつ目は、需要が高く安定している点です。
現にIT業界はもちろん、ソフトウェア開発、エレクトロニクス、自動車産業など、さまざまな分野でエンジニアの需要が高まっています。
また、技術の進歩に伴い新たなイノベーションも生まれるなど、エンジニアは常に新しいチャンスに恵まれています。
エンジニアとして働くことは、キャリアパスに安定性と成長性の両方をもたらしてくれるでしょう。
専門職のため仕事がなくなりにくい
職業柄、仕事がなくなりにくいことも、メリットとなります。
エンジニアは紛れもない専門職のため、自らの問題解決能力や創造性という、さまざまな分野で行動できるスキルがあるからです。
さらに、その能力を欲する企業やクライアントが、世界的に増えているのが現状。
エンジニアは今後も、「活動の幅が広がり、良質な経験値を積み上げることで、また新たな挑戦ができる」という好循環が得られるでしょう。
独立や起業などキャリアビジョンが広がる
エンジニアのメリットのひとつに、独立や起業などキャリアビジョンの拡大があります。
エンジニアがもつ
- 専門的な知識と能力
- 問題解決能力
- 独創的なアイデア力
- 市場やニーズを掴む観察眼
などのスキルは、独立してサービスを提供したり、起業して自分のビジネスを立ち上げる際にも重宝するからです。
さらに世の中は、絶えず進化や変化を繰り返します。
それにより新たな市場やニーズが生まれるため、自身の能力を活かして成長するチャンスも広がるでしょう。
また、自分のビジネスが安定するまでは、副業で案件を獲得して安定収入を得ることお勧めします。
副業の案件獲得を探したい方は、クラウドソーシングサービスのクラウディアを利用してみてください。
エンジニアとして働くデメリット
エンジニアのデメリットは、大きく以下の2つです。
継続的な勉強が必要不可欠
継続的な勉強が不可欠なのは、ひとつのデメリットともいえるでしょう。
いまや技術の進歩は速く、新しいツールやフレームワークは頻繁に登場します。
そのため常に最新の知識やスキルを習得しなければなりません。
また、プロジェクトごとに異なる要件やテクノロジーに対応しなければならず、柔軟性と学習能力も求められます。
このような継続的な勉強に時間と努力を割かなければならないのは、大変な点のひとつです。
全体的にハードワークな傾向にある
エンジニアのデメリットのひとつは、全体的にハードワークである点です。
プロジェクトの要求に応じて厳しい締切や時間制約の下で働くことが多く、長時間労働やプレッシャーを伴うことが往々にしてあります。
さらに、技術的な課題や複雑な問題に取り組むこともあって、集中力と忍耐力は欠かすことができません。
ただ近年では「働き方改革」を進めている企業も増えており、こういった問題を克服している企業もあります。
あらかじめ採用面接の段階で、残業時間や休日日数などを確認しておくのがいいでしょう。
エンジニアの仕事内容から求められるスキル・能力
エンジニアの仕事内容の観点から、必要とされるスキルは以下のようなものとなります。
機械相手の仕事内容への興味・関心
求められるスキル・能力のひとつは、機械に対する仕事内容への興味や関心です。
エンジニアはコンピュータやシステムと対話し、プログラミングやネットワーキングなどの技術を駆使して問題を解決する職業。
そのため、機械やテクノロジーに対する興味や関心は、エンジニアにとっての必須条件といっても過言ではありません。
やはり専門職という職業柄、「好きでないとなかなか務まらない仕事」といってもいいでしょう。
最新の分野に対する知的好奇心
最新の分野への興味や好奇心も、エンジニアには欠かせない能力です。
エンジニアは技術の進化に追従する必要があり、常に新しいトレンドや技術に対し、興味をもつことが重要となります。
実際に世の中では、
- 最新のプログラミング言語
- 最新の開発ツール
- クラウドコンピューティング
- 人工知能(AI)
など、あらゆるイノベーションが日々リリースされています。
それらに真っ先に飛びつき、吸収していくのがエンジニアとしての役割といえるでしょう。
チームで協働できるコミュニケーション能力
チームで協働するコミュニケーション能力も、求められるスキルのひとつです。
エンジニアはプロジェクトの成功のため、メンバーや関係者と密に連携し、意思疎通を図る必要があります。
たとえば
- 要件の共有
- 技術的な問題の相談
- 進捗の報告
などは、円滑なプロジェクト遂行になくてはならないものです。
チーム内でのコミュニケーションの円滑さは、プロジェクトの成果に直結するため、エンジニアとしての価値を高める要素となります。
これからエンジニアを目指すなら実践すべきこと
これからエンジニアになるなら、ぜひ以下の項目を実践するのがいいでしょう。
目指すエンジニア像をはっきりさせる
エンジニアになるなら、目指す場所を明確にするのが重要です。
ひとことでエンジニアといっても、開発からインフラまで、その種類は多岐にわたります。
漠然と「エンジニアになりたい」と行動するのではなく、
- 何を扱うエンジニアになりたいのか
- エンジニアになって何がしたいのか
を決めてから、必要なタスクを遂行していくほうが、効率がいいでしょう。
入社する企業のハードルは下げる
エンジニアとして企業に就職する際、ハードルは下げるのがコツです。
はじめてエンジニアを目指す方の中には、
- 大きなビル内のきれいなオフィスでないと嫌
- 最新技術を用いるウェブ系企業でないと嫌
など、無意識にハードルを高めている方は少なくありません。
「千里の道も一歩から」という言葉もあるように、まずは理想を下げ、IT企業に飛び込むことから始めるのがコツです。
積極的にITスクールを活用する
未経験からITエンジニアになるなら、ITスクールの積極的な活用が成否を分けるといっていいでしょう。
いまやITエンジニアを目指すための学習方法はいくらでもありますが、自力による独学の挫折率は9割と言われています。
その点スクールなら、
- 同じ志をもった生徒や友人
- 不明点を教えてくれる講師
が存在し、挫折率低下に有効なうえ、習得スピードも圧倒的です。
活学ITスクールは、完全初心者向けの教材が整っているうえ、CCNAが短期間で取得可能。
これからエンジニアを目指す方なら、ぜひ検討したいITスクールです。
エンジニアの仕事内容についてのよくある質問
エンジニアの仕事内容に関する、よくある質問を紹介します。
エンジニアの1日はどんな内容?
企業によって大きく異なりますが、以下が代表的なスケジュールです。
- 9:00 出勤
- 9:30 定例ミーティング
- 10:00 メールチェック・作業設計
- 10:30 開発作業・その他タスク処理
- 12:00 休憩
- 13:00 問い合わせ対応・リリース準備など
- 14:00 開発作業・その他タスク処理
- 16:00 引き継ぎ・報告
- 17:00 退社
開発作業の次に多いのが、ミーティングや引き継ぎなど、コミュニケーションに関する内容となっています。
エンジニアとプログラマーは何が違う?
プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとに、プログラムを書くのが主な仕事です。
一方エンジニアは、クライアントの要件定義や仕様書作成、プログラミングなど、開発作業全般に携わります。
一般的にはエンジニアのほうが作業量が多いため、大変である一方、積み上がる経験値も多い傾向です。
エンジニアとコーダーは何が違う?
エンジニアは総称で、コーダーは単称です。
コーダーは別名で「マークアップエンジニア」とも呼ばれます。
ウェブサイトの見た目の部分を、マークアップ言語を使って実装していくのが主な仕事です。
このマークアップ作業は、プログラミングに比べると取得難易度は低いため、デザイナーが兼任することも少なくありません。
まとめ:仕事内容を把握して将来性のあるエンジニアを目指そう
将来性のあるエンジニアを目指すには、まずは種類ごとの仕事内容を把握することが重要です。
そのうえで、なりたいエンジニアを選び、それぞれの技術トレンドに対する知識を学ぶのが得策となります。
スキルアップに取り組みながら、柔軟性や問題解決能力を養うことが、エンジニアとしての成功への近道です。