スマホの普及で、アプリの存在が非常に身近になりました。
法人ではなく個人が開発したアプリも多く、なかには一大ブームになるアプリもあります。
そんな中でアプリ開発に興味を持つ人もいるでしょう。
この記事では、個人でアプリ開発をする場合の必要なものや開発の流れ、個人で開発を行うメリット・デメリットなどを解説します。
アプリ開発とは
アプリ開発とは、その名前の通りWebアプリやスマホアプリを作ることです。
実際の仕事では、開発前の企画や開発後の運用保守、ときにはクライアントと直接会ってヒアリングすることもあります。
ただPCで作業するだけにとどまらず、幅広い業務をこなすのがアプリ開発の仕事です。
アプリ開発を個人で行う場合に必要なもの
個人でアプリ開発をする場合に必要なものを紹介します。
PC・スマートフォン
PC・スマートフォンの2点はアプリ開発に必須です。
持っていない場合は真っ先に揃えましょう。
本格的にプログラミングをするのであれば、Macの購入がおすすめです。
Macはプログラミングを始める環境を整えやすいだけでなく、Windowsもインストール可能という特徴があります。
また、開発過程でつまずいた際、エラーについて調べることになりますが、Macを前提としたドキュメントが多いです。
したがって初学者ほどMacでの開発をおすすめします。
スマートフォンについてはアプリの動作をテストする場合に必要です。
iPhoneアプリのみを作成する場合は、ひとまずiPhoneだけあれば問題ありません。
PC・スマートフォンともに費用を抑えたい場合は中古で購入できますが、PCについてはできるだけ状態の良いものを選ぶようにしましょう。
書籍・学習サイトの費用
独学で勉強する場合、書籍と学習サイトの費用が必要になります。
おおよその目安ですが、書籍は1冊数千円程度、学習サイトは無料〜月額1万円以上と幅広いです。
プログラミングスクールと比較するとリーズナブルですが、必要な書籍や学習サイトを自分で見極め、適切なものを選ぶ難しさがあります。
プログラミングスクールの受講料
プログラミングスクールを利用する場合は受講料が必要です。
学習期間やカリキュラムによって料金はさまざまですが、アプリ開発は1〜3か月で20〜30万円程度が目安です。
なかには厚生労働省の「教育訓練給付制度」を使えるスクールもあり、オトクに受講できるケースもあります。
ほとんどのプログラミングスクールで無料相談を実施しているので、気になる人はぜひ一度相談してみてください。
スマホアプリの開発で主に使用するプログラミング言語
スマホアプリを開発する際に使用されている言語を紹介します。
Java(Android)
Androidアプリを作るのに役立つ言語です。
Javaの歴史は古く、1995年に誕生しました。
AndroidアプリだけでなくWebアプリにも使われる言語で、汎用性の高さから多くの人が学んでいます。
Kotlin(Android)
KotlinもAndroid用アプリ開発に使える言語です。
Javaと比較されることが多いKotlinですが、Javaよりもコードがシンプルでわかりやすいのが特徴。
ただ、Javaほど使える範囲が広くないので、汎用性のあるJava、Android用アプリ特化のKotlinと認識されることが多いです。
Android公式サイトでは、Androidアプリの開発言語にKotlinを推奨しています。
Swift(iOS)
iPhone用のアプリなどAppleが提供する製品の開発で使われているのがSwiftです。
書きやすさ・読みやすさどちらにも優れる使い勝手のよさが特徴です。
2014年に誕生した比較的新しい言語ですが、2018年にはWebアプリケーションやサーバーサイドの開発までできるようになりました。
Xcodeという開発ツールを使用すればリアルタイムで動作確認もでき、初心者でも学びやすい言語と言えます。
アプリ開発を個人で行う場合の流れ
アプリ開発を個人で行う場合、どのような流れで進めていくのでしょうか。
①企画する
おそらく個人で「アプリを作ろう」と思っている時点で、どんなアプリを作りたいか、ある程度イメージができているのではないでしょうか。
イメージが完璧ではない場合、漠然としている部分をクリアにしてください。
どんなアプリなのか、なにができるのか、AndroidとiPhoneどちらのアプリなのか。
思いついたアイディアはすべて書き出し、企画を練っていきましょう。
②目標を決める
作りたいものが決まったら、次は目標設定です。
- いつリリースするか
- どのような層のユーザーに使われたいか
- アプリを通して自分は何を得るか
おおよそでもかまいませんので、開発するアプリの目標を設定しましょう。
最初にしっかりと目標を決めていれば、開発が長期間に及んだ場合も、方向性がブレずに済みます。
③市場のリサーチをする
これから作ろうとしているアプリと似ている機能を持ったアプリがすでに存在するかもしれません。
アプリのデザインや機能をチェックし、参考にできる部分があれば自分のアプリ開発に活かしましょう。
④開発する機能を整理する
すでに公開されている類似アプリの研究を終えたら、アプリに搭載する機能を整理します。
あれもこれも全部搭載してしまおうと盛り込みすぎてしまうのはおすすめできません。
使いにくくなったり、コンセプトがブレてしまったり、不具合の原因にもなったりしやすいからです。
過不足がないように整理してください。
⑤ワイヤーフレームを作る
機能を整理して定まったアイデアを、ワイヤーフレームに落とし込んでいきます。
ワイヤーフレームとは、アプリの下書きのようなものです。
このシーンでよく使われるのはAdobeXDというソフトです。
無料で試すこともできるので、ぜひチェックしてみてください。
デザインはユーザー目線で作るようにしましょう。
優れたコンセプトであっても、ユーザーにとって快適な使い心地でなければ、アプリを使ってもらえないためです。
⑥開発方法を選ぶ
作りたいアプリに応じて開発方法を選定していきます。
はじめて開発する場合はとにかく挫折しないでリリースまでもっていけるような方法を選定しましょう。
Androidアプリであればkotolinがおすすめですが、学びやすさの観点でいけばiPhoneアプリの開発がおすすめです。
iPhoneアプリであれば開発ツールであるXcodeをインストールし、初心者でも扱いやすいSwiftでの開発ができるからです。
⑦アプリ公開におけるガイドラインを確認する
開発を始める前に、事前にガイドラインに目を通しておきましょう。
「審査にひっかかり公開できない」という事態を避けるためです。
以下にAndroidアプリとiPhoneアプリのガイドラインを記載しましたので、チェックしてみてください。
Androidアプリ:デベロッパーポリシー
iPhoneアプリ:App Store Reviewガイドライン
アプリ開発を個人で行うときのポイント
実際に個人でアプリ開発を行う場合、気をつけるべきポイントをまとめました。
ビルドはローカルで行う
ビルドとは、簡単にいえば「ソースコードに問題がないか解析し、問題なければ実行可能なファイルに変換する」ことです。
ローカル環境とは、個人のPC内でのみで構築される仮想環境のことです。
Web上には反映されずにチェックできます。
Web上に公開する前に、エラーを起こさず正しく動くかチェックしましょう。
AlertDialogを活用する
AlertDialogは小さなウィンドウを表示させる機能で、アプリ上でユーザーにメッセージを伝えることが可能です。
具体的には以下のようなイメージです。
アプリ内でこのようなポップアップを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
初心者でも比較的実装しやすい機能のため、ぜひ活用してみてください。
最初は複雑な実装をしない
アプリ開発初心者のうちは、複雑な要素を盛り込むよりも、極力シンプルな仕様を目指しましょう。
最初から高度なアプリを目指すと挫折する可能性が高いです。
まずはリリースをゴールとして、一連の流れを経験してみることをおすすめします。
初心者でもスマホアプリを開発できるツール3選
個人のアプリ開発に役立つツールを3つ紹介します。
yappli
アプリの開発、運用、分析ができるツールです。
ノーコードでOK、プログラミングの知識がない人でもアプリ開発できます。
iPhone向け・Android向けどちらも開発可能です。
joint apps
アプリ開発を気軽に無料体験できるjoint apps。
ドラッグやスクロールといった感覚的な操作で、誰でもアプリ開発ができます。
カラフルなイラストで視覚的に馴染みやすく、子どもから大人まで使えます。
monaca
ハイブリッドアプリが開発できるサービスです。
monacaで開発したアプリは、iPhone、Android、PCすべてに対応します。
各デバイスに合わせて設計する必要がなく、作ったアプリを幅広いユーザーに届けられます。
毎月2,000円から利用可能、14日間の無料トライアルもあるので、興味がある人は試してみてください。
アプリ開発を個人で行うメリット
個人でアプリ開発を行うメリットは以下のとおりです。
自分の理想的な機能やデザインを実現できる
既存のアプリを使っていて「基本的には便利だが、この1点だけ使いにくい」「機能は優秀だけどデザインがあと一歩物足りない」と感じた経験はありませんか?
個人でアプリ開発できるようになれば自由に作れるので、かゆいところに手が届く仕様のアプリを作成できます。
自分にとってより使いやすいアップデートが気軽にできるのは大きなメリットです。
仕事獲得のためのポートフォリオにできる
転職や副業目的でアプリ開発を始める人もいるでしょう。
選考過程では、ほぼ必ずポートフォリオの提示が求められます。
実際に1つでもアプリを開発していれば、過去の実績として提示できるようになります。
技術力が身につく
アプリ開発をするということは、プログラミング学習のアウトプットをするということです。
アプリ開発以外にも言えることですが、学んだ内容をアウトプットしなければなかなか定着しません。
アプリ開発をすれば、エラーを解消するために試行錯誤したり、周辺知識を学んだりすることで技術力が身につきます。
収益を得られる
自分で開発したアプリを有料で配布したり、アプリに広告を掲載したりすることで、作ったアプリから収益を得られる可能性があります。
リリースしたあとに運用保守をする必要がありますが、サービス設計の仕方次第では、不労所得に近い形で収益を得られるのは大きなメリットです。
アプリ開発を個人で行うデメリット
個人でアプリ開発した場合に起こるデメリットを3つ紹介します。
初期費用やランニングコストがかかる
アプリ開発は、以下のような初期費用とランニングコストがかかります。
- アプリ開発に使うPC
- 動作確認をするスマホ
- 勉強するための教材
- プログラミングスクールの受講料
- ノーコードで開発する場合はサービス利用料など
開発したアプリで得られる収益を、初期費用とランニングコストが上回る(赤字になる)ケースもあるでしょう。
挫折する可能性がある
アプリ開発には専門的な知識とスキルが必要です。
企画はしたものの、最後まで作れず挫折してしまう可能性もあります。
個人で最後までやり抜くには我慢強さと向上心が必要です。
チームで開発する力を習得しにくい
個人でのアプリ開発は、当然ながら自分一人で行います。
一方、実際の業務では複数人のチームで開発するケースがほとんどです。
個人では実務と異なる開発環境になり、仮にエンジニアとして転職した場合「チームで働くのが大変だ」「想像していたものと違っていた」とギャップを感じる可能性があります。
アプリ開発を個人で行う場合の注意点
これからアプリ開発をしたい人に向けて、注意点をまとめました。
審査ガイドラインを読んでおく
個人でアプリ開発をする場合、審査ガイドラインを必ずチェックしましょう。
違反している場合、アプリをリリースできません。
「たぶん違反していないから大丈夫」「どうせ大してダウンロードされないから問題ないだろう」ではなく必ずチェックしてください。
改めてガイドラインを以下にまとめておきます。
Androidアプリ:デベロッパーポリシー
iPhoneアプリ:App Store Reviewガイドライン
利用規約を表示する
アプリを利用するときにほぼ必ず表示される利用規約。
個人で作ったアプリにも、利用規約は必ず載せましょう。
万が一ユーザーとの間でトラブルが発生した際、利用規約があなたを守ってくれるケースがあるためです。
UIについて学んでおく
UIとは、アプリ画面の見た目、画像の位置やサイズ、文字の大きさ・フォント、使いやすさなどを指します。
個人でアプリ開発を始めたとき「どんなUIがいいか?」と手が止まってしまう人は多いので、アプリ開発の前にUIについて学んでおくのがおすすめです。
参考として、普段よく使っているアプリや「使いにくい」と感じてアンインストールしたアプリを思い出してみてください。
なぜ使いやすいと感じるのか、なぜ使いにくかったのか。
それぞれ言語化しておくことで、自身のアプリ開発に活かせます。
アプリ開発は個人でもできる!最短で開発したいならスクールへ
アプリ開発のスキルは、一度身につけたら一生役に立ちます。
いい求人があれば転職してもよし、副業として個人で開発するもよし。
アプリ開発を無駄なく効率的に学ぶなら、プログラミングスクールがおすすめです。
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