データサイエンティストとはどんな仕事をする?目指す方法や気になる年収を紹介!

私達の私生活ですっかりおなじみとなった、あらゆるデジタルデバイス

その突如たる進歩が相重なって、法人個人を問わず確認できるデータ量も増え続けています。

その最中で、データ活用から新たなる価値を生み出すデータサイエンティストは、軽視できない存在です。

今回はそのデータサイエンティストが行っている職務や、将来の見通しについて見ていきます。

目次

データサイエンティストの仕事内容

データ量の増大に伴い、データサイエンティストは担当域を拡大している実態にあります。

たとえば問題を見出したり、確認や報告を行うことも。

本項では、その詳しい職務内容を紹介します。

問題の検出

現状の問題を明らかにしないことには、分析のしようがありません。

ここでよく使われる検出方式は、次のとおりです。

  • 売れ行きや未来動向の仮説をもとに、成否を決定
  • 実際の結果をもとに、共通点や類似性を特定

データを多元的に見て問題を検出し、形態やニーズにもとづいて柔軟に優先項目を定めます

情報の収集や調査

こちらはデータサイエンティストと聞いて、多くの方がイメージする職務内容となります。

明らかになった問題をもとにデータを探し集めて、調査する職務です。

ある程度データの一元管理を行っている会社なら、「SQL文を打つ」というたった一手間で収集が完了することも。

そうでない会社なら「収集と保管をどのようにするか」を話し合って決めることからスタートします。

調査結果確認

前項で探し集めたデータを確認するタスクになりますが、内容は具体的に次のとおり。

  • データの下処理
  • 視野性向上のための改変
  • 異質データの排除
  • 問題の解消に寄与するデータのピックアップ

集めたデータは最初は数字や文字情報でしかないので、視野性が著しく欠落しています。

また、不要な数字や狂っているデータ群が紛れている可能性も否定できません。

次項の前準備にあたるこのタスクは、顧客の形態やニーズを掴み取る知識量が要求されます。

報告書の制作

結果の確認を経て明らかになった結果や傾向を、報告書にまとめて発案します。

ここまでの職務でわかった事実を、ただまとめればいいわけではありません

  • その事実情報をどのように活用していくか
  • 結果的にどういう手口で問題解決にコミットするか

このようなことを、理解できるよう伝える説明力は必須です。

データサイエンティストのやりがい

次に紹介するやりがいは、データサイエンティスト特有のものです。

課題を検出し解決する充実感

問題を検出して情報をかき集め、仮説を検証したり事実に基づいて分析します。

そうして数字にコミットできたり、方向性を強固にできたりなど、何かしらの結果につながったとき、大きな充実感を覚えられます

忍耐力が強いられるシーンは少なくないものの、自分の分析や行動が間違っていなかったとわかったときは、安堵感や嬉しさはひとしおです。

モダンな分析技術を覚えられる

デジタルデバイスやプラットフォームは、日ごとに新しく改変されます。

データサイエンティストはそれに合わせ、分析で適用しているツールや技術も改変することが必須。

慣れないUIや使い方で疲弊してしまう方もいますが、モダンで最先端のものが好きな人にとっては、これはひとつのやりがいです。

新しくできることが増えていく実感は、何にも代えがたいものがあります。

データサイエンティストのメリット

データサイエンティストの存在は、次の大きなメリットを得られます。

ビジネスの効率化が期待できる

課題解決が本質なので、もし「ビジネスの非効率性」が課題となっていた場合、データを用いての解決に期待がかかります。

メインの事業は当然ながら、日常的なタスクでも、無駄のないループの再現性が高まるでしょう。

予測力や洞察力が身に付く

先立った予測、そして洞察を日常的に行っている職業柄もありますが、それらの能力を伸ばすことができます。

データをもとに共通ポイントを見出し、将来的な仮説を立てて戦略を作れる力は、これからも絶えず必要となることは間違いないです。

IT業界以外でもスキルを活用できる

飲食業界では、総合的な人気商品や時間ごとの売れ筋をもとに、提供するものを変更するなどの施策を打ちます。

またメディカル業界では、過去の健康データを集め、治療法や予防策を至適化します。

このようにデータを味方につける能力は、IT以外の会社でも必要とされるのです。

データサイエンティストのデメリット

データサイエンティストにはいい面もあれば、もちろんデメリットも存在するものです。

分析や予測は複雑で困難

正確な結果を得るには、ややこしいアルゴリズムや統計手法の理解は避けられません。

またデータの欠損や正誤にも気を使う必要があり、突き詰めれば永遠に作業ができてしまいます

さらに未来の不確実性にも向き合うため、100%の成果の担保はあり得ません

このように分析や予測はかんたんではないので、念頭に置くことが大切です。

高度な統計学の知識が必須

データサイエンティストの能力は、「数学・統計学・機械学習の知識」に依存します。

これらの能力がないと、どれほど優れたツールを使っていても、分析結果を正しく解釈できません

また一定のエンジニア力も伴ってないと、高度なAIなどを作ることは不可能

それらの勉強に時間を投じる必要があるのは、デメリットです。

成果を実感するまで時間がかかる

いくら正確で効き目のある施策を打っても、すぐに数字が跳ね上がることはありません

プロジェクトの規模にも左右されますが、結果が見えるまで数ヶ月から数年かかることも。

結果を急ぐ方にとっては、モチベーションを持続させるのは難しいかもしれません。

データサイエンティストの平均年収相場

平均年収は、おおよそ699万円です。

これを月収にすると約58万円、日給で約18,000円となり、平均的な日本人のサラリーマンの年収と比べても高いことが明白です。

参考:求人ボックス

とはいえデータサイエンティストなら、必ずしもこの基準に該当するとは限りません

会社の大きさ、また過去の功績や肩書の有無でダウンすることもあるので、覚えておきましょう。

データサイエンティストの需要や将来性

データサイエンティストには、多大な需要と将来性があると見込んでいいでしょう。

将棋や掃除ロボット、自動運転などの特化型AIは、生身の人間の能力を超越している現状です。

ゆくゆくはAIが全盛期を迎え、同時にデータサイエンティストの認知もさらに進むでしょう。

一方で、「AIに仕事を奪われるかも」という懸念をもっている方もいます。

たしかにビッグデータの処理や分析はAIの得意領域ですので、その可能性は低くはないです。

ただデータサイエンティストは、結果を第三者に報告したり、将来的なタスクを立案することも職務のうち。

補助的な役割としてAIは進みますが、人間の仕事は消えないと思って良さそうです。

データサイエンティストに向いている人の共通点

データサイエンティストになって活躍するのは、どのような人でしょうか。

ここでは、その人たちがもつ3つの共通点を解説します。

数学的に考えるクセをもっている

数字や統計について強い興味があり、それらの扱いに慣れている、もしくは好む人を指します。

データの品質や量を見極め、数学的に多方面から考える能力が試されるので、ビジネスの方向性立案の局面などで存分に活かせることでしょう。

数字や結果を分析したり調査するのが好き

まさに数字や結果を分析して調査する職業なので、これに興味を持っているとなれば、非常に強い適正を持っているといって差し支えありません。

分析後は、ビジネス上の数字の貢献のためにどう施策を練るべきかも策定しなければならないので、長期戦になることもしばしば。

その課程を好んで堪能できる感覚をもつ方は、データサイエンティストにふさわしいです。

ひとつのことに対する集中力が高い

データサイエンスは大量のデータと向き合い、長時間にわたる処理に追われることも多い職業。

データを集めることに1日を費やすケースもあることから、集中力の高さはなくてはならない要素です。

一点集中でひとつのことにのめり込むタイプの方は、この職業で継続的に活躍できる素質をもっています。

データサイエンティストならもっておきたい資格

資格は絶対に必要なものではないですが、もつことで知識を深められるうえ、あらゆるシーンで重宝します。

データベーススペシャリスト試験

IPAが提供する国家資格として、知名度とニーズの両面で、安定した高い地位を築いています。

スペシャリストを名乗るに恥じない基本原理や開発・操作手法、さらに収集や分析に欠かせないSQL文など、データベースに取り付く内容が完全網羅。

合格率が2割前後とすこし困難ではありますので、念入りな対策でチャレンジしてください。

統計検定

「日本統計学会」が提供しているもので、習熟度合いごとの難易度区分が次のように5つ設定されています。

  • 4級
  • 3級
  • 2級
  • 準1級
  • 1級

このうち、データサイエンスの基本に該当するのは、準1級です。

ちなみに2級は、大学で学ぶ統計の基本レベル。

ゼロから着手する方なら、2級からチャレンジしてみるのも手です。

基本情報技術者試験

ITの基本セクションを幅広くまとめた内容ですが、データサイエンスに関わる際に有用です。

システム設計や経営戦略などの分野で、統計学も範囲として入っているためです。

公式で過去問題が公開されており、さらに模試サイトも存在するので、有効活用して挑みましょう。

未経験からデータサイエンティストになるには

未経験からでも、データサイエンティストとして就業することができます。

実現に必要なフローに、次の3つがあります。

必要なIT言語を身に付ける

まずプロジェクト、および成し遂げたい条件に沿ったIT言語を選んで、吸収していくこと。

プログラムの知見は分析のプロセスで役に立つ部分が多いので、有効に活用できます。

たとえば実際にプログラミングを駆使する場面、論理的な考え方が求められる場面などです。

すでに何らかのITの言語を取得している方は、次項に進んでください。

統計関連の基礎を学ぶ

データサイエンティストの実力は、数学力や統計力で決められます。

統計の経験がなく、これから初めて触れる方であれば、前項で述べた統計検定2級から着手してください。

こちらは統計はもとより、数学的な考え方を鍛えるのにもうってつけです。

データサイエンティストの勉強方法

データサイエンティストは、あらゆる難しい学問が要求されるので、どこから勉強するべきか悩ましいです。

ここでは、その再現に向けた勉強法として適している手段を紹介します。

資格を獲得する

試験勉強に着手すれば、データサイエンスに要求される分析力・統計力・数学力が一挙に身に付きます。

手始めの学習として、たいへん適していると見て間違いありません。

さらに見事合格すれば、信頼性や内定率アップに寄与してくれるので、迷っている方ならなお検討の余地があります。

統計が学べるネット教材を活用する

こちらも資格とおなじく、データサイエンスに必ず要求される数学力や統計力が一挙に吸収できる手段です。

しかし資格と異なる点は、受講者が挫折しないような施策が練られていること。

作り込まれたプログラム、学習しやすい環境、受講グループとの交流など、一人では乗り越えるのが困難なことがあらかじめ考慮されているので、迅速に就業を実現できます。

まとめ:データサイエンティストはやりがいに満ちた職業!

データサイエンティストには特定の専門知識、さらに忍耐力も要求されるため、誰でもできる簡易的な職業ではありません。

とはいえ世間的なビッグデータ拡大も相重なり、日を増すごとに需要を高めているのが実状です。

問題を検出して解決のために意味のあるデータを引き出し、ビジネスに貢献するデータサイエンティストは、紛れもなくやりがいに満ちた職業で、多くの魅力が詰まっています

未来の技術革新に関わるチャンスを掴む観点でも、チャレンジする価値は大いにあるでしょう。

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