満を持してCCNA試験に挑むも、残念な結果となってしまい、現実を受け入れがたいほどの悔しい思いをしている方は決して少なくないでしょう。
一発合格できるならそれに越したことはありませんが、「一度落ちてしまったあとに、どのように行動するか」が、その後の結果を大きく変えることになります。
今回の記事は、CCNA試験で涙を飲んでしまった方に向け、不合格の原因、そして2度目の再試験で必ず合格するための対策を紹介します。
ぜひ参考のうえ、再試験に役立てていただければ幸いです。
そもそもCCNAは容易な試験ではない
一発合格を目指して自信をもってCCNAに挑んだ結果、残念な結果に終わってしまうと、なかなか辛いものです。
しかし、そもそもCCNAはそれほど容易な試験ではありません。
現に合格率は、毎年20~30パーセント程度。
IPAが運営するIT国家資格「基本情報技術者」の合格率がおおよそ23~27パーセントなので、これと同等の難易度といえます。
一般的に、合格率が30パーセントを下回るものは「難関資格」と言われるので、CCNAに関しても例外ではありません。
CCNAに落ちてしまう理由
CCNA試験に落ちてしまう原因には、大きく次のようなものがあります。
自分の経験と照らし合わせながら、ご覧ください。
全体的に学習時間が足りていなかったから
まず、学習時間が確保しきれていなかったことが、原因のひとつです。
CCNAは、約200時間の勉強時間が必要とされています。
仮に毎日2時間勉強すると仮定すると、約3ヶ月と10日、それを継続する必要があります。
もしその学習時間を確保できていたなら、その勉強時間に見合う「学習の質」がよくなかったということです。
逆に、200時間の勉強に満たない人でも、勉強の質や効率がよければ、合格を勝ち取れる場合もあります。
勉強時間は目安にすぎず、費やした時間と効率性が明暗を分けるということです。
インプット中心の学習をしていたから
インプット中心の学習は、いわゆる「効率のよくない学習」と言われています。
試験において最終的に求められるのは、アウトプット力だからです。
たとえばサッカーのリフティングの理屈を、何時間も座学で勉強していたとしても、実際にやってみなければ上達することはありません。
試験対策もこれと同じで、勉強して知識ばかり取り入れるあまり、「解く力」を鍛えることを怠ってしまうのはよくあることです。
理解ではなく「暗記」をしていたから
こちらは「勉強の質」に関することですが、過去問題を解く際に、理解ではなく「丸暗記」をしてしまうパターンも多いです。
問題文と選択肢だけを見て、パッと解答を導くことができる能力は、たしかに試験対策として有効です。
しかしながら、これだけで合格できるほど、CCNAは甘い試験ではありません。
必ずしも昨年の過去問題とおなじ問題文で出題されるとは限らないからです。
問題文と解答を暗記したら、「なぜその答えになるのか」を気にしない限り、なかなか理解できません。
そして、その理解ができないと、合格は遠いと思っていいでしょう。
コマンド問題の対策が不十分だったから
「コマンド問題」への対策が不十分なのも、CCNAに落ちるひとつの原因です。
コマンド問題とは、シスコ製システムの各種設定を行うための問題のことをいいます。
こちらはコマンドをしっかり理解かつ暗記していないと、点がまったく取れない分野といっても過言ではありません。
中途半端なうろ覚えで迷ってしまっても、時間が迫ってしまうだけなので、CCNAの中でも「鬼門」のひとつとされています。
自己分析が足りていなかったから
「自己分析が足りていない」というのは、「過去問題を解いて終わり」の学習をただただ繰り返している勉強法のことです。
試験対策はただがむしゃらに数を打つだけでは、まったく意味のない時間の浪費となってしまいます。
つまり過去問題を解いたあとは、
- どの分野のどんな問題を間違えたのか
- 本当にわからなかったのか、ケアレスミスなのか
- なぜ、間違えてしまったのか
- 傾向として、自分はどの分野に苦手意識があるのか
といったことを、じっくり分析するのは必須。
これができず、ただ過去問を繰り返す人は少なくありませんが、これでは丸暗記とおなじです。
CCNAの出題形式に不慣れだったから
CCNAは答案用紙と鉛筆を用いたマークシート式ではなく、コンピューターを用いた「CBT方式」となっています。
ディスプレイに設問が表示され、マウスおよびキーボードを用いて回答するので、自宅でやっていた模擬試験とはまったく違う形式に違和感を感じてしまう方は多いです。
またCBT方式は、「わからない問題を飛ばす」ということも不可能なので、それがいらない焦りを招いてしまうこともしばしばあります。
試験時間の配分が不完全だったから
言わずもがな時間配分も、試験の結果を左右する重要な要素となります。
CCNAの問題数は、全部で103問程度あります。
そして試験時間は2時間となっているので、ひとつの問題にかけられる時間は約1分と数秒です。
それをわかっていても「わからないことに悩み、考えている時間」は、思いのほか過ぎるのが早いもの。
時計を見ずにウンウン悩んでいるようでは、残りの問題に着手できないまま、あっという間に試験時間が終わってしまいます。
CCNA2度目で必ず合格するための対策
2度目のCCNA試験に合格するために、行うべき具体的な対策は次の6つとなります。
学習時間を捻出する
学習時間を1秒でも短縮するために、効率のいい学習ばかりをいくら追い求めていても、あまり大きな成果は期待できません。
「成果=効率×時間」という言葉もあるように、効率ももちろん大切ですが、かける時間も大切ということです。
仕事はもちろんスポーツや芸術の世界でも、一流の方や成果を出す方は、効率的な学習や練習に加え、膨大な時間を投じています。
仕事で疲れていても、無理のない程度に自分を律して、学習時間を確保する努力をしましょう。
アウトプット量を増やす
2度目の再試験に向けた対策でしたら、アウトプットメインの学習にシフトしましょう。
試験で落ちてしまう理由のひとつに、「アウトプット不足」が挙げられます。
今回残念な結果となってしまった試験も踏まえ、過去問題をひたすら解く学習方法に切り替えてください。
そこで分からなかったこと、および解けなかった部分のみ学び直す(インプット)という形式にしたほうが、はるかに効率がいいでしょう。
解答に「なぜ?」と疑問をもつ
「なぜその解答になるのか」に興味をもって、深掘りしてみるのも、再試験の対策にはもってこいです。
CCNAは出題範囲が広いため、「ひとつの解答に疑問をもつ時間がもったいない」といって、わからない部分を諦めてしまう方は少なくありません。
たしかにわからない問題を捨て、理解できそうな部分を選定し、その分野に注力するのは決して間違いではないでしょう。
とはいえ、理解できない分野をしっかり深掘りして考えてみると、他の分野と考え方やロジックが共通している部分もあり、点だった知識が線でつながることもあります。
なので1度目の試験で涙をのんでしまった方は、不明点の深掘りに時間をかけるのも有効な対策です。
コマンドは実機やツールで学ぶ
コマンドは、シスコが提供している実機で学ぶに越したことはありません。
実際に現物に触りながら学ぶことで、感覚的に理解でき、頭でしっかり覚えることができるようになるからです。
コマンド問題はしっかりとした理解と暗記が伴っていないと、解くことは難しいです。
そのせいもあってか配点も高く設定されているので、本気で2度目の再試験に合格したい方なら、実機を手にとってみるのもひとつでしょう。
どうしても手に取ることが難しい場合は、「Cisco Packet Tracer(シスコパケットトレーサー)」というPCアプリケーションがリリースされているので、ぜひインストールしてみてください。
自分の苦手な分野を把握する
再試験対策として過去問題集を繰り返すも、とくに振り返りをせず、最終的な点数にしか着目しない方は少なくありません。
過去問題集をいくら反復していても、「自己分析」を怠っているようでは、再試験で合格することは難しいです。
再試験で確実に合格したいなら、
- 自分の苦手な分野はどこなのか
- なぜ、この分野を間違えやすいのか
- 克服するためにはどこをどう覚えるといいか
といったことを、思考する必要があります。
CCNA専門のスクールを検討
確実に再試験に受かるためには、CCNAに特化したITスクールを活用してみるのも手です。
スクールを活用することで、自力では得ることができない
- 学習の効率化
- より深い理解
- モチベーションの向上
などのメリットが得られます。
CCNA特化のスクールで、具体的におすすめなのは「活学ITスクール」です。
IT知識はもちろん、PCの経験もゼロの「超入門者」に寄り添った、CCNA取得をゴールに掲げているスクールとなっています。
学習スケジュールも平日と土日から好きなほうを選ぶことができ、無理のない学習が実現可能。
加えて、資格取得後のキャリアでどうしていくべきか、社会での有用なアドバイスも受けながら学んでいけるので、資格合格以外にも転職しやすいなどの特徴があります。
もちろん無料のカウンセリングも設けているので、まずは自分に合うか否かを確認してみるといいでしょう。
CCNAに落ちたときに注意すべきこと
CCNAで臨むような結果にならなかったとき、覚えておきたい注意点は次のとおりです。
得意・苦手分野を選別しない
「得意分野」と「苦手分野」は、なるべく選別しないことが望ましいでしょう。
CCNAは試験範囲が広く、なおかつすべての分野から均等に出題されるからです。
特定の分野を理解することで、他の分野の理解が深まることもあります。
選り好みせず、バランスよくすべての分野をインプットするようにしてください。
なるべく早いうちに2度目の試験に挑む
2度目の試験は、なるべく早めに挑むことを推奨します。
2度目の試験までの期間が空いてしまうほど、
- 完璧な状態になるまでズルズルと再試験対策を続けてしまう
- せっかく学んで覚えたことを忘れてしまう
- 試験の雰囲気を忘れてしまう
などのデメリットがあるためです。
とくに「期限を設けない勉強」ほど、非効率かつモチベーションが続かない勉強法はないといっても過言ではありません。
なので落ちたことがわかった地点から1〜3ヶ月後以内など、期限を決めて再試験に申し込んでしまうのがいいでしょう。
自己否定しない
記事前半でも述べているように、CCNAは決して簡単な試験ではありません。
合格率は20〜30パーセントであり、つまり7〜8割の方が、あなたと同じく悔しい思いをしているということです。
自己否定してもひとつもメリットはなく、むしろ資格試験以外の部分にも悪影響をもたらします。
まずは果敢にチャレンジした自分をしっかり褒め、「次は受かる」というポジティブなマインドを維持することが大切です。
CCNAに落ちた際の再試験の申し込み手順
ここでは、CCNAをもう一度受けるときの申し込みの手順について解説します。
6日間待った後、1度目同様に申し込みを行うだけなので、再試験だからといってとくに難しい手続きは必要ありません。
手順①試験日から6日間待つ
CCNAの再試験には、試験日から6日間、間を空ける必要があります。
1度目の試験が終わってから6日間の間は、再試験の申し込みを行うことも不可能です。
1度目の試験の反省を踏まえて勉強したり、もしくは2度目の試験に向けてリフレッシュするのもいいでしょう。
手順②ピアソンVUEから試験の種類を選ぶ
6日間待ったらピアソン公式サイトにログインし、試験の種類を選択しましょう。
公式サイトにある表記名は、「シスコ認定ネットワーク アソシエイト(CCNA)」となっています。
手順③テストセンターかリモートかを選ぶ
ページ下部にスクロールすると、試験オプションとして
- テストセンターで直接対面
- OnVUEを使用したオンライン
のどちらかを選択する項目が出てきます。
テストセンターへ実際に会場に足を運んで試験を行う方式です。
一方のOnVUEを使用したオンラインとは、自宅でオンラインで試験を受ける方式です。
どちらを選んでも、とくに問題ありません。
手順④:再試験の日にちと時間を選択する
試験言語を選び、プライバシーポリシーに同意したら、再試験の日にちと時間をセッティングする項目が出てきます。
テストセンターで試験を受ける際、土日は混雑することから、直近の予約が取りにくいことが多いです。
直近で受けたいならなるべく平日に、土日でないと難しいなら、なるべく早めに試験の予約を済ませてしまいましょう。
手順⑤:クレジットカードで支払いを完了させる
試験の日程を入力したら、支払い情報の入力画面が表示されます。
試験の種類、会場、日にちに誤りがないことを確認したら、クレジットカード番号を入力し、支払いを完了させましょう。
支払いの完了と同時に、試験の予約が完了します。
なお、支払い方法はクレジットカード以外は非対応なので、注意しましょう。
まとめ:失敗は成功の元!2度目の試験で合格しよう!
CCNAは半数以上の人が落ちてしまう難関資格のひとつです。
一発合格に越したことはないですが、実現できなくても決して嘆くことはありません。
自己否定することなく、まずはがんばって挑戦した自分を褒めて、再試験対策をまたがんばっていきましょう。