ディープラーニングはAIの一分野として注目を浴びています。
近年、医療、自動運転、エンターテインメントなど、さまざまな分野での応用が進められています。
この技術の進化とともに、学習リソースも増えてきました。
本記事では、ディープラーニングの学び方、おすすめの書籍、そして学習時の注意点について詳しく解説します。
この記事はこんな人におすすめ!
ディープラーニングに興味があるけれど、どの本から学び始めるべきか迷っている方、効果的な学習手順を知りたい方、Pythonや機械学習の基礎を深めたい方に、本記事は大いに役立つでしょう。
具体的な書誌情報を交えながら、各レベルに適した本と学習方法を紹介します。
ディープラーニングとは?
ディープラーニングは、人間の脳のニューロンの働きを模倣したニューラルネットワークを用いて、大量のデータから特徴を学習する技術です。
従来の機械学習手法とは異なり、ディープラーニングはデータの特徴を自動で抽出します。
これにより、画像や音声などの複雑なデータを高精度で処理することが可能となりました。
ディープラーニングの技術はニューラルネットワークの層を深くすることで、より複雑な特徴を捉えることができるので、この「深さ」がディープラーニングの名前の由来となっています。
ディープラーニング学習の前提知識
ディープラーニングを学ぶには、いくつかの前提知識が必要です。
Pythonの基礎、数学の知識、機械学習の基礎、データベース・データモデリングについての理解が求められます。
Pythonはディープラーニングの実装に広く利用されているプログラミング言語です。
Pythonのライブラリやフレームワークを使用することで、ディープラーニングのモデルを効率的に構築することができます。
数学の知識としては、線形代数や微分積分、確率統計などが必要です。
これらの数学的背景は、ディープラーニングのアルゴリズムを理解する上で欠かせません。
機械学習の基礎知識も重要です。
ディープラーニングは機械学習の一部として位置づけられており、その基本的な概念や手法を理解しておくことが求められます。
データベースやデータモデリングの知識は、データの収集や前処理に役立ちます。
ディープラーニングの学習には大量のデータが必要となるため、これらの知識は非常に重要です。
本で学習できることとそうでないこと
書籍はディープラーニングの基本的な概念や理論を学ぶのに非常に適した手段です。
多くの書籍では、初心者から上級者までの内容が網羅されており、自分のレベルに合わせて学習することができます。
また、書籍には実際のデータセットを使用した実践的な例やチュートリアルが掲載されていることがあるのも嬉しいポイントです。
一方で、書籍だけでは得られない経験や知識もあります。
例えば、実際のプロジェクトでの経験や、業界の最新トレンド、研究論文での新しい技術や手法などは、書籍だけではカバーしきれません。
また、ディープラーニングの分野は日々進化しており、書籍の内容が古くなる可能性も考慮する必要があります。
そのため、書籍と併せて、オンラインのリソースや研究論文、セミナーやワークショップなどを利用して、常に最新の知識を更新していくことが重要です。
おすすめのディープラーニング本
ディープラーニングは近年の技術革新として注目を集めている分野の一つなので、この分野に関する書籍も増え続けています。
しかし、その中で本当に価値のある書籍を見つけるのはなかなか難しいものです。
特に、ディープラーニングの初学者や、この分野に興味を持ち始めたばかりの人にとっては、どの書籍から手をつけるべきか迷うことも多いでしょう。
ここからは、ディープラーニングを学ぶ上で役立つ書籍を、目的別やレベル別に分けて紹介します。
【入門編】知識がなくても読める入門書
ディープラーニングに興味を持ったものの、どこから始めればいいのかわからない…そんな方々のために、まずは知識がなくても読める入門書を紹介します。
高度な数学やプログラミングの知識がない方、学生やビジネスマンでもディープラーニングの基礎を掴むことができる本になっています。
これらの入門書を読めば次のステップや学びたい方向が明確になり、ディープラーニングの学習をスムーズに進める手助けとなるでしょう。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
- 著者: 松尾 豊
- 出版社: KADOKAWA/中経出版
- 出版年: 2015年3月11日
特徴: 本書は、人工知能、特にディープラーニングの技術とその将来についての考察を深く掘り下げています。
現代のAI技術の進化とその社会への影響、そして人間との関係性についての議論が中心です。
特に、ディープラーニングがもたらす「気づき」の革命や、その技術が人間の仕事や価値観にどのような影響を与えるのかについての考察が含まれています。
また、日本のトップクラスの研究者による、人工知能の歴史や現状、未来についての詳しい解説も特徴的です。
この本は、ビジネスパーソン、ITエンジニア、経営者など、AIや機械学習に興味を持つすべての人々に向けて書かれており、入門書として非常におすすめです。
高校数学からはじめるディープラーニング 初歩からわかる人工知能が働くしくみ (ブルーバックス)
- 著者: 金丸 隆志
- 出版社: 講談社
- 出版年: 2020年4月16日
特徴: 本書はディープラーニングの背後にある数学に焦点を当て、その仕組みと機能について詳しく解説しています。
高校数学の知識を基に、ディープラーニングに関連する数学の知識を学ぶことができます。
特に、偏微分に関する基本的な内容から必要な部分を解説しています。ディープラーニングの「ブラックボックス」とされる部分を理解するための書籍で、数学を学びながらディープラーニングの仕組みを理解することが目的です。
【ビジネスに活かせる】ディープラーニングの活用事例を知る書籍
ディープラーニングは、技術的な側面だけでなく、ビジネスの現場での実用性も非常に高い技術として注目されています。
このセクションでは、ディープラーニングがどのようにビジネスの現場で活用されているのか、具体的な事例を通じて紹介する書籍をピックアップしています。
これらの書籍を読んで、ディープラーニングの可能性や、自社のビジネスにどのように取り入れることができるのかを考えてみましょう!
業界別! AI活用地図 8業界36業種の導入事例が一目でわかる (AI&TECHNOLOGY)
- 著者: 本橋 洋介
- 出版社: 翔泳社
- 出版年: 2019年11月6日
特徴: 本書は、金融、流通、製造、インフラなどの8業界36業種におけるAIの導入事例、各業種でのAIの活用方法や親和性についての情報を豊富に掲載しており、ビジネスのアイデア創出や実装のノウハウについても詳しく解説されています。
さらに、本書では購入者特典として8業界36業種におけるAIの導入事例を解説した鳥瞰図をダウンロードして活用することができます。
AIの導入を検討しているビジネスパーソンや、業界別のAI活用事例に興味がある方に向けた内容です。
ディープラーニング活用の教科書
- 著者: 日本ディープラーニング協会 (監修), 日経クロストレンド (編集)
- 出版社: 日経BP
- 出版年: 2018年10月25日
特徴: AIは研究から実用フェーズへと移行しており、ディープラーニングの活用が急速に広がっています。
本書では、国内35社のディープラーニングを活用したビジネス事例を体系的に取り上げ、先駆者が直面した課題や苦労したポイントを詳しく解説しています。
ディープラーニングの発展予測や、具体的な活用事例を通じて、そのインパクトを理解することができるでしょう。
いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本 人気講師が教える仕事に AI を導入する方法 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)
- 著者: 韮原祐介
- 出版社: インプレス
- 出版年: 2018年3月26日
特徴: 本書はビジネスパーソンを対象に「機械学習・ディープラーニングとは」、「機械学習プロジェクトのメンバ体制」、「機械学習プロジェクトの進め方」を解説しています。
機械学習プロジェクトの全体像を学びたい人に向けた内容で、著者のビジネス経験をベースに、各フェイズでの注意点や実践的な導入方法が詳しいです。
基礎知識がなくても読み進められる構成となっており、入門書を読んだ後に理解を深めるのに適しています。
世界のトップ企業50はAIをどのように活用しているか? (AI&TECHNOLOGY)
- 著者: バーナード・マー, マット・ワード
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 出版年: 2020年10月23日
特徴: 本書はグーグル、マイクロソフト、アマゾンなどのテクノロジー企業から、小売、食品、エンタメ、金融、医療、製造業などの多様な業界における世界のトップ企業50社のAI戦略を詳細に紹介しています。
各企業のAIアプローチや成功の要因、ノウハウについて詳しく解説されており、ビジネスリーダーやAI導入を検討している企業にとっての貴重なガイドブックとなっています。
仕事ではじめる機械学習 第2版
- 著者: 有賀 康顕, 中山 心太, 西林 孝
- 出版社: オライリージャパン
- 出版年: 2021年4月23日
特徴: 本書は、機械学習技術の基本的な解説から、ビジネスでの機械学習の活用方法までを詳しく解説しています。
特に、従来のITシステムと機械学習システムの違いや特性に焦点を当てており、ビジネスでの機械学習活用の際の注意点やノウハウが詳しくまとめられているのが特徴です。
初版の発行後に登場した新しい概念や課題についても取り上げられており、最新の情報を得ることができます。
機械学習の基礎知識がないと少し難しい内容となっておりますが、実際のビジネスの現場での活用方法や注意点を学ぶことができる一冊です。
【エンジニアを目指す】初心者の学習におすすめの書籍
ディープラーニングのエンジニアとしてのキャリアを目指す方々のために、初心者が基礎からしっかりと学べる書籍を紹介します。
ディープラーニングの基本的な概念やアルゴリズム、実際のプログラミング技術など、エンジニアとしてのスキルを磨くための知識を網羅的に学ぶことができる書籍をセレクトしています。
ゼロから作るDeep Learning
- 著者: 斎藤 康毅
- 出版社: オライリージャパン
- 出版年: 2016年
特徴: Pythonを使用してディープラーニングの基礎を学ぶことができる書籍です。
具体的なコードを書きながら、ディープラーニングの基本的なアルゴリズムやニューラルネットワークの構造を学べるのが大きな特徴です。
ゼロから作るDeep Learning 2 自然言語処理編
- 著者: 斎藤 康毅
- 出版社: オライリージャパン
- 出版年: 2018年
特徴: ゼロから作るDeep Learningの続編で、この書籍は自然言語処理に特化しています。
テキストデータの処理方法や、自然言語処理の基本的なアルゴリズムを詳しく学べるのが特徴です。
Pythonと実データで遊んで学ぶ! はじめてのディープラーニング
- 著者: 株式会社ロジッキー
- 出版社: 技術評論社
- 出版年: 2018年
特徴: Pythonを使用して、実際のデータを使ってディープラーニングを学ぶことができる書籍です。
初心者向けに、ディープラーニングの基礎から応用までをわかりやすく解説しています。
【中・上級者編】おすすめの書籍
すでにディープラーニングの基礎を持っている方や、さらに高度な技術を習得したい中・上級者のための書籍を紹介します。
深層学習の先端技術、応用技術など、専門的な内容を深く掘り下げた書籍をピックアップしています。
深層学習
- 著者: イアン・グッドフェロー、ヨシュア・ベンジオ、アーロン・クービル
- 出版社: 株式会社共立出版
- 出版年: 2017年
特徴: ディープラーニングの基礎から高度な内容までを網羅した入門書です。
著者たちはディープラーニングの分野での第一人者として知られており、その知識と経験をもとに、中級者から上級者までの読者がディープラーニングの本質を理解するためのガイドとして執筆されています。
ディープラーニングの教科書
- 著者: 岡谷 貴之
- 出版社: 講談社
- 出版年: 2017年
特徴: ディープラーニングの高度な理論とその実装に関する内容を網羅しています。
最新の研究動向や高度なアルゴリズムの実装方法など、中級者から上級者向けの内容となっています。
パターン認識と機械学習 上
- 原著タイトル: Pattern Recognition and Machine Learning (略称: PRML / 黄色本)
- 著者: C.M. ビショップ
- 監訳: 元田 浩, 栗田 多喜夫, 樋口 知之, 松本 裕治, 村田 昇
- 出版社: 丸善出版
特徴: 本書は、機械学習の理論を深く学ぶための書籍で、特にベイズ理論をベースとした統一的な視点からの解説が特徴です。
機械学習の初心者向けではなく、理論的な数式展開を追いながら学びたい読者に向けて書かれています。
英語版は2006年に出版され、amazon.comの人工知能部門でのトップセラーとなりました。
日本語版は、5名の監訳者のもと、14名の日本人研究者によって訳出されています。
パターン認識と機械学習 下 (ベイズ理論による統計的予測)
- 著者: C.M. ビショップ
- 監訳: 元田 浩, 栗田 多喜夫, 樋口 知之, 松本 裕治, 村田 昇
- 出版社: 丸善出版
- 出版年: 2012年2月29日
特徴: 本書は、ベイズ理論に基づいた統計的予測技術を中心に、機械学習とパターン認識の理論を深く学ぶための書籍です。
下巻では、上巻の基礎的な内容をさらに発展させ、サポートベクトルマシン、カーネル法、ベイジアンネット、グラフィカルモデル、EMアルゴリズム、変分ベイズ法、MCMC法、次元削減、時系列の扱い、ブースティングなどの高度な手法を詳しく解説しています。
目標を立てて学びたい!資格試験対策の本(G検定)
ディープラーニングの知識を証明するための資格試験が増えてきています。
試験に合格することで、自身のスキルを証明するとともに、キャリアアップの一助とすることができます。
ここでは一番最初の目標として目指しやすいG検定(ジェネラリスト)の内容や出題範囲、対策のポイントなど、合格を目指す方々のための情報が詰まった書籍をセレクトしていますので、参考にしてくださいね。
ディープラーニング G検定公式テキスト
- 著者: 日本ディープラーニング協会
- 出版社: 技術評論社
- 出版年: 2019年
特徴: 日本ディープラーニング協会が公開しているG検定の公式テキストです。
ディープラーニングの基礎知識から、実際の業界での応用例まで幅広くカバーしています。
G検定の受験対策としても最適な内容となっています。
ディープラーニング活用の教科書 実践編
- 著者: 日本ディープラーニング協会 (監修), 日経クロストレンド (編集)
- 出版社: 日経BP
- 出版年: 2019年10月25日
特徴: ディープラーニングをビジネスに生かす知識を問われる同協会のG検定(ジェネラリスト)の推薦図書です。
ディープラーニングの実際のビジネスへの活用事例を紹介しており、特に「ディープラーニングビジネス活用アワード」の受賞6プロジェクトを詳細なケーススタディで取り上げています。
日本ディープラーニング協会理事長の松尾豊氏による「ディープラーニング技術年表」も収録。
ディープラーニング学習のステップとポイント
ディープラーニングを効果的に学ぶためのステップと、その際のポイントを解説します。
目標の設定と計画
学習の目的を明確にし、それに基づいた計画を立てることが重要です。
例えば、画像認識のアルゴリズムを学びたい、自然言語処理の基礎を理解したいなど、具体的な目標を設定しましょう。
基礎知識の習得
ディープラーニングの基礎知識や、必要な前提知識をしっかりと習得することが大切です。
このステップでは、上述の「ディープラーニング学習の前提知識」の項目を参考にしてください。
実践プロジェクトの選定と進行
理論だけでなく、実際のプロジェクトを通じてディープラーニングの技術を身につけることが重要です。
公開されているデータセットを使用して、実際の問題解決に取り組むことで、理解が深まります。
不足知識の補強
学習を進める中で、不足している知識やスキルが見えてくることがあります。
その都度、必要な知識を補強することで、より高度なディープラーニングの技術を習得することができます。
重要なのは、途中で投げ出さないという事です。
ディープラーニングについてよくあるQ&A
ディープラーニングに関するよくある質問と、それに対する回答を紹介します。
Q:Python以外のプログラミング言語でディープラーニングは学べますか?
はい、Python以外にもRやJuliaなどのプログラミング言語でディープラーニングを学ぶことができます。
しかし、Pythonはディープラーニングのライブラリやフレームワークが豊富に存在するため、最も一般的に使用されているため、Pythonをおすすめします。
Q:ディープラーニングの学習において最も重要な要素は何ですか?
ディープラーニングの学習において最も重要な要素は「データ」です。
質の良いデータを多量に用意することで、モデルの精度を向上させることができます。
Q:自宅でディープラーニングの学習環境を構築するために必要なものは?
ディープラーニングの学習環境を自宅で構築するためには、高性能なGPUや十分なメモリを搭載したPC、ディープラーニングのフレームワークをインストールするためのソフトウェアが必要です。
また、インターネット環境も重要です。
まとめ
ディープラーニングは、その応用範囲の広さから多くの人々に学ばれています。
本記事では、ディープラーニングを学ぶためのおすすめの本や、効果的な学習手順について紹介しました。
初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせた学習が可能です。
ディープラーニングの世界に挑戦し、新しい知識やスキルを身につけてみてください。