日々忙しく働いている社会人の方なら、誰しも「仕事に行きたくない」と思ってしまうものです。
しかし、そんな方に対し「そんなの甘えだ」という意見があることも事実。
そのような意見を鵜呑みにして、我慢を続けて心身を崩してしまう方もいます。
今回は「仕事に行きたくない」という気持ちは甘えかどうか、また心身が疲れているときのサインおよび対処法についてご紹介します。
- 会社に行きたくなくなる根本的な原因がわかる
- 心身の疲弊のサインがわかり、うつを防げる
- 疲れたときの正しい対処法、やってはいけないことがわかる
仕事に行きたくないのは甘え?【No】
まず結論ですが、仕事に行きたくないと思うのは、甘えではありません。
毎日忙しく働いている以上、行きたくないと思ってしまうのはごく自然なことです。
中には、「仕事に行くのが楽しい」という方もいるでしょう。
しかしその気持ちを、どんな日でも毎日キープできる人はいません。
どれほど仕事にポジティブな気持ちをもった人でも、どうしても漠然と「行きたくないなぁ」と感じる日はあるものです。
「仕事に行きたくない!」と感じてしまう理由
この章では、会社に行きたくなくなってしまう、よくある理由を5つに分けてご紹介します。
周囲の従業員との関係がよくないから
会社に行きたくなくなる理由として、もっともよくあるといっても過言ではないのが「人間関係」でしょう。
組織の一員としてはたらいている以上、100%どうしても「合わない人」は存在するからです。
いくら自分がよかれと思ってやったことでも、他人にとっては迷惑だったりなど、価値観や感じ方の違いで、関係にズレが生じます。
その小さなズレの積み重ねで疲れてしまい、会社に行きたくなくなってしまいます。
仕事の成果が出ずに叱責されているから
仕事でなかなか結果が出ず叱責されてしまうことも、行きたくなくなる理由として挙げられます。
誰しもが結果を求め、自分という存在をもっと認めてもらうために、日々努力や試行錯誤を積み重ねています。
しかしそれでも結果が実らなければ、自分の無力さに嫌気がさすものです。
加えて叱責などされてしまえば、モチベーションを保つのも難しくなるでしょう。
仕事で成果を出すことは、簡単なことではありません。
粘っても粘っても結果が出ないと、会社へ行くのが億劫になるのは当然のことです。
仕事内容に不満があるから
会社に行きたくなくなる理由として、「仕事内容への不満」も挙げられます。
具体例としては、以下のようなものです。
- 本当にやりたい仕事ではない
- 面接で言われていた業務内容とずいぶん違う
- 締め切り時間と仕事量を考えるときつすぎる
伝えられていた内容との乖離があったり、あまりにもハードな業務を日々こなしているようでは、精神的に辛くなってしまいます。
また現職以外にやりたい仕事がある場合も、会社に行くモチベーションはどうしても薄れてしまうでしょう。
仕事量に見合った報酬が得られないから
仕事量に見合った報酬が支払われないことも、会社に行きたくなくなってしまう理由のひとつです。
たとえば組織の一員として働いていると、「ラクな仕事とハードな仕事、どちらをやっていても給料はおなじ」という状況は往々にしてあります。
さらに、残業代の一部を支払わない「みなし残業制度」などもこれに該当します。
いくらやりがいがあって気持ちよく働ける環境であっても、働くうえで「報酬」は大切です。
納得できる報酬が得られていないと、会社に行く気が失せてしまうのは当たり前です。
時間外労働が多く休養がとれていないから
残業や休日出勤などの「時間外労働」に追われ、休養が十分でないと、行きたくないという気持ちに直結します。
仕事を続けていくうえで、「モチベーション」はとても重要な要素です。
人間には「感情」があるので、ロボットのように永遠に淡々と仕事を続けることはできないからです。
この「モチベーション」は、労働と休養のバランスがしっかり取れていないと、保つことが難しくなります。
もし「行きたくない」という気持ちになったら、ハードな労働で休養が足りていない可能性が高いでしょう。
なぜ仕事に行きたくないのは甘えと言われる?
会社に行きたくなくなってしまうのには、あらゆる理由があります。
それなのに「そんなのは甘えだ」という意見があるのはなぜなのか、この章でご紹介します。
仕事の中身や悩みなど「事情」をわかっていないから
「仕事に行きたくなくなるなんて甘え」という人は、仕事の内容および特有の悩みなどをわかっていないことが大半です。
人間関係はもちろん
- 理不尽でハードな仕事内容
- 報酬の未払い
- 休日出社
など、会社それぞれにいろんな「つらさ」があります。
「甘え」という人は自分の理解している範疇でしか、仕事の中身を想像できません。
「相手の悩みを理解したり、共感する能力に乏しい人の意見」と考え、気にしないことがいちばんです。
まだ「我慢が美徳」という価値観が残っているから
「我慢することこそが正義」といった価値観は、まだ現代日本にも根強く残っています。
これが「会社に行きたくないなんて甘え」などと言われる要因のひとつです。
これは特段、X世代(1965〜1980年ころに生まれた方)や、年配の方に限った話ではありません。
現代のあらゆるドラマやアニメでも、「主人公が我慢強く努力して目的を達成する設定」は多く、その影響もあるでしょう。
しかし現実的に考えると、人間ができる「我慢」には限度があります。
我慢して目的を達成できればいいですが、それ以上に自身の心身を大切にするほうがよっぽど賢明です。
【注意】甘えでなく本当に心身が疲弊しているときの前ぶれ
この章では、心と体が疲れているサインを紹介します。
本章で紹介していることに該当している場合、「甘え」ではなく本当に疲れているので、要注意です。
仕事に行くのが嫌で寝付けられない
「次の日の仕事が憂鬱でなかなか眠れない」という場合は、心身が疲れていると考えていいでしょう。
入眠ができないということはリラックスができていない、すなわち過度なストレスが影響していると考えて差し支えないからです。
睡眠がまともに取れないと逆にストレスは増幅するため、悪循環に陥ってしまって非常に危険といえます。
なるべく早めに、何かしらの対策を行うほうがいいでしょう。
職場が近づくと胃が痛くなる
職場が近づくと胃が痛くなるのも、わかりやすい「疲れ」や「ストレス」のサインといえます。
自身の体と心が、会社に対して拒否反応を起こしている証拠だからです。
ここで「こんなの甘えだ!耐えないと!」と我慢を続けると、改善どころかエスカレートしていく可能性が極めて高くなります。
健康に直接影響している部分であることに加え、資本となるのは体です。
早めに休むことをおすすめします。
職場で愛想笑いすらできなくなる
「笑えなくなってしまう」のは、心が疲弊している証拠として知られています。
とくに会社で愛想笑いすらできないレベルになると、過度な疲れが蓄積していると考えていいでしょう。
人間の心の疲れは、表情にもしっかりわかりやすく現れるものです。
「辛いときこそ笑おう」という考え方も素敵ですが、ある程度根本となる原因や、改善のための行動を考えるのが得策といえます。
お腹が空かず食べ物が喉をとおらない
お腹が空かなかったり、食べ物が喉を通らなくなったら、本格的に疲れが蓄積していると考えて差し支えありません。
ストレスが少なかったり、リラックス状態にあるほど、正常にお腹が空くものだからです。
逆にストレスや疲れがたまり、緊張状態でリラックスできていないタイミングでは、体は食べ物を受け付けにくいです。
たとえば資格の試験直前やスポーツの試合前といった、戦いの前の状況では、お腹は空きません。
戦闘が終わるとリラックス状態になり、とたんにお腹が空きます。
すなわちお腹が空かないということは、ストレスによりリラックスができていない状態です。
体調を考えると、「決していい状態」とはいえません。
身体や肌に異変があらわれる
からだのどこかに異変があらわれるのも、過度な疲れが溜まっている証拠です。
よくある「からだの異変」として具体的に挙げられるのは、
- 肌荒れ
- 抜け毛
- じんましん
- 口内炎
といったものです。
体のどこかに普段あらわれない異変が出たということは、体がストレスに耐えきれなくなっている証拠です。
これを無視して放っておくと、のちのち大きな病気につながる可能性が高くなります。
仕事に行きたくないと感じたときの対処法
会社に行きたくなくなってしまったとき、とるべき方法をご紹介します。
根本的な理由などをノートに言語化する
行きたくないと思う理由をあぶり出し、ノートに言語化しましょう。
もやもやした気持ちを言語化することで、ストレスの緩和につながるからです。
具体的には
- なぜ行きたくないのか
- 誰のどの行いがイヤなのか
- 業務内容のどこが不満なのか
- どうなれば気が済むのか
といったことを、ありのまま、思いつくままに書くことがおすすめです。
「毎日できる楽しみ」をこまめに実践する
会社に行きたくないなら、何かしら「毎日の楽しみ」を見つけ、実践することをおすすめします。
会社に行きたくなくなるということは、休養やリフレッシュが足りていない可能性が高いためです。
毎日できる楽しみは、なるべく以下のようなものがいいでしょう。
- 読書
- 料理
- 有酸素運動
逆に
- ギャンブル
- お酒
- ゲーム
といった楽しみは依存性があるうえ健康にもよくないため、どちらかというとおすすめしません。
入浴・食事・睡眠など健康管理をする
ストレスが溜まっている状態でこそ、健康管理に気を使うことは重要です。
生活習慣が乱れていることが原因で、ストレスが溜まりやすくなることは多いからです。
具体的にやることとしては、
- お湯を張って入浴する
- 栄養バランスを考えて食べ物をえらぶ
- 良質な睡眠に投資する
などがいいでしょう。
「ストレス解消のために、深夜までヤケ酒」などは、かえってストレスを増幅させる原因になります。
社内外の信頼に足る人に相談する
会社に行きたくなくて悩む人は、「ひとりで抱え込む」傾向が多いです。
ひとりで悩むからこそストレスが溜まり、うつのような状態になってしまいます。
対策としては、信頼できる人に相談しましょう。
社内の同僚や先輩でも、もしくは社外の友人や家族でもいいでしょう。
とにかく「弱っているときこそ、周りにもっと頼る」ことを心がけてください。
まとまった休日をもらってリフレッシュする
有給や休職などを利用し、休日を設けて思いっきりリフレッシュする方法です。
友人や家族を誘って旅行に行くなど、「まとまった休日でないとできない非現実」を存分に楽しむのがいいでしょう。
ただ、いくらストレスが溜まっているとはいえ、無断欠勤したり、会社に迷惑がかかる休みの取り方をするのはいけません。
まとまった休日は従業員みんなが欲しがっているので、慎重に話し合って決めることが大切です。
転職して環境を変える
どうしても行きたくない気持ちが改善しないなら、転職して環境を変えるのも賢明な選択でしょう。
環境を変えることで仕事も人間関係もリセットし、新しい気持ちで仕事をスタートさせることができます。
近年では転職もカジュアルな選択肢です。
ただ大きな決断となるので、自分自身とよく相談してから決めるようにしてください。
仕事に行きたくない人向けの転職エージェント
この章では、会社に行きたくない人が利用するべき転職エージェントをご紹介します。
活学キャリア
活学キャリアは、PCスキルがまったくない初心者向けの転職エージェントです。
需要の高い難関資格「CCNA」が獲得できることが最大の特徴となっており、合格率も90%を超えるなど、高い水準を誇ります。
他のエージェントと比較しても初心者に親身に寄り添う姿勢に定評があるため、会社に疲れてしまった方にもおすすめです。
doda
dodaは転職サイトと転職エージェント、両方の用途で利用できるサービスです。
専任のコンサルタントから急かされることもなく、自分のペースでじっくりと求人を探せることがポイントです。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、事業規模と求人数ナンバーワンのエージェントです。
その豊富な求人数が最大のメリットで、会社に疲れてしまった方でも、理想の求人が必ず見つかります。
仕事に行きたくないときやってはいけない行動
最後に、「会社に行きたくなくなったときに、やると後悔してしまう行動」を紹介します。
気持ちを押し殺して出社する
「行きたくないなんて甘えだ!」と気持ちを押し殺し、無理して出社するのはおすすめできません。
基本的に「一定の度を超えた我慢は意味がない」といっても過言ではないからです。
この場合ネガティブな気持ちになったら、正直に自分と向き合って原因究明をしたほうが得策でしょう。
「行きたくない」には、かならず何かしらの理由があります。
解決のためにひとりでがんばる
会社に疲れ、行きたくなくなってしまうことを、ひとりで解決させようとがんばることも、逆効果になる可能性が高いです。
誰にも頼らずひとりで抱え込むことは、うつ病の原因にもなりかねません。
ひとりでがんばるよりも、誰かに相談したり、共有しましょう。
誰かに話を聞いてもらうことは、ストレス解消として非常に有効だからです。
本格的に助けを求める必要はなく、ただ話を聞いてもらうだけのスタンスで十分です。
社内でも社外でもいいので、信頼できる誰かに話すことで、想像し得ない形で解決につながることもあるかもしれません。
逃げるように会社を辞める
どれほど会社に対してストレスが溜まっていても、逃げるように辞めるのは避けたほうがいいでしょう。
理由は以下のとおりです。
- 会社に迷惑がかかる
- よくない噂が広がる可能性もゼロではない
ろくに引き継ぎもせず会社を辞めたあかつきには、そのぶん罪のない誰かが苦労します。
また「逃げるように即日退職した」という噂が、別の企業の誰かに伝わることもないとは言えません。
世の中は意外と狭く、どこで誰がどのようにつながっているかわからないもの。
敵は作らないに越したことはないので、円満退社を目指しましょう。
まとめ:仕事に行きたくないなら甘えるのもOK!
「会社に行きたくなくなってしまうなんて、甘えだ」と思っている人は、いまだに一定数いることは事実です。
とはいえ考え方は人それぞれで、あくまでその人は「我慢が美徳」と思っているだけ。あなたがそういった人の意見を100%鵜呑みにする必要はありません。
誰かの意見はあくまでも誰かの意見で、もっとも大切なのは、自分の心身やメンタル、モチベーションとなります。
それを維持するためなら「甘える」ことだって、賢くて立派な選択肢です。
なるべく我慢せず、自分の正直な気持ちと向き合って、最善の対策を試すことをおすすめします。