朝目が覚めると、「仕事に行きたくない」と感じ、自然と涙が出てきてしまう。
本記事にたどり着いた方の中には、そうした状況に陥ってしまっている方もいるかもしれません。
そこで今回は、「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまうことについて、その原因や対処法、そのほかにも確認しておきたい体調の変化や退職の是非について解説していきます。
辛い状況にいらっしゃるかとは思いますが、是非とも本記事を参考に冷静に自分を見つめ直し、後悔のない選択をしてみてください。
「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまうのは限界を超えているサイン
はじめに、「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまうのは限界を超えているサインの可能性が高いです。
結論から言うと、心身ともに既に非常に深刻な状況に陥っていると言えるでしょう。
涙の正体は、ここから発せられたSOSであり、「辛い」「助けて」「一度休みたい」 といった気持ちを体現してくれていると考えられます。
そうした限界状況において、自らの心身に蓋をしてそれ以上に頑張り続けてしまうと、うつ病や適応障害などさらに症状を悪化させてしまうことにも繋がります。
後悔したり、自分を情けなく思ったりしてしまう気持ちも十分にわかりますが、まずは現状を正しく理解することが大切です。
ここから紹介する以下の項目を参考に、一度冷静に自分を見つめ直してみてください。
「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまう原因は?
それではここからは、「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまう原因について見ていきましょう。
職場の人間関係
会社という組織で働いている以上、上司や部下・同僚や顧客といった人間関係は避けては通れません。
それぞれ異なる人間同士、合う・合わないはあるかと思いますが、ごく身近にいる人との相性が良くない場合、決定的な何かがなくてもジワジワとストレスを感じてしまうというケースも多いでしょう。
そのような状況において、長期化すれば徐々に心身が疲弊し、ある日突然涙が出てきてしまうといった可能性も十分にあり得ます。
パワハラやセクハラを受けている場合はもちろんですが、それ以外の通常の人間関係においても、ストレスによる被害は往々にしてあるということを理解しておきましょう。
職場環境や業務内容・待遇
また、職場環境や業務内容や待遇によって心身が疲弊してしまうことも大いに考えられます。
例えば労働時間や責任の大きさに見合わない給料額だったり、あまりにも高すぎるノルマを課されていたりするなど、劣悪な労働環境の元で働いている人も残念ながらまだまだ多いと言えます。
そのような環境では、気分転換できるプライベートの確保はおろか、休息も十分に取れないことでしょう。
なんとか気力で自分を奮い立たせていても、自然と限界はやってきます。そうして体からSOSが発信されたのが、「自然と涙が出てきてしまう」という症状なのです。
仕事のミスやトラブル
また、仕事においてミスやトラブルもつきものです。
上司や同僚・顧客に迷惑をかけてしまうと、自責の念に駆られる人も多いはず。責任感が強い人ほど自分を責めてしまったり、ミスを必要以上に悔やんでしまったり、あるいは自分自身の存在を否定してしまったりしてしまいがちです。
また、例え大きなミスを犯していなくとも、緊張感で張り詰めた環境に身を置いていると、それだけで多大なストレスを感じてしまいます。
仕事のミスやトラブル、あるいは責任感もまた、心身を蝕む要因のひとつです。
仕事に行きたくなくて朝に泣いてしまう時の対処法は?
それでは、仕事に行きたくなくて朝に泣いてしまう時の対処法はあるのでしょうか。
病院を受診する
やはりまずは、病院を受診することを強くおすすめします。
「何か内臓に不調があるのではないか」と内科を受診する人も多いですが、「朝になると自然に涙が出る」といった場合には精神科・心療内科を受診するようにしましょう。
精神科・心療内科と聞くと少し抵抗感を覚える人もいるかもしれませんが、「涙が出る」といった場合には間違いなく精神科・心療内科の症状に該当します。
そのような抵抗感や何かしら感じる心の壁は、心身の不調を回復するために必要のないものですので、ぜひ身構えることなく病院を訪れてみてください。
精神科・心療内科では、薬による薬物療法だけではなく、カウンセリングなども積極的に行っています。
自身の考え方や認知の歪みを見つめ直すきっかけにもなりますので、これからより長きに渡って活躍するためにも、非常に有意義な経験になるはずです。
休職して仕事から離れる
休職して仕事から離れてみることもおすすめです。
休職することに何か罪悪感や申し訳なさを感じる方も多いかもしれませんが、今後より一層輝くために、一度休んで自分を見つめ直してみることは非常に大切な時間です。
ずっとやってみたかったことをする、行きたかった場所に行ってみる、思う存分寝るなど、とにかく自分の好きなように時間を過ごしてみましょう。
休職するには、病院に行って診断書を書いてもらうのが一番の方法です。
また、金銭面での不安を感じる人もいるとは思いますが、保険や国の福祉制度によって、休職中もある程度の額は保証される場合がほとんどでしょう。
休職の是非や金銭面の相談も含めて、是非とも一度病院に相談してみてください。
異動願いを出す
また、人間関係や労働環境が変わることで仕事に行きたくない原因を取り除くことができる場合においては、異動願いを出すことも有意義な選択肢のひとつです。
同じ会社でも、部署を異動して取り巻く環境が変われば心持ちも大きく変化するはず。部署によって残業時間や風土も違いがあるかと思いますので、心身のストレスを感じることなくフレッシュな気持ちで働くことができるかもしれません。
転職を考える
「異動が厳しい」「異動しても今の会社では働き続けることが難しそう」という場合には、転職を考えるのもおすすめです。
辛さを抱えながら、なんとか耐え抜いて頑張り続ける必要はありません。体と心に適度なゆとりを持って、やりがいや楽しみを感じる職場で働いた方がパフォーマンスも上がるはずです。
ひとつの企業に就職していると、どうしても世界は限定的なものに見えてしまい、他の世界が見えにくくなってしまいます。
しかし世の中には働き方が無数にあり、あなたの会社だけが唯一の世界ではありません。
あなたがあなたらしく輝ける場所は、ほかにもきっとあるはず。転職は自分が生き生きと過ごすための、非常に有意義な選択ともなりえるでしょう。
朝に泣いてしまう以外にも確認しておきたい体調の変化
ここからは、朝に泣いてしまう意外にも確認しておきたい体調の変化について見ていきます。
睡眠不足・寝つきが悪い
心身の不調は、睡眠の問題へ直結します。
心身が疲れている人は、睡眠不足だったり、寝つきが悪かったりする場合も多いでしょう。また反対に、過眠してしまうといったケースも珍しくありません。
良い睡眠が得られていないと、集中力や判断力の低下につながったり、あるいは睡眠不足を原因としてさらに心身の不調を呼び起こしてしまったりすることもあります。
食欲不振・過食
また、心身の不調は食欲にも大きく影響を与えます。
食欲不振や過食といった状況も、心身の不調を表す代表的な症状です。食事が正しく摂れないと、こちらもまたそれを引き金にますます心身のリズムが乱れていくことが予想されます。
体が重い・だるい
体の重さやだるさを感じる場合も、心身が疲れている証拠でしょう。
しっかりと睡眠をとっているはずなのに疲れが取れない、といった場合も、精神的に負荷がかかっている状態だと考えられます。
体の重さやだるさはついつい軽視してしまいがちな症状ですが、うつ病の初期症状でもこうした気だるさを感じることがありますので、決して見逃すことができない状況であると言えるでしょう。
やる気が出ない
また、仕事だけではなく日常生活全般においてもやる気が出ないとしたら、それもまた心と体が疲弊しきっている証拠です。
特に、今まで楽しめていた趣味が楽しめなくなっていたり、親しい友人や恋人と会うことが億劫になってきたりした場合には要注意です。
軽度のうつ病が進行していることが想定されますので、早めの受診を検討してみてください。
仕事に行きたくなくて朝に泣く人が退職しても良い理由
それではここから、仕事に行きたくなくて朝に泣く人が退職しても良い理由について解説していきます。
仕事よりも自分の健康が大切だから
そもそも仕事というのは自分の人生を豊かなものにするためのものであり、自分の健康を害してまで仕事を続ける意味はありません。
もちろん仕事を一生懸命にすることも、生きがいにすることも決して悪いことではありません。
しかし、自分を壊してまで無理して働き続けていては、本末転倒になってしまいます。
また、体を壊しながら会社に行っていては、自分だけではなく周りの家族や同僚にも心配をかけてしまうでしょう。
自分自身が健やかで幸せに生きるために、退職という選択肢は決して間違いではないのです。
昨今転職は普通のこととなってきているから
また、昨今の転職に対する考え方の変化も、退職を後押しできる要因となっています。
人によっては「ひとつの会社に長く勤めるべき」「転職は良いことではない」という価値観を持っている人もいるかもしれませんが、今どき転職は珍しいことでも悪いことでもありません。
業界によっては積極的に転職を推奨しているところもあり、現代における転職は至って普通の出来事です。
転職市場を見ても、昔に比べてはるかに転職しやすくなっており、「ちょっと環境を変えてみたい」という気軽な気持ちで職を変えている人も多くいます。
時代の流れからも後押しされていることから、仕事によって体に無理が生じた際には、壁を感じることなく転職も積極的に視野に入れてみましょう。
職場が人手不足になっても自分の責任ではないから
仕事を退職したいけれど決心がつかないと考えている人の中には、「自分がいなくなれば周りに迷惑をかけてしまう」との思いを抱えている人も多いことでしょう。
しかし、仮にあなたが抜けたことで職場が人手不足になったとしても、それは自分の責任ではありません。
従業員一人が退職したくらいでは、案外会社はうまく回っていくものです。
あなたの人生はあなたのものです。必要以上に責任感を負うことなく、自分の都合で退職の選択をしてみましょう。
国の制度である程度のお金は担保されるから
さらに、金銭面の不安から退職に踏み切れていない人も多いことでしょう。
しかし現代の日本では保険制度や福祉制度が整っており、失業手当金など一定の期間は国からの補助金で生活を維持できる程度のお金は賄ってもらえます。
また、「涙が出る」など心身に支障をきたした場合の休職においては、1年半ものあいだ「傷病手当金」が支払われ、こちらもまた生活を維持できる程度の金銭は確保できます。
金銭的な負担を減らしながら、ゆっくりと時間をかけて次の職を探せる制度が整っていますので、是非とも金銭的な不安を考えずに、退職の判断をしてください。
退職・転職を考えた際に注意しておきたいこと
それでは最後に、退職・転職を考えた際に注意しておきたいことを確認していきます。
長期的なメリット・デメリットを考える
退職・転職を考える際には、長期的なメリット・デメリットをしっかりと考えてから結論を出すことが大切です。
精神が混乱している最中には、どうしても現在の感情に偏った判断をしてしまいがちかと思います。
しかし現実として、職を変えるということは人生におけるひとつの大きな転換点でもあり、今後の人生にも影響を与える決断です。
現在の仕事にやりがいを感じていないのか、今の会社では本当に長期的に働けないのか、他に実現したいキャリアプランがあるのかなど、一度長期的なメリット・デメリットを熟考した上で結論を出すことをおすすめします。
ひとまず休職してじっくり考えることもおすすめ
先述した通り、精神が混乱している最中には、どうしても冷静な判断がしにくくなると言えます。
そこで、ひとまずは休職して、仕事や人生についてじっくりと考える時間を作ることは非常におすすめの方法です。
休職は、1週間などの短い期間ではなく、3ヶ月、半年、1年といった長いスパンでのお休みをもらって、しっかりと心落ち着かせて考えることが大切です。
医者から貰える診断書があれば、会社はこうした休みを受け入れなくてはならない仕組みになっています。
長期的な休みをもらうためにも、先述の通りまずは病院へ通院してみることがやはりおすすめの手段であると言えるでしょう。
退職の相談は仕事に関係ない人にする
退職の相談は、仕事に関係ない人にする方が無難です。
会社のことを相談するなら上司や同僚の方がいいのでは、と思われる方もいるかもしれませんが、どうしても会社の内側の人間に相談するとバイアスがかかってしまいます。
また、想定外に噂が広がって、退職の相談をしたくない人にまで情報が行き渡っている、というような状況にもなりかねません。
退職の相談は、できるだけ仕事に関係のない友人などに相談することを心がけると良いでしょう。
無断欠勤や連絡せずに退職することは避ける
退職を決意した際には、無断欠勤や連絡せずに退職をすることは避けましょう。
不安定な精神状態の中、退職に関する諸々の手続きを踏むことは非常に辛いことであると思います。
しかしなんとかここだけは頑張って、綺麗に職場から離れるためにも、また適切な制度や福祉を受けるためにも、正しい手順を踏んで退職するように心がけましょう。
退職に関する引き止めについて
「退職したい」と申し出ると、会社から引き止められることも多いと思います。
会社にデメリットがあったり、上司にデメリットがあったりとその理由はさまざまなことが考えられますが、しかしいずれの理由においても自身の健康以上に大切なものはありません。
特に今回のような「朝に泣いてしまう」といったケースにおいては、仕事によって自身の健康に著しい影響が出ていること、またその症状を直接伝えればほとんどの場合においては退職が認められると考えられます。
また、労働は個々人の権利であり、法律上、仕事を辞めたいと思っている労働者を強制的に所属させ続けることはできません。
もし仮に強引な引き止めにあったとしても、退職するかどうかの権利はこちら側にありますので、健康上の理由を主に会社側を説得する運びとすれば良いでしょう。
仕事を辞める理由については、こちらで詳しく解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「仕事に行きたくない」と朝に泣いてしまうことについて、その原因や対処法、そのほかにも確認しておきたい体調の変化や退職の是非について解説しました。
是非とも本記事を参考にご自身の心身の不調を正確に捉え、後悔のない適切な処置・手続きを取ってください。