将来性のない業界は?先行きが厳しい業界の共通点を解説

就職や転職を考えている人なら、将来性のある業界や好調な業績にある仕事に就きたいと思うのではないでしょうか。

先行きが見通せない不安な情勢である現代は、安定して収入を得たいと考える人も多いはずです。

本記事では将来性のない業界を9つ挙げました。

将来性のある業界とない業界を知って、就職や転職先の選択に役立ててください。

目次

将来性のない9つの業界

将来性のない業界を9つ挙げました。

就職や転職の際に参考にしてください。

銀行・保険

銀行や保険の金融業界は、将来性のない業界に挙げられます。

銀行は、低金利を背景に収益源となる利ざやを稼ぎにくい状況です。

保険は、少子高齢化による労働人口の減少で、安定的な業績をあげるのが厳しい状況にあります。

収益性を上げるために今後も人員の削減や店舗の統廃合による経費削減は続くでしょう。

実店舗からネットへの移行、窓口業務や査定のチェック作業などはAIに置き換わっていくかもしれません。

飲食・サービス

飲食やサービス業界は周りの環境を非常に受けやすいこともあり、新型コロナや急激な物価高による食材の高騰で大きな影響を受けています。

さらに人手不足による採用難や賃金上昇による人件費の増加は課題です。

また、人口減少によって需要は低迷しています。

デリバリーやテイクアウトのサービスが充実し、自宅でも食事ができるようになり外食需要の減少が見られました。

消費者の価値観が変化して多様化したということもあり、これまでのビジネスモデルが通用しなくなったことも要因の一つです。

鉄道・航空

コロナ禍で鉄道や航空業界は人々の動きが制限されたことで大きな打撃を受けています。

航空業界にとっては、観光客や訪日客の需要が大きく減少してしまいました。

今後は回復が見られますが、他にも燃料の高騰や、脱炭素に向けた動きなど多くの課題が山積しています。

鉄道業界は日本の人口減少によって利用者数も減少し、需要の低迷が続いています。

さらに在宅勤務が定着したことで定期券による運賃収入も減少しました。

設備の保守や点検の費用が高額で課題となっており、鉄道会社の経営は苦戦が強いられるでしょう。

出版

出版業界は厳しい状況が続いています。

書店の経営は特に厳しく2005年から比べて4割程度減少しました。

デジタル技術の急速な進化によって電子書籍が普及し売上は伸びていますが、対して紙媒体の発行数は大幅に減少しています。

他にも、物流費の高騰、返品率の高止まりなど多くの課題があります。

インターネットでの情報発信が拡大し、書籍以外のコンテンツに多くの需要が集まりました。

出版業界はこの変化に対応できず苦戦を強いられ、出版物に対する消費者の関心が低下していることも大きな課題となっています。

宿泊

近年は海外からの観光客を中心に利用者が拡大し、宿泊業界は成長していきました。

しかしコロナ禍の影響で急激な需要減少に直面し、稼働率の低下で苦境が続いています。

また日本の人口は減少傾向にあり、特に若年層の減少によって国内の旅行需要は低下しています。

今後、宿泊業界は競争が一層激化すると見られビジネスモデルの転換が必要でしょう。

コストの削減のため最近では、フロントや清掃業に自動化や機械化が取り入れられています。

フロント業務は単純でパターン化しやすいため、タッチパネルや自動精算機での処理が可能な機械化しやすい業務の一つです。

旅行

旅行業はパンデミックによるインバウンド需要の減少で大きな打撃を受けました。

制限が解除され観光客も戻ってきましたが、インバウンド需要に頼りすぎたビジネスモデルの転換期を迎えています

特に店舗型の大手の旅行会社では、大幅な店舗削減や人員のリストラを強いられました。

会計士・弁理士・税理士などの士業

士業は資格を取得して働く高度な仕事ですが、一部は縮小することが予想されます。

会計士、弁理士、税理士などは事務的で定型的な仕事も多いためAIに代替されやすい傾向にあります。

例えば、税理士や会計士は個人事業主や企業を相手に確定申告に関する仕事が主なものです。

申告書類の作成、財務諸表の分析といった定型業務と、経営者や事業主とコミュニケーションをとる非定型業務があります。

定型業務はAIに代替される可能性が高いため、業務の多くが縮小されるでしょう。

製造

製造業が富を生む時代は終わり、残っている製造業も自動化が進んでいくと考えられています。

AI技術が発達し、作業は機械にとってかわられるようになり人員削減は進んでいくでしょう。

また、シェアリングやサブスクリプションといった新たなサービスに価値が生まれ、モノを保有する時代から使用する時代へと移り変わりました。

ただし、製造業界のすべてに将来性がない訳ではなく、半導体や医薬品といった品目は需要が高いため将来性はあります。

公務員

窓口業務はオンライン化が進み縮小される可能性が高い仕事です。

RPA(Robotics Process Automation:ロボットによる業務の自動化)の導入によって人員削減の傾向にあります。

行政サービスのデジタル改革も進められていて、手続きのオンライン化、電子政府ポータルの整備、デジタル署名の制度などが挙げられます。

将来性のない業界の5つの共通点

将来性のない業界の5つの共通点を解説します。

AIやロボットで代替される可能性が高い

AIやロボットをはじめとした最新の技術によって、仕事が代替される可能性が高い業務は将来性がない業界といえるでしょう。

例えば、労働力の一部がロボットや自動化システムに代替されれば人の手は必要なくなります。

またAIによって業務プロセスが自動化されれば、作業や仕事に人間は必要ありません。

特別なスキルや専門性を必要としない

特別なスキルや専門性を必要としない仕事は自動化されやすいため、将来的になくなる可能性が高いといえます。

AIやロボットでは代替が難しい特別なスキルが求められるようになるでしょう。

需要が減少している

需要が減少傾向にある仕事は将来性のない業界と言わざるを得ません。

市場競争が激化して、顧客ニーズは常に変化しています。

需要が減少すれば、業界全体の収益性も低くなり企業は存続の危機にさらされます。

これらの企業は人員削減や倒産のリスクが高くなるでしょう。

需要が減少している業界は将来性がないとされます。

離職率が高い

離職率が高い業界は将来性のない業界と言えるでしょう。

高い離職率は、従業員が会社に長期的に留まりにくいということでありさまざまな要因として引き起こされます。

例えば、労働環境が悪い、給与や福利厚生が十分ではない、職場のストレスが多いといった場合があります。

しかし、結婚や妊娠などのライフイベントがあったから、キャリアアップを見越した転職といった理由もあるため、離職率が高いから将来性がない仕事であると一概に言い切れませんが、要素の一つとして参考にしましょう。

社会情勢の変化に対応しにくい

社会情勢の変化や流行によって需要の高低が激しく対応がしにくい業界は将来性が不透明になりやすい傾向にあります。

新型コロナウイルスによる感染症の流行で大きく打撃を受けた業界がありました。

また急激な円安や、物価の高騰に対応できない業界も少なくありません。

今後も人口の減少や気候変動、規制緩和など社会情勢が大きく変動することは続くでしょう。

その時々の社会状況に対応できなければ、安定して働ける業界とは言えません。

将来性のある業界7選

将来性のある業界を7つ選びました。

それぞれの業界について、将来性のある業界として選んだ理由を解説していきます。

カウンセラー

メンタルヘルスの重要性が近年では高まっていることから、カウンセラーは将来性があると考えられます。

ストレスや不安、孤独感を抱える人が非常に多くなっているという現状があるからです。

企業や学校でのメンタルヘルスへの対策の強化や、カウンセリングサービスの利用拡大によって、今後も需要は拡大していくでしょう。

医療・福祉

少子高齢化の進展にともなって、医療や介護、福祉の分野は今後も需要が増えるでしょう。

高齢化で医療や介護のニーズは増加します。

医療技術や機器類の進歩もあって、高度な医療が求められる時代です。

医療、福祉の現場では人材不足が問題であり、業界全体では需要が続き発展していくでしょう。

医療や福祉の現場では対話を通じて不安を緩和させることも重要な役割です。

AIでは十分なコミュニケーションは難しいため、今後も置き換わることはないでしょう。

クリエイティブ

クリエイティブ業界には、デザイン・アート・音楽・映像などさまざまな分野が含まれます。

これらの分野は人間の感性や創造性を活かす分野です。

抽象的な概念や考えの表現はAIにはマネができない分野であるため、クリエイティブ業界は今後もなくなることのない将来性がある業界といえます。

教育

教員や教育サービスを中心とした教育業界の需要は今後も需要は続いていくと予想されます。

少子化が急速に進み児童や生徒の数は減少を続けていますが、より良質な教育を望むニーズは高まっています。

またオンライン教育が浸透しつつあり、時間や場所にとらわれず多様な教育コンテンツにアクセスできるため、オンライン教育を提供する企業や教育機関は今後も注目を集めるでしょう。

コンサル

企業への戦略提案や課題解決でコンサルティング業務をおこない、システム導入などのIT支援も手掛けています。

特に企業のDX関連の業務の需要はさらに伸びていくでしょう。

テレワークやリモート会議の整備などデジタル化が進んでいない企業は日本にはまだまだたくさんあるからです。

データ分析やITを活用したビジネス改革といった新たな領域でのコンサル需要は今後も増えていくでしょう。

農業

生きていく上で欠かせない食に関する農業や漁業は、将来性があると言えます。

機械化やAIの導入が積極的に進められていますが、高齢化や後継者不足が深刻です。

生産性の向上や労働力不足の解消につなげる取り組みとして、テクノロジーの活用で担い手の負担軽減は可能でしょう。

しかしすべてを自動化に対応させることは簡単ではありません。

消費者の健康意識の高まりで有機栽培や減農薬栽培などの環境に配慮した農作物の需要が高まっています。

地域資源を活用した地産地消、安全で安心な食糧の生産のニーズの高まりといった将来性のある産業と言えます。

IT

デジタル化が進展していく中でIT分野は、今後も需要が増加すると考えられます。

IT技術を活用したサービスやプロダクトはこれからもニーズは高まるためです。

先端技術のAIやロボット技術の進化によって、業務の自動化が進んでいます。

高度な業務の自動化が実現可能となり、効率的で高品質なサービスが提供できるようになってきているため、AI分野は将来性が明るいでしょう。

将来性のある業界の3つの共通点

将来性がある業界には共通点がいくつかあります。

3点挙げましたので、それぞれについて解説していきます。

景気に左右されず安定している

将来性がある業界として、景気に左右されずにいつの時代でも安定していることが挙げられます。

人が生活する上で不可欠な業界は社会的な意義も大きく、国や自治体から支援を受けやすいためです。

例えば、ライフラインに関わるインフラや医療機関、教育や福祉などが挙げられます。

需要が安定しているため長期的な視点で事業計画を立てやすく、景気に左右されない経営が可能です。

需要が高い

社会的な問題となっている少子高齢化や気候変動に関する業界の需要は今後も高いと言えるでしょう。

時と場所によって需要となる業界や産業は変化を続けるため、常にアンテナを張ってトレンドを理解しニーズを把握しておくことが大切です。

AIに置き換わりにくい

技術の進歩は近年目覚ましいものがあり、特にAIの進化は急速に進展しています。

これまで人間にしかできなかった仕事でもAIが対応できるようになった業務も増えています。

人間がおこなうよりもAIに任せた方がスピーディーで正確な仕事は多いかもしれません。

「AIが人間の仕事を奪ってしまうのではないか」という議論も盛んにされており、AIに置き換わりにくいかは一つの将来性のある業界の基準といえるでしょう。

将来性のない業界か判断する3つの方法

将来性のない業界もしくは将来性のない企業を見分ける方法を3つ解説します。

就職先や転職先の選定に役立つでしょう。

会社の口コミをよく確認

自分が転職や就職したいと思った会社の口コミを評判サイトで確認することをおすすめします。

企業が公開する求人情報や求人票には、あくまで企業側が考えたものであるため、一般的にはポジティブな情報が多く掲載されます。

外部企業が運営する口コミサイトには、社員やすでに退職済みの人から寄せられる情報です。

実際の職場の環境や雰囲気、待遇面など詳細な情報が得られるでしょう。

求人を出している頻度を確認

求人を頻繁に出している企業は注意してください。

従業員の離職率が高い可能性があるからです。

このような企業では、人材育成がうまくいっていない場合もあります。

人材が育たないので日々人手不足に悩まされ、求人を頻繁に出さざるを得ません。

また、短期的な目標を優先して、長期的な成長戦略が欠けている場合も考えられます。

ビジョンや計画が明確になっていないため経営が安定していないと言えるでしょう。

転職エージェントに相談

自分で調べるだけではわからないことも多いはずなので、転職エージェントへの相談もおすすめします。

転職エージェントは転職に関するさまざまなサポートをしてくれるサービスです。

職場の雰囲気や応募者の適性までを判断して自分に合っていなかったり、将来性がなかったりという企業を見極めてくれます。

将来性のある業界に就職する方法

将来性のある業界に就職するための準備として、「業界や職種の動向をリサーチ」「自分のスキルや経験の棚卸し」があります。

それぞれについて解説します。

業界や職種動向をリサーチ

興味を持った業界や職種の動向をリサーチしましょう。

積極的に情報収集して、自分にあったキャリアアップを目指すことが大切です。

業界や職種の情報はインターネットで簡単に入手できます。

業界の専門誌やブログ、SNSなどを活用してトレンドや最新動向をリサーチしましょう。

自分のスキルや経験を棚卸し

自分の強みややりたいことが何であるか確認するために、スキルやこれまでの経験の棚卸しが大切です。

スキルや実績をまとめることで、自分の長所を生かせる仕事を客観的に考えられます

経験を整理することで自分に合う仕事や労働環境を判断する基準が明確となるでしょう。

将来性を見極めて有利な就職につなげよう

本記事では将来性のない業界について解説しました。

将来性のない業界、ある業界にはそれぞれ共通点が存在します。

安定した仕事先を得るために、目指した業界に将来性があるかどうかは重要でしょう。

総合的に分析して見極め、有利な就職につなげてください。

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