保育士から転職する場合、自分に合った職種を選ぶことが重要です。
適切な職種を選ばなければ、転職を繰り返すことになるかもしれません。
本記事では保育士が転職する際におすすめの職種を7つ紹介します。
保育士資格を活かした転職先や転職を成功させるコツも解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
保育士から転職を考える7つの理由
令和2年12月に実施された厚生労働省の『保育分野における職業紹介事業に関するアンケート調査』によると、保育士の退職理由は以下のとおりです。
- 人間関係:32.7%
- 仕事内容に不満:25.1%
- 休暇が取りづらい:21.9%
- 勤務時間が長い:21.7%
- 評価制度や給与に不満があった:20.4%
- 雑務が多すぎる:13.5%
- 募集時の条件と異なる:12.5%
参考:保育分野における職業紹介事業に関するアンケート調査 | 厚生労働省
スキルマニアのこちらの記事では、元保育士の退職理由を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
人間関係
人間関係を理由に挙げた方は3人に1人となり、トップを占めています。
上司や同僚との関係性や、ハラスメントに関する問題など、人間関係の悩みは保育士に限らず多くの職場で挙げられるのではないでしょうか。
保育士は女性が多いため、同性特有のいざこざに巻き込まれることも多いようです。
自分の接し方を変えることで相手との関係性に変化をもたらす場合もありますが、どうしても解決が困難な場合には転職で解決を試みてもよいでしょう。
仕事内容に不満
保育園の方針に自分の価値観が一致しないことから転職を考える方も多いようです。
明らかに効率的で良い方法を提案しても、これまでのやり方にとらわれ新たな意見を取り入れないような風潮が強い職場であれば強いストレスを感じてしまいます。
特に若い保育士であるほど、古い慣習を変えられない園に対して不満を抱えているようです。
ただし伝え方ひとつで方針が変わる可能性もあります。
可能な限りできることを実施しても改善がされない職場なのであれば、手放しても後悔はないでしょう。
休暇が取りづらい
保育園の多くが日曜と祝日のみ休園日となっており、学校と違い季節ごとにまとまった休みはありません。
また、所属する保育士が少人数のために、お盆の時期も交代で勤務する園が多いようです。
休暇取得による同僚への負荷を懸念し、休みが取りづらいと感じる方も多いでしょう。
その結果、思うようにプライベートとの両立が図れずストレスを抱える方も多いようです。
業界の構造的に大きな課題であり、根本的な解決には豊富な資金と人材が必要なため簡単に改善される可能性は低いでしょう。
勤務時間が長い
発表会や運動会などの行事が重なると、どうしても勤務時間が長くなってしまいます。
また保護者が延長保育を希望すれば、必然的に残業も増えていきます。
ITツールの積極的な活用など、生産性向上に力を入れている園でない限り、残業時間の削減は困難と考えられます。
評価制度や給与に不満があった
保育士の給与の低さは、業界の大きな課題の一つです。
責任の重さに給与が見合わないと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
また、評価制度が十分に整っていない園が多いようです。
日々意欲的に働くには、適切な給与や評価を得られるかどうかが重要になるでしょう。
雑務が多すぎる
保育士は園児のお世話以外にも、あらゆる雑務をこなす必要があります。
雑務はシフト管理や備品発注、電話対応、来客対応など多岐に渡ります。
雑務の多さに疲弊してしまう方も多いでしょう。
募集時の条件と異なる
求人票には「完全週休2日制」や「残業なし」と記載があるにもかかわらず、条件を守らない園も存在します。
もしくは残業だけでなく持ち帰りの仕事が多いなど、募集時の条件と実態が異なっている場合もあるでしょう。
他業種についても募集時の条件と実態が異なる企業は多々存在しています。
転職の際は、求人票に記載の内容が実態と合っているのかを可能な限り調べるようにしましょう。
保育士から異業種へ転職する際におすすめの職種7選
保育士からの転職におすすめの職種を7つ紹介します。
一般事務
一般事務は体力面がネックで転職したい方におすすめです。
たくさんの子供たちと遊ぶにはとても体力がいりますが、デスクワークが中心の事務職であれば、そのような心配は要りません。
いきなり正社員として働くことに不安を感じる方は、派遣社員からはじめるのも選択肢の一つです。
企業によっては派遣社員でも高いパフォーマンスが提供できれば、派遣先の正社員として入社できるケースもあります。
派遣社員としてスタートするなら、NFAに相談してみてください。
自社で研修センターを持つので、スキルを身につけてから働くことができます。
介護スタッフ
保育士の経験で身につけた傾聴力を活かして働きたい方におすすめです。
また、直接的に人の役に立てる仕事を希望する方にもぴったりの仕事です。
近頃は介護スタッフの働き方も見直す流れがあることから、職場によっては保育士よりも柔軟な働き方を実現できるでしょう。
人手不足が課題となっている業界であることから、経験がなくても挑戦しやすい点が魅力です。
接客・販売スタッフ
人と話すことが好きで、自分の趣味に合った業界に行きたいという方に適しています。
アパレル業界や飲食業界などは未経験でも受け入れてもらえるケースが多く、将来的には店長になるなど管理職に就くことも可能です。
営業
成果に応じて高い収入を得たい方や売るスキルを高めたい方におすすめです。
営業というと何度も断られて辛い思いをしながら働かなければならないイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
実際にそういった営業も存在しますが、他にも種類があります。
たとえば、すでに取引のあるお客様とリレーションを築きながら、追加で発注がもらえるよう提案する営業です。
営業は話すよりも聞く力のほうが重要とされていますので、保育士の仕事で培った傾聴力を伸ばしていくことで活躍できる可能性があるでしょう。
カスタマーサクセス
サブスクリプション型のサービスを提供する会社に多く存在する職種です。
サブスクリプション型のサービスは、いかに継続して利用してもらえるかが重要になります。
そこでカスタマーサクセスの出番です。
顧客が自社のサービスを通して売上アップや工数の削減に繋げられるようバックアップします。
比較的新しい職種であるため、未経験からでもチャレンジしやすい仕事です。
IT業界を中心に普及している職種であるため、将来性が見込めます。
新しいことに挑戦しつつ、縁の下の力持ちとして仕事をしたい方におすすめです。
WEBデザイナー
クリエイティブな仕事に興味がある方はWEBデザイナーがおすすめです。
イベントの際にチラシを作ったり、衣装をデザインすることに楽しさを感じる方は適正があるでしょう。
売上につながるデザインができると、WEBデザイナーとしての市場価値を高めていくことができます。
未経験でもスクールや学習コンテンツを使用することで、基礎の習得が可能です。
無料で発信されている情報もありますので、試しに学習してみることをおすすめします。
ITエンジニア
理系の大学出身でないとなれないのでは?と躊躇する方も多いですが、文系でも知識がゼロからでも挑戦できる職種です。
ITエンジニアはパソコンに向かって黙々と作業するイメージが強いかもしれませんが、実際はチームで協力しながらプロジェクトを進めていきます。
IT業界への転職については以下でも詳しく解説していますので、併せてチェックしてみてください。
保育士資格を活かした転職先5選
転職に保育士資格を活かせる転職先を5つ紹介します。
保育パートナーズのこちらの記事では、保育士の求人を探すコツを紹介していますので、是非ご覧ください。
ベビーシッター派遣会社
保護者からの依頼を受けて、保育園の送迎から身の回りのお世話まで幅広くこなす仕事です。
保育士資格があると入社後の立ち上がりがスムーズになり、待遇面での優遇もあります。
ベビーホテル
以下3つの条件の内、どれかを常時実施している認可外保育施設です。
- 20時以降の夜間保育
- 宿泊を伴う保育
- 一時預かりの子供が利用児童の半数を超える
夜勤があるため体力的な負担は大きいものの、収入アップが見込める仕事です。
学童保育施設
共働きや一人親である小学生の放課後の生活を支援する施設です。
学校が休業している土曜日や長期休業中は、1日お世話することになります。
幅広い年齢の子供たちとコミュニケーションを取りたい方におすすめです。
児童養護施設
保護者のいない児童や特別な家庭事情のある児童を自立まで養護する施設です。
通常の保育園よりも、児童の心のケアが必要になるシーンは多いでしょう。
しかし社会的意義は非常に高く、保育士時代の経験をそのまま活かせます。
託児所
子供を長期的または一時的に預かる施設で、商業施設の保育ルームなどがその一例です。
資格は必須でないものの、お客様の大切な子供を預かるため保育士資格を持っている方が優遇されます。
元保育士の需要が高い職場といえるでしょう。
保育士から異業種へ転職するメリット
保育士から異業種への転職には大きく3つのメリットがあります。
給与や待遇が良くなる場合がある
給与水準は業界によって決まるため、どの業界に身を置くかが重要です。
例えばIT業界のような右肩上がりの業界は昇給率も他業界より高いという現状があります。
能力や成果に応じて昇給が決まる企業も多いため、保育士の収入面を懸念している方は転職で改善できる可能性が高いでしょう。
体力面での負担が減る
保育士は子供と一緒に走って遊んだり、ときには抱っこしてあやしたりと非常に体力を消耗します。
デスクワークの職種に転職することで、体力的な負担は軽減されるでしょう。
ある程度年齢を重ねたときに、今のペースで仕事ができそうにないと感じる方は転職がおすすめです。
新たな強みが見つかる可能性がある
別の業界に転職することで、これまで気がつかなかった自身の強みを発見できるかもしれません。
例えば、保護者とのやり取りの中で身につけた対応力や傾聴力を活かしつつ営業に取り組むことで、新たな才能が開花することもあります。
キャリアチェンジによって新たな可能性を見出していきたい方には転職がおすすめです。
保育士から異業種へ転職するデメリット
保育士から異業種へ転職する際は、デメリットも考慮しましょう。
子供と触れ合う時間が減る
子供好きという理由で保育士を目指した方にとって、子供と触れ合う時間が減るのは大きなデメリットといえるでしょう。
どうしても子供と接する仕事をしたい方は、保育士資格を活かした転職先5選で紹介しているような転職先がおすすめです。
保育士としてブランクができる
もう一度保育士として復帰する可能性がある場合、ブランクができるのはデメリットです。
人材が足りていない業界ゆえに、ブランクがあっても応募可能な園は多々ありますが、復帰するときの不安要素であるのは間違いないでしょう。
未経験でのスタートになる
保育士から異業種への転職は、未経験者としてのスタートになります。
保育士の知識や経験を活かせる場面もありますが、最初は新たに覚えることも多く、少々苦労するかもしれません。
別業界に転職している限りは避けられない課題のため、前向きにコツコツ業界や会社への理解を深めていきましょう。
保育士から異業種へ転職を成功させる3つのコツ
保育士から異業種への転職を成功させるコツを3つ紹介します。
自己分析を徹底的に行う
次の職場でも同じような不満を抱えないために、自己分析を徹底しましょう。
あくまで一例ですが、以下のような質問を深堀りしていきます。
- 何に不満を感じて保育士から転職したい?
- 保育士としてのやりがいは?
- 得意な仕事は何?
- 苦手な仕事は何?
上記に加え、理想的なライフスタイルについても考えておきましょう。
得意なことや苦手なことについては第三者に聞いてみるのもおすすめです。
客観的な視点によって新たな強みが見つかる場合もあります。
スキルや資格を習得する
転職先によってはスキルや資格を事前に習得しておくことで有利になる場合があります。
たとえば、宅建士の資格があれば不動産業界への転職も可能です。
WEBデザイナーやITエンジニアを目指す場合は、独学でも事前に学習できます。
IT業界においては事前に学習したうえで転職活動している方も多いため、不利にならないよう少しでもできることを増やしておきましょう。
信頼できる転職エージェントを見つける
自分で転職活動を進めることも可能ですが、効率の悪い転職活動になる可能性があります。
優秀な転職エージェントであるほど、その業界で優良とされている企業や面接時に聞かれる質問などを把握しているためです。
ただしエージェントも人なので相性はあるでしょう。
おすすめはいくつかのエージェントに登録して無料相談をしてみることです。
保育士から異業種へ転職するときにおすすめの転職エージェント5選
保育士からの転職におすすめの転職エージェントを5つ紹介します。
リクルートエージェント
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まとめ:準備を徹底して保育士から転職を成功させよう!
今回は保育士から転職するコツやおすすめの職種を紹介してきました。
保育士から異業種・異職種への転職となると、スキルや資格の有無が重要になります。
徹底的な準備をして保育士からの転職を成功させましょう。
やっぱり次も保育士に転職したいという方は、保育士の求人を多数掲載されているセルワーク保育士求人を参考にしてみてください。