メーカーからの転職は実際に可能?
転職活動は仕事人生で大きなイベントになるため、希望の転職先に確実に転職したいものです。
しかし「メーカーから転職するのは難しい」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は、メーカーから転職を検討されている方向けに、「メーカーから転職できる」方法や転職活動を成功させるコツを紹介します。
ぜひ最後までお読みのうえ、参考にしてください。
メーカーから転職を成功させる8つのコツ
ではメーカーから転職を成功させるコツはあるのでしょうか?
ここでは、メーカーから転職を成功させるコツを8つ紹介します。
転職を決めたら早めに行動する
メーカーから転職を決めたら、早めに行動しましょう。
「転職したい」と思いながら今の仕事を何年も続けていると、年齢が上がり即戦力として採用される機会が失われてしまいます。
だからと言って、焦って転職活動を行うと後悔につながりかねません。
転職活動は半年程度は期間がかかるものなので、着手できるものから早めに準備やリサーチを行うことが重要です。
転職理由を明確にする
転職理由が明確でなければ、自分が望む転職先を探すことは難しいです。
そのため、なぜメーカーから転職したいのか理由を明確にしましょう。
例えば、転職理由が給与の不満であれば、転職先として現在の給与よりも高い求人を優先順位高く探すことになります。
他にも、将来性に不安を感じているなら将来性が高い業界の求人など、転職したい理由を改善できるような転職先がいいでしょう。
転職は精神的、体力的にも疲弊するため、繰り返し転職活動をすることは避けたいものです。
メーカーで得たスキルと経験を書き出す
メーカーから転職を成功させるためには、自分のアピールポイントを把握することが重要です。
まず、メーカーで得たスキルと経験を紙に書き出してみましょう。
求人によって求められるスキルが異なるため、アピールポイントをテンプレート化するのではなく、応募する求人ごとにその求人に合ったアピールをすることをおすすめします。
そのためにも、メーカーで得たスキルと経験を棚卸する必要があります。
給与や待遇などの希望に優先順位をつける
転職活動を行う際には、希望する給与や待遇などに優先順位をつけることが重要です。
なぜなら、この工程をあいまいにしてしまうと、転職先選びに失敗し、転職後も同じ不満を抱える恐れがあるからです。
また、自分の希望を全てかなえられる求人を待っていては転職活動が長期化する可能性があります。
そのため、何を最も優先したいのかを明確にすることで、応募求人の中で優先順位をつけることができます。
転職活動の体力配分も可能になりますし、転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを低くすることができるでしょう。
転職エージェントに複数登録する
メーカーから転職を効率的に行うためには、まず転職エージェントに登録しましょう。
転職エージェントは、求人の閲覧はもちろん、面接や履歴書のアドバイスや自分に合った仕事の紹介などを行ってくれます。
転職エージェントには、得意な業界や求人数の多さなど、それぞれ特徴があります。
また、「非公開求人」と呼ばれる限定求人があります。
その転職エージェントに登録していなければ当然見ることはできません。
そのため、効率的に転職活動を行うためにも複数の転職エージェントに登録することがおすすめです。
自分の希望に合う企業を探す
次に、自分の希望に合う企業を探してみましょう。
前述したとおり、転職理由や待遇面での優先順位を基準に、自分が以前から興味のある企業を中心にリサーチします。
待遇面以外にも、社風や社内のキャリアパスなども合わせて調べることが重要です。
自分にあうかチェックリストなどで確認してみましょう。
以下に一例を挙げますのでぜひ参考にしてみてください。
- 業務内容は自分の希望の内容か
- 月収や年収は自分の希望の額か
- 週休2日、土日に休めるか
- フレックス制、在宅勤務などを選べるか
- 通勤時間は許容の範囲内か
- 教育支援、住宅手当などの福利厚生は充実しているか
- 社風は自分に合いそうか
- 社内のキャリアパスは自分の希望に合うか
チェックリストを基に気になる求人の優先順序を決めて転職活動に臨みましょう。
転職希望先のリサーチを徹底する
メーカーから転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、転職希望先を徹底的にリサーチします。
前述したチェックリストの内容をもっと深堀してみましょう。
表面的な情報以外にも、社内の人だけが知っている情報を入手することが重要です。
転職掲示板や転職エージェントに相談すると、入手できる情報が増えるため積極的に活用してみましょう。
ポジティブな転職理由を考える
転職活動の面接では、必ず転職理由を聞かれます。
その際にネガティブな理由を挙げてしまうと、その理由に疑問を持たれたり、場合によっては打たれ弱い印象を与えてしまいます。
例えば、給料への不満や人間関係が理由で転職を考えている際でも、そのまま話すのではなく、ポジティブな言い回しで転職理由を伝えられるようにすることが重要です。
メーカーを経験した人の強みとは?
メーカーの人が転職活動をする時のアピールポイントとはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、メーカーを経験した人の強みを3つ紹介します。
交渉力
メーカーでは、社内で他部署の人や、外部の顧客と関わって仕事を進めていきます。
そのため、メーカーを経験した人は交渉力が養われています。
交渉力とは、「立場や役割、利害関係の異なる人に対し、お互いが納得できるゴールを目指して話し合う力」のことです。
自分が実現したいことを相手から引き出して取ってくる力、ともいえます。
例えば、納期に間に合わない工場と折衝し、間に合わせるように交渉を行うスキルなどです。
交渉力を持っているとビジネスシーンで強い武器になるため、メーカーから転職する際にアピールできる強みとなります。
コミュニケーションスキル
メーカーでは、社内外の多くの人と関わりながら仕事をすすめていきます。
そのため、コミュニケーション能力に優れているという強みがあります。
仕事は一人では行えないため、仕事を複数人で行う際に高いコミュニケーション能力を発揮することで仕事を円滑に進めることができます。
そのため、コミュニケーションスキルが高いことはアピールできる強みとなります。
タイムマネジメントスキル
メーカーでは、社内外の多くの人と打ち合わせを行う機会があります。
一日の就業時間内で多くの打ち合わせをこなすためには、スケジュールの調整や自分の業務を効率よくさばく必要があります。
そのため、タイムマネジメントスキルが身についていることが多いです。
タイムマネジメントスキルは、どの仕事にも活かせるアピールポイントとなります。
メーカーから転職するときのおすすめ職種
「メーカーから転職したいけど、特に希望する職種はない」
このような人も多いでしょう。
ここでは、メーカーから転職する時のおすすめ職種を紹介します。
IT業界
メーカーから転職する際、業界に悩んでいるならIT業界がおすすめです。
IT業界は慢性的な人手不足といわれています。
なぜなら、近年ではIT技術なくして日常生活を送ることが難しくなっており、IT人材の需要が高くなっているためです。
IT業界では、人手不足を補うために、未経験者を業務を通じて育てるOJT方式を採用している企業も多くあるのが特徴です。
IT業界は専門性を身につけられる以外にも、需要と将来性の高い業界となります。
IT業界には、システムエンジニアなど様々な職種があります。
営業職
メーカー営業を経験した人であれば、他企業・他業界の営業職がおすすめです。
人とコミュニケーションを取ることが好きであったり得意である場合、なお良いでしょう。
即戦力として採用してもらえる可能性が高いため、すぐに転職したい人や営業職が好きな人におすすめです。
コンサルタント
メーカー営業や、メーカーでマーケティングに携わっていた人にはコンサルタントをおすすめします。
コミュニケーションスキルはもちろん、物事の分析力、説明力など、さまざまなビジネススキルが求められるコンサルタントであれば、メーカーで培った経験やスキルで即戦力となることができます。
自分の興味のある分野を担当するコンサルタント求人に応募してみましょう。
流通業界
メーカーでの経験から流通業界もおすすめの業界です。
メーカーで作った製品は工場から出荷されてさまざまなお店に並びます。
そのため、生産地で生産された商品を消費者まで流通させることに携わる流通業界はメーカー経験者には馴染みのある業界になります。
そのため、メーカーでの経験やスキルは流通業界で活かせるでしょう。
「メーカーから転職したい…」よくある理由
「メーカーから転職したい」
このような声が多く聞かれます。
ここでは、メーカーから転職したいと思う2つの理由を紹介します。
精神的・肉体的な負担が大きいため
メーカーの仕事は精神的・肉体的な負担が大きいといわれています。
例えば、メーカー営業の場合、ノルマを課されることで精神的なプレッシャーになります。
他にもメーカー営業が卸しているドラッグストアなどの客先訪問が、肉体的な負担として挙げられるでしょう。
また、メーカーの職種には、商品企画や研究開発、生産管理があります。
商品企画はメーカーの花形ともいわれ、新しい製品提案や既存製品の改良など、売り上げに直結する仕事内容であるため、精神的なプレッシャーが高くなります。
年収アップ・キャリアアップのため
メーカーから転職を希望する人は、年収アップやキャリアアップを求める傾向にあります。
ディップ総合研究所の2019年の「製造業の就業実態」によると、現在の仕事(製造業)を継続したいとは思わない(辞めたい)理由」の2位として「給与(収入)が仕事内容の割に不十分である」(45.6%)と挙げています。
このように、メーカーでの仕事は仕事内容に比べて給与が物足りないと感じる人が多いです。
同調査によると、就業期間5年以上の人が「昇給や評価が適当でない、もしくは制度が整っていない」と考えており、年収アップやキャリアアップを望んでいます。
また、メーカーでの仕事内容によりますが、研究職では研究分野の深耕のため、キャリアアップを目指して転職を希望する人もいます。
メーカーから転職が難しいといわれる理由とは
メーカーから転職する場合、転職希望の業界により難易度が異なります。
同業種であれば、今までの経験やスキルで優遇されることが多いです。
反対に異業種であれば、経験値や知識の不足が挙げられ、難易度が高くなります。
そのため、異業種への転職を考えている人は、準備を怠らないことが重要です。
メーカーから転職する際の注意点
メーカーから転職する時の注意点はあるのでしょうか。
ここでは、メーカーから転職する時の注意点を5つ紹介します。
労働環境が異なる
メーカーからの転職に限らず、転職を行うと労働環境が異なります。
例えば、残業について、メーカーでは残業時間が少なかったけれども、転職先では残業が多くなる可能性があります。
転職する業界や会社で感じ方は人それぞれではありますが、メーカーの労働環境は比較的良いといわれているため、悪化したように感じる人が多いです。
給与や待遇が低くなる可能性がある
dodaの2022年調査によると、メーカーの平均年収は453万円になり、日本の平均年収より50万円ほど高いです。
そのため、メーカーから新しい業界へ転職する場合、年収や待遇が低くなる可能性があります。
また、メーカーでの経験やスキルを活かした仕事に就いた場合でも、転職であるため同年代の社員と比べて低くなる傾向があります。
転職活動に時間がかかることがある
求人が少ない時期での転職活動や希望が高い場合は、半年から1年はかかるものと考えておきましょう。
早く転職したいからといって妥協して転職先を決めてしまうのではおすすめしません。
自分の希望としっかり向き合った上で、希望の転職先を探してください。
時間がかかることがあるということを念頭に置いて、転職活動中はできるだけ現在の仕事を退職せずに続けることをおすすめします。
元の企業には戻れない可能性が高い
メーカーに限らず、一度退職すると元の企業に戻れない可能性が高いです。
転職後に「やっぱり前の会社の方が良かった」と思ってももう戻れません。
そのためにも、転職先は自分の希望に合わせて慎重に選ぶことが重要となります。
年代別に転職の難易度が異なる
メーカーに限らず、年齢が上がると転職の難易度も比例して上がります。
例えば、以下に一例を挙げます。
- 20代の場合、将来性を見込まれるため比較的容易に転職が可能です。
- 30代の場合、即戦力に加えて、中堅特有の上司のサポート力と後輩へのリーダーシップが必要になります。
- 40代の場合、即戦力に加えて、高いマネジメント能力が必要になります。
年代が上がると求められる能力も高くなるため、転職したいと思うのであれば早めの行動が重要になります。
まとめ:メーカーから転職はできる!メーカー勤務の強みを生かそう
いかがだったでしょうか。
メーカーは平均年収よりも年収が高い反面、業務内容が割に合わないと感じる人が多い業界でもあります。
メーカーの経験やスキルを活かして転職は可能ですが、その時に同業種か、未経験で異業種に挑戦するのかはとても重要な決断です。
仕事内容や待遇面など、希望の優先順位を明確にして転職先を選びましょう。