独学でAIエンジニアになれる?学習方法とロードマップを紹介

「独学でもAIエンジニアになれる?」

「AIエンジニアになるにはどのような勉強が必要?」

本記事では、このような疑問がある方のために、独学でAIエンジニアを目指す方法について解説します

AIエンジニアには高度なスキルが要求されるため、転職を目指す際は事前の勉強が必要です。

スキルを身につけるには、スクールや講座を受講するか、独学で勉強するかという2つの方法があります。

コストがかからない独学を考えている方も多いでしょうが、実際のところ独学でAIエンジニアを目指すのは簡単ではなく、学習手順やコツを理解しておかなければなりません。

本記事では、独学でAIエンジニアを目指す方法について解説します。

AIエンジニアへの転職に関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

独学でAIエンジニアになれる?

独学でもAIエンジニアになれるのでしょうか。

ここでは、独学でAIエンジニアを目指す難易度や実態について解説します。

独学の難易度は高い

独学でAIエンジニアを目指すのは、簡単なことではありません

AIエンジニアは、高度で専門的なスキルを必要とする職種です。

プログラミングはもちろん、数学や統計学、機械学習の概念や専門用語などを理解し、身につけなければなりません。

習得すべき技術の幅が広くレベルも高いため、独学には相応の時間と努力が必要です。

IT未経験からAIエンジニアになるには

ITエンジニアとしての実務経験があれば、自身の専門分野を活かして独学でAIエンジニアを目指すことは十分に可能です。

しかし、IT系の経験がまったくない方が独学でAIエンジニアを目指すのは、かなり難易度が高いと考えてください。

未経験の方は、基本的にはスクールの受講を通じてAIエンジニアへの転職を目指すのがおすすめです。

AIエンジニアになる方法については、以下の記事もご覧ください。

独学でAIを学ぶメリット

独学でAIエンジニアを目指すのは簡単ではありませんが、メリットもあります。

ここでは、以下の3つのメリットについて解説します。

  • 自分のペースで学べる
  • コストを抑えて学習できる
  • スクールで取り扱わないマイナーなAI技術にも触れられる

自分のペースで学べる

独学であれば、自分のペースで焦らずに学習できます

スクールや講座を受講すると、どうしても受講期間の定めがあるため、焦ってしまったり、ついていけなかったりすることもあるでしょう。

独学であれば、自分のペースで納得いくまでとことん学べます。

コストを抑えて学習できる

スクールや講座の受講より費用をおさえて学習できるのも、独学のメリットです。

AI関連のスクールやプログラミングスクールに通う場合、安くても数万円、高ければ数十万円の費用が発生してしまいます。

独学であれば、基本的には書籍やWebコンテンツの利用料、PCの購入費程度しか費用は発生しません。

AIスキルは身につけたいが費用はかけられない、という方でも学習できます。

スクールで取り扱わないマイナーなAI技術にも触れられる

学習内容を自分の興味・関心に基づいて決定できるという点も、独学のメリットです。

スクールや講座ではカリキュラムが決まっているため、なかなか自分の好きな分野やマイナーな技術に触れる時間を確保しにくい面もあるでしょう。

独学であれば、スクールでは取り扱わないようなマイナーな技術に触れられたり、自分が関心のある分野を重点的に調べたり、といった勉強もできます。

独学でAIを学ぶデメリット・注意点

独学にはメリットもありますが、AIエンジニアを目指すうえで注意すべきポイントもあります。

以下4つのデメリット・注意点について解説するので、独学を検討している方は参考にしてみてください。

  • 挫折しやすい
  • 時間がかかる
  • 学習に偏りが出る
  • 転職サポートがない

挫折しやすい

AI技術に限らず、プログラミングなどのIT技術の独学はどうしても挫折しやすいものです。

独学はどうしても効率が悪く、困った時に頼れる相手もいないため、行き詰まってそのまま諦めてしまう方もいます。

スクールや講座であれば半強制的に学習せざるを得ませんが、独学の場合は、忙しさや疲れを理由にモチベーションを上げられないこともあるでしょう。

高度で幅広い技術が要求されるAIエンジニアになるには、挫折を乗り越えるだけの高いモチベーションが求められます。

時間がかかる

独学は効率が悪く、時間がかかってしまいます

エラーや不明点があっても自分で解決しなければならず、効率的な学習手順についても把握しきれていないことが多いからです。

年齢的な問題で時間に余裕がない方など、一刻も早くAIエンジニアになりたい方は、学習方法は慎重に選んだ方が良いでしょう。

学習に偏りが出る

独学によって、誤ったプログラミング手法や偏った知識が身についてしまうリスクもあります。

独学には、正しい方法や手順について指導してくれる講師がいません。

間違いに気づかないまま勉強を進めていたり、インターネット上の偏った知識を信じ込んでしまうリスクもあります。

独学でも、可能であれば信頼できるプロにアドバイスをもらえるような環境を確保したいところです。

転職サポートがない

独学には転職サポートがありません

転職活動までサポートしてくれるスクールや講座も、中にはあります。

未経験から独学でスキルを学んで転職を目指す場合、選考に通過しやすい応募書類の作り方や面接での答え方、業界の動向など、転職活動を有利に進めるための情報が足りないこともあるでしょう。

独学はスキルの習得難易度が高いだけでなく、転職の難易度も上がってしまうという点に注意してください。

独学でAIエンジニアを目指すロードマップ

それでも独学でAIエンジニアを目指したい方は、まずは学習から転職までの手順を把握しておく必要があるでしょう。

ここでは、独学でAIエンジニアを目指すロードマップを解説します。

以下の手順を参考に、学習の計画を立ててみてください。

  1. プログラミングを習得する
  2. 最低限の数学を学習する
  3. 機械学習の基礎を学ぶ
  4. 機械学習関連のライブラリを扱うスキルを習得する
  5. AIモデルを実装する
  6. Kaggleに挑戦する
  7. AIエンジニアとして転職する

プログラミングを習得する

AIエンジニアには、プログラミングスキルが欠かせません。

AI開発には、「Python」が主に使われています。

Pythonはプログラミング初心者でも比較的学習しやすい言語なので、まずはPythonの基礎文法を習得することから始めると良いでしょう。

Pythonの習得については、以下の記事もご覧ください。

最低限の数学を学習する

AIエンジニアに転職するには、数学や統計学に関する知識も身につけなければなりません。

AIはさまざまな数理科学の知識を結集して開発されているからです。

最低限の数学的知識がなければ、機械学習の概念を学んだり、データ分析を行ったりといったステップに進むことは難しいでしょう。

線形代数や微積分など、最低限の数学を学習しておく必要があります。

機械学習の基礎を学ぶ

機械学習の基礎的な考え方や概念、用語について把握する必要があります。

以下のようなポイントについておさえておきましょう。

  • そもそも機械学習とは何か
  • 機械学習で何ができるのか
  • 機械学習の代表的なアルゴリズムの仕組み

機械学習の基礎的な知識を身につけるうえで、役に立つのが「G検定」という資格です。

エンジニアだけでなく、AI関連の事業に携わるビジネスマンでも取得できる資格なので、AIや機械学習の基礎を学びたい方は、取得を検討してみてください。

機械学習関連のライブラリを扱うスキルを習得する

機械学習関連のライブラリやフレームワークを扱うスキルも身につけましょう。

AI開発はプログラミングを使って行われますが、すべてのAIが一行ずつコードを打ち込んで開発されている訳ではありません。

AIだけでなく、多くのアプリケーションやシステム開発には、「ライブラリ」や「フレームワーク」と呼ばれるものが使われます。

ライブラリはよく使われるプログラムをひとまとめにした部品のようなもので、フレームワークは開発に最低限必要な機能を備えた枠組みのことです。

AI開発でもこのライブラリとフレームワークが使われています。

Pythonは、AI関連のライブラリ・フレームワークが豊富にそろっているプログラミング言語です。

代表的なライブラリとして以下が挙げられます。

  • Numpy
  • pandas
  • matplotlib
  • scikit-learn

代表的なフレームワークとして、以下が挙げられます。

  • TensorFlow
  • Keras
  • PyTorch

すべてをマスターする必要はないため、まずは1つに絞って習得を目指しましょう。

AIモデルを実装する

習得したスキルと知識を活かして、実際にAIモデルの実装にチャレンジしてみましょう。

もちろん、最初からオリジナルのAIモデルを一から実装するのは難易度が高いため、初心者向けのチュートリアルやサンプルを参考にすることから始めてください。

慣れてきたら、自分でライブラリやフレームワークをフルに活用した実装にもチャレンジしていきましょう。

Kaggleに挑戦する

実践経験を積んだら、Kaggleのコンペに挑戦してみるのもおすすめです。

Kaggleとは、データサイエンティストやAIエンジニアのコミュニティで、AIプログラミングやデータ解析のコンペが行われています。

投稿された課題に対してユーザーが実際にモデルを構築して回答すると、予測精度に基づいて採点される仕組みとなっています。

Kaggleは、自分のレベルを客観的に知れるだけでなく、他の優秀なエンジニアのプログラムを見たり質問したりできるため、AIエンジニアとしてのレベルアップに欠かせないプラットフォームです。

Kaggle公式サイト

AIエンジニアとして転職する

必要な知識が十分に身についたら、AIエンジニアへの転職活動を始めましょう。

資格の取得やポートフォリオの作成など、転職活動を成功させるために準備をし、転職エージェントに頼ることも検討してみてください。

AIエンジニアへの転職については、以下の記事もご覧ください。

独学でAIエンジニアを目指す学習方法

独学でAIエンジニアを目指す場合、以下の3つの学習方法があります。

  • 書籍の活用
  • Web教材の活用
  • 勉強会イベントへの参加

それぞれの学習方法の特徴やメリットについて解説するので、独学の参考にしてみてください。

書籍の活用

1つ目の方法は、書籍を使った学習です。

AI関連の書籍も、以前よりは数多く書店に並ぶようになってきています。

初心者向け・独学向けの書籍もあるため、自分にあったものを選択すると良いでしょう。

書籍を使った独学には、場所を選ばずに勉強できるというメリットがあります。

持ち運びながら知識を習得できるため、座学的な知識の習得には向いているでしょう。

しかし書籍には、手を動かしながら学習しにくいというデメリットもあります。

プログラミングや実装の勉強には不向きなので、他の教材との併用がおすすめです。

また、書籍の場合は情報が古くなってしまう恐れもあるため、最新情報のキャッチアップには別の手段を利用する必要があります。

Web教材の活用

2つ目の方法は、Web教材を使った学習です。

書籍と同じく、AIを使った学習サイトも増えつつあります。

中には無料で利用できるものもあるため、書籍とあわせて活用してみてください。

Web教材を使った独学には、手を動かした学習がしやすいというメリットがあります。

動画教材を見ながら学べるサイトや、Webブラウザ上で実際にコーディングしながら学べるサイトもあるため、より実践的に学習を進められるでしょう。

勉強会イベントへの参加

AI関連の技術を学べる勉強会イベントに参加する、というのも1つの手段です。

セミナー形式で講義を聞けるイベントもあれば、実際に自分で開発したモデルを発表できるイベントまで、幅広いものが開催されています。

勉強会への参加だけではスキルの習得は難しいですが、学習成果を発表したり、エンジニア同士の交流の場を広げたりできるので、定期的に参加してみましょう。

独学でAIエンジニアを目指す際のよくある質問

最後に、独学でAIエンジニアを目指す際のよくある質問を紹介します。

独学でも取得できるAI関連の資格はありますか?

独学でも取得しやすいAI関連の資格として、以下が挙げられます。

  • G検定
  • データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
  • 統計検定
  • AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals

資格を取得できれば、スキルを客観的に証明できるため、転職活動でも役に立つでしょう。

AIエンジニアにおすすめの資格については、以下の記事もご覧ください。

独学での学習に挫折したらどうすれば良いですか?

独学での学習に挫折してしまった方は、AI関連のスクールや講座の受講を検討してみてください。

独学よりも効率的にスキルを学べるだけでなく、転職活動もサポートしてもらえます。

まとめ

独学でAIエンジニアを目指すのは、簡単ではありません

専門的で高度なスキルを求められるAIエンジニアになるには、独学よりもスクールや講座の受講で勉強する方がおすすめです。

独学には、自分のペースで費用を抑えながら学習できるというメリットもありますが、どうしても学習効率が悪く、挫折しやすいというデメリットもあります。

独学でAIエンジニアを目指す方は、学習手順を事前に把握し、計画を立てておきましょう。

独学で挫折してしまった方は、スクールや講座の受講も再度検討してみてください。

効率的に学習しながら、転職サポートを受けられるケースもあります。

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