アプリ開発の基本的な順序とは?初学者向けに学習方法や費用などを詳しく解説!

アプリ開発は近年、以前にも増してますます注目されています。

その背景としてあるのが、デジタルデバイスの普及です。

スマホやタブレットが一人一台となったことによって、アプリケーションは私たちの生活に欠かせない存在となりました。

アプリ開発にはITに関する知見が必須ですが、初心者でも独学でこなすことは可能です。

本記事では、アプリ開発の基本的な順序について解説。

また初心者向けに学習方法や費用も説明しますので、興味のある方は参考にしてください。

目次

アプリ開発の基礎知識

まずは「アプリ開発」について詳しくない方へ向け、基本となる概要を説明します。

アプリ開発とは

アプリ開発は名称のとおり、主にスマホやタブレットといったデジタルデバイス向けのアプリケーションを開発することをいいます。

アプリによって私たちの生活は、より便利で快適なものと化しています。

たとえばニュースアプリやマップ、SNS、ゲームといったものは、もはや生活に必須といっても過言ではないでしょう。

これらのようなものを制作し、ダウンロードしてもらうことで販売利益を得たり、広告収入を得ることが可能です。

アプリ開発の可能性

アプリ開発にはプログラミングやデザインといった、玄人向けの知識が必須です。

しかし近年では、そういった知識を持たない方でも簡単にアプリ開発ができるツールやサービスが登場しています。

たとえばコードを書かなくても、クリックだけで登録・読み込み・更新・削除といった基本機能を実装できるツールが存在します。

またテンプレートの組み合わせだけで数百、数千ものパターンのデザインを作れたりと、誰でも自分のアイデアを形にすることが可能です。

企業のみならず、個人でもビジネスチャンスがあったりと、まさに無限の可能性を秘めています。

アプリ開発の種類

アプリ開発には、いくつかの種類があります。

大きなくくりで分類すると、

  • ライフスタイルアプリ
  • ゲームアプリ
  • エンターテイメントアプリ
  • ビジネスアプリ

の4つとなります。

ライフスタイルアプリは日々の生活に必須のアプリのことで、具体的には検索エンジン、ニュース、マップなどです。

ゲームアプリとエンターテイメントアプリは、ユーザーを楽しませるための娯楽を提供するもの。

ゲームアプリにはRPG、シューティング、パズルゲームなどがあります。

そしてビジネスアプリは、企業や個人のビジネス活動を支援するもので、顧客管理、営業支援、経理などを行うことが可能です。

アプリ開発は初学者でも可能?

アプリ開発は初学者でもできます。

初めて触る人でも、開発に適した環境や豊富な学習リソースが存在します。

学習商材を通じて基礎から学ぶことができますし、ネットで質問したりアドバイスを得ることも可能です。

またノーコードのツールもあり、プログラミングの知識が不要な場合もあります。

とはいえ最初のとっかかりは難しく感じることもありますので、練習と経験を積み上げる忍耐力と継続力は必要です。

アプリ開発の基本的な順序

本項では、アプリ開発の基本となる主な流れについて紹介します。

1.企画および打ち合わせを行う

最初の流れとなるのは、企画および打ち合わせです。

このプロセスは、クライアントや関係者とのコミュニケーションを通じてユーザーのニーズを理解し、必要なアイデアを考えるのが主な目的

この打ち合わせは、基本的にクライアントとの直接的な会話で行われます。

ざっくりとした予算もこのフェーズで決定してクライアントに伝える必要があるので、後の開発工程の重要なベースになるといっても過言ではありません。

個人開発の場合は打ち合わせはなく、どんなものを作りたいかの「0→1のアイデアづくり」の工程となります。

2.要件定義で詳細な流れを決める

1で決めたベースの、さらなる詳細な流れを決める重要なステップです。

この段階では、主に

  • アプリの具体的な目的や機能
  • ターゲットユーザー
  • アプリの動作ロジック
  • デザイン要件

などを明確に定義します。

クライアントや関係者のフィードバックを取り入れ、何度も必要な修正や追加を行うことが一般的です。

この要件定義があいまいなままプロジェクトがスタートすると、後々開発者やクライアントの解釈の相違で、作業の逆戻りが発生するリスクもあります。

ここをしっかり固めることで、開発チームは方向性を把握し、ゴールに向かって進むことができます。

3.開発環境を構築する

詳細な作業の流れなどが決まったら、次は開発環境の構築です。

環境を整えなければ、当然プログラミングもできないので、スタート地点に立つことすらできないという状況となります。

それぞれのプロジェクトによって異なる場合がありますが、環境構築には、

  1. 適したIDEやテキストエディタの選択
  2. 適した言語やフレームワーク、ライブラリをインストール
  3. バージョン管理ツールの設定
  4. デバッグツールのセットアップ

といったプロセスが必要です。

4.プログラミングで機能を実装する

この工程では、2の要件定義で固まった内容に沿って、アプリに必要な機能をプログラミングで実装します。

選択した言語やフレームワークを使用し、ロジックやアルゴリズムを組み立てて機能を組み立てていきます。

ただ実装を行うだけでなく、データベース設計やAPIの設定などもその工程に含まれているのが特徴です。

プログラマーは開発手法や書き方の規約、処理速度などを念頭に置きながら、正確でムダのないコードを淡々と書いていきます。

5.デバッグやテスト後リリース

最後にデバッグやテストを行った末、最終的なリリースを迎えることになります。

4で記述されたコードの動作を厳密にテストし、問題やバグを見つけ出して直すことが主な目的です。

アプリの品質を確保するために、

  • ユニットテスト
  • 統合テスト
  • インターフェースのテスト
  • テストユーザーの意見収集

など、さまざまな手法が適用されます。

リリース直前ということもあって忍耐力の伴うプロセスですが、安定性と品質を保証し、ユーザーに満足してもらうために欠かせない工程です。

アプリを開発することで得られるメリット

アプリを作ることには、次のような利点があります。

売上および生産性の向上が期待できる

アプリによって、売上や生産性がアップすることが期待できます。

アプリが手元にあることで、便利な機能や情報に気軽にアクセスできるようになるからです。

これによってユーザーは時間と労力が節約でき、生産性や作業効率、そして結果的に売上を上げることができます。

さらにアプリには、データの集計や分析の結果が残ります

これによって軌道修正や改善が用意になるので、経営戦略の立案や意思決定において有用です。

売上と生産性アップは企業の成長につながるため、アプリ開発は有益な投資といえるでしょう。

開発したアプリはポートフォリオとなる

企業としても個人としても、開発したアプリはポートフォリオになることが利点です。

実践的なスキルやプロジェクトの成果が形として残るので、企業の信ぴょう性の担保や、将来の仕事の機会で役に立つでしょう。

さらにバージョン管理ツールにはコードの詳細なロジックも残るので、公開することで他の開発者や雇用主から評価してもらえることも魅力です。

ただ企業案件の場合、NDA(機密保持契約)などの関係でポートフォリオとしての利用が断られるケースもあるので、注意を払いましょう。

自己成長が見込める

自己成長ができることも、利点のひとつです。

ひとことでアプリ開発といっても、やるべきタスクは非常に細かく細分化されており、あらゆる技能が求められます

「なんのために今これを実装するのか」といったロジカルシンキングや、その他の技能が身に付くため、大きなポテンシャル向上となることは間違いないでしょう。

個人開発のみならず、企業におけるプロジェクトチームでの開発も、たいへんいい経験となります。

【用途別】アプリ開発に最適なプログラミング言語

開発に適した言語を、それぞれの目的ごとにご紹介していきます。

ウェブアプリ開発に最適な言語

ウェブアプリの開発でしたら、適している言語は以下が挙げられます。

  • JavaScript
  • JAVA
  • Ruby
  • PHP
  • Kotlin

とくにJavaScriptはウェブブラウザ上で動作するクライアントサイドのスクリプト言語

フロントエンドの開発において必須の言語です。

JavaScriptを使うことで、他の言語に比べて容易にインターフェースや動的コンテンツを実現できます。

また上記3ついずれもバックエンド開発にも優れたフレームワークもたくさんあるので、開発において重要な役割を担っています。

Windowsアプリ開発に最適な言語

Windows上で動くアプリを作りたい場合、候補になる言語は以下のとおり。

  • C#
  • C++

いずれもマイクロソフトが開発した汎用プログラミング言語のため、Windowsプラットフォームで動くものを作ることに特化していると認識して差し支えありません。

中でもC#はドットネットフレームワークを利用してWindowsアプリケーションを開発する際に広く使われており、WindowsフォームやWPF(Windows Presentation Foundation)などのGUI開発にも最適です。

iOSアプリ開発に最適な言語

iOSアプリ開発に適したプログラミング言語なら、真っ先に名前が挙がるのがSwiftです。

Swiftはアップル社が開発したモダンな言語のひとつで、iOSおよびMacアプリケーションの開発に特化したものと考えていいでしょう。

SwiftはObjective-Cに比べてシンタックスが簡潔で読みやすく、セーフティやパフォーマンスの向上も図られています。

さらにフレームワーク「Cocoa Touch」とのシームレスな統合も、開発者のユーザビリティを高めてくれます。

Androidアプリ開発に最適な言語

Androidアプリ開発に向いたプログラミング言語なら、

  • Kotlin
  • JAVA

が候補となります。

KotlinはJetBrainsによって開発された近代的なプログラミング言語。

Javaとの相互運用性が高く、既存のJavaコードとの組み合わせも容易です。

また、KotlinはJavaよりもコードの行数が少なく全体的に簡潔なので、開発効率の面でも有益といえます。

業務系アプリ開発に最適な言語

業務系アプリを作るなら、

  • JAVA
  • C++
  • Python

などが選択肢になるでしょう。

中でもJavaは幅広い用途に利用される汎用プログラミング言語

プラットフォームに依存しない特徴があり、さまざまなOSおよびデバイスで動かすことが可能です。

またC++はWindows向けの言語ですが、Windowsは業務OSとして圧倒的な世界シェアをもっています。

企業や組織の業務アプリを作る際には、ひときわ強い存在感を放つ言語です。

アプリ開発を外注した場合にかかる平均相場

アプリ開発を外注する場合の平均相場は、プロジェクトの規模や複雑さ、開発地域によって大きな変動があることが実状です。

あくまで平均ですが、「250万円から」と考えておくのが妥当でしょう。

用途ごとの大まかな費用相場を表すと、以下のようになります。

アプリの用途費用相場
EC系アプリ300万~400万
カタログアプリ50万~100万
通話・メッセージアプリ100万~300万
SNSアプリ500万~800万
ゲームアプリ300万~800万

SNS系でも必要最低限の実装となれば、300万円以内に留められることもあります。

逆に通話・メッセージ系のアプリでも、凝った機能を実装すると、500万円規模になることも。

上記はあくまで参考価格なので、おおよその相場をプロに相談・交渉のうえ、慎重に検討してください。

アプリ開発に適した学習方法

アプリ開発を学ぶなら、次のような学習のやり方があります。

無料で得られる情報源を駆使する

無料で得られる情報源を利用して学ぶ方法です。

インターネット上にはブログや動画、情報共有サイト、質問サイトなど、多くの情報源が存在します。

これらを有効に活用し、実際に開発に取り組むことで、確実に技能を身につけることができるでしょう。

プログラミングスクールに入会する

プログラミングスクールへの入会も、有効な方法となります。

初学者でも挫折しないようなカリキュラムやプロジェクトを用意しているので、徹底的に必要な技術を叩き込むことができるでしょう。

とくに、「分からない部分をすぐに質問できる」という状況は、学習効率アップに大きく貢献します。

たとえば活学ITスクールでは、わかりやすさに特化した動画教材に加え、プロ講師による徹底指導を受けることが可能。

ただしどのスクールにもコストや時間の制約がありますので、自身の目標や予算に合わせて検討してください。

市販の書物で学習する

市販の書物を使うことも、方法のひとつです。

関連する書物はあらゆる書店で取り扱われているうえ、電子書籍でも安く購入可能なため、手始めに手軽に挑戦したい方におすすめとなります。

場所や時間を問わず、自分の好きなタイミングで学習できることが利点です。

しかし一人での学習となるので、そのぶん挫折率も高いことが難点となるでしょう。

アプリ開発で留意すべきこと

アプリを開発するときに覚えておきたい留意点は、以下になります。

初学者だと想像以上に時間がかかる

開発は短時間でサッと終わらせられるものではありません

とくに初学者の場合、

  • ひとつの機能の実装が難しい
  • 実装のために別の分野の勉強が必要

といった状況にもなるので、想像以上に時間がかかるものと考えていいでしょう。

思っている以上の長期戦になると覚悟のうえ、モチベーション管理を徹底することがポイントです。

勉強そのもので満足してしまいがち

勉強そのもので満足してしまい、肝心の「開発」が遠のいてしまうことがよくあります。

開発では学ぶべき領域が多く、いろんなツールや技術が存在します。

それらの学習に没頭することで脳のリソースを使ってしまい、結果として開発という目的を忘れてしまうのです。

なんのための勉強なのか、本質を見失わないよう意識して取り組みましょう。

どんな玄人でもエラーは避けられない

「どんな玄人でもエラーは避けられない」ということは、頭に入れておきましょう。

プログラミングは複雑かつ緻密な作業なので、常にバグが発生する可能性を秘めています

どんなに経験豊富な玄人であっても、思わぬエラーに直面することは珍しくありません。

エラーが解決できないあまり、「自分には才能がない」と投げ出してしまってはもったいないです。

まとめ:初学者でもアプリ開発にチャレンジしてみよう!

アプリ開発は、初学者にとっては敷居が高いように感じるかもしれません。

しかし今では、初心者でも簡単にアプリ開発ができるツールやサービスも登場しています。

基礎から小さく始め、さまざまなサポートを活用しながら知識を磨いていくこと。

そしてエラーが起きても諦めずに解決に向けて努力することが大切です。

初学者だからと諦めず、興味があるならぜひ積極的にチャレンジしてみてください。

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