業務効率や精度の改善を目指すなら、自動化(RPA)ツールの導入がおすすめです。
自動化ツールの導入は、業務負荷の軽減や人的ミスの削減など、多くのメリットが期待できます。
本記事では、初めて自動化ツールを導入する方でもスモールスタートで導入しやすいツール7選を紹介。
PCが得意でない方でも比較的操作がしやすいと評判のツールを選定しました。
自動化ツールを選ぶ際のポイントについても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
自動化(RPA)ツールとは
RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ルーティンワークやタスクを自動化できる技術です。
これにより、人間が手作業で行っていた繰り返しの仕事を効率的に処理できます。
自動化(RPA)ツールは、特定のアプリケーションやWebページを操作し、データの入力や処理、ファイルの移動などを可能にするツールです。
ツールを活用することで業務のスピードと精度を向上でき、より重要度の高い仕事に注力できます。
非エンジニアでも操作しやすいツールも多く、近年注目されているツールのひとつです。
自動化ツールの種類
自動化ツールは、その種類によって異なる特徴や利用方法があります。
ここでは、自動化ツールの主な種類についてご紹介します。
クラウド型
クラウド型の自動化ツールは、インターネットを介して提供されるタイプです。
利用者はブラウザ上でツールにアクセスし、操作します。
クラウド型の利点はインターネットに接続できる環境さえあれば、どの場所やデバイスからでもアクセスできることです。
また、ツールのアップデートや保守作業はツール側で行われるため、利用者はそれらに気を配る必要がありません。
一方で、インターネット接続が必須であるため、オフライン環境では利用できない点はデメリットといえます。
また、セキュリティ面に関しても注意が必要です。
サーバー型
サーバー型の自動化ツールは、特定のサーバーやネットワーク内に導入し、利用するタイプです。
利用者はソフトウェアをインストールし、サーバー上でツールを操作します。
サーバー型の利点は、専用のネットワーク内での利用が可能であり、セキュリティ面のコントロールがしやすいことです。
ただし、導入や運用にはサーバーの設定や保守が必要となるため、専門知識が求められる場合があります。
デスクトップ型
デスクトップ型の自動化ツールは、個々のユーザーのデバイス上で利用するタイプです。
利用者は専用のソフトウェアをインストールし、自分のデスクトップ上でツールを操作します。
デスクトップ型の利点は、オフライン環境でも利用可能であり、個々のニーズに合わせたカスタマイズが容易であることです。
一方でデメリットとしては、複数のデバイスで利用する場合、デバイスの数だけインストール作業が必要になることです。
自動化ツールが得意なこと
自動化ツールが得意なことを3つ紹介します。
ルーティンワークの自動化
繰り返し行う必要のあるルーティンワークを自動化するのに適しています。
毎日同じデータの整理やメールの送信、フォームの記入など、単調な作業を自動化することで、より重要なタスクに集中できます。
システムとの連携
ツールによっては、異なるシステムやアプリケーションとの連携を行うこともできます。
異なるデータベースやプラットフォーム間での情報のやり取りを自動化することで、データの一元管理や情報共有が容易になります。
たとえば、オンライン注文があった場合、自動的に在庫管理システムに情報を送信するなど、システム同士の連携を自動化することも可能です。
ルールに基づく自動処理
事前に設定したルールに基づいて自動的な処理を行うことが可能です。
たとえば、特定のキーワードが含まれるメールを受信した場合に、自動的に特定のフォルダに移動するなどの処理が考えられます。
毎月末日に請求書を自動発行することや、商品の在庫管理をすることも可能です。
最初のルール設計に誤りがあると正しく動作できないため、事前にフローを丁寧に洗い出しておくことが重要です。
自動化ツールが苦手なこと
自動化ツールは大変便利なツールである一方、苦手なこともあります。
ルール変更への対応
自動化ツールはあくまで特定のルールに従って操作を実行します。
したがって、Webサイトやアプリの使用変更により、ルールに沿っていない場合は正しく動作しないことがあります。
定期的にスクリプトを見直し、必要に応じて修正することが大切です。
分析や判断
あくまでルールベースで実行されることから、判断力が求められるタスクは苦手としています。
具体的には、文章の意味を理解して適切なアクションを選択するようなタスクです。
分析や判断に役立つツールをお探しの場合は、AIの活用をおすすめします。
画像認識
自動化ツールは主にテキストベースの処理に向いていますが、画像認識が求められるタスクには向いていません。
画像認識が求められる場合はAIの活用をおすすめします。
自動化ツールを選ぶときのポイント5つ
自動化ツールを選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
適切なツールを選ぶことで、業務の効率化やコストの削減が実現できますので、ぜひ参考にしてください。
操作しやすい
まず1つ目は操作しやすいことです。
パソコンがあまり得意でない方でも直感的に操作できるようなツールを選ぶことで、導入から運用がスムーズになります。
デモ画面やトライアル期間を設けているツールもありますので、事前に操作性をチェックしてみるのがおすすめです。
自動化したい業務内容にマッチしている
言わずもがなですが、せっかく自動化ツールを導入したのに目的が達成できないようであれば意味がありません。
自動化ツールにもさまざまな種類が存在しますので、事前にどの業務を自動化したいのかを明確にしておきましょう。
コストパフォーマンスに優れている
ツールの価格に対して提供される機能やメリットを比較し、適切なコストで十分な価値を得られるツールを選ぶことが大切です。
高額なツールが必ずしも最適とは限りません。
自社の規模やニーズに合ったプランを選び、コストとパフォーマンスのバランスを考えたうえで選択しましょう。
導入実績が豊富にある
信頼性のある自動化ツールを選ぶためには、ツールの導入実績を確認することも大切です。
導入実績が豊富にあるということは、ツールが使いやすかったり、サポートがある程度充実していたりする可能性が高いと考えられます。
ただし、実績が豊富でもあくまで自社の目的を達成できるかどうかという観点が重要です。
サポートが充実している
基本的にはどのツールもある程度マニュアルが充実しているため、マニュアルをきちんと確認すれば大抵のことは自己解決が可能です。
ただし、マニュアルを見ただけでは解決できない事象や急ぎで問題を解決したいシーンに遭遇することもあります。
特に導入初期の段階では、わからない点も多くサポートを受けたいと思うシーンが多々あるでしょう。
そのような場合に気軽に問い合わせができる窓口があれば安心です。
自動化ツール一覧 | スモールスタートで導入しやすいツール7選
スモールスタートしやすいツール7選を紹介します。
JobAuto
JobAutoは、初期費用無しで月額20,000円から利用できる自動化ツールです。
操作講習やトラブル対応も無料でサポートしています。
自動化のためのシナリオ作成においてはエラーの発生頻度が少なくなるよう工夫されており、修正も容易にできるツールです。
Office製品やGoogle関連アプリケーション(スプレッドシートやドキュメントなど)幅広いアプリケーションに対応しています。
ツールの利用形式:デスクトップ型 / サーバー型
料金:月額20,000円~
『JobAuto』公式サイトはこちら
アシロボ
アシロボは、月額50,000円(2ライセンス)から利用できるツールです。
セキュリティを最重視しており、海上保安庁や野村證券にも導入されています。
操作画面は3画面のみのシンプルな構成になっており、普段の作業手順をそのまま操作画面のパネルに並べていくだけでシナリオ作成が可能です。
導入後は入門〜上級までフェーズに合わせた操作の説明会を実施しています。
いずれも無料で回数制限もないため、導入後に使いこなせないのではという心配は不要です。
ツールの利用形式:デスクトップ型
料金:月額50,000円〜
『アシロボ』公式サイトはこちら
WinActor
WinActorは、2010年から研究開発を続け、洗練されたUIに自信を持っているツールです。
非エンジニアでも操作できるよう、マウスによるドラッグ&ドロップの操作でシナリオが作成できるエディタになっています。
また、よくある業務のサンプルシナリオも多数用意されており、スムーズな導入が可能です。
販売パートナーが全国で1,000社以上となっており、手厚くサポートしてくれます。
ツールの利用形式:デスクトップ型 / サーバー型
料金:要問い合わせ
『WinActor』公式サイトはこちら
AUTORO
AUTOROは、さまざまなサービスと連携可能なクラウド型のツールです。
AUTOROもプログラミング不要で、簡単に自動化のシナリオを作成できます。
反社チェックやスカウトメールの自動送信、レポーティング業務など多くの業務の自動化が可能です。
サポートはチャットがメインとなりますが、すぐに応答してもらえるため「回答がもらえるまで作業が進まない」といったこともありません。
ツールの利用形式:クラウド型
料金:要問い合わせ
『AUTORO』公式サイトはこちら
マクロマン
マクロマンは、完全無料で利用できる国産の自動化ツールです。
有料となるのはサポートサービスのみのため、導入コストが最小限に抑えられます。
銀行にも導入実績があるなど、無料でも高いセキュリティを実現。
使い方も画像や動画を用いて丁寧に解説されており、ツールに対して積極的に学ぶ姿勢があれば、無料の範囲でも十分に活用できるツールとなっています。
とにかく導入費用を抑えたい方にはおすすめです。
ツールの利用形式:デスクトップ型
料金:無料
『マクロマン』公式サイトはこちら
Biztex cobit
Biztex cobitは操作がとにかく簡単で、IT部門に頼らなくてもDXを進められるツールです。
自動化が簡単な理由は、サンプルシナリオが豊富にあるためです。
また、Excelがわかれば使えるようなツールとなっており、ITに詳しくなくてもストレスなく使いこなせます。
業務全体のIT化におけるコンサルティングも依頼できるため、社内でITに詳しい方がいない企業におすすめのツールです。
ツールの利用形式:クラウド型
料金:要問い合わせ
『Biztex cobit』公式サイトはこちら
RoboTANGO
RoboTANGOは、1つのライセンスで複数のパソコンにインストールできるツールです。
最低利用期間は1ヶ月で月額50,000円からと、自動化ツールの中では比較的安価な料金となっています。
PC上の操作を録画する機能を活用し、普段通り作業すれば自動化ロボットが作れる点も魅力です。
3週間無料で全機能が使えるトライアル期間もありますので、まずは試しに導入してみたいという方におすすめです。
ツールの利用形式:デスクトップ型
料金:月額50,000円〜
『RoboTANGO』公式サイトはこちら
自動化ツール導入のメリット3つ
自動化ツールを導入するメリットは以下の3つです。
業務時間が削減できる
自動化ツールを導入する最大のメリットの一つは、業務時間の削減です。
手動で行っていた繰り返し作業を自動化することで、タスクの実行にかかる時間を大幅に短縮できます。
より重要な業務に集中することが可能となり、全体的な生産性が向上します。
人為的なミスが減少する
人間が行う作業には、どうしてもミスがつきものです。
特に繰り返し作業や単調なタスクでは、注意力の低下によるミスが発生しやすくなります。
自動化ツールを導入することで、精密な計算や処理が安定して行われるため、人為的なミスが大幅に減少します。
人件費が削減できる
タスクが自動的に処理されるため、人間が行う必要のある作業が減少し、結果として人件費の削減につながります。
繰り返しの作業や大量のデータ整理などの処理を人が行っている企業では、より人が必要な部署にリソースを割くことが可能です。
自動化ツール導入のデメリット3つ
自動化ツールはとても便利ですが、デメリットもあります。
ここでは3つのデメリットについて解説します。
導入コストがかかる
自動化ツールの導入には、ライセンス料やカスタマイズに費用が発生することがあります。
特に中小企業では、予算の制約から導入が難しい場合もあります。
ツールによって金額が大きく異なりますので、注意が必要です。
無駄なコストをかけないようにするには、導入の目的を明確にしておくことです。
自社にとって何ができれば目的達成なのかを明らかにしておけば、おのずと使うべきツールは見えてきます。
場合によっては無料で使えるGoogleのツールでも目的は達成できるかもしれません。
また、金銭的な面だけでなく、導入に費やす人的リソースについても配慮が必要です。
使いこなせない可能性がある
ITに強い社員が比較的少ない職場では、自動化ツールによっては難しく感じられてしまう可能性があります。
せっかく導入したのに使わない方がほとんどという状態になってしまっては、本末転倒です。
誰でもできるような、直感的な操作が可能なツールを選ばれることをおすすめします。
ツール停止により業務が滞る場合がある
自動化ツールはうまく活用できれば大変便利なツールです。
しかしツールに何かしらのトラブルが発生し、最悪の場合、業務が停止してしまう可能性があります。
「導入も設定も問題なくできたし、あとは機械に任せておけば大丈夫」とツールを過信しすぎるのもあまり好ましくありません。
業務の停止はときに大きな機会損失になり得るため、事前に万が一ツールが停止してしまった場合のプランを考えておきましょう。
自動化ツールを有効活用するためのコツ
自動化ツールを効果的に活用するためには、いくつかのコツがあります。
導入目的を明確にする
ここまでにも述べたように、自動化ツールを導入する際には、その目的を明確にすることが大切です。
どの業務やタスクを自動化したいのか、どのような効果を期待しているのかを具体的に定めましょう。
明確な目的があれば、ツールの選定や導入後の効果測定がスムーズにできます。
導入担当者を決めて役割を明確にする
自動化ツールの導入プロジェクトを進める際には、導入担当者を明確に決定することが重要です。
担当者が明確でない場合、日々の忙しさを言い訳に導入が進まなくなる可能性があるからです。
本来は導入することで業務の効率化をしていくわけですが、最初はツールに対する理解や設定を進めていかなければなりません。
ここで担当者がいれば、進めざるを得ない状況になるため、あらかじめ決めておくことをおすすめします。
効果測定する
自動化ツールの効果を正しく評価するためには、効果測定を行うことが不可欠です。
導入前と導入後の業務効率や生産性、エラー率などの指標を定め、ツールの導入による変化を評価します。
効果測定をすることで、自動化の成果や課題を把握し、必要な調整や改善を行うことが可能です。
測定する際は、具体的な数値を用いて定量的に測定できるようにしましょう。
自動化ツールで業務を効率化しよう!
今回はスモールスタートで導入しやすい自動化ツール7選を紹介しました。
どんなに導入しやすい、使いやすいツールでも、運用を軌道に乗せるまで少なからずリソースが必要です。
割いたリソースが無駄にならないよう、事前に導入の目的や背景を整理することをおすすめします。
ぜひ自動化ツールを使いこなして業務改善を進めてみてください。