CCNA資格保有者の年収は?資格手当や勉強時間の目安も解説

CCNAは、ネットワークエンジニアやプログラマーとして働く方が取得しておきたい資格の一つです。

「年収アップのためにCCNAを取得したい」と考えている方もいるでしょう。

実際のところ、資格の取得により年収はどのくらい上がるのでしょうか。

本記事では、CCNAを取得するとどのくらい年収が上がるのか、また未経験者でも取得できるのかを解説します。

CCNAを取得するメリットや勉強方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

資格の取得をきっかけにIT関係の仕事に就きたいと考えている方は、活学キャリア支援をご活用ください。

500社以上の優良求人があるため、希望に合う求人が見つかるでしょう。プロのキャリアアドバイザーによるサポートも行っており、未経験者でも安心して就職・転職活動に臨めます。

目次

CCNA資格で年収は上がる?

ITエンジニアは、CCNAを取得することで年収アップしやすくなります。

CCNAとは、シスコシステムズ社が提供している民間資格の一つで、アソシエイトレベルにあたる資格です。

CCNA資格の保有により資格手当をもらえたり、単価が上がったりすることがあるでしょう。

さらに、より年収の高い企業に転職する際も有利になります。

ただし、資格があれば必ず年収が上がるわけではありません。他に保有している資格やスキル、経験によっても異なります。

CCNAを取得している人の平均年収

CCNA資格を提供しているシスコシステムズ社の資料では、CCNA取得者の年収が78,000ドルとの記載があります。

これは日本円にすると約1,170万円(※2024年5/19現在)です。

参考までに、シスコシステムズ社が提供する、他の資格レベルの年収も紹介します。

  • エントリーレベルのCCENT:68,000ドル(約1,020万円)
  • アソシエイトレベルのCCNA:78,000ドル(約1,170万円)
  • プロフェッショナルレベルのCCNP:92,000ドル(約1,380円)
  • エキスパートレベルのCCIE:120,000ドル(約1,800円)

エントリーレベルのCCENTでも日本円で約1,020万円、エキスパートレベルのCCICでは約1,800万円と、いずれも高年収です。

参照:Cisco「成功へ導く資格

CCNA所有者向け求人の平均年収

求人サイトによるCCNA資格保持者の求人は、平均年収350〜800万円と幅広いのが特徴です。

CCNA所有者向けの求人と年収の一例を紹介します。

【ネットワークエンジニアの求人】

  • 勤務地:東京都
  • 年収:350~480万円
  • 応募条件:CCNAの資格をお持ちの方

【インフラエンジニアの求人】

  • 勤務地:東京
  • 年収:345~600万円
  • 応募条件:
    ・ITエンジニアに興味がある方
    ・安定かつ長期的にキャリアアップを目指したい方
    ・能動的にコツコツと自己研鑽ができる方
    ・新しいIT技術の学習を好きになれる方
    ・さまざまな現場を経験し、エンジニアとしてマルチに活躍したい方

【セキュリティエンジニアの求人】

  • 勤務地:大阪
  • 年収:400~800万円
  • 応募条件:
    ・EPP製品の運用経験がある方、もしくはセキュリティに関するインシデント対応経験がある方
    ・CCNAなどネットワーク資格の保有者歓迎

CCNA取得による資格手当

資格手当制度を導入している企業なら、CCNAを取得することで月に5,000~10,000円の資格手当をもらえる場合があります。

資格取得を支援する体制を整えている企業であれば、資格取得費用を負担してもらえたり、資格取得祝い金が支給されたりといったケースもあるでしょう。

ただし資格手当が無い企業の場合、資格を取得しても年収が上がらないこともあります。

CCNA取得で得られるメリット

CCNAの取得により得られる主なメリットは、次の4つです。

  • ネットワーク知識が身に付く
  • Cisco社の商品に詳しくなる
  • IT業種への転職が有利になる
  • キャリアアップにつながる

ネットワーク知識が身に付く

CCNA資格取得により、ネットワークに関する基礎知識が身に付きます。

出題される問題の一例は、次の通りです。

【ネットワークの基礎】
ネットワークの基本概念や用語、OSIモデル、TCP/IPモデルについて

【ネットワークのアクセス】
スイッチング技術やVLAN、トランクポートの設定と管理

【IP接続】
IPアドレッシング、サブネット化、ルーティングプロトコル(OSPF、EIGRPなど)

【IPサービス】
DHCP、NAT、QoSなどのIPサービスについて

【セキュリティの基礎】
ファイアウォール、アクセスリスト、VPNなどの基本的なセキュリティ概念

【自動化とプログラマビリティー】
ネットワークの自動化ツールやスクリプトの基礎

このようにCCNAの試験では、ネットワークに関するさまざまな分野からまんべんなく問題が出題されるため、苦手な分野があると試験に合格できません

資格の取得により、ネットワークに関する基礎知識が身に付いていることが証明できます

Cisco社の商品に詳しくなる

CCNA資格の取得の過程で、Cisco社の商品に関する深い理解を得られます。

CCNAの試験では、Cisco社の機器を操作するシミュレーション問題も出題されます。

Cisco社の製品は多くのIT企業が導入しているため、CCNA資格を取得していれば、実務でもCisco社の機器をスムーズに扱えるようになるでしょう。

IT業種への転職が有利になる

資格の取得により、IT業種への転職が有利になります。

CCNA合格で身に付けた知識は、主にIT業界で役立つスキルです。

資格の有無で合否が決まるわけではありませんが、資格がある人と無い人では前者の方が採用される可能性が高くなります。

キャリアアップにつながる

CCNA資格の取得により、キャリアアップにつなげられます。

会社によっては、指定の資格を取得すると手当が支給されることもあるため、実質的な年収アップも期待できるでしょう。

CCNAを取得後に、上位資格のCCNPやCCIEなどを取得することで、さらなる昇給や昇格につながる場合もあります。

CCNAの資格を活かせる職種

CCNAの資格を活かせる代表的な職種を5つ紹介します。

  • インフラエンジニア
  • クラウドエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • セキュリティエンジニア

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、システムやインターネットを使ううえで必要な、サーバーやネットワークの設計や保守などを担う技術者のことをいいます。

インフラエンジニアの主な業務は次のとおりです。

【ネットワーク設計・構築】
企業内ネットワークの設計や、ルーターやスイッチの設定

【サーバー管理】
Webサーバー、メールサーバー、ファイルサーバーなどの構築・運用

【セキュリティ管理】
ファイアウォールやVPNの設定、セキュリティポリシーの策定

【トラブルシューティング】
ネットワークやサーバーの障害対応

インフラエンジニアは、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどと密接に連携し、システム全体が安定して稼働するようにサポートします。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、AWSやAzureなどのクラウド上のサーバーを設計・構築する技術者です。

従来のオンプレミス型サーバーからクラウドサーバーに移行する流れが加速していることもあり、クラウドエンジニアは今後も需要が増加すると考えられます。

クラウドエンジニアの主な業務は次のとおりです。

【クラウドインフラの設計・構築】
仮想マシンの設定、ネットワーク設定、ストレージの管理

【クラウドサービスの最適化】
オートスケーリングやロードバランシングの設定

【セキュリティ管理】
クラウド環境のセキュリティ強化、アクセス制御の設定

ネットワークの知識は、クラウド環境でのネットワーク設計やトラブルシューティングに不可欠であり、CCNAの資格は大いに役立ちます。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、企業や組織のネットワークインフラの設計、構築、運用、保守を行います。

主な業務は次のとおりです。

【ネットワーク設計】
LANやWANの設計、VLANの設定

【ネットワーク機器の設定】
ルーター、スイッチ、ファイアウォールの設定

【ネットワークの監視・保守】
ネットワークパフォーマンスの監視、障害対応

CCNAはネットワーク全般に関する知識が求められるため、資格の取得時に得た知識を存分に活かせる職種と言えます。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、利用するサーバーの構築や運用・保守を行う技術者です。

主な業務内容は次のとおりです。

【サーバーの設定・管理】
OSのインストール、サーバーアプリケーションの設定

【セキュリティ対策】
ウイルス対策ソフトの導入、セキュリティパッチの適用

【バックアップとリカバリ】
データバックアップの実施、障害発生時のデータ復旧

サーバーエンジニアが扱うサーバーには、Webサーバーやメールサーバー、ファイルサーバーなどさまざまな種類があります。

ネットワークやデータの円滑な動作を確保するためにも、CCNAのような広いネットワーク知識が必要です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアとは、セキュリティを専門とした技術者です。

セキュリティエンジニアは、システムやネットワークのセキュリティを専門に担当します。

主な業務内容は以下の通りです。

【セキュリティ対策の設計・実装】
ファイアウォール、IDS/IPSの設定

【セキュリティ監視】
セキュリティログの監視、不正アクセスの検出

【インシデント対応】
サイバー攻撃やウイルス感染時の対応やリカバリ

セキュリティエンジニアには、ネットワークに関する深い知識が求められ、CCNAの資格はセキュリティ対策の基礎知識として役立ちます。

未経験でもCCNAを取得できる?

CCNAの資格は、IT業界未経験でも取得できます。受験資格に実務経験や前提資格などもありません

ただし年齢制限があるため注意が必要です。CCNAは13歳未満の方は受験できません。

13歳から17歳の場合は、保護者の同意があれば受験可能です。

CCNAに合格するための勉強方法

CCNA資格を取得するための勉強方法には、書籍やネットを利用した独学と、ITスクールに通う方法があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選択しましょう。

書籍や参考書で勉強する場合は、必ず最新の物を使用してください。

ネットワーク関係の情報は常に進化し続けており、CCNA試験の内容も改定頻度が高いため、古い参考書では新しい試験に対応できません。

最新の情報を体系的に学ぶのであれば、ITスクールに通うのも一つの方法です。

スクールであれば、プロの講義と最適化されたカリキュラムで、必要な知識を効率よく学べます。

おすすめのITスクールについては下記の記事で解説していますので、参考にしてください。

CCNA資格の勉強時間の目安

CCNA資格を取得するために必要な勉強時間の目安は、100〜300時間程度です。

ネットワークに関する勉強を一からはじめる初心者の場合は、300時間ほど確保しておくとよいでしょう。

ITエンジニアとして働いた経験がある場合は、200時間くらいが目安です。

すでにネットワークに関する基礎知識が身に付いているネットワークエンジニア経験者であれば、100時間程度で、必要な学習を終えられるでしょう。

たとえば1日2時間の勉強をした場合、経験者で100時間の勉強が必要な方なら2ヶ月弱、未経験者で300時間の勉強が必要な方なら5ヶ月程度かかる計算になります。

ただし、勉強に必要な時間は勉強方法や、経験の有無によって変わるため、あくまで目安として考えましょう。

まとめ:CCNAの取得で年収アップが可能

CCNAは、ネットワークに関する知識や技術の証明になる資格です。

CCNA資格の取得により、年収アップできる可能性があるでしょう。

資格を取得するための勉強は、独学する方法と、スクールで学ぶ方法があります。

ただし、企業によっては資格手当がつかないこともあり、必ず年収が上がるわけではありません。年収アップのために転職を考えているのであれば、事前によく確認してから応募しましょう。

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