「データサイエンティストを目指したいけど勉強方法が分からない」、「データサイエンティストにどんなスキルが必要なのか知りたい」と悩む方がいるのではないでしょうか。
データサイエンスのスキルは幅広く、効率的にコスパ良く学ぶのがおすすめです。
そこでこの記事では、データサイエンティストに必要なスキルや勉強方法、役立つ資格について解説します。
データサイエンスのスキル習得へのイメージを明確にしていきましょう。
データサイエンティストの勉強開始前に知っておきたい知識
ここではデータサイエンティストの勉強開始前に知りたい基本的な知識として、「仕事内容」と「将来性」を解説します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、世に溢れるデータを収集・分析し、新しいビジネス知見を提案する仕事です。
データサイエンティストの仕事内容と基本的な流れは、以下の通りです。
- 課題の抽出
- データ収集・加工
- 分析内容との照合
- レポートの作成・共有
- 課題解決
データサイエンティストの業務はデータ分析に目が行きがちですが、あくまで顧客の要望を叶えるためにビジネス貢献することが目的です。
顧客の悩みを洗い出し、課題解決のためにどのようなデータが必要なのかを検討していきます。
なおデータサイエンティストがどのような仕事なのか、さらに知識を深めたい方は以下の記事をご一読ください。
データサイエンティストの将来性
データサイエンティストは将来性が高い職種です。
昨今では膨大なデータが溢れていることやAIの急速な発展から、今後も伸びる分野であることは明白で、データサイエンティストの需要も高くなるでしょう。
そしてデータサイエンティストは幅広い専門知識を要するため、スキル習得の難易度が高くなります。
確立したスキルを持ち現場経験が豊富なデータサイエンティストは、仕事に困ることはありません。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストにはPythonや機械学習の知識以外にも、幅広いスキルが必要です。
ここからはデータサイエンティストに必要なスキルとして、次の5つを紹介します。
- Pythonのスキル
- データベースのスキル
- 統計学・機械学習のスキル
- ビジネススキル
- マーケティングスキル
必要なスキルを把握し、目指すイメージを明確にしていきましょう。
①Pythonのスキル
データサイエンティストには、Pythonのプログラミングスキルが必要です。
機械学習や統計的手法を用いたデータ分析によく使われるのがPythonで、AIや人工知能分野の広がりにより活用が増えている人気のプログラミング言語です。
Pythonは文法がシンプルで分かりやすいため、初心者でも理解しやすいのが特徴です。
他にも統計解析言語として開発されたR言語は、データ分析や統計解析に関して圧倒的に優秀な機能を発揮します。
ただデータサイエンスに関して多くの企業ではPythonが使われているため、まずはPythonのスキルを身に付けるのがおすすめです。
②データベースのスキル
多くのデータを取り扱うデータサイエンティストは、SQLなどのデータベースに関する知識が必要となります。
データ分析を行なう場合、PythonやR言語だけでは取り扱えるデータのサイズが限られてきますが、SQLを活用すれば大きなデータを利用できるようになります。
③統計学・数学のスキル
データサイエンティストにはデータの性質を調べ、目的に応じてデータ分析を行なう学問の統計学の知識を要します。
統計学はデータを正しく解釈するスキルとして、データサイエンティストに活用されています。
そしてデータ分析には数学の知識も必須で、データサイエンスの参考書のほとんどは数学の知識がある前提で書かれています。
シーンによって必要な数学の知識は異なりますが例えば確率や統計、微分・積分などの分野は必須と言われていて、高校の数学の範囲が中心となります。
④ビジネススキル
データサイエンティストには、データを取り扱う専門的な技術・知識だけでなくビジネススキルが必要です。
データサイエンティストは単にデータ分析するだけでなく、その前後に企業課題からビジネスへの活用方法を練ったりデータ分析後のレポートを作成・共有したり、一気通貫して業務を担当します。
つまりビジネス課題を解決する論理的思考や、データ抽出したレポートをプレゼンテーションする力も重要となります。
⑤マーケティングスキル
データサイエンティストの仕事には、マーケティング視点が重要です。
そもそもマーケティングとは企業活動においてサービスが売れる仕組みを構築することで、データサイエンティストは顧客企業の要望である売上向上などに向かって、データを活用していきます。
つまり企業課題を洗い出しデータ分析を行なう領域を決めるためには、マーケティングスキルがないと統計学やプログラミングの知識が活かせなくなります。
マーケティングについては、「MEDIA EXCEED」がわかりやすく情報発信しているので参考にしてください。
データサイエンティストの知識を身に付ける勉強手段
データサイエンティストへの興味が深まり知識を身に付けたいと思った方へ、ここからはデータサイエンティストの知識を身に付ける勉強手段として、以下の4種類を紹介します。
- 書籍で学ぶ
- 学習サイトで独学する
- 資格取得を目指す
- ITスクールを受講する
取り組みやすい方法から順に紹介しているので、ぜひ読んで試してみて下さい。
①書籍で学ぶ
全く知識がない人は、まずはデータサイエンティストの概要や数学の基本的知識などを書籍で学びましょう。
基本的な業界イメージや根本的な知識がないと、スキル習得は難しくなります。
書籍なら隙間時間を活かせるので、1冊鞄に忍ばせておくのがおすすめです。
②学習サイトで独学する
基礎的な知識や全体像を習得したら、学習サイトでより深く学んでいきましょう。
AIやデータサイエンスに関する学習サイトは幅広く展開されていて、例えばA作成を目的としてプログラミングを学ぶサイトや、多種多様な動画コンテンツを提供するサイトなど様々あります。
無料教材から学習をスタートさせて、突き詰めたい部分は有料教材を活用すると無駄なく費用を抑えられます。
具体的な学習サイトは本記事の後半で紹介しているので、ぜひ最後まで読んでいって下さい。
③資格取得を目指す
データサイエンティストとしての勉強方法は、資格取得を目指すのも1つの手です。
関連資格の取得を目指せば、データサイエンティストのスキルを体系的に学ぶことができます。
資格を取る明確な目的を持ちながら学ぶので、学習継続がしやすくなります。
また資格取得は就職活動のスキル証明にも役立てられ、選考で有利に働く可能性があります。
データサイエンス未経験者が勉強すべき資格は本記事の後半で紹介しているので、ぜひ参考にしていって下さい。
④ITスクールを受講する
データサイエンティストを短期間で目指したい場合、ITスクールの受講が適しています。
ITスクールには、スキル習得や転職といった目的を達成できる最短ルートが用意されています。
サポートは例えばITスクールの教材で順を追ってカリキュラムを学んだり、プロ講師対応の定期面談やチャット質問を利用したり。
さらに転職支援を受けられるITスクールもあり、ポートフォリオや履歴書の添削、面接対策などを実施してくれます。
ITスクールによってサポート内容や料金が大きく異なるので、公式サイトなどを細部までチェックして自分に合った1校を見つけてください。
データサイエンティストを目指す方におすすめのITスクールは、以下の記事で紹介されているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
データサイエンス初心者におすすめの学習サイト
データサイエンスを学べる学習サイトはさまざまで、サイトによって学習形式や目的が異なります。
そこでここからはデータサイエンス初心者におすすめの学習サイトを、次の5つ紹介します。
- Progate
- PyQ
- Udemy
- KIKAGAKU
- AI Academy
内容を確認し、あなたの目的に沿ったサイトを見つけて下さい。
①Progate
Progateはプログラミング学習の登竜門的な学習サイトで、基礎を無料から学べるメリットがあります。
Progateはプログラミング学習でつまずきやすい環境構築が不要なので、学習を始めるハードルが低くなっています。
学習はスライド形式で、最初にカリキュラムを読んだ後にコードを書き実践していく内容です。
インプットとアウトプットのバランスが取れた、初心者に適した学習サイトといえるでしょう。
学習サイト名 | Progate |
学べる言語・スキル | プログラミング全般(Python、SQLなど含む) |
学習形式 | スライド形式 |
特徴 | ・スライド形式でテキスト学習、コーディングが可能 ・視覚的に学びやすくプログラミング未経験者におすすめ |
環境構築 | 不要 |
料金(税込) | 無料または990円/月 |
②PyQ
PyQは、技術書1冊分の価格で始められるPythonの独学プラットフォームです。
1500以上ある問題の多くがPythonに関わる内容で、データ分析や機械学習、統計分析など幅広いスキルを習得できます。
月額8,130円の個人スタンダードプランには講師による学習サポートが付いているのが特徴的で、初心者で分からない箇所が多い人でも安心して学べます。
PyQは7日間無料でカリキュラムが試せるので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
学習サイト名 | PyQ |
学べる言語・スキル | Pythonがメイン(一部HTML/CSS,SQLなども学べる) |
学習形式 | クエスト形式 |
特徴 | ・読む・書く・動かすのサイクルで知識が定着しやすい ・Pythonをメインに作成した問題は1,500問以上 |
環境構築 | 不要 |
料金(税込) | 3,040円/月または8,130円/月 |
③Udemy
Udemyはさまざまな業界・スキルのプロが動画講座を提供する学習サイトです。
動画は買い切り型で視聴制限なしのため、好きな時に何度でも学び直すことができます。
Udemyのデータサイエンスの講座には、「ビジネスの現場で使えるデータ分析」や「数学教師が教えるゼロからの統計学入門」などの多種多様な動画を提供しています。
教材で習得できるスキルレベルは幅広く、初心者からプロまでどんな方にもおすすめできる学習サイトです。
学習サイト名 | Udemy |
学べる言語・スキル | ほとんどのスキルが学べる |
学習スタイル | 動画形式 |
特徴 | ・強化したい部分に特化した学習が可能 ・講座の評価が明確なのでミスなく選べる |
環境構築 | 不要 |
料金(税込) | セール時は2,000円前後の教材多数 |
④KIKAGAKU
KIKAGAKUはAI・機械学習を学ぶ動画学習プラットフォームで、初心者への分かりやすさを追求して作られています。
動画形式の講座はIT入門やデータサイエンス、機械学習、G検定対策など幅広いデータサイエンスに関する知識を学ぶことができます。
無料で学べる教材もあるので、興味があれば気軽に試してみて下さい。
学習サイト名 | KIKAGAKU |
学べる言語・スキル | AI・機械学習の知識全般 |
学習スタイル | 動画形式 |
特徴 | ・AIや機械学習に特化した学習サイト ・無料で利用できる講座がある |
環境構築 | 不要 |
料金(税込) | 無料~ |
⑤AI Academy
AI Academyは、AIを作りながらプログラミングが学べる学習プラットフォームです。
業界最多と自負するコンテンツは480種類を超えていて、Pythonや機械学習、ディープラーニングまで多数のオリジナルカリキュラムを提供しています。
無料のフリープランでも、120以上のテキストを利用することができます。
学習サイト名 | AI Academy |
学べる言語・スキル | Python・AI |
学習スタイル | 動画形式 |
特徴 | ・480種類以上のオリジナルコンテンツを提供 ・AIを作りながら学べるカリキュラムもある |
環境構築 | 不要 |
料金(税込) | 無料~ |
未経験参入のデータサイエンティストが勉強すべき資格
ここからは未経験参入のデータサイエンティストが勉強すべき資格を、以下の5つのレベルに分けて紹介します。
- レベル①:基本情報技術者試験
- レベル②:データサイエンティスト検定
- レベル③:統計検定
- レベル④:データベーススペシャリスト試験
- レベル⑤:G検定
資格の詳細を1つずつ確認していきましょう。
レベル①:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアやデジタル人材の登竜門に位置づけられる国家資格です。
基本情報技術者試験はIT系の国家資格の中では2番目に易しく、IT業界初心者におすすめの資格です。
出題範囲はITの基礎理論から始まりプログラミングやシステム、データベースなどの専門知識はもちろん、マネジメントや経営戦略、法務などの知識も含まれます。
資格名 | 基本情報技術者試験 |
受験料(税込) | 7,500円 |
合格ライン | 正答率60% |
合格率 | 23~25%程度 |
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
レベル②:データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、数理・データサイエンス・AI教育のスキルレベルを図る検定です。
スキルレベルは以下のように4段階となっています。
スキルレベル | 対応できる課題 | |
---|---|---|
シニア データサイエンティスト | レベル4:業界を代表するレベル | ・産業領域全体 ・複合的な事業全体 |
フル データサイエンティスト | レベル3:棟梁レベル | ・対象組織全体 |
アソシエート データサイエンティスト | レベル2:独り立ちレベル | ・担当プロジェクト全体 ・担当サービス全体 |
アシスタント データサイエンティスト | レベル1:見習いレベル | ・プロジェクトの担当テーマ |
データサイエンティスト検定で出題されるのは、データサイエンティストに必要とされるスキルをまとめた「スキルチェックリスト」から、データサイエンス力・データエンジニア力・ビジネス力が問われます。
データサイエンティスト初学者のスキル試しにもおすすめの資格です。
資格名 | データサイエンティスト検定 |
受験料(税込) | 11,000円(学生:5,500円) |
合格ライン | 正答率約80% |
合格率 | 非公開 |
運営 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
レベル③:統計検定
統計検定とは統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験で、体系的な評価システムとして2011年に発足しました。
統計検定には様々な種類があり、統計検定1〜4級を始め統計調査士やデータサイエンス基礎・発展などの試験も取り扱っています。
初心者には3級・4級の取得が適していて、データ分析の概念を習得し身近な問題に活かすなら3級、データや表・グラフ、確率などを習得するなら4級の取得がおすすめです。
資格名 | 統計検定 |
受験料(税込) | 3級:6,000円(学生:4,000円)4級:5,000円(学生:3,500円) |
合格ライン | 3級:正答率65%4級:正答率60% |
合格率 | 3,4級:約70% |
運営 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
レベル④:データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの専門家であることを証明できる国家資格です。
データベースの高い知識が求められるため取得難易度が高く、所持していれば企業から高評価を得られます。
出題範囲はデータベースの基礎理論や技術から始まり、マネジメントの知識や経営的な知識も問われます。
データの取り扱いの重要性は高まっているため、今すぐとは言わなくても将来的に取得を目指したい資格です。
資格名 | データベーススペシャリスト試験 |
受験料(税込) | 7,500円 |
合格ライン | 正答率60% |
合格率 | 約15% |
運営 | IPA独立行政法人 情報処理推進機構 |
レベル⑤:G検定
G検定は日本ディープラーニング協会が実施する検定で、ディープラーニング(深層学習)に関する幅広い知識が問われます。
ビジネスへのAI活用を中心に出題され、範囲は人工知能の基礎知識や機械学習の具体的手法、ディープラーニングの知識などが一例です。
公式サイトにはG検定のミニテストが公開されているので、力試しに挑戦してみてはいかがでしょうか。
資格名 | G検定 |
受験料(税込) | 13,200円(学生:5,500円) |
合格ライン | 正答率約70% |
合格率 | 約65% |
運営 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
まとめ:データサイエンティストを目指して勉強を始めよう!
データサイエンティストには、プログラミングや統計学などの知識以外にもビジネスやマーケティングの知識を要します。
データサイエンスの基本スキルを固めるなら、書籍や学習サイト、資格学習を試してみて下さい。
独学して「プロから学びたい」「時間短縮で学びたい」と感じた方は、ITスクールの受講を検討してみて下さい。
一人ひとりのスキルレベルに合った方法で、学習を始めてみてはいかがでしょうか。