データベースエンジニアって将来性があるの?
データベースエンジニアは最近需要がないって聞いたけど…
このような悩みのある方のために、本記事ではデータベースエンジニアの将来性について解説します。
データベースはITの中でも需要が高く、将来性も期待できるスキルではありますが、実はデータベース専任のエンジニアの需要は低下しつつあるのが現状です。
本記事ではデータベースエンジニアの需要と将来性に加え、将来性のあるデータベースエンジニアになるためのスキルや資格についても解説します。
データベースエンジニアとは
データベースエンジニアは、データベースの設計や構築、運用といった仕事を担当するエンジニアです。
開発するシステムに応じて最適なデータベース設計を検討したり、情報漏えいなどのインシデントを防ぐためのセキュリティ対策も実施します。
システムやアプリに必要なデータベースを扱うエンジニアとして、IT業界において欠かせない存在でもあります。
データベースエンジニアについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
データベースエンジニアの将来性
データベースエンジニアは、たしかにIT業界において欠かせない存在です。
しかし最近では、データベースエンジニアの需要や将来性に変化が現れています。
データベース専門のエンジニアの需要が減り、最新の技術にも対応できるエンジニアの価値が高まっている、というのがデータベースエンジニアの現状です。
ここでは、データベースエンジニアの将来性について、近年の動向をふまえて解説します。
データベースエンジニアそのものの将来性はやや不安
実は、データベースエンジニアそのものの将来性にはやや不安があるのです。
たしかに、AIやデータサイエンスなど、大量のデータを効率的に扱う必要がある技術が普及している昨今、データベースを扱うスキルの重要性は高まっています。
しかし将来的には、データベースの運用や保守・簡単な構築を専門的に行う、従来のようなデータベースエンジニアの仕事は少なくなるのではないかと予想されているのです。
その背景には、クラウドの普及やデータベースソフトの進化によって、データベースの構築のハードルが下がっているという事情があります。
そのため、データベースを専門とするエンジニアの将来性には少々不安があるようです。
現在のデータベースエンジニアの需要
現在のデータベースエンジニアの需要に関して言えば、データベース専任のエンジニアの求人は減少傾向にあります。
データベースに特化した人材よりも、サーバーも扱えるエンジニアやクラウドについてのスキルがあるエンジニアの方が市場価値が高く、データベースエンジニアにはより幅広いスキルが求められています。
データベーススキルの需要は高い
たしかに、データベース専任のエンジニアの求人数は減少傾向にあります。
しかし、データベーススキルがあれば、将来的に活躍できるチャンスはあるでしょう。
データベースそのものを扱う技術よりも、データベースを利用している最新技術として、AIやクラウド、データサイエンスの需要が高まっているからです。
データベースはあらゆるITシステムをバックエンドから支えており、データベースなくして最新の技術は成り立ちません。
高い市場価値のあるデータベースエンジニアになるためには、データベースに特化したスキルだけでなく、新たなスキルの習得にチャレンジしていく必要があるでしょう。
データベースエンジニアの将来性が期待できる分野
それではIT業界において、データベースエンジニアの将来性が期待できるのはどのような分野なのでしょうか。
ここでは、データサイエンスとAI開発の2つの分野について解説します。
データサイエンス
データサイエンス業界は、データベースエンジニアの将来性が期待できる業界です。
データサイエンスは世界的に需要が高まっている業界で、今後も高い将来性が期待できます。
データベースエンジニアの主な仕事は、データベースの設計や構築、運用です。
それに対してデータサイエンティストは、多くのデータを収集して分析し、既存のサービスの改善を提案したり、新たなサービスの企画立案を行うなど、データの収集と分析から新しい価値を生み出す仕事を担当します。
データサイエンス業界では、データベースについての知識を活かすチャンスは多々あるでしょう。
AI開発
AI分野にもデータベースについての知識が欠かせません。
AI開発では、ビッグデータを利用したパターン認識やディープラーニングによって制度を高めていく必要があるため、大量のデータを扱います。
データベースについての知識をAI開発の分野で活かすことができれば、高い将来性が期待できるはずです。
もちろんデータサイエンスの場合と同じく、プログラミングや数学の知識、データ分析の手法など、様々な専門的スキルをさらに身につける必要があります。
将来的にAI開発の分野で活躍したい方は、データベース以外にも高度なスキルの習得が必要であるという点はおさえておきましょう。
データベースエンジニアのキャリアパス
データベースエンジニアには、どのようなキャリアパスが想定できるのでしょうか。
将来性のあるデータベースエンジニアとして活躍したい方は、以下のようなキャリアパスを選択肢として考えておきましょう。
- データベースコンサルタント
- データサイエンティスト
- プロジェクトマネージャー
データベースコンサルタント
1つ目のキャリアパスはデータベースコンサルタントです。
IT系のコンサルタントは、企業の経営課題をITで解決するためのアドバイスをし、必要な技術やシステムを提案します。
データベースコンサルタントの場合は、企業でのデータ収集や活用の方法や、データベースの構築・運用についてのアドバイスが仕事の基本となるでしょう。
IT系のコンサルタントとして活躍するには、データベース以外にも幅広い知識が求められます。
求められるスキルが高度な分、収入も高くなる傾向にあるため、データベースエンジニアとして一定の経験を積んだ後で検討してみると良いでしょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、高い将来性が見込めるキャリアパスです。
データサイエンスについての高度なスキルを身につけられれば、世界的に需要が高まっている業界で活躍できるチャンスがあるでしょう。
データサイエンティストとして活躍するためには、PythonやRといったプログラミング言語を扱うスキルや、統計学の知識、データ分析ツールの理解など、専門性の高いスキルを新たに習得していく必要があります。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーへと移るのもおすすめのキャリアパスです。
データベースエンジニアにとってはメジャーなキャリアパスの1つで、30代から40代あたりのタイミングでキャリアチェンジする人が多い傾向にあります。
クライアントとの打ち合わせや予算・工数の決定、メンバーのアサインや進捗の把握など、プロジェクト全体を管理する立場です。
豊富なプロジェクト参画経験と、プロジェクトマネジメントについての専門的なスキルが求められる仕事です。
将来性のあるデータベースエンジニアになるためのスキル
データベースエンジニアとして長く活躍するためには、データベース以外にも様々なスキルが必要です。
ここでは、将来性のあるデータベースエンジニアになるためにおすすめのスキルを4種紹介します。
- インフラスキル
- プログラミング
- AI開発
- データサイエンス
インフラスキル
1つ目はインフラについてのスキルです。
データベースやネットワーク、サーバー、クラウドなど、ITを支える技術のことをインフラと呼びます。
将来性のあるデータベースエンジニアになるためには、インフラに属する他の技術も習得しておきたいところです。
インフラ周りの作業を一任できるようなエンジニアになれれば、開発系の企業での活躍のチャンスが大きく広がるでしょう。
プログラミング
データベースエンジニアだからといって、プログラミングスキルが必要ない訳ではありません。
開発を担当するエンジニアでも、SQL(データベースを操作するための言語)など、データベースの知識が求められることもよくあります。
データベースについての知識が豊富で開発もできるエンジニアであれば、現場で大いに活躍できるでしょう。
もちろん、プログラミングはアプリやシステム開発だけでなく、AI開発やデータサイエンスの領域でも重宝されます。
AI開発
AI開発に必要なスキルを身につけられれば、AIエンジニアとして活躍できるチャンスもあるでしょう。
しかし、独学でAI開発に必要なスキルを身につけたり、個人でAIを開発するのは難易度が高いものです。
AIエンジニアを目指す人向けのスクールもありますが、まずはデータベースエンジニアとして働きながら、AI開発に役立つプログラミングやデータサイエンスの学習を進めると良いでしょう。
データサイエンス
データサイエンスのスキルもAI開発と同じく、需要が高いスキルです。
こちらも独学で全てを身につけるのは難しいスキルのため、必要なスキルを吟味して勉強を進め、データベースエンジニアとして十分な経験を積んだ段階でのキャリアチェンジを目指すのが良いでしょう。
将来性のあるデータベースエンジニアになるためのおすすめ資格
将来性のあるデータベースエンジニアになるためには、資格の取得もおすすめです。
資格は、スキルの客観的な証明になります。
キャリアアップや年収アップに役立つため、高難易度な資格にも積極的にチャレンジすることをおすすめします。
- データベーススペシャリスト試験
- オラクルマスター
- OSS-DB
データベーススペシャリスト試験
「データベーススペシャリスト試験」は、情報系の国家資格の中でも最高難易度の資格の1つで、合格率10%代の難関です。
データベースについての高度な知識とスキルを証明でき、取得できればデータベースエンジニアとして高く評価されるでしょう。
キャリアアップやキャリアチェンジの際の大きな武器になります。
オラクルマスター
「オラクルマスター」は、世界的なシェアのある「Oracle Database」を開発しているOracle社のベンダー資格です。
データベースエンジニアとしてはメジャーな資格で、データベースについての知識を体系的に学習するのにも役立ちます。
レベル別に「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つのグレードがあるため、キャリアに合わせてレベルアップしていけるのもポイントです。
未経験の方は、まずは「Bronze」の取得を目指すと良いでしょう。
OSS-DB
「OSS-DB」は、オープンソースデータベースを扱うスキルを認定する資格です。
「PostgreSQL」というデータベースソフトの操作やスキルを問う資格で、取得できればオープンソースデータベースを活用した開発現場で活躍できるチャンスが広がるでしょう。
「OSS-DB」には、PostgreSQLの基本操作や設計・運用についての知識が問われる「Silver」と、大規模システム開発やコンサルティングまで可能なエンジニアとしての資質を問う「Gold」があります。
まずは「Silver」の取得し、キャリアアップを目指すようであれば「Gold」の取得も検討してみると良いでしょう。
まとめ
本記事では、データベースエンジニアの将来性について解説しました。
データベースは様々なITの基礎にあるため、データベースエンジニアとしてのスキルが役に経つ場面は多いとされています。
しかし、データベース専任のエンジニアは需要が下がりつつあるため、データベースエンジニアとして長く活躍していくためには、自分の強みとなる技術を身につけなければなりません。
データサイエンスやAI開発などの最新技術や、マネジメントやコンサルタントとしてのスキルを磨いたり、資格を取得したり、といったキャリアプランが必要です。