エンジニアとしてスキルを磨くためには、資格取得が重要。
しかし、数多くの資格の中からどれを選ぶべきか悩むことも多いでしょう。
本記事では、それぞれの職種に特化したおすすめのエンジニア資格を紹介します。
またエンジニア資格のメリットに加え、取得のときに意識すべき注意点や勉強方法も解説します。
エンジニアスキルをより高めるべく、本記事を参考に資格取得への一歩を踏み出しましょう。
エンジニアに資格は必須?
エンジニアにとって資格は必須ではありませんが、重要であることは間違いありません。
資格は実務経験やスキルを裏付ける証明とされ、就職やキャリアアップで重宝するからです。
さらに一部の職種では、資格が求められるケースもゼロとは限らないでしょう。
とはいえ「資格だけで成功」は難しいのも事実で、実践的なスキルや経験も必須。
最終的には資格と実践的なスキルや経験、バランスのとれたスキルセットを目指すことが重要になります。
そのためにも、自分の目標はもとより、世間的に需要の高い分野に焦点をあて、学習や実践を繰り返すのがいいでしょう。
エンジニアが資格を取得するメリット
エンジニアが資格を取得するメリットについて、大きなものを3つご紹介します。
スキル・積極性・行動力の担保となる
エンジニアが資格を取得するメリットのひとつは、スキル・積極性・行動力の証明です。
資格取得には高度な知識や技術が求められるので、習得することで自身のスキルセットを広げられます。
さらに、資格取得は積極性と行動力を示すものでもあります。
資格取得に向け自主的に学んで努力することは、企業やクライアントに対して自己啓発の姿勢をアピールする絶好の材料となるでしょう。
評価が高まり年収アップにつながる
評価の向上とそれに伴う年収アップも、エンジニアが資格を取得するメリットです。
資格は専門知識やスキルの証明となり、企業からの信頼を高めます。
その結果、プロジェクトへの関与度や責任範囲が広がり、仕事の評価が向上する傾向にあります。
さらに資格は市場価値の向上にも寄与し、求人市場での競争力を高めることも可能となります。
資格取得はキャリアアップと収入面、双方でメリットをもたらしてくれるでしょう。
将来の選択肢が増える
エンジニアが資格を取得するメリットとして、将来の選択肢の幅が広がることもあります。
実際に何らかの技術や言語に関する資格をアピールすることで、その分野での仕事やプロジェクトに参加できる機会は増えます。
さらに、異なる業界や役割に進出する際にも資格は有効。
たとえば転職やキャリアチェンジの際には、資格があることで選考のハードルを下げることが可能です。
将来の選択肢を増やすという観点では、資格は新たな可能性を開拓してくれる重要な武器となります。
エンジニア資格を選ぶときの注意点
資格にデメリットはありませんが、選ぶときに注意したい点は存在します。
この章でおさえておきましょう。
目的に沿った資格を選ばないと効果は薄い
エンジニア資格を選ぶときの注意点のひとつは、自身の目的に合った資格を選ぶことです。
資格はさまざまな種類が存在し、それぞれが異なるスキルや分野に特化しています。
そのため目的にそった資格を選ばないと、自身の成長やキャリアでもたらされる効果が薄くなってしまうためです。
自身が目指すゴールや興味関心に合わせ、それに合ったものを慎重に選ぶことが大切となります。
役に立ちにくい無名な資格もある
エンジニア資格の中には、役に立ちにくい無名なものが存在することに注意が必要です。
市場で認知度や価値が低い資格は、求人やキャリアにおいてあまり効果を発揮しない場合があります。
資格を選ぶ際には、
- 市場での需要
- 認知度
- 実務での活用可能性
などを考慮しましょう。
また、現状の業界トレンドや専門家の意見を参考にすることもひとつです。
せっかく努力した時間や労力をむだにしないためにも、価値と信頼性に長けた資格を選ぶようにしましょう。
開発エンジニアにおすすめの資格
開発エンジニアとして働く方におすすめの資格は、以下のとおりです。
応用情報技術者
開発エンジニアにおすすめの資格として、応用情報技術者があります。
こちらは主に、幅広い情報処理やシステム開発に関する応用知識を有することを証明するもの。
内容としてはプログラミングやデータベース、ネットワークなど、幅広い知識が求められます。
取得によって開発エンジニアとしての技術力と実務経験を裏付けるだけでなく、
- 企業内での評価を上げる
- 昇進の機会やチャンスを増やす
といった観点でも、非常に有効です。
さらに一部の案件や仕事では、必須の応募条件として求められるケースもあります。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計、管理、最適化などに関する知識やスキルを認定するものです。
もはやデータベースはシステム開発において必須であり、正確なデータ管理や高性能なクエリ処理が求められます。
そのためこの資格をとることで、幅広い職種のIT企業で重宝される人材となるでしょう。
Oracle Master
開発エンジニアにおすすめの資格に、Oracle Masterがあります。
Oracle Masterは、Oracleデータベースの高度な知識やスキルをもつことを証明するものです。
国内の企業でもOracleデータベースを使っている企業は多いため、あらゆるシステム開発業務において重宝される人材となれるでしょう。
Oracle Masterの取得には、
- 高度なデータベース管理
- パフォーマンスチューニング技術
- セキュリティの知識
などが求められます。
Oracleに関わる開発エンジニアであれば、こちらの資格に挑戦するのがおすすめです。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格
ネットワークエンジニアとして働く方におすすめの資格は、以下のとおりです。
CCNA
ネットワークエンジニアにおすすめの資格の代表格として挙がるのが、CCNAです。
CCNAは、Ciscoネットワーキング技術の基礎知識やスキルを証明する内容で、
- ネットワークの設計
- 構築
- トラブルシューティング
の技術を鍛えられます。
ネットワークは、ITインフラの要のような存在です。
取得によってCisco機器を使用する企業をはじめ、職種を問わずあらゆるプロジェクトにおいて就業機会を増やせるでしょう。
なお活学ITスクールでは、こちらのCCNAを短期間で取得できる制度が設けられています。
CCNP
CCNPも、ネットワークエンジニアにおすすめの資格のひとつです。
前述のCCNAとおなじくCisco機器のスキルを証明する資格ですが、より難易度の高い応用的な知識が問われます。
CCNPは、企業や組織でのネットワークエンジニアとしての信頼性を高め、雇用や昇進の機会を確実に広げてくれるでしょう。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストはIPAが運営する、高度な技術が証明できるネットワーク資格です。
主な出題内容は、
- ネットワークの設計
- 構築
- 管理
- トラブル対応
- ほか
などとなっており、ネットワーク資格の中でも極めて難易度が高いことで知られています。
ただその分、取得によって、
- ネットワークエンジニアとしての専門性の向上
- プロジェクトの就業機会の増加
- 企業および業界での信頼性・評価の向上
に大いに寄与するでしょう。
セキュリティエンジニアにおすすめの資格
セキュリティエンジニアとして働く方におすすめの資格は、以下のとおりです。
情報セキュリティマネジメント
セキュリティエンジニアにおすすめの資格として、情報セキュリティマネジメントがあります。
こちらの情報セキュリティマネジメントの取得によって、
- セキュリティポリシーの策定
- リスク評価
- セキュリティインシデントへの対応
などの能力が鍛えられるでしょう。
さらに、信頼性が重視されるセキュリティ分野において、さまざまなケースで強力な武器となることは間違いありません。
システム監査技術者
セキュリティエンジニアにおすすめの資格に、システム監査技術者があります。
IPAが運営するこちらの資格は、主に情報システムの総合的な監査を行うための知識が問われるものです。
システム監査技術者の保有することで、
- 情報システム管理・運営のスキル向上
- 企業の法令遵守に対する知識の精通
などを証明できるメリットが受けられます。
なお情報処理技術者試験の中でレベル4とされており、難易度は高い傾向です。
情報処理安全確保支援士
こちらの情報処理安全確保支援士も、情報セキュリティの専門知識とスキルをもつことを証明できる資格です。
具体的には
- 情報システムの設計・開発
- 管理・運用に関するセキュリティ対策
- 情報システムに対する支援や評価
についての知見が求められます。
合格率は20パーセント以下と低いですが、試験は年に2回行われているため挑戦しやすく、セキュリティエンジニアならぜひもっておきたい資格です。
AIエンジニアにおすすめの資格
AIエンジニアとして働く方におすすめの資格は、以下のとおりです。
G検定
AIエンジニアとして働く方には、G検定がおすすめです。
G検定はAI技術に関する知識と応用力を測る資格であり、人工知能の基礎から応用まで幅広くカバーしています。
この資格をもつことでAIの基礎知識を深めるだけでなく、実践的なスキルも磨くことが可能となるでしょう。
AIエンジニアとしてのキャリアを追求する上で、G検定は信頼性の高い資格であり、技術力の証明にもなります。
また合格率も60パーセント前後と低く、挑戦しやすい資格です。
E資格
E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営する資格です。
ディープラーニング統合をはじめ、企業のIT戦略に関する専門知識が求められます。
AIエンジニアは単にAI技術だけでなく、システム全体を理解し、ビジネスニーズに合わせたソリューションを提供する能力も必要です。
E資格の取得によって、組織の課題を解決するための戦略的なアプローチ手法について、効果的な知識を習得できます。
Python3エンジニア認定
AIエンジニアにおすすめの資格として、Python3エンジニア認定も挙げられます。
Pythonは、いま急激に発展を遂げているAI開発やデータサイエンスにおいて広く使用される言語。
そのスキルを証明するにあたって、非常に大きな効果をもたらしてくれる資格です。
具体的なメリットとしては、
- Pythonの基礎から応用までの知識の習得
- AIプロジェクトにおけるプログラミングスキル向上
- ライブラリやフレームワークの活用技術向上
などが挙げられます。
上流工程エンジニアにおすすめの資格
上流工程エンジニアとして働く方におすすめの資格は、以下のとおりです。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、上流工程エンジニアならもっておきたい資格のひとつです。
主にIT戦略の策定やビジネスプロセス改善に関する知識を測るものであり、IT技術者の中でも、とくに上級レベルのスキルを裏付けることができます。
数あるIT資格の中でも難易度は極めて高いものの、
- ビジネスニーズ分析における略的な視点
- 効果的なソリューションを提案する能力
の証明は、上流工程エンジニアとして、ぜひ身につけておきたいところです。
システムアーキテクト
上流工程エンジニアにおすすめの資格として、システムアーキテクトがあります。
主にシステム設計や運用、分析など、いわゆる上流工程エンジニアが担当する業務における深い知識を身につけることが可能です。
そもそもシステムアーキテクトは、プロジェクトメンバーを動かす「主導力」が必須となります。
この資格をもつことで権威性と信頼性が確実に向上するため、社内のみならず、幅広いIT企業からの需要が高まるでしょう。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャという職業は、主にプロジェクトの統括として
- 計画
- スケジュール管理
- メンバー選定
- リスク対策・トラブル対応
- 監視・制御
などの業務を行います。
これらに関する包括的な知識とスキルを要求する資格が、プロジェクトマネージャ試験です。
この資格をもつことで、より実践的な視点からのマネジメントが可能になるため、プロジェクトの生産性や効率アップに大きく貢献するでしょう。
また転職や独立においても大きく役立つ、汎用性の高い資格となっています。
これからエンジニアを目指す方におすすめの資格
これからエンジニアを目指す方であれば、以下の資格がいいでしょう。
LinuC Level2
エンジニアを目指す方であれば、LinuC Level2を目指すことがおすすめです。
こちらはLinuxシステムの基礎知識とスキルを証明するものであり、エンジニアとしての就職やキャリアアップに役立ちます。
LinuC Level2の取得により、
- Linux環境でのネットワーク設定
- セキュリティ対策
- システム管理
などの技術を高めることができるでしょう。
またLinuxは多くの企業が利用していることもあって需要が高く、選択肢の幅も広がります。
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)も、これからエンジニアを目指す方なら狙うべき資格です。
Microsoft Officeソフトウェア(Word、Excel、PowerPointなど)の高度なスキルを証明する内容で、ビジネス環境での効率的な業務処理やデータ分析能力が身につきます。
レベルはアソシエイト(一般)とスペシャリスト(上級)がありますが、エンジニア志望ならスペシャリストがおすすめです。
また世界的に認知されている資格のため、グローバル企業への就職においても、大きなアドバンテージとなるでしょう。
基本情報技術者
基本情報技術者は、エンジニアを目指す方なら必ず耳にする、知名度の高い資格です。
基本的な情報技術に関するスキルが必要とされ、
- 情報技術の基礎理論
- システム開発
- ネットワーク
- データベース
などの幅広い分野から出題されます。
エンジニアとしての第一歩にふさわしい資格で、さらにIT業界で広く認知されているため、求人市場でも有利になるでしょう。
エンジニア資格を取得する際におすすめの勉強方法
エンジニア資格を取得するなら、以下の勉強方法を試してみてはいかがでしょうか。
ネット教材や動画を駆使する
エンジニア資格の勉強方法として、ネット教材や動画を活用することが挙げられます。
ネット教材なら書籍と異なり、書店に足を運ぶ必要もないためです。
また動画は紙の書籍よりも圧倒的に情報量が多いため、体系的に学ぶ手段としては最適といえます。
「アウトプット7~8割」を意識する
エンジニア資格の取得のためには、アウトプット中心の学習を行うことが重要です。
専門的な分野ということもあり、インプットに時間をかけすぎてしまう初心者は少なくありません。
しかしアウトプットをしなければ不明点や課題は見えてこないため、学習効率は低下する一方です。
インプットはほどほどにして、ひたすら過去問題を解くなど、アウトプットをメインにしましょう。
飽きたら学習環境を見直す
エンジニア資格の学習は、どうしてもモチベーションの管理が困難です。
そのような場合は、学習環境を見直してみることもひとつの方法となります。
たとえば
- 勉強方法を見直してみる
- 学習部屋を変える
- 交流会や勉強会に参加し他人を見てみる
などを実践することで新しい刺激につながり、学習のモチベーション回復にも役立ちます。
まとめ:エンジニア資格を取得して市場価値を上げよう!
エンジニアとして働く方も、これからエンジニアを目指す方も、資格は今後のキャリア形成において大きなメリットをもたらしてくれます。
自分が目指す将来像に沿った資格を選ぶことで、他のエンジニアとの大きな差別化を実感できるでしょう。
さらに求人市場でも優位な立場となり、活動の幅も広がるので、ぜひ積極的に資格取得に取り組んでみてはいかがでしょうか。