2017年に新たなAI資格として始まった「G検定」をご存知でしょうか。
年々受験者数は増加しており、資格を取得してAIの知識を業務で活用したいと感じる人も増えています。
そこで今回は、G検定の概要やG検定を取得するとどのようなメリットがあるのか、おすすめの書籍を活用した勉強方法を解説します。
AIの知識を増やしたい、DX人材を目指している方は最後までご覧ください。
G検定とは
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している試験です。
AI分野のなかでもディープラーニングに特化した資格で、取得するとディープラーニングの基礎知識を持っている証明ができます。
業種問わず幅広い方が受験しており、企業のDX推進の動きを受けて勉強する方も多くなってきました。
G検定に合格することで、AIを業務に活用するための基礎知識やネットリテラシーが身に付くでしょう。
G検定の概要
G検定の試験概要は以下の通りです。
試験資格 | 制限なし |
試験日程 | 年6回 |
試験形式 | 多肢選択式 |
試験時間 | 120分 |
試験の問題数 | 約200問 |
試験方法 | オンライン |
試験費用(税込) | 一般:13,200円 学生:5,500円 (前回受験してから2年以内ならば割引適用で以下の通り) 一般:6,600円 学生:2,750円 |
AI需要の高まりを受け、例年の3回から6回へと試験回数も増えています。
試験日時から約2ヶ月前から申し込み可能です。
受けたい日時を決めて忘れずに申し込みしましょう。
G検定の試験範囲
G検定の試験範囲(シラバス)は幅広く、下記をご覧ください。
- 人工知能(AI)とは
- 人工知能をめぐる動向
- 人工知能分野の問題
- 機能学習の具体的手法
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの手法
- ディープラーニングの社会実装に向けて
- 数理・統計
人工知能の定義や歴史、人工知能の研究で議論されている問題が出題されます。
AIの歴史を知ることで、どのように生活に浸透していきこれからどう発展していくのかが予測できます。
機械学習の具体的手法では、教師あり学習・教師なし学習・強化学習などの基礎理論が求められます。
様々なディープラーニングの手法や、AIをビジネスに活用する際の法律も理解しておくことが大切です。
統計検定3級程度の基礎知識もこぼさず学習しておきましょう。
G検定を取得するメリット
G検定取得に伴うメリットは、以下の通りです。
AIを体系的に学べる
G検定の資格取得に向けた勉強で、AIを体系的に学べます。
これからAIを学び始める方も、すでに知識を持っているけれどさらに理解を深めていきたい方にとっても、G検定はおすすめできる資格です。
さらに法律に関しての知識も得られます。
どのようにAIが発展してきたのか、現在のAI技術のトレンドについて、そしてどうやってAIをビジネスに活用するのかなど、幅広いAIの知識を整理しながら学べるでしょう。
就活や転職で有利になる可能性がある
IT業界は常に人手不足です。
それに反してAIの需要は高まっており、人材不足にますます拍車がかかっています。
そのため、DX推進などIT育成に力を入れている企業が増えているのです。
G検定を持っていると、ディープラーニングやAIの知識・スキルを持っている証明になり、就活や転職で有利になる可能性があります。
G検定の資格保持が条件の企業求人もあるほどです。
大学生でもG検定に合格している方はいますので、就活を有利に進めたい方は挑戦してみましょう。
合格者限定のコミュニティに参加できる
合格すると、G検定を主催しているJDLAのコミュニティ『CDLE』への参加資格が得られるのも、メリットの一つです。
『CDLE』は参加者5万人を超える日本最大のAIコミュニティで、AIやディープラーニングについて情報の共有や対談が積極的に行われています。
エンジニアやプログラマーが集まって開発作業を行うイベントなど、各種イベントが開催されているのが特徴です。
G検定の取得がおすすめな方
G検定の取得は、以下のような方におすすめです。
AIエンジニアを目指したい方
AIエンジニアにとって、G検定は価値のある資格といえます。
G検定を取得する過程でAIの基礎はもちろんのこと、活用方法も学べます。
さらにG検定の試験範囲には機械学習やディープラーニングも含まれており、実際の業務で活用する基盤づくりに役立ちます。
G検定を取得しているとAIエンジニアとして信頼性も高まり、さまざまなプロジェクトに参画できるかもしれません。
AIを活用したDX人材を目指したい方
近年では、DXやAIを活用する動きが企業に広まっています。
AIを活用することで業務の最適化・予測分析・システムの自動化など、多くのメリットがあります。
また、AIは日々急速に進化を続けており、新たな技術やツールが数々と誕生しています。
AIやディープラーニングの知識を常にアップデートしていきましょう。
G検定でAIの基礎から応用まで知識を習得してスキルを高めて、DX人材を目指していけるでしょう。
教養としてAIを学びたい方
G検定は体系的にAIを学べるため、教養としてAIを学びたい人にもおすすめです。
AIは私たちの生活やビジネスに浸透しており、今後は職種や業種を問わずにAIが活用されていくことが予想されます。
またAIを学ぶと視野も広がり、自分の業務にも横展開できるメリットも含んでいます。
IT系に携わっていない他業種であっても、AIリテラシーを学べるG検定を取得して損はないでしょう。
G検定の難易度は高くない!受験者数と合格率
2017年から始まったG検定の受験者数は、年を追う毎に増加しています。
2023年第4回の試験では、3,309人が受験して2,390人が合格しています。
参考:「2023年 第3回 G検定」開催結果を発表
全体の合格率は約60〜70%と、G検定の難易度は高くないといえるでしょう。
多くの受験者が合格に向けて取り組んでおり、特に20代〜40代の受験者層が多く見られます。
職種別では、研究・開発、情報システム・システム企画、企画・調査・マーケティングなど幅広い職種の人が受けています。
試験範囲を把握してしっかり勉強を進められていれば、十分合格を目指せる試験です。
G検定に合格するための対策方法
ここからは、G検定に合格するための対策方法を解説します。
書籍を活用する
後ほど詳しく解説しますが、G検定の対策として使える書籍が数多くあります。
G検定は過去問が公開されていないため、市販の問題集を活用していきましょう。
書籍ならばどこでも持ち運べて、通勤中や待ち時間など、日常のちょっとしたすきま時間を活用して学習できます。
詳細や解説やイラストが豊富にあったりトピックスごとに整理されていたりと、弱点を重点的に勉強しやすいのも特徴です。
YouTubeを活用する
YouTubeで「G検定」と検索すると、試験対策や学習に役立つ動画が豊富に見つかります。
試験対策やチートシートを公開しているものなど多数あります。
活字だと理解が難しい箇所も動画でなら理解できる方もいるでしょう。
実際の問題を基に解説している動画もあり、なぜその解答になったのかをしっかり学習できます。
YouTubeを活用する際は、信頼性のある情報源を選ぶことが大事です。
専門家やプログラミング経験が豊富な方のコンテンツを参考にしてみてください。
G検定対策アプリを活用する
本が苦手な方やすきま時間にスマートフォンで学習したい方は、G検定対策アプリを活用してみるのも一つです。
G検定対策アプリは、最新シラバスに対応した独自の問題が320問あります。
各カテゴリの理解度がデータ化され、一目で自分の弱点がわかるのが特長です。
苦手なところを繰り返し解いて理解度を深められるほか、最新のAI情報も知ることができます。
さらにアプリ内で最新のAI情報も随時発信しています。
目まぐるしいスピードで成長しているAI分野において、最新情報を簡単にキャッチアップできるのはとても便利です。
G検定の対策におすすめの書籍
G検定の対策におすすめの書籍を紹介します。
ディープラーニングG検定 公式テキスト 第2版
「ディープラーニングG検定公式テキスト第2版」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が監修している公式本です。
改正された新しいシラバスに完全準拠しています。
図解や表を用いた分かりやすい解説付きで、第2版よりも練習問題の数が増えています。
試験対策だけでなく、ディープラーニングに関する入門書としても位置づけられているテキストです。
最短突破 ディープラーニング G検定 問題集 第2版
『最短突破ディープラーニングG検定問題集第2版』は、AIや機械学習に関連する人材育成から技術開発までを行う株式会社AVILENが執筆しています。
G検定によく出題されるAIの社会実装、ディープラーニング分野を中心に問題が掲載されており、やりこむことで実際の試験対策になります。
200ページを超える豊富な解説や、図と表を使ってイメージしやすくわかりやすさを重視した一冊です。
徹底攻略 ディープラーニング G検定 問題集
『徹底攻略ディープラーニングG検定問題集』は、数々のG検定合格者を輩出してきたスキルアップAI株式会社の講師が執筆しています。
いわゆる黒本と呼ばれる問題集で、テキストだけでなく図解を使って解説しています。
正しい解答はもちろん誤った解答例も載っており、より正解を理解できる内容です。
試験対策に役立つポイントも詳細に記載されているため、何度も繰り返し解いて試験に備えましょう。
ディープラーニング G検定 最強の合格テキスト
『ディープラーニングG検定最強の合格テキスト』は、472ページ、厚さ27mmのボリュームからなる一冊です。
QRコードから動画に飛べたり、赤文字にした重要な部分に赤いシートをかざすと文字が消えたり、あらゆる工夫が詰め込まれています。
「この一冊さえあればG検定に合格できる」を目指して作られたテキストです。
各分野の知識をとことんわかりやすく説明しており、文系の方でも手を付けられやすいでしょう。
巻末には、実際の試験を想定した問題が収録されています。
スッキリわかる ディープラーニング G検定 テキスト&問題演習
『スッキリわかるディープラーニングG検定テキスト&問題演習』は、過去に実施された問題を分析し、わかりやすくまとめられたテキストです。
最新シラバスに基づいた章構成で、各章は下記のように分かれています。
- まとめページ
- 基本的な知識を図解で表したテキストパート
- 予想問題と解説で知識を深める問題演習パート
無駄な説明を省き、試験に出題される部分に焦点を当てて解説されています。
解説には論的知識も掲載されているため、隅々まで読むとより理解を深められるでしょう。
G検定に関するよくある質問
G検定でよく寄せられる質問を紹介します。
G検定の合格率は?
G検定の全体合格率は約60〜70%です。
合格ラインは公開されていませんが、受験者全体の平均得点率からおおよその合格目安は正解率70%程度と言われています。
参考:「2023年 第3回 G検定」開催結果を発表(4,518名が受験し、3,106名が合格) – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
G検定はいつ受けられる?
G検定の試験日程は1年間で6回、おおよそ2ヶ月おきに定められています。
詳しい日程は、一般社団法人日本ディープラーニング協会のホームページで確認できます。
申し込み期間が決まっているため、受験することを決めたら早めに申し込みましょう。
G検定の受験資格は?
G検定は業種や国籍に関係なく誰でも受験できます。
海外の方も受けられますが、試験は日本語表記で受験料の支払いは日本円のみ対応しています。
詳細な支払方法に関しては、一般社団法人日本ディープラーニング協会のホームページでご確認ください。
G検定は独学でも取得できる!AIを詳しく勉強するならスクールへ
今回は、G検定の試験概要と勉強法を紹介しました。
AIが日々の暮らしのなかでも使われるようになり、今後もさらに活用場面は増えていくでしょう。
今現在自分が取り組んでいる仕事には直接関係がなかったとしても、AIの知識を持っていることは間違いなく将来役に立ちます。
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