ChatGPTを筆頭にAIが急激に進化しているため、AI関連の資格取得でスキルを身につけたいと考える人も増えています。
AI関連の資格として有名なのが「G検定」と「E資格」ですが、どちらを受験するか悩んでいる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、G検定とE資格の違いについて解説します。
違いを踏まえた上で、それぞれの資格を取得するとよい人も紹介するので、G検定とE資格に興味を持っている人は最後までご覧ください。
結論からいうと、G検定はAIを使って仕事をするビジネスマン向けの資格で、E試験はAIで開発を行うエンジニア向けの資格という違いがあります。
ディープラーニングとは
ディープラーニングとは、人間の脳を模倣して開発された機械学習技術の1つで、AI技術の主となる技術です。
最近、ChatGPTなどのAIが日常生活にも使われるようになってきましたが、AIが人間と同じように対話できるようになっているのはデープラーニング(深層学習)のおかげといえます。
AIはデープラーニングという技術を使って膨大なデータを学習や分析を行い、文章・音声・画像としてアウトプットできるため、今後はより幅広い用途で使われていくでしょう。
G検定とは
G検定とE資格の違いを解説する前に、まずそれぞれの資格について解説します。
概要
G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施しているAIに関する資格です。
ディープラーニングの基礎を学んだ上でAIの活用方法を知れるので、今後どのような分野・用途でAIを利用していくかを学びたい人におすすめの資格と言えます。
受験資格
G検定は受験資格がないため、学生やサラリーマン、主婦など誰でも受けられます。
出題形式
G検定はIBT(Internet Based Testing)方式で行われるため、自室や外出先からもアクセスして受験できます。
試験内容
G検定の試験範囲は、人工知能の定義・歴史・構造などのAIに関する基礎知識から、ディープラーニングの概要・手法までと幅広いのが特徴です。
ディープラーニングの基礎を学んだ上でAIの活用方法を知れるので、今後どのような分野・用途でAIを利用していくかを学びたい人におすすめの資格と言えます。
費用
受験費用は、一般(社会人)が13,200円で、学生が5,500円です。
E資格とは
次に、E資格について解説します。
概要
E資格は、G検定と同じく日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するAIに関する資格です。
受験資格
E資格は、過去2年以内に試験を主催しているJDLAの認定プログラムを受講しなければいけません。
出題形式
E資格はCBT(Computer Based Testing)方式で行われるため、会場にあるコンピュータを利用して回答を行います。
試験内容
E資格の試験内容は、確率や統計といった応用数学や機械学習・強化学習の基礎、順伝播型ネットワークなどの深層学習、深層学習の適用方法、ミドルウェア、エッジコンピューティングなどの実践的な問題解決など、多岐にわたっています。
費用
E資格の受験費用は、一般が33,000円で学生が22,000円と、G検定の2倍以上高いです。
G検定とE資格の違い
それでは、G検定とE資格の違いを紹介していきます。
対象者
G検定はAIを活用していくビジネスマン向けの資格ですが、E資格はAI・機械学習の開発をするエンジニア向けの資格です。
受験資格
G検定は誰でも受験できますが、E資格は資格を実施しているJDLAの認定講座を受けた人しか受験できません。
受験方法
G検定はIBT方式なので自宅のパソコンで受験できますが、E資格はCBT方式なので受験会場のパソコンでしか受験できません。
出題形式
試験時間はどちらも2時間(120分)ですが、G検定は即答できる問題が220問出題されるのに対して、E資格は難しめの問題が100問程度出題されます。
G検定・E資格の取得がおすすめの人
G検定・E資格の取得を考えている人は、以下を確認したうえで、どちらを受験するかを考えてみてください。
G検定の取得がおすすめの人
AIを使って事業を行いたい、AIエンジニアとコミュニケーションが取れるようになりたいという人は、G検定の取得がおすすめです。
AIの基本的な知識と活用例を学べるため、エンジニアではなく経営者・企画職としてAIを活かしていきたい人にピッタリの資格といえるでしょう。
E資格の取得がおすすめの人
AIの開発をしたい、AIシステムを使って開発をするエンジニアになりたいという人は、E資格の取得がおすすめです。
AIの基本的な知識はもちろん、AIシステムを作る上でのスキルも身につけられるため、エンジニアとして手を動かしていきたい人に向いているといえるでしょう。
G検定・E資格、どちらにするか迷ったら
もし、G検定・E資格のどちらを受験するか迷っているなら、G検定を受験するのがよいでしょう。
G検定のほうが難易度が低いため、AIに興味があって継続して勉強を進められる人なら、十分合格できる資格です。
E資格はエンジニア向けの専門的な内容が多く、比較的難易度が高いため、本気でAIエンジニアを目指している人でないと合格するのは難しいでしょう。
他のAI関連の資格
G検定とE資格以外にも、以下のようなAI関連資格があります。
JDLA Generative AI Test
JDLA Generative AI Testは、試験を実施しているJDLAが行なっている生成AIに関する資格です。
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalsは、Microsoftが主催しているAI関連の資格です。
Azureや機械学習についての基礎知識を問う試験なので、仕事でAzureを使っている人向けの資格といえるでしょう。
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、Googleが主催しているAI関連の資格です。
Googleクラウドに特化した内容で、実務経験が3年以上ないと受験できないハードな資格です。
AWS Certified Machine Learning-Specialty
AWS Certified Machine Learning-Specialtyは、Amazonが主催しているAI関連の資格です。
AWS(Amazon Web Services)に特化した内容なので、仕事でAWSを使っている人におすすめの資格といえるでしょう。
G検定・E資格などのAI関連資格を取得するメリット
G検定・E資格などのAI関連資格を取得するメリットは、以下の通りです。
スキルアップになる
AIシステムを導入している企業も多いため、機械学習やディープラーニングについて学んでいくと昇進や新プロジェクトに抜擢されることもあるでしょう。
また、AIの卓越した能力を持っている技術者はどの業界でも不足しているため、スキルアップすることで就職や転職で有利になるというメリットもあります。
顧客や関連部署とのやりとりがスムーズになる
AIを使ったシステムを導入したい顧客とコミュニケーションを取る機会がある人は、知識を幅広く学んでおくことで、顧客とスムーズにディスカッションを進められます。
新規プロジェクトチーム内で技術者と関わる人も、理系専門知識を身につけておくと、やり取りがスムーズになるでしょう。
コミュニティに参加できる
合格すると、資格保有者だけが入れるコミュニティに属せるため、実際にAI活用をしている人の生の体験談や試行錯誤の様子が見られます。
また、コミュニティを通して切磋琢磨していく仲間を見つけたり、合格者にアドバイスをもらいながら効率よく勉強したりできるでしょう。
G検定・E資格などのAI関連資格を活かせる職種
G検定・E資格などのAI関連資格を活かせる職種は、以下の通りです。
AIエンジニア
AIエンジニアは、AIサービスの開発をする職種なので、複雑な機械学習アルゴリズムの選定と実装が必要になる機会が多々あります。
E資格取得の過程で必要になる最先端のAI技術やアルゴリズムの知識を活かせば、最適なアルゴリズムを選定が行えるでしょう。
また、G検定取得の過程で必要になる知識を活かして、チームメンバーにアルゴリズムの背景にある理論をわかりやすく説明すれば、プロジェクトをスムーズに進められるでしょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストは分析やモデル構築を行う職種なので、ノイズが含まれているビックデータを扱ったり、欠損地を判別したりする機会が多々あります。
G検定やE資格で学んだ情報を活用すれば、的確な前処理やデータクレンジングを実施できるでしょう。
まとめ
この記事では、G検定とE資格の違いについて解説しました。
G検定はAI関連の業務をするビジネスマン向けで、E資格はAI関連の開発を行うエンジニア向けです。
対象者が大きく違うため、現在の職種や今後やりたい仕事から、取得する資格を選ぶのがよいでしょう。
今後AI分野が伸びていくことは間違いないので、ぜひ早いうちにディープラーニングの知識を身につけて、仕事に活かしていってください。