「文系でもエンジニアになれる?」
「文系の新卒でもエンジニアになる方法は?」
本記事では、このような疑問を抱えている人向けに、文系出身の新卒でエンジニアを目指すステップについて解説します。
また、理系との待遇の違いや、エンジニアになるために必要なスキルについてもあわせて紹介するので、参考にしてください。
なお「活学キャリア支援」では、文系で未経験からでもエンジニア就職を実現するためのサポートを行っています。これからエンジニアを目指したい人は、ぜひご活用ください。
文系でもエンジニアになれる?
文系出身でエンジニアになるのは難しそうと思うかもしれませんが、文系出身でも、エンジニアへの就職は実現可能です。
情報処理推進機構(IPA)の「IT人材白書2020」によると、先端IT従事者・非先端IT従事者の両方で、文系出身のエンジニアは30%ほどです。一定数の文系出身者が、現役エンジニアとして活躍していることがわかります。
近年は、オンライン教材やプログラミングスクールなど、プログラミングを学ぶ環境が整っているため、出身学部関係なくエンジニアを目指しやすいでしょう。
基本的なプログラミング言語からはじめて、徐々にスキルを磨くと、文系出身でもエンジニアとして働ける可能性が高まります。
文系エンジニアより理系の方が有利なのか
ここでは、エンジニアは理系が有利なのかについて、下記の内容を解説します。
- 文系・理系で大幅な待遇の差はない
- 理系の方が有利になる場合もある
文系・理系で大幅な待遇の差はない
結論からいうと、文系と理系で待遇に大きな差はありません。
Tech総研が行ったアンケート結果によると、理系出身者の初任給は21.04万円で、文系出身者の初任給は19.98万円とほとんど同じです。
また、経験や昇給により、理系と文系の待遇の差は縮まり、30代以降はどちらも年収600万円台が多い傾向にあります。
初任給が異なることがあっても、スキルや経験次第が重視されることから、文系・理系で大幅な待遇の差はないといえるでしょう。
参照:Tech総研「理系出身vs文系出身SE出世事情のウソ☆ホント」
理系の方が有利になる場合もある
文系だからといって選考が不利にはなりませんが、理系と比べると不利になる場合はあります。
大学でプログラミングを専攻した理系と学んでいない文系を比較すると、理系出身者の方が有利でしょう。
また、エンジニアになるために必要な、論理的思考力や問題解決能力は、理系学生の方が身につけるチャンスが多いです。
文系出身者は言語能力と読解力は高いと言えますが、論理的思考力や問題解決能力については理系と比較すると身につけるチャンスは少ないでしょう。
文系出身の新卒でもエンジニアになれる理由
文系出身でもエンジニアになれる理由として、以下の3つが挙げられます。
- IT人材が不足しているから
- 必要なスキルを習得できる環境が整っているから
- スキルよりもポテンシャルが重視されているから
IT人材が不足しているから
※引用:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
文系でもエンジニアになれる理由の一つとして、IT人材が不足していることが挙げられます。
経済産業省が発表した「 IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足するとのデータがあります。
多くの企業がエンジニア人材を求めているので、プログラミングスキルを身につければ文系・理系関係なく就職しやすくなるでしょう。
また、新卒の場合は、十分なスキルや知識がなくても、エンジニアとしてのポテンシャルがあれば内定を勝ち取れる場合があります。
参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
必要なスキルを習得できる環境が整っているから
近年、プログラミングスキルを習得する環境が整っているので、文系でもエンジニアを目指しやすくなったことも挙げられます。
これまでは、プログラミングスキルを習得するには、理系の大学や専門学校に通う必要がありました。
現代はインターネット上で、オンライン学習サイトやプログラミングスクールが豊富にあるため、文系・理系を問わず誰でも学習するチャンスがあります。
その他、多くの企業で、新入社員のスキル向上のためにプログラミング研修や教育プログラムがあるため、仕事に必要なスキルの習得が可能です。
文系・PC経験もゼロで就職をする前に、スキルを身につけたい方は、活学キャリア支援をご検討ください。学習方法や、自身の状況にあった企業の紹介まで徹底したサポートを行います。
スキルよりもポテンシャルが重視されているから
新卒の場合、スキルではなくその人のポテンシャルや向上心を重視して採用判断される傾向にあります。
採用担当者は、エントリーシートや面接の中で、見込みのある就活生を見極めることが多いです。
そのため文系出身者で就職活動を行うときは、学習意欲やコミュニケーション能力、読解力をアピールしましょう。
文系出身者であっても、上記の能力をアピールできれば、エンジニアになれる可能性は高まります。
文系エンジニアがきついといわれる理由
文系エンジニアがきついといわれる理由は以下の3つです。
- ITに関する知識が不足しているから
- 理系出身者よりも勤務時間が長くなる傾向があるから
- 専門用語の理解が難しく感じる場合があるから
ITに関する知識が不足しているから
文系出身は、理系出身の学生と比較して、エンジニアに必要な知識やスキルが不足している傾向があります。
文系出身者は、経済学や法学、教育学、心理学などの教科を専攻している人が多く、エンジニアに関する勉強を基本的には行いません。そのため、理系出身者と比較してプログラミング知識が少ない傾向にあります。
理系出身でプログラミングを専攻していた人は、すでに実務レベルの知識を持っている人もいます。上記の理系出身者と比較すると、文系出身者はスキルや知識の面からきついと感じる場合があるでしょう。
理系出身者よりも勤務時間が長くなる傾向があるから
エンジニアに必要なスキル・知識が少ない場合、勤務時間が長くなる可能性があります。
プログラミングを学んできた理系出身者と比較すると、文系出身者はコーディングやエラー・バグ対応に工数がかかりやすいでしょう。
また、エンジニアの仕事は、長時間労働や休日・深夜出勤が発生することもあります。短納期でプロジェクトを遂行する場合が多く、タスクの達成に時間がかかり、スケジュールがきつくなる可能性もあるでしょう。
結果として、未経験の文系エンジニアは、スケジュールを守るためにさらに長時間勤務になるリスクが高いです。
専門用語の理解が難しく感じる場合があるから
文系出身者には馴染みが少ない専門用語が多いため、会話についていけずにきついと感じるかもしれません。
プロジェクトの議論を行うときは、以下のようなエンジニア特有の専門用語を頻繁に使用することがあります。
- アジャイル開発(実装とテストを繰り返して開発を進めていく手法)
- AWS(Amazonのクラウドコンピューティングサービス)
- IoT(さまざまなモノがインターネットにつながる仕組み)
文系エンジニアが専門用語を理解できない場合、意思疎通が困難となり、コードの読解や設計の理解に時間がかかるでしょう。
文系でもエンジニアに向いている人の特徴
ここからは、文系でもエンジニアに向いている人の特徴について、以下4つをご紹介します
- 継続的に学び続けることができる
- 臨機応変に対応できる
- コミュニケーション能力がある
- 英語力がある
継続的に学び続けることができる
学習を継続的に続けられる方は、エンジニアに向いているでしょう。
IT技術やツールは進化し続けているため、1〜2年前の技術でさえ古いとされることがあります。そのため、新しい技術や言語を学ぶ際にも負担を感じず、自ら積極的に学習に取り組めるかが重要です。
たとえば、以下のような新しい知識やスキルを習得する必要があります。
- ChatGPT(質問した内容に回答する対話型のAIサービス)
- DX(デジタル技術を活用した業務改善)
- VR(仮想現実)
継続的に学び続けられる人は、学習の過程で発生する挫折や困難にもめげずに、努力できるでしょう。
臨機応変に対応できる
バグやエラー対応を臨機応変にできる人は、エンジニアに向いているでしょう。
エンジニアの仕事は予測できない問題が発生することが多く、柔軟な対応が求められています。
また、エンジニアは1つのプロジェクトだけでなく、複数のプロジェクトに参加することもあります。他のメンバーと協力し、共通の目標に向かって冷静に対応する力があると、仕事も進めやすいでしょう。
文系出身者でも新しい環境に素早く適応し、柔軟に対処できる人は、エンジニアに適しています。
コミュニケーション能力がある
エンジニアはコミュニケーション能力が必要とされる職種です。
プロジェクトを進めていくために、チーム内でコミュニケーションを取る機会が多々あります。
さらに、クライアントからの要望仕様のすり合わせを行うには、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
文系出身者は、ディスカッションやプレゼンテーションをする機会が多いことから、コミュニケーション能力が高い傾向があります。そのため、エンジニアになっても力を発揮できるでしょう。
単なる技術者ではなく、プロジェクトマネージャーとして活躍することも求められるため、コミュニケーションスキルがある人は、エンジニアに向いています。
英語力がある
英語力がある文系エンジニアは重宝されるでしょう。
エンジニアの現場では、海外出身の顧客やメンバーと関わる機会も少なくないため、英語でコミュニケーションが取れるとスムーズにやり取りができます。
また英語力があると、IT関連の英語のニュースや海外製品のマニュアルなどの読解も可能です。多くのプログラミング言語は英語をベースに作られているため、理系出身者よりも早く馴染める可能性があります。
そのため、英語で日常会話ができる、基本的な英語の読解ができることが望ましいといえます。
文系から新卒エンジニアになるために必要なスキル
文系から新卒エンジニアになるために必要なスキルを、以下の3つ紹介します。
- プログラミングスキル
- 論理的思考能力
- ITに関する知識
上記のような基礎知識を身につけていると、選考でアピールができるので参考にしてください。
プログラミングスキル
就活では未経験OKの求人も多くありますが、未経験でもプログラミングスキルを習得しておくといいでしょう。
多くの企業は、プログラミングスキルをもつ人材を求めており、エンジニアとしてのキャリアを積むためには必須なスキルです。
独学での学習方法は、参考書やインターネット上にプログラミングスキルが身につけられるサイトなども豊富にあります。
しかし、独学では専門性の高い内容もあるので、挫折する可能性が高いです。
そのため、エンジニア関連のスキルを習得するなら、プログラミングスクールを活用するのもおすすめです。
論理的思考能力
エンジニアになるためには、論理的思考能力も必要です。論理的思考能力とは、与えられた情報や問題を分析し、論理的な手順や解決策を導き出す能力のことです。
エンジニアの仕事は、常に新しい課題やさまざまなエラー対応に直面した際、速やかな解決に向けて考え・行動する必要があります。
そのため、与えられた問題や課題に対して、論理的かつ効率的な解決策を見つける能力が求められます。
論理的思考能力をもつことで、複雑な問題を分析し、その解決に向けて適切な対応ができるでしょう。
ITに関する知識
エンジニアの仕事はIT技術を中心として行われるので、文系からエンジニアになるには、ITに関する知識が必要不可欠です。
ITに関する知識をもつことで、他のエンジニアや他部署の関係者と円滑にコミュニケーションを取れます。
主には、ソフトウェア、ハードウェア開発、ネットワークなどの基礎的な概念や、技術について学んでおきましょう。
また、エンジニアのトレンドの理解の把握も必要です。未経験であっても、IT業界に関するトレンド情報を仕入れておくだけでも、ITに関する知識は身につきます。
文系大学出身の新卒がエンジニアを目指すための4つのステップ
文系出身からエンジニアを目指すためには、以下4つのステップがあります。
- IT業界の基礎知識を学ぶ
- 目指す職種のプログラミング言語を学ぶ
- ITやプログラミングに関する資格を習得する
- 転職エージェントを活用して就活をする
1.IT業界の基礎知識を学ぶ
エンジニアを目指すと決めたら、まずはIT業界の基礎知識を身につけましょう。
ITに関する知識が無いと、プログラミングについて学ぶ際に、理解が難しいと感じるでしょう。
たとえば、コンピューターサイエンス、プログラミング言語、データベース、ネットワーク、セキュリティなどの基本的な概念を理解する必要があります。
また、次々と新しい技術が生まれるIT業界で情報を得るためにも、エンジニアの最新トレンドについても調べておきましょう。
IT業界の知識を身につけるためには、基礎知識の習得から実践経験の積み重ねまで、自分に適した学習方法を見つけることが大切です。
2.目指す職種のプログラミング言語を学ぶ
IT業界の基礎知識を学び、目指す職種が決まったら、プログラミング言語を勉強しましょう。
プログラミング言語は200種類以上あるので、自分が目指す職種の言語を選別して学ぶ必要があります。
たとえば、Webサイト制作をしたいなら、JavaScript、HTML/CSSなど、AI関連の仕事をしたいならPythonなどです。
プログラミング言語を身につける方法は以下の3パターンがあります。
- 独学
- オンライン
- プログラミングスクール
独学は参考書やYouTubeなどで勉強を行えますが、モチベーションが続かないデメリットがあります。
オンラインスクールは自宅や外出先など、自分の都合のいい場所や時間に学べるのがメリットです。
また、プログラミングスクールは専門的なカリキュラムや指導者によるサポートを受けながら、効率的にプログラミングスキルを身につけられます。
3. ITやプログラミングに関する資格を習得する
ITの基礎知識が身についたら、ITやプログラムに関連する資格を習得しましょう。
文系出身の場合、理系学生に比べて経験や実績が不足している場合があります。そのため、関連する資格を保有することで、エンジニアの基礎知識があることを証明できます。
エンジニアに関する資格は多数あり、初心者で習得しやすい資格は基本情報技術者試験、ITパスポート試験などです。
文系出身からエンジニアを目指している方は、資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
4. 転職エージェントを活用して就活をする
ITの基礎知識、プログラミング言語のスキル習得ができたら、転職エージェントを活用して就職活動を行いましょう。
自分が希望するエンジニア業界で募集している求人を探し、応募してみましょう。同じ業界でも企業理念や働き方が違うので、企業研究を行い、自分にあった企業を見つけることがおすすめです。
活学キャリア支援では、文系で活かせるスキルをアピールする方法や、面接対策・提出書類の添削など、徹底した転職サポートを提供しています。文系の人で未経験からエンジニアを目指す場合は、ぜひご活用ください。
まとめ:文系出身でもエンジニアとして活躍することは可能!
文系出身かつ未経験からでも、スキルを習得すればエンジニアになることは可能です。
理系と文系で大きな差はなく、実際に文系出身者でもエンジニアとして活躍している人は一定数います。
文系出身者がエンジニアを目指すためには、ITの基礎知識とプログラミングスキルを身につけることがおすすめです。
エンジニアを目指したい文系出身者は、本記事を参考に、必要なステップを踏んでみてはいかがでしょうか。
なお、スキルの習得方法、就職活動について悩んでいる方は活学キャリア支援の活用をご検討ください。文系出身者がエンジニア就職を成功させるために、必要なサポートを行います。