これからエンジニアを志す方の中には、
- ITエンジニアは果たして、どのくらいの年収が期待できるのか
- 年収アップを狙うなら、どんな対策をしたらいいのか
が気になる方は多いでしょう。
この記事では、ITエンジニアの平均年収と職種別のランキングについて掘り下げて解説します。
IT業界でのキャリアプランや収入向上に興味のある方には、必読の情報となるでしょう。
国内のITエンジニアの平均的な年収相場
2023年5月現在、国内ではたらくITエンジニアの平均年収は、494万円です。
東京都内のサラリーマン全体の平均年収は414万円なので、比較的高い水準にあると見ていいでしょう。
参考:
ITエンジニアの職種ごとの年収ランキング
ここからは、気になるITエンジニアの職種ごとの年収ランキングです。
ランキング参照:職種別 モデル年収平均ランキング|マイナビ転職
1位:ITシステムコンサルタント
ITエンジニアの中でももっとも高年収なのがITシステムコンサルタントで、平均年収は974万円です。
エンジニアとしての経験と実力のほか、コミュニケーションや提案能力が求められる、プロフェッショナルな職種となります。
相手の話を理解し、魅力的なソリューションを提案するコミュニケーション能力がなければ務まらないのが特徴です。
2位:セールスエンジニア
情報化戦略・推進を担うセールスエンジニアの平均年収は657万円で、ITエンジニアの中で2番目に高い年収となっています。
IT製品やサービスの営業活動に携わるエンジニアで、サービスの技術的な説明やデモンストレーションを行い、顧客のニーズに合った最適な提案を行うのが特徴です。
システムコンサルタントとおなじく知識と経験が求められるほか、営業スキルが問われる点が、高年収の理由となります。
顧客の課題のくみ取りと魅力的な提案はもとより、最終的には信頼関係を構築して契約を獲得する力が必要です。
3位:プロジェクトマネージャー
エンジニアの年収ランキングで3位にランクインするのは、「プロジェクトマネージャー」です。
豊富な経験値と高度なリーダーシップや主導力が求められるので、その年収は655万円と高水準となっています。
プロジェクトの計画、遂行、統制を担当し、リソースやスケジュールの管理、チームの指導など遂行するのが主な目的。
さらにプロジェクトマネージャーの経験は、さまざまなIT業界で重宝する汎用的なものなので、キャリアの幅も拡大します。
4位:システムエンジニア
4番目に高年収となったシステムエンジニアは、システムの企画、設計、開発、運用を行うエンジニアです。
気になる平均年収は589万円となっておりますが、経験やスキル、務める企業によって大きく変動します。
プログラミングを用いた開発はもちろん、プロジェクトの一連の工程に関与するのが特徴です。
手に職によって今後のキャリア生成に有利な経験が積めるうえ、その高い将来性が注目を集める理由となっています。
5位:プログラマー
今回のランキングで年収が5番目に高かったのが、プログラマーです。
システムやソフトウェアの設計書のもとプログラムを書く職業で、平均年収は587万円です。
プログラミング技術がものをいう職業なので、論理的な思考力や問題解決力が必要とされます。
また、コードを書くスピードもプログラマーとしての成否を分けるでしょう。
プログラマーのやりがいは、自分の書いたプログラムがシステムとして形になり、社会に貢献している実感をひしひしと感じられることです。
6位:ネットワークエンジニア
6位にランクインしたネットワークエンジニアは、ネットワークの構築や管理を担うのが仕事です。
年収は経験や企業によって変動しますが、約584万円となります。
組織のネットワーク環境を整え、円滑な通信に貢献することは、ネットワークエンジニアならではのやりがいです。
未経験ならネットワークエンジニアを目指すなら、シスコシステムズ社によるベンダー資格「CCNA」に挑戦するのがいいでしょう。
ネットワークの基礎を網羅的にバランスよく学習できるうえ、合格すれば採用率も高まるからです。
またITスクール「活学ITスクール」では、CCNAが入手できる制度が用意されています。
7位:サーバーエンジニア
ランキング7位となったのは、サーバーエンジニアです。
平均年収は企業によるものの、578万円程度となります。
正常なサーバー環境をつくってユーザーの円滑な仕事をサポートする、影の立役者のような役割はやりがいとなるでしょう。
また近年、クラウドやビッグデータの活用が推奨される一方で、さらなるセキュリティ対策の強化が求められているので、需要は高まっています。
ITエンジニアの年収における現状と将来性
年収に関する、現状と将来性について見ていきます。
他の職業と比べても年収相場は高い傾向
マイナビキャリアリサーチLab「正社員の平均初年度年収」によると、職種別で見てもITエンジニアの年収がもっとも高く、555万円となっています。
2021年初年度の平均年収は536.8万円となっているので、年収が上がっている現状です。
さらに2022年4月の初年度の段階では、労働者全体の平均が454万円となっています。
以上のことから、総合的に見てエンジニアは年収相場が高いことがわかります。
今後の需要拡大でさらに年収相場が上がる可能性が高い
現状と将来性を考えると、今後の需要拡大により年収相場がさらに上がる可能性が高いでしょう。
デジタル化の進展やテクノロジーの急速な発展で、ITエンジニアへの需要は増加の一途をたどっているのが主な理由です。
- クラウドコンピューティング
- ビッグデータ
- 人工知能
などの分野で、実力を備えたエンジニアの需要は高騰しています。
とくにAIやIoTなどの最先端技術に携わる方々は、とりわけ高給で求められるでしょう。
さらに、エンジニアの競争力を高めるべく、キャリアの成長やスキル習得を支援するプログラムや制度も増えているのが現状です。
なので、将来的にどんどんITエンジニアの年収相場が上昇する好循環が見込まれています。
IT人材の不足で供給が追いついていない
高い年収が提案され、注目と人気が集まるエンジニア。
テクノロジーの急速な進歩にも伴い、ITエンジニアへの需要が急増しているのは事実です。
しかし、それに対して適切な数のIT人材は確保できていません。
この供給不足の状況により、優秀なエンジニアの需要と競争が激しくなり、その結果として年収水準も上昇しているという背景があるわけです。
この現状の「供給不足問題」が解消しない限りは、エンジニア年収の上昇トレンドも継続すると考えて差し支えないでしょう。
さらなる発展により付加価値をもつエンジニアが求められる
テクノロジーは常に進化しており、新たな分野や技術が生まれています。
AIの影響や新ツールのリリースなどで、トレンドの言語やニーズもコロコロ変わります。
なのでエンジニアには、単純なコーディングや開発能力だけではなく、
- ビジネス理解
- 他スキルとの相乗
といった、付加価値をもたらす要素が重要視されるでしょう。
ITエンジニアとして年収アップを図る対策
ここでは、さらなる年収の向上を狙う対策を紹介します。
自身のスキルセットにトレンドの言語を加える
技術は絶えず進化しており、新しいプログラミング言語やフレームワークが続々と登場しています。
ここで自身のスキルセットに最新のトレンド言語を取り入れることで、市場価値を高めることができるでしょう。
たとえば人工知能や機械学習の分野ならPython、またJavaScriptやReactなどのフロントエンド技術も需要が高まっています。
またサーバー開発からIoT開発など、高い汎用性が魅力の「Go言語」も、代表的なトレンド言語のひとつです。
上流工程エンジニアを目指す
上流工程エンジニアは開発プロジェクトの統括のような立場で、企画立案からヒアリング、進捗管理やテストまでプロジェクトに深く関わります。
プロジェクトの全体像を俯瞰し、戦略的な意思決定に関与するので、高い責任と年収を得ることが可能です。
また、上流工程は
- クライアントや取引先と信頼関係が構築できる
- 培った経験はいろんなキャリアに活用できる
などが特徴。
相応の難易度はありますが、堅実な年収アップの手段として知られています。
IT関連の資格をとる
IT関連の資格を取得することも、年収アップに向けた有力な手段となります。
IT業界では、特定の技術やプラットフォームに関する認定資格が高く評価されるからです。
資格をとるには継続的な学習と努力が必要ですが、それによって最新のトレンドも獲得できます。
自己啓発やキャリアの成長にも寄与し、新たな職務や責任を担うチャンスも増えるでしょう。
副業に挑戦する
ITエンジニアには、副業に挑戦できる分野がたくさんあります。
たとえば、
- アプリの開発
- Webサイトのコーディング
- システムの運用・保守
- プログラミング講師
- 技術コンテンツのライティング
など、他にもたくさんあるでしょう。
副業は追加の収入源を生み出すだけでなく、スキルの幅を広げるきっかけにもなるので、一石二鳥です。
ただ副業を始める際には、本業に支障をきたさないようにしましょう。
また副業で得た収入は確定申告をする必要があるので、その点にも注意が必要となります。
転職や独立をして環境を変える
他の企業や業界に移ることで、視点を変えて新たなチャンスや高収入のポジションを見つけられます。
転職をするなら、これまでのスキルや経験を活かせる企業を探すことが大切です。
また年収アップを希望するなら、前職よりも高い給与を支払ってくれる企業を探すこともポイント。
IT企業への転職にご興味のある方は、ITエンジニアに特化した人材紹介会社Cloud Linkに相談してみてください。
ITエンジニアに特化した人材紹介会社は、より詳細な相談ができるためお勧めです。
独立する際には、自分の強みやターゲットとする顧客を明確にすることが大切です。
また、独立への資金計画を立て、リスクヘッジをしておくことがキモとなるでしょう。
ITエンジニアの年収アップが期待できる資格
年収アップで役に立つ資格を見ていきましょう。
システムアーキテクト
システムアーキテクト資格は、高度な技術スキルと幅広い知識の裏付けになります。
大規模で複雑なプロジェクトの広い工程を担当するので、多くの市場で高く評価され、高給が得られるポジションを狙えます。
ただ、IT資格の中でも高難度の資格として知られ、どちらかというと経験者向きです。
応用情報技術者
こちらの資格は、ITエンジニアの登竜門とされています。
IT業界のニーズが高い分野の知識を問う試験なので、雇用主からの信頼をもらえ、高収入の求人にて採用される可能性も高くなります。
難易度は高いですが、IT業界未経験から挑戦する方も多い、人気の資格です。
CCNP
CCNPが年収アップに役立つ理由は、大きく以下のとおり。
- IT企業に必置のネットワークの、高度な実力の担保になる
- これからのキャリアの幅が拡大する
ネットワークはIT業界において必置です。
高度な実力をもつことが担保できれば、職種を問わずIT業界全体で欲しがられる人材になれます。
またCCNPの保持によって、よりレベルの高い仕事に挑戦できるので、良質な経験値が積み上がります。
そうなれば、いざ環境を変えるとなったときも、高給で採用してもらえる可能性は上がるでしょう。
ネットワーク関連のフィールドで年収を上げるなら、CCNPは賢明な選択です。
ITエンジニアの年収に関するよくある質問
ITエンジニアの年収について、よくある質問を紹介します。
フリーランスITエンジニアの年収相場は?
フリーランスとして独立した場合、おおよその年収相場は、792万円となります。
参考:フリーランスエンジニアの平均年収はどのくらい?|Pe-BANK
ただフリーランスは会社員よりも年収が跳ね上がることもあれば、その逆もあります。
人脈を広げ信頼を獲得し、あらかじめ仕事が途切れない状態を作ることが大切です。
これからフリーランスとして活躍したい方は、Zero Plus Mediaを参考にしてみてください。
エンジニアとしてフリーランスになるために必要な情報を発信しているメディアです。
ITエンジニアで年収1,000万円は現実的?
職種によっては現実的です。
たとえばITシステムコンサルタントの平均年収は、974万円となっています。
企業によっては下流工程でも不可能ではありませんが、現実的に年収1,000万円を狙うなら、上流工程を目指すのがおすすめです。
手っ取り早く年収を上げるにはどうしたらいい?
以下のような方法があります。
- 副業をはじめる
- 転職・独立する
副業は追加収入になるうえ、自身のスキルの幅を広げてくれます。
また今より高い報酬を払ってくれる企業に転職すれば、年収アップは実現します。
とはいえ副業にも、新しい環境にも、勉強は不可欠です。
結局、時間をかけて勉強しないと収入は伸びていかないことは、念頭に置いておきましょう。
まとめ:ITエンジニアの年収相場を把握しスキルアップしよう
ITエンジニアの年収相場の把握は、自身の現状を客観的に評価できるので、重要なタスクといえます。
また年収を上げるなら、資格や副業など方法も無数にあります。
自身の目標に合わせた戦略を立て、努力と継続を重ねつつ、キャリアパスを築き上げましょう。