IT業界は、近年ますます注目を集める分野であり様々な職種が存在します。
本記事ではIT業界の代表的な職種を様々な視点から解説し、その仕事内容や資格、年収などについて詳しく紹介します。
IT業界の職種と仕事内容
今回は、IT業界の主な職種4つ「開発職」「マネジメント職」「マーケティング職」「営業・コンサルティング」の仕事内容、年収などを説明していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
開発職
開発職とは、主にソフトウェアやアプリケーションの開発に携わる職種で、具体的な業務内容は以下のようなものがあります。
・ソフトウェアの開発
プログラミング言語を使用して、アプリケーションやシステムの開発を行います。
・データベースの設計
データベースを設計し、必要に応じて最適化やチューニングを行います。
・システムの保守・運用
開発されたシステムの保守・運用を行い、不具合の修正や改善を行います。
・テスト・検証
開発されたシステムやアプリケーションのテスト・検証を行い、品質を担保します。
・技術調査
最新技術の調査・研究を行い、新しい技術を導入するための検討を行います。
これらの仕事を通じて、開発職は、高度な技術力や知識を必要とする専門職であることが求められます。
マネジメント職
マネジメント職は、組織の運営や目標の達成に責任を持つ職種で、具体的な業務内容は以下のようなものがあります。
・スタッフのマネジメント
部下の教育・指導、評価、人事管理などを行い、スタッフの育成に取り組みます。
・プロジェクトマネジメント
プロジェクトの進捗管理、コスト・品質・スケジュールの管理、リスクマネジメントなどを行います。
・企画と戦略立案
組織のビジョンや戦略を立て、それを実行するための企画を立てます。
・外部交渉と調整
顧客やパートナー企業などとの交渉・調整を行い、業務の円滑な進行を図ります。
・技術指導
技術的な問題解決の支援や、新しい技術の研究・開発・導入などを行います。
以上のように、マネジメント職は組織の中で重要な役割を担い、業務内容も多岐にわたります。
マーケティング職
マーケティング職は、商品やサービスの販売促進を行う部署で、企業や団体のブランド価値を高めるために様々な戦略を考え、実行する仕事を担当します。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
・マーケティング戦略の策定
新商品やサービスの立ち上げ、既存商品の改善、販売促進など、マーケティングに関する企画・提案を行います。
・プロモーションの企画・運営
広告やキャンペーンなど、商品やサービスを知ってもらうためのプロモーションの企画・運営を行います。
・調査・分析
市場動向や競合情報の収集、消費者調査や分析を行い、マーケティング戦略の策定や施策の改善を行います。
・コミュニケーション
商品やサービスの価値を伝えるために、広告やイベント、PR活動などのコミュニケーションを行います。
マーケティング職は、企業の利益を増やすために、商品やサービスをより多くの人々に知ってもらい、利用してもらうための戦略を考える重要な役割を担っています。
営業・コンサルティング職
顧客のニーズや要望を把握し、商品やサービスの提供方法や価格を調整し、営業戦略の立案やマーケティング活動にも携わることがあります。
・営業職
顧客との折衝や提案などを行い、商品やサービスを販売することが主な仕事です。
・コンサルティング職
企業や組織に対して、業務改善や問題解決のアドバイスを行うことが主な仕事です。
顧客の要望や課題を分析し、解決策を提供することが求められ、ビジネス戦略の策定やマーケティング支援など、幅広い業務に携わります。
いずれの職種も、コミュニケーション能力や説得力、問題解決能力などが求められます。
IT業界の職種年収を年齢・男女別に比較
次の章では、それぞれの職種がどの程度の年収を得られるのか紹介していきます。
開発職の年収
開発職の平均年収は、512万円と言われています。
(引用元:職種別平均年収ランキング 研究・開発|求人・転職エージェント)
年齢別で見ても、高い割合で高年収を獲得しているのがわかります。
年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
20代 | 438万円 | 442万円 | 415万円 |
30代 | 576万円 | 592万円 | 471万円 |
20代の平均は438万円で30代になると576万円と幅が広がっていることがわかります。
人工知能や新しいビジネスモデルやサービスに関するスキルを高めると、高い年収を得ることができます。
企業の規模や業界なども年収に影響するため、事前にしっかりと調査を行いましょう。
マネジメント職の年収
マネジメント職の平均年収は、528万円と言われています。
(引用元:職種別平均年収ランキング 管理職・マネージャー(営業系)|求人・転職エージェント)
年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
20代 | 433万円 | 458万円 | 389万円 |
30代 | 623万円 | 642万円 | 542万円 |
マネジメント職は、他の職種と比べ年収が高いことが特徴です。
企業が好調な企業では、昇進や貢献度に応じて給与が上がることがあります。
マーケティングの年収
マーケティング職の平均年収は、528万円と言われています。
(引用元:職種別平均年収ランキング マーケティング・商品開発|求人・転職エージェント)
年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
20代 | 433万円 | 458万円 | 389万円 |
30代 | 623万円 | 642万円 | 542万円 |
マーケティング職は、ビジネス戦略を決定する上で重要な役割を担っており、その需要の高さから大きな収入を期待できます。
IT業界では、マーケティングに特化した企業が増えてきており、マーケティングスキルに強い人材が求められているため、高い年収を得ることができます。
営業・コンサルティングの年収
営業・コンサルティングの平均年収は、610万円と言われています。
(引用元:ITコンサルタントの年収は?年齢別平均やキャリア展開も解説|求人・転職エージェント)
これは、他のIT系の職種と比べても高い年収であることが分かります。
年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
20代 | 500万円 | 517万円 | 478万円 |
30代 | 732万円 | 746万円 | 630万円 |
20代ではそこまで大きな差はありませんが、30代になると平均年収ともに100万円程の差が生まれています。
営業・コンサルティングは、高いスキルや知識が要求される職種です。そのため、自分自身の能力や努力次第で、高い収入を得ることができます。
未経験の方にオススメのIT業界の職種
IT業界には多様な職種が存在し、初めての方にとってはどのような職種が自分に合っているのか迷いが生じることもあるかもしれません。
そこで、未経験の方にオススメな職種を6つ紹介します。
ウェブデザイナー
ウェブデザイナーは、Webサイトのデザインなどを担当する職種です。未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・自己表現がしやすい
・未経験求人が多い
現代ではほとんどの企業がWebサイトを持っており、ウェブデザイナーの需要は非常に高いです。
ウェブデザイナーは、自分のアイデアやデザインセンスをWebサイトに反映させることができるため、自己表現がしやすい職種です。
また、新しい技術やトレンドに敏感である必要があるため、常に学び続けることが求められます。
ウェブライター
ウェブライターとは、ウェブサイトやブログなどのインターネット上で公開されるコンテンツを制作する仕事です。未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・文書作成スキルが活かせる
・働き方が多様
・雇用が増加傾向
・経験不問の求人が多い
ウェブライターは、文書作成スキルがあれば活かせる仕事であり、クリエイティブなスキルやプログラミングスキルを必要とせず文章力を活かして働けます。
フリーランスとして活躍する場合も多く、自宅やカフェでのリモートワークも可能な場合があります。
経験不問の求人が多くあり、未経験からでもチャレンジできる職種となっています。
システムエンジニア
システムエンジニアとは、コンピューターシステムや情報システム全般の設計・開発・運用・保守に関する仕事をするエンジニアのことを指します。
未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・将来性が高い
・やりがいを感じられる
・様々な業種・業態の企業に勤めることができる
・フリーランスとして独立して仕事をすることもできる。
システムエンジニアは、開発プロジェクトにおいて必要な設計や開発、テスト、運用に関する技術・知識を習得できます。
他の職種に比べ、必要な知識は多岐にわたるため、IT業界における幅広いキャリアアップが可能です。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤となるインフラストラクチャの設計や構築、運用を担当する職種です。
一方、システムエンジニアはITシステム全体の開発を行い、インフラエンジニアが作った基盤を利用してシステムを構築します。
つまり、役割の違いはインフラエンジニアが基盤を作り、システムエンジニアがその基盤を活用してシステムを開発する点にあります。
未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・独学でも学習が可能
・多くのメーカー認定資格がある
・複数の分野にわたる知識が身につく
企業のITシステムは常に運用が必要なため、インフラエンジニアの需要は高く、安定した仕事が見込めます。
また、勤務時間は決まっているものの、ワークライフバランスが取りやすい点が魅力的です。
ヘルプデスク
ヘルプデスクとは、情報システムに関するトラブルや問題を抱えたユーザーからの問い合わせに応じ、解決するための窓口業務を行う部署または職種のことを指します。
未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・知識・スキル不要
・顧客対応がスキルアップに繋がる
・短期間でスタート可能
ヘルプデスクを行う際、研修期間を設ける企業が多いため、特別なIT知識やスキルは必要ありません。
ただし、ヘルプデスクは24時間体制で対応する場合があり、夜勤や休日出勤などの勤務があることがあります。
しかし、ヘルプデスクでの経験を積んだ後、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーなど、より専門的な職種へキャリアアップすることができます。
プログラマー
プログラマーは、コンピューターシステムやアプリケーションソフトウェアを開発するためのプログラムを作成する専門家です。
未経験の方にオススメの理由は以下の通りです。
・スキルが身につきやすい
・働き方が多様
・高い収入
IT業界において、プログラマーは常に求められる職種の一つです。
特に、ソフトウェア開発やWebサイト開発など、今後ますます需要が高まると予測されています。
そのためプログラマーは、未経験からでも目指すことができます。
以上のような理由から、未経験の方にとってプログラマーは魅力的な職種であり、学習を通じて新たな知識やスキルを習得し、将来に役立てることができます。
【全職種共通】IT業界で活躍できる人の特徴
IT職種をご紹介しましたが、次の章では、IT業界で活躍できる人の特徴を6つ解説していきます。
論理的思考力がある
エラーが発生した場合、その原因を見つけ出し解決するためには、複雑なシステム構造を理解し、論理的に問題を分析する能力が必要です。
そのため、問題解決のために論理的思考力が必要とされる場面があります。
さらに、論理的思考力を用いて、課題を洗い出し、解決策を見つけ出すことが求められます。
例えば、ITは複雑なパズルを解くようなものであり、問題を解決するためには正確な知識と論理的思考力が必要です。
一つの部品が欠けると全体のシステムが崩れるため、常に細かな部分まで注意を払いながら全体像を把握し、的確なアクションを取ることが求められます。
つまり、パズルのピースを正確にはめ込む力と、システム全体を見渡し、的確な判断を下す能力が必要なのです。
好奇心旺盛
IT業界は常に技術が進歩しています。
そのため、新しい技術やソフトウェアに興味を持ち、積極的に学び、習得することができることが大切です。
常に自分自身を向上させ、新しい知識やスキルを積極的に取り入れることができる好奇心旺盛な人であることが重要です。
試行錯誤を恐れず、自己学習能力が高い
一度に完璧な答えを出すことができないことが多く、試行錯誤を繰り返して解決策を見つけ出すことが必要な場面があるため、自己学習能力が求められます。
例えば、新しいプログラミング言語を学ぶことで、言語の特徴や構文を理解し、その言語で開発するためのスキルを身につけることができます
このように、新しいプログラミング言語を学ぶことは、IT業界でスキルアップするために必要なスキルの一つといえます。
そのため、自分自身で学び、試行錯誤を恐れずに進める能力がある人が、IT業界に向いていると言えます。
変化に対応する柔軟性がある
プロジェクトの途中で仕様が変更されたり、新しい技術が急遽導入されたりすることがあります。
そのため、IT業界で働く人々は、変化に適応する柔軟性が求められます。
したがって、IT業界に向いている人は、変化に適応し、柔軟に対応することができるという特徴が重要とされています。
コミュニケーション能力が高い
例えば、チーム開発では、複数のエンジニアが携わるため、コミュニケーション能力がなければ、意見の相違やコードの不整合が生じる可能性があるため、チームメンバーとの意見の共有や調整をすることも重要です。
また、クライアントやユーザーとのコミュニケーションも必要となるため、相手のニーズや要望を理解し、適切なアプローチをとることが求められます。
創造力豊か
創造力豊かな人は、新しいアイデアを生み出すことが得意で、単に既存の問題を解決するだけでなく、新しい視点から問題にアプローチし、斬新な解決策を生み出すことができます。
これにより、時間とリソースを節約し、最も効率的に目標を達成することができます。
例えば、新しいビジネスモデルや、ユーザーにとって使いやすいサービスの設計などは、創造力を必要とする分野です。
以上のように、創造力豊かな人は、新しい技術やサービスの開発に取り組むことができ、ビジネスの成長につながる可能性があります。
IT業界の職種別で持っておきたい資格
IT業界で働くためには、専門的な知識や技術、スキルを習得することが求められます。
IT業界の職種別で持っておきたい資格について説明していきます。
開発職の場合
開発職で持っておくと役立つ基礎的な資格としては、以下のようなものがあります。
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・ITパスポート
・AWS 認定クラウドプラクティショナー
これらの資格は、プログラミング言語や開発環境の基礎知識やITの基本的な知識を身につけることができます。また、就職や転職の際にも役立つことが多く、取得しておくことをおすすめします。
マネジメント職の場合
マネジメント職にとっては、以下のような資格が役立つことがあります。
・PMP認定資格
・ITIL認定資格
・マネジメントスキルアップ研修の修了証明書
・MBA
これらの資格を取得、研修に取り組むことで、マネジメント職としてのスキルアップが期待できます。
また、リーダーシップやコミュニケーションスキルの向上など、マネジメント職に必要なスキルを磨くことができます。
マーケティング職の場合
マーケティング職で持っておくと有利な基礎的な資格としては、以下のものが挙げられます。
・Google広告の認定資格
・Googleアナリティクスの認定資格
・デジタルマーケティングの基礎知識を問う資格である(DMA)
・営業やマーケティングにおいて基本的なスキルを問う資格である日本能率協会マーケティング検定(JMA)
・マーケティングに必要な心理学や行動科学の知識を問う資格である心理セールスマスター(PSM)
これらの資格は、基本的なマーケティングの知識やスキルを証明することができるため、就職活動やキャリアアップにおいて有利に働くことがあります。
営業・コンサルティング職の場合
営業やコンサルティングにおいて、持っていると有利な基礎的な資格には以下のものが挙げられます。
・TOEIC・TOEFLなどの英語力試験
・商業簿記・会計の資格
・マーケティング資格
・IT関連資格
営業・コンサルティング業界では、クライアントとのやり取りやビジネスの場面で英語を使うことが多く、ビジネスマナーに加えて高い英語力も求められます。
また、商業簿記・会計の資格は、ビジネスの基本的な知識を持つことができ、クライアントのビジネスの現状を正確に把握することができます。
また、マーケティング資格やIT関連資格は、現代のビジネスに欠かせない知識を習得することができ、クライアントのニーズに合わせた戦略を立てることができます。
これらの資格を持つことで、業務においてより高度なスキルや専門知識を身につけ、キャリアアップに繋げることができます。
IT業界の将来性は?
IT業界は今後も高い成長が期待されており、需要が高まっています。
その主な理由を3つ紹介します。
世界のトップ産業がIT業界である
順位 | 名称/ティッカー/市場 |
---|---|
1位 | アップル |
2位 | マイクロソフト |
3位 | アマゾン・ドット・コム |
4位 | エヌビディア |
5位 | アルファベット |
6位 | テスラ |
7位 | メタ・プラットフォームズ |
8位 | ユナイテッドヘルス・グループ |
9位 | 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング |
10位 | エクソン・モービル |
この表の通り、国内だけでなく世界のトップ産業がIT業界であることがわかります。
世界中の企業がデジタル化に取り組んでおり、ビジネスの効率化や顧客サービスの向上など、様々な面でIT技術を活用しています。
例えば、スマートフォンやアプリを使ったビジネス、オンラインマーケティング、eコマースなどが挙げられます。
これらの分野は今後ますます重要になっていくと考えられ、IT業界の成長が続くことが予想されます。
技術の進歩に伴いIT業界の需要が高まっている
IT業界は、急速に進化する技術に伴って需要が高まっています。
特に、コロナウィルスが蔓延し、テレワークやオンラインビジネスなどの遠隔作業に切り替わり、ITの需要が急増しました。
同様に、オンラインショッピング、デジタル決済、などの需要も増加し、これらの需要を満たすために、IT業界は常に進化を続けています。
これらのニーズは今後も継続することが予想され、IT業界はますます重要性を増していくでしょう。
IT業界内での雇用の増加
経済産業省によると、IT人材(ITを利活用できるまたはITを活用できる人材)の需要が2018年には109万人、2020年には129万人、2030年には164万人(予測)と年々増加しています。
IT業界では、新しい技術の開発や運用、AIや機械学習、データ分析やセキュリティなどの分野での専門知識を持つ人材が求められています。
また、世界中でデジタル化が進み、IT技術が必要な業務が増えていることも、雇用の増加につながっています。
そのため、IT業界は、今後ますます進化していくと予想されており、その結果として、この業界での雇用機会も増えると見込まれています。
参考:経済産業省「IT分野について」
まとめ
今回は、IT業界を4つの業界に分類し、それぞれの仕事内容や年収などをご紹介しました。
それぞれの職種には、異なるスキルや知識が必要とされますが、共通していえるのは、技術や市場動向などのトレンドに敏感であることや、新しいことに対して好奇心を持ち続けることが重要です。
これからIT業界でのキャリアを考えている方や、自己研鑽を進めたい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください!