IT界隈を代表する資格として、LPICは長年にわたり高い評価を受けてきました。
ところが最近では経営機関であるLPI-JAPANが、LPICの試験の経営を停止したことがきっかけとなり、廃止される可能性や、将来について疑問視する声が広がっています。
そのため、「その可能性は本当に高いのか」と不安のさなかにある方もいるのではないでしょうか。
最初に結論を述べてしまうと、廃止されるかどうかは、まだ確定していません。
しかし経営が停止されたことは、将来に大きな影響を与える可能性があります。
この記事ではLPICが廃止される可能性や、予想されている期間について徹底的に考察します。
これから取得することを考えている方なら、大いに一読する価値はあるでしょう。
取るべきIT資格にまだ迷っている方は、下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
LPICが近日中に廃止される予定はない!
LPICは界隈では知らない人がいないほどの高い評価を得てきた資格。
その将来に不安を感じる声も一部ではありますが、現時点ではLPICが廃止されるといった情報はありません。
大きな理由に、以下のようなものがあります。
- 多くの技術者や採用担当者からの厚い信頼があるから
- 確立された試験体系と広範な領域が備わっているから
- ITインフラと並行し、役割が重要になりつつあるから
- 年々モダンな技術に合わせた更新と改善が行われているから
まず、これまで築き上げてきた高い評価により、多くの方からの厚い信頼が寄せられています。
それに伴ってITインフラの領域においても、大切な役割を担うようになりました。
さらに日に日に進んでいくITリテラシーにも年々しっかり順応しているため、技術革新についても問題はありません。
したがって近年中に廃止されることは考え難く、むしろこれからも長年にわたって有益な資格であり続けるでしょう。
LPICの廃止が噂されるようになった経緯
前項の理由から、現在のところ廃止される予定がとくにないにもかかわらず、廃止が噂されるのはなぜでしょうか。
その経緯を細分化すると、
- LinuCがリリースされた
- 「LPI 日本支部」が作られた
- LPI JAPANがLPICの経営をやめた
といった内容です。
それぞれ順に解説します。
LinuCがリリースされた
まず発端は2018年の2月、LPICを経営する機関である「NPO法人 LPI JAPAN」による、LinuCのリリースです。
これまでLPICを経営していたにもかかわらず、突然なぜ似たような資格をリリースしたのかについての理由は、こちらの公式ページに表記されています。
内容としては、
- 試験の問題が、ネットから簡単にDLや購入ができる状況になった。
- この状況はLinux技術者認定の経営側としては望ましくない。理由は認定資格としての公正性や信頼性が失われる可能性が高いから。
- その対策としてLPICのリリース元である、カナダの「LPI Inc.」に対し、「試験問題の内容を根本的に改善して」という旨を依頼。
- ところがリリース元から「改善は難しいです」と断られ、断念したから。
といった内容。
簡潔にまとめると、要は「試験問題の信頼性が危うい状況になったから」です。
「LPI 日本支部」が作られた
公式ページに記載の「取り扱い停止」といった内容もあり「LPICは終了した」という認識は、瞬く間に拡散されてしまいました。
しかしややこしいですが、実際のところLPIC資格が完全に抹消されるわけではありません。
LinuC試験がリリースされた4ヶ月後である2018年6月、LPIは「LPI 日本支部」を新しく作ります。
以前までLPICを経営していた機関「NPO法人 LPI JAPAN」とは別物です。
さらに「これからのLPICの経営は、LPI 日本支部で行っていく」との布告も行います。
これはつまり、
- NPO法人LPI JAPANは、LPICの「経営」を停止します。
- そしてこれからは、代わりにLPI 日本支部がLPICの経営に関与します。
ということ。
現在もLPICは変わることなく継続中
ここまでの話をまとめると、
- 「NPO法人 LPI JAPAN」が、LinuCをリリースする
- 「NPO法人 LPI JAPAN」が、LPICの経営をやめる
- 「LPI 日本支部」が新しく作られる
- 「LPI 日本支部」が、LPICの経営を引き受ける
となります。
したがって本試験は抹消されたわけでもなく、経営元が変わっただけ。
試験はこれまでどおり、現在も継続中です。
「経営が変わったことで価値や内容が変わった」ということも特段なく、高い評価を得られることにも変わりはありません。
公式サイトにある「取り扱い停止」という情報は確かにややこしく、不安を招いてしまうのも無理はありませんが、安心してほしいと思います。
LPICが廃止されるならいつごろ?
廃止が具体的にいつ行われるかは現時点で確定していないため、時期は不明です。
公式からのアナウンスや声明がない限り、継続して提供されると考えられます。
ただし将来の技術動向や需要の変化によって、地位や需要が変わる可能性はゼロではありません。
業界の要求や新たな技術の出現によって、価値が相対的に低下することも考えられます。
また競合となる認証試験の誕生や、受験者数の現象なども、影響を与える要素となるでしょう。
広範に認められた信頼と評価に足る資格とはいえ、技術の進化や業界のニーズの変化によって、現在の評価が変動する可能性はあることは、念頭に置くべきといえます。
LPICの廃止が現実になる前に取得するのが得策!
ここまでで述べているとおりですが、廃止の可能性は限りなく低いことは明らかです。
しかし「廃止の可能性がまったくない」とはっきり言い切ることが困難なことも、事実としてあります。
もしそれを懸念するのであれば、その前に受験のうえ、取得してしまうことが賢明といえるでしょう。
抹消されることを心配していつまでも受験しないままでは、決断を先延ばしにしたまま時間だけが経ち、最終的に挑戦の機会を逃してしまうことになります。
それに万が一LPICが抹消されても、取得者に対しては、公式からのサポートや代替となる認定証明方法は、何らかの形で残ると見込まれています。
この先もLPICが廃止される可能性は低い
抹消される可能性は低いので、抹消される前に獲得しましょう。
資格の信頼性や公正性が非常に高く、多くの技術者や専門家の認可を受けているうえ、最新技術にあわせた設問のアップデートで改善も行われています。
それに業界では新たな認証試験の登場や競合があるかもしれませんが、地位や需要が急速に低下する兆候はありません。
むしろなくなるどころか、いま以上の貴重性が期待されている現状であるため、将来に備えるうえで得策です。
LPICへの挑戦には大きなメリットがある
挑戦することには、大きなメリットが伴います。
Linuxは長い歴史と確立された試験体系をもち、広く認知されています。
また階層的な体系を備えているので、レベルごとにスキルや知識の進化を追求することもでき、良い意味で大きな責任を担う仕事ができる機会が増加するでしょう。
他にもたくさんありますが、具体的にどのようなものかは次章でくわしく説明します。
スピーディーな獲得を目指すならスクールも視野に入れよう
LPICは未経験者だと難易度が高いことで知られているため、人によっては独学で合格を目指すのは難しいです。
認定をスピーディーに、かつ確実に獲得したい場合、スクールの利用も視野に入れることを推奨します。
スクールは効率的な学習環境と専門的な講師からの直接指導を提供しているため、試験対策や知識習得をしっかりサポートしてくれるからです。
スクールの費用は数万円から数十万円程度ですが、認定を獲得することで得られる利点を考慮すると、十分に元が取れると考えていいでしょう。
評判やカリキュラム内容、また指導の方法にはスクールごとに違いがあるので、しっかり調査のうえ、スタイルや目標に合ったスクールを選ぶのが大切です。
ちなみに活学ITスクールでは、「未経験者に向けた資格取得の指導のわかりやすさ」に定評があります。
一生使える武器を片手に新たな人生を開拓したい方は、ぜひご検討ください。
LPICを取得するメリット
廃止される前に挑戦することの利点を解説します。
モダンなIT知識が身に付く
モダンなIT知識が得られることが利点です。
たとえばLinuxはクラウドコンピューティングやコンテナ化、さらにはIoTといったモダンなインフラに関連しています。
取得によって、最新ニーズや業界の要求に応えるための理解が得られるでしょう。
自信がつき好循環が期待できる
ひとつ資格を取得すると、自分自身の「強み」になります。
それが自信となり、他の資格への挑戦にも積極的になるでしょう。
その試験の際も、「前回受かったんだし、今回も大丈夫」という気持ちの自信が生まれ、合格率の向上にも直結します。
有識者コミュニティにも参加できる
公式のコミュニティやインターネット上では、有識者によるつながりの機会がたくさんあります。
こういったネットワークやイベントに積極的に参加することで、プロとしての情報交換や相互学習が可能になります。
また、おなじ関心をもつ仲間として、プライベートでも良好な関係を築くこともできるでしょう。
LPICの廃止に関するよくある質問
ここではLPICの抹消に関して、よく寄せられる質問に答えます。
LPICとLinuCには互換性はある?
両者に互換性はないというのが結論です。
おなじLinux資格ではあるものの、設問の難しさや需要および経営元が異なるので、まったく別のものと考えて差し支えありません。
ただ、出される設問内容が酷似していたり、考え方が共通していることは多いです。
両方に挑戦することで、より知識の深みを追求できます。
LPICとLinuCの違いについては、下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
すでにLinuCをとっていたらLPIC資格はどうなるの?
どちらもそれぞれ別々に確立されている資格なので、とくに影響はありません。
どちらを先に取得していても、問題なく両方に挑戦することが可能です。
獲得の順序に決まりもなければ、とくに申請が必要ということもまったくありません。
好きなほうから積極的に、自由に着手することを推奨します。
LPICとLinuCならどっちに挑戦するといい?
どちらに挑戦するかは、自身の目的や興味によって異なります。
LPICは国際的な資格であり、世界中の多くのIT企業から認可を受けているので、海外就職で役立ちます。
かたやLinuCは日本の市場に最適化した独自の試験なので、日本のIT企業に就職や転職で優位性を発揮するでしょう。
高い知名度における需要を期待するならLPICに軍配が上がるものの、設問が英語だったりと難易度は高めです。
自分の現状の知識レベルを把握したうえ、好きなほうを選ぶのがいいでしょう。
日本国内でLPICに挑戦することは可能?
日本国内でも、LPICに挑戦することができます。
確かにLPICを経営する会社は変わったので心配になる方も多いですが、経営元が変わったあとも引き続き国内での受験は可能です。
ただ注意点として、あくまで「国内での受験が可能」ということ。
日本語に対応している試験か、英語のみの試験になるかは、区分によって異なるのでよく確認してください。
LPICの申し込み方法の流れについては下記記事を参考にしてください。
まとめ:LPICに廃止の予定はないので安心して受験しよう!
廃止が噂されていたLPICですが、実際のところその予定はないので、安心感をもって勉強に取り組みましょう。
存続にはさまざまな話が飛び交っているものの、取得することで受けられる利点は計り知れないことは事実です。
また難易度についても段階的な区分が設けられているので、レベルに伴ったものに挑戦することが可能。
その優位性や柔軟性を考えても、受験する価値は大いにあるといえます。