「Python3エンジニア認定基礎試験」は、Pythonの基本的な事柄についてバランスよくカバーしている試験です。
Pythonに関する資格としては最も代表的な資格試験なので、受験を検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、試験の基本情報と難易度、資格を取得するメリットや試験対策の方法をご紹介します。
受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお「活学ITスクール」のAIアプリコースでは、Pythonでオリジナルアプリを開発するスキルを習得できます。
転職活動をする際に成果物としても利用できるのでおすすめです。
未経験者専用のカリキュラムを組んでおり、知識ゼロからでも実務に使えるスキルを身につけられるため、PythonやAI技術を学びたい方はぜひ受講をご検討ください。
Python3エンジニア認定基礎試験とは
Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人「Pythonエンジニア育成推進協会」によって運営・認定されている民間資格です。
日本国内で受験できるPythonの資格としては、最もメジャーな資格でもあります。
プログラミング入門者でもチャレンジしやすくPythonエンジニアとして基礎的スキルがある証明となるため、キャリアアップにも有利です。
基礎試験の他に、Pythonを使ったデータ分析についての知識が問われる「データ分析試験」と中級レベルの「実践試験」があります。
基礎試験の合格後に、それらの資格試験の受験を検討する方も少なくありません。
取得しても意味がないと言われる場合もありますが、IT未経験者にとってはPythonの初歩を習得でき、転職の際のアピールポイントの一つにもなります。
Python3エンジニア認定基礎試験の概要
ここでは、Python3エンジニア認定基礎試験の概要を以下の4つの項目に分けて解説します。
- 試験概要
- 出題範囲・出題率
- 過去問題
- 試験日
試験概要
Python3エンジニア認定基礎試験の試験概要は、以下のように公開されています。
試験方法 | CBT方式 |
受験日 | 通年 |
難易度 | 初級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料(税込) | 一般:1万1,000円 学生:5,500円 |
対象者 | ITの基礎知識がある方 Pythonの基礎を身につけたい方 |
公式サイト | Python3エンジニア認定基礎試験 |
試験は「CBT方式」で実施され、全国にある試験会場からパソコンを使って受験する形式です。
申込から合否通知まで、インターネット上で手続きが完了します。
出題範囲・出題率
試験の出題範囲と出題比率は、以下のように公開されています。
(引用:基礎試験)
オライリー・ジャパン『Pythonチュートリアル(第四版)』に準拠しており、その中から基礎的な内容を中心に出題されます。
試験範囲の中でも、以下の3つの章は出題数が多いため、チェックしておきましょう。
出題数が多い章 | 内容 |
制御構造ツール | 自動処理を行う制御構文について |
データ構造 | Python特有のデータ型であるlist(配列)について |
気楽な入門編 | 数値変数・文字列変数・配列型変数のlist など重要な基礎知識について |
過去問題
Python3エンジニア認定基礎試験の過去問題は公開されていません。
他のIT試験のように過去問題を反復演習できませんが、公式サイトでは認定テキストや未経験者向けの参考書を紹介しています。
また模擬試験を無料公開しているため、試験対策に活用してみてください。
試験日
試験日は試験会場ごとに設定されており、通年受験できます。
公式サイトから最寄りの試験会場を検索し、直接申し込む仕組みです。
試験会場によって申し込み方法が異なるため、まずは希望する場所や日程に合わせて調べてみてください。
Python3エンジニア認定基礎試験の難易度
Python3エンジニア認定基礎試験は、あまり難易度が高くない試験として設定されています。
ここでは、試験の合格率とIT未経験者・IT経験者それぞれにとっての難易度をご紹介します。
合格率
詳しいデータは公表されていませんが、公式には基礎試験の合格率は75%前後を推移※しています。
合格率が10%台になることも珍しくないIT系の資格試験の中では、かなり難易度の低い試験です。
Pythonの基礎的な内容が出題されるため、きちんと勉強を重ねれば十分に合格の可能性はあります。
IT未経験者にとっての難易度
Python3エンジニア認定基礎試験は、IT未経験者でも十分に合格の可能性がある資格試験です。
経済産業省が定めているガイドラインITスキル標準(ITSS)では一番下のレベル1に設定されており※、このレベルを考慮しても難易度が低い試験といえます。
Pythonの基礎を学習したうえで模擬試験を受験し対策しておけば、IT業界の経験がなくても合格は可能です。
他のIT系の資格試験と難易度を比較すると、「ITパスポート」よりは難易度が高いものの「基本情報技術者試験」よりは難易度が低い、という位置づけになります。
ITパスポートや基本情報技術者試験以外の資格については、こちらからご覧ください。
※参照:ITスキル標準(ITSS)
IT経験者にとっての難易度
IT経験者にとっては、さらに難易度が低い資格試験です。
Python自体の経験がなくとも、他のプログラミング言語を学習した経験があれば学習効率は大きく上がります。
とはいえ、IT業界での経験が十分にある方なら、Python3エンジニア認定基礎試験をあらためて受験する必要性は低いでしょう。
初歩的な資格試験の対策より、より高度な資格試験への対策やオリジナルアプリ開発などに力を入れたほうが、転職やキャリアアップに近づけます。
Python3エンジニア認定基礎試験の勉強時間の目安は?
Python3エンジニア認定基礎試験の資格取得に向けた勉強時間は、経験やスキルなどによっても大きく異なります。
模擬試験を無料公開しているプライム・ストラテジーが掲載する、受験者の合格までの学習法によると、勉強時間の目安は経験者なら数時間ほど※です。
未経験者なら50時間程度必要となるため、1日1時間の学習時間を確保できれば2ヶ月ほどで合格を目指せるでしょう。
初心者が効率的に学習を進められるロードマップが知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
Python3エンジニア認定基礎試験に合格するメリット
Python3エンジニア認定基礎試験は、受験・合格にメリットがある試験です。
ここでは、以下の3つのメリットについて解説します。
- キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる
- 学習効率が高まる
- 補助金を貰える可能性がある
キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる
試験に合格できれば、キャリアアップやキャリアチェンジにつながる可能性があります。
とはいえ難易度は低めなので「Python3エンジニア認定基礎試験に合格したから、チームリーダーに昇進」のように昇進や内定を決定づけるほどの要素はありません。
しかし、未経験者にとってはPythonの基礎を理解している証明となり、Pythonを自主的に学習する熱意があると採用担当者にアピールできます。
学習効率が高まる
資格全般に当てはまりますが、試験対策によって学習効率が高まるのもメリットの一つです。
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonエンジニアに必要な基礎知識をバランスよくカバーしたオライリー・ジャパンのテキストに準拠して問題が作成されます。
そのため、Pythonの基礎を習得するうえで必要な知識を効率的に身につけられるのです。
補助金を貰える可能性がある
試験に合格すれば、補助金を貰える可能性も期待できます。
IT企業では社員のスキルアップを目的として、資格取得に手当を出すのが一般的です。
手当が出る資格の種類や金額は会社にもよりますが、資格手当によって毎月の収入を数千円~数万円単位で上げられます。
ただし、難易度の高い資格試験ではないため高額の手当は期待できません。
受験にかかる費用を負担してもらえる企業もあるので、受験の際は会社へ相談してみるのもよいでしょう。
Python3エンジニア認定基礎試験の勉強法
資格の勉強法は大きく分けて2つあります。
それぞれの特徴をチェックして、自分に合った勉強法を考える際の参考にしてみてください。
認定テキスト・学習サイトの活用
コストをおさえて自分のペースで学びたい方に向いているのが、認定テキストや学習サイトを活用した勉強法です。
Pythonの基礎知識を問われる試験のため、独学でも十分に合格を目指せます。
出題比率が高い主教材のオライリー・ジャパン『Pythonチュートリアル(第四版)』は、網羅的で専門性が高く、学習するうえで重宝する書籍です。
他にも認定テキストとしてインプレス『徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集』が推奨されています。
ただし、未経験者には難易度が高いテキストのため、いきなり主教材で学習するのは困難です。
プログラミング未経験者向きの書籍として、以下の3冊が公式に推奨されています。
またPythonを学べる高品質な学習サイトも多数公開されているので、有効に活用してみてください。
他にもおすすめのPython学習本を知りたい方は、以下の記事でチェックできます。
スクール・講座の受講
スクールや講座を受講する勉強法は、独学では不安な方や効率的にPythonを学習したい方向きです。
不明点をすぐに質問できる点や、仕事しながらでも学びやすいカリキュラムがある点など、スクールの利用には多くのメリットがあります。
時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進めたい方は、eラーニング講座もおすすめです。
資格試験専門のスクールはありませんが、スクールでの学習の過程で受験を検討できます。
活学ITスクールでは、IT未経験でもPythonでオリジナルアプリを開発する知識が身に付く「AIアプリコース」を提供しています。
わかりやすいアニメーション動画で学習したり、プロの講師に何度でも質問できたりなど、理想的な学習環境をご用意。
独学中でなかなか進まない方や、挫折が不安な方は、ぜひ受講をご検討ください。
Pythonの習得におすすめのスクールについては、以下の記事でもご紹介しています。
Python3エンジニア認定基礎試験対策のコツ
ここでは、Python3エンジニア認定基礎試験対策のコツを3つご紹介します。
- 出題率が高い分野を重点的に学習する
- 模擬試験を活用する
- コードを実際に書いてみる
出題率が高い分野を重点的に学習する
Python3エンジニア認定基礎試験は出題範囲と出題率が公開されているため、出題率の高い分野を重点的に学習すると合格の可能性が高まります。
たとえば出題率が最も高いのは、プログラムの自動処理を行う制御構文について出題される「制御構造ツール」※です。
全体の出題範囲の約20%を占めるので、しっかりと勉強しておきましょう。
※参照:試験概要|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
模擬試験を活用する
受験前に模擬試験を受けておくのも、大切な試験対策の一つです。
認定スクールであるプライムストラテジーとダイビックが無料公開しており、苦手な部分を復習したうえで本番の試験に臨めるので合格しやすくなります。
独学で合格を目指す方であっても無料で何度でも受けられるため、実際の試験前に模擬試験を受けて、問題の傾向や形式に慣れておくのがおすすめです。
※参照:模擬試験について|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
コードを実際に書いてみる
プログラミング言語を習得する際は、テキストでの座学だけではなく実際に手を動かしてみることが大切です。
テキストや問題を暗記しても、真にPythonを理解することはできません。
IT分野の実績経験が無い方はとくに、コードを書いてみるほうが感覚をつかみやすく理解が深まり、学習効率も高まります。
ブラウザ上でプログラミングできるWebサービスもあるため、活用するのもおすすめです。
Pythonの使い方については別の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
Pythonエンジニアにおすすめの他の資格
Pythonに関する資格は、Python3エンジニア認定基礎試験以外にもいくつか実施されています。
たとえば「Python3エンジニア認定データ分析試験」は、データサイエンスに関心がある方向きの資格です。
まったくのIT初心者には難易度が高い可能性がありますが、普段からPythonを活用している人なら比較的簡単な試験といえます。
また海外でPythonエンジニアとして活躍したい方には、海外のPython資格である「Python Certifications」がおすすめです。
レベルはEntry・Associate・Professionalの3段階に分かれており、Entryレベルでは 基礎試験と同じくPython基礎知識が問われます。
Pythonに関するその他の資格試験については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
まとめ:Python3エンジニア認定基礎試験にチャレンジしてみよう
「Python3エンジニア認定基礎試験」は、プログラミング言語の中でも比較的学びやすく、IT未経験者でも十分に合格を目指せる資格です。
難易度が高い試験ではなく大きな評価につながらない可能性があるとはいえ、未経験からの転職活動においてアピールポイントの一つになります。
資格試験対策にはテキストとWebサイトを利用するのが一般的ですが、実務に活かせるスキルを身に付けたいならスクールの受講も視野に入れて検討してみるとよいでしょう。
いずれの場合でも実際に手を動かしてコードを書き、実践的な学習を意識しておくことが大切です。