「Pythonを使ってできることは?」
「Pythonを習得するメリットは何がある?」
本記事では、このような疑問がある方のために、Pythonでできることや活用事例をご紹介します。
Pythonは汎用性が高いプログラミング言語です。
さまざまな開発に利用されているため、習得できれば幅広い分野で活躍できるチャンスが見込めるでしょう。
本記事では、Pythonでできることや活用事例に加え、逆にPythonが苦手としていることについてもご紹介します。
Pythonを習得するメリットや、習得に向いている人の特徴についても解説するので、習得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
また、Pythonに関する資格もありますので、詳しくはこちらをご参考ください。
Pythonとは
Pythonとは、1990年代初頭に開発されたプログラミング言語です。
汎用性が高く、AI開発など最先端の技術にも使われていることから、近年急速に人気を伸ばしました。
TIOBEが公開しているプログラミング言語の人気ランキングでも、Pythonは1位をキープし続けています。
(参考:TIOBE Index for May 2023)
Pythonの人気の秘訣は一体どこにあるのでしょうか。
Pythonには多くの長所がありますが、「できることが豊富にある」という点が人気の一因です。
Pythonでできること
それでは、Pythonを使うことで具体的に何ができるのでしょうか。
Pythonでできることとして、ここでは以下の6つについて解説します。
- AI開発
- Webアプリ開発
- スクレイピング
- 業務効率化
- ブロックチェーン開発
- IoT開発
AI開発
AI開発は、Pythonが使われている代表的な分野の1つです。
PythonといえばAI開発を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
AI開発はここ数年で急速に進歩している分野です。
画像を認識して異常のある製品を検知したり、音声データを認識して翻訳したりといった処理が自動的に行われ、私たちの生活が大きく変化しつつあります。
そんなAI開発の分野で盛んに利用されているのがPythonです。
AI開発に欠かせない数学や統計処理に関するフレームワークや、機械学習に関するライブラリが充実していることから、PythonはAI開発の現場で広く活躍しています。
Webアプリ開発
PythonはWebアプリ開発にも多く利用されています。
以前は、Webアプリ開発といえばPHPやJavaが主流でした。
しかし最近では、Rubyなどと並んでPythonを使ったWebアプリ開発も広まっています。
「Django」をはじめ、Webアプリ開発に適したフレームワークが充実しているのがその要因でしょう。
実際に、「YouTube」や「Instagram」といった有名なWebアプリの開発にもPythonは使われています。
必要なスキルと手順を、こちらで解説していますのでぜひご覧ください。
スクレイピング
「スクレイピング」と呼ばれる技術にも、主にPythonが使われています。
スクレイピングとは、Web上のデータを自動的に収集する技術のことです。
製品価格情報や不動産情報の収集、ニュースコンテンツの更新チェックなど、多くのデータを必要とする作業の効率を大きく向上させています。
スクレイピングはPythonを使った技術の中では比較的難易度が低く、Pythonの経験が浅い方でも従事できる業務としても知られています。
スクレイピングとは何のことか、もっと知りたい方は以下の記事をご参照ください
業務効率化
スクレイピング以外にも、Pythonを使った業務効率化の例は多数あります。
Excelの自動化やデータ分析、API連携などがその典型です。
APIとは「Application Programming Interface」の略称で、あるアプリケーションの機能を外部から利用できるようにする機能のことです。
たとえば、Google Map APIを利用して自社で開発しているWebサイトやWebアプリに組み込むなど、Webアプリケーションの利便性をさらに高めるために利用されています。
Pythonで利用できるAPIはさまざまなサービスで提供されているため、Pythonを使ってより作業効率や開発効率を高めることが可能です。
ブロックチェーン開発
Pythonは、ブロックチェーンの開発にも利用されています。
ブロックチェーンとは、情報を確実に管理し、改ざんや偽造を防ぐための技術のことです。
仮想通貨の取引履歴の管理に欠かせない技術で、安全性の高い取引を実現しています。
ブロックチェーンに欠かせない技術である「ハッシュ化」ができるライブラリ「hashlib」が備わっていることから、Pythonはブロックチェーンの開発に盛んに利用されています。
IoT開発
最近注目されているIoT開発でも、Pythonは人気を集めています。
Pythonが使われているのは、IoTデバイスで取得されたデータを可視化するプログラムの開発です。
機械の稼働率や気温などのデータを収集してグラフ化し、業務効率の向上に役立てる形で使われています。
Pythonが苦手なこと
たしかにPythonは色々なことができるプログラミング言語ですが、苦手としている作業もあります。
以下の3つの開発業務には、Pythonの利用はあまり使われていません。
- ゲーム開発
- スマホアプリ開発
- デスクトップアプリ開発
ゲーム開発
Pythonは、ゲーム開発にはあまり向いていません。
「Pygame」などゲーム開発用のライブラリもあるため、ゲーム開発が一切できないというわけではありませんが、C++やC#、Javaなど、よりゲーム開発に向いているプログラミング言語は多数あります。
Pythonは処理速度が遅く、高速な処理が求められる開発には向いていないというのも、ゲーム開発に向いていない理由の一つです。
スマホアプリ開発
スマホアプリ開発にも、Pythonはあまり使われません。
「kivy」というAndroidアプリ開発用のフレームワークがあるため、開発自体は可能です。
しかし実際のところ、基本的にAndroidアプリの開発にはJavaやKotlinが使われています。
iOS用のフレームワークが整っていないため、iPhoneアプリの開発があまりできないというのも、Pythonがスマホアプリ開発に使われない理由です。
ただ、まだ整っていないということは、乗り出す人が少ないため先乗りするチャンスでもあります。
iOSエンジニアに興味のある方は、IOS ACADEMIAというiOSエンジニア育成に特化したプログラミングスクールに通ってみてはいかがでしょうか。
未経験からiOSエンジニアへの転職を目指すあなたを徹底的にサポートしてもらえます。
デスクトップアプリ開発
デスクトップアプリの開発にも、Pythonではなく他のプログラミング言語が使われるのが一般的です。
WindowsであればC#、macOSであればSwiftが主に利用されています。
スマホアプリもデスクトップアプリも全く開発できないという訳ではありませんが、より適した言語が他にあるため、Pythonが選ばれることは少ないでしょう。
Pythonのメリット
ここではPythonのメリットとして、以下の4点について解説します。
- 文法がシンプルで読み書きしやすい
- ライブラリが豊富にそろっている
- 汎用性が高い
- 市場価値が高く将来性に期待できる
文法がシンプルで読み書きしやすい
Pythonは、文法がシンプルで読み書きしやすいプログラミング言語です。
他のプログラミング言語に比べて記述量が少なく、初心者でも読み書きしやすいため、学習しやすいというメリットがあります。
プログラミング経験がない人が最初に学習すべき言語として名前が挙がることも珍しくありません。
ライブラリが豊富にそろっている
Pythonのもう1つの魅力は、実用的で機能性が高いライブラリが豊富に提供されているという点です。
ライブラリとは、開発に役立つプログラムの部品を集めたファイルのことで、システムやアプリケーションに読み込んで利用します。
目的に応じてライブラリを有効に使うことで、開発効率を大きく向上させることが可能です。
Pythonにはライブラリが豊富にそろっているので、効率的に開発を進められるというメリットがあります。
汎用性が高い
Pythonは汎用性が高いプログラミング言語です。
できることが多く、苦手としている処理が少ないため、習得できれば様々な業界で活躍するチャンスが生まれます。
「プログラマーを目指しているけど、どんなプログラマーになるべきか分からない」
という方でも、Pythonを習得しておけば幅広いキャリアパスを期待できるでしょう。
習得する言語に迷った方は、汎用性の高いPythonの習得を検討することをおすすめします。
市場価値が高く将来性に期待できる
Pythonは、高い将来性が期待できるプログラミング言語です。
AI開発やWebアプリ開発など、Pythonは需要の高い分野で活用されています。
AIやデータサイエンス、IoTなど、今後も高い需要が期待できる分野で活用されている以上、Pythonには将来性が期待できるでしょう。
プログラミング学習サービスを提供している「paiza」が実施した2022年の調査では、Pythonは「転職で企業からニーズが高い言語ランキング」で全体の4位、「転職における言語別の平均年収ランキング」でも全体の4位と、上位に位置しています。(参考:「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果を発表。)
こうした点からも、Pythonの習得はエンジニアとしての市場価値につながることが分かります。
Pythonを習得してできる仕事
Pythonは汎用性が高いプログラミング言語なので、習得できれば携われる仕事も多数あります。
代表的な職種として、以下の3つの仕事が挙げられます。
- Webエンジニア
- AIエンジニア
- データサイエンティスト
Webエンジニア
Webエンジニアは、Pythonを習得した方が最初に目指したいキャリアの1つです。
Webアプリの開発を担当するWebエンジニアは求人の数も多いため、未経験からPythonエンジニアへの転職を目指す方に向いています。
AIエンジニア
AIエンジニアは、Pythonスキルが求められる職種です。
高い需要と将来性が期待できる分野ですが、専門性が高く、高度なスキルが要求されるため、IT業界未経験からの転職は難しいでしょう。
AIエンジニアになるために必要なスキルについては、以下の記事もご参照ください。
データサイエンティスト
データサイエンス分野でもPythonは盛んに利用されています。
AIエンジニアと同じくデータサイエンティストも高い需要が見込めますが、数学や統計学など専門的な知識が要求される分野です。
また、データサイエンス基礎科目については、Webマーケターキリンのつぶやきの記事も参考にしてみてください。
Pythonの習得が向いている人
Pythonは、以下のような方に向いているプログラミング言語です。
- 需要の高い分野で転職したい人
- AI・データサイエンスに関心がある人
- プログラミング初心者の人
需要の高い分野で転職したい人
Pythonは、需要の高い分野で転職したい人におすすめです。
WebアプリケーションやAI開発など、需要の高い分野で盛んに利用されているPythonを習得できれば、転職活動も有利に進められます。
求人数も多く、キャリアパスも豊富にあるため、選択肢が多いのもポイントです。
AI・データサイエンスに関心がある人
AIやデータサイエンスに関心がある人にも、Pythonはおすすめです。
データサイエンス分野ではR言語などが利用されることもありますが、習得しやすさや汎用性の高さではPythonに分があります。
IT業界での就業経験やプログラミング経験がない状態からAI・データサイエンス分野に転職するのは難しいため、まずはWeb系など他分野への転職を目指すと良いでしょう。
プログラミング初心者の人
Pythonはプログラミング初心者の人におすすめです。
文法がシンプルで習得しやすいだけでなく、テキストや動画コンテンツも豊富にあるため学習を進めやすいのもポイントです。
Python初心者の方の学習については、以下の記事もご覧ください。
Pythonの習得方法
Pythonの習得には、独学とスクールの受講という2つの方法があります。
最後に、それぞれの方法について簡単に解説するので、Pythonの習得を検討している方は参考にしてみてください。
独学
書籍や学習サイトを使った独学のメリットは、コストをおさえて自分のペースで学習できるという点にあります。
その反面、モチベーションを保ちにくく挫折につながりやすいというデメリットもあるため、自分に合った方法で学習を進められるような工夫も必要です。
Pythonの独学については、以下の記事もあわせてご覧ください。
またこちらの記事では、Pythonの独学に役立つブログを紹介していますので、是非ご覧ください。
スクールの受講
確実に早くPythonを習得したい方、転職を成功させたい方はスクールの受講がおすすめです。
効率的に学習できるのはもちろん、転職サポートも提供してもらえるため、Pythonの学習と転職活動の両方を有利に進められます。
Pythonが学べるおすすめのスクールは、以下の記事でご紹介しています。
まとめ
Pythonは汎用性が高いプログラミング言語として知られています。
Webアプリケーション開発やAI開発、データサイエンスなど、需要が高い分野でも盛んに利用されており、習得できれば活躍のチャンスが広がる言語です。
処理速度の遅さというデメリットもありますが、苦手なことが少なくさまざまな処理を実現できるため、習得するプログラミング言語に迷っている方はPythonを選択することをおすすめします。
将来性の高いプログラミング言語としても評価されているため、エンジニアとしての転職を目指している方はPythonの習得をぜひ検討してみてください。