「Pythonを学習する際におすすめの資格は?」
「そもそもPythonの習得で資格の勉強をする意味はある?」
本記事ではこのような悩みがある方のために、Pythonに関する資格を8つご紹介します。
Pythonをはじめ、プログラミング言語の資格は、取得しても意味がないと考えている方も少なくありません。
たしかに、資格を取得することだけを重視するのはおすすめできませんが、活用の仕方次第では様々なメリットが得られます。
本記事では、各資格試験の基本情報と難易度に加え、資格取得のメリットや試験対策の方法までご紹介します。
なお、活学ITスクールではPython使ったAIアプリ作成方法を学べる「AIアプリコース」を受講可能です。
Pythonを実践的に活用する方法を学べるので、資格取得のための一環としてぜひご活用ください。
国内のおすすめPython資格4選!難易度・教材などを紹介
日本国内の団体が実施・認定している資格試験として、以下の4種が挙げられます。
試験名 | 費用 | 難易度 | 合格ライン |
---|---|---|---|
PythonZen & PEP 8 検定試験 | 無料 | 初級 | 正答率70% |
Python3エンジニア認定基礎試験 | 一般:1万1,000円(税込) 学割: 5,500円(税込) | 初級 | 正答率70% |
Python3エンジニア認定実践試験 | 一般:1万3,200円(税込) 学割: 6,600円(税込) | 中級 | 正答率70% |
Python3エンジニア認定データ分析試験 | 一般:1万1,000円(税込) 学割: 5,500円(税込) | 中級 | 正答率70% |
それぞれの資格試験について概要や難易度を解説するので、受験を検討している方は参考にしてみてください。
PythonZen&PEP8検定試験
「PythonZen&PEP8検定試験」は、Pythonでプログラムを書く際に守るべきルールや決まりについての知識・スキルが問われる試験です。
Pythonの設計に関する格言を集めた「Python Zen」と、標準のコーディング規約として公開されている「PEP 8」から問題が出題されます。
転職や就職に必ずしも役立つ資格ではありませんが、受験料がかからず、難易度も高くはないので、設計や開発の作法を再確認する意味で受験してみると良いでしょう。
出題範囲 | Python Zen PEP 8 |
試験方法 | WBT方式 |
難易度 | 初級~ |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 無料 |
対象者 | Pythonの作法を再確認したい方 |
公式サイト | PythonZen & PEP 8 検定試験 |
Python3エンジニア認定基礎試験
「Python3エンジニア認定基礎試験」は、Pythonの基礎的な文法についての知識・スキルを問う資格試験です。
Python歴が浅い方でも比較的合格しやすく、学習にも向いています。
主教材である「Pythonチュートリアル」を用いて、基礎的な知識から学習を進めましょう。
出題範囲 | Python基礎 |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 初級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 1万1,000円(税込) |
対象者 | Pythonの基礎を身につけたい方 |
公式サイト | Python3エンジニア認定基礎試験 |
Python3エンジニア認定実践試験
「Python3エンジニア認定実践試験」では、Pythonに関するより実践的な問題が出題されています。
ライブラリの使い方やテスト、デバッグといった実務に関わる問題が出題されるため、全くの初心者よりも、ある程度の経験を積んだ方が検討すると良いでしょう。
指定の教材として販売されている「Python実践レシピ」をメインに対策してみてください。
出題範囲 | Python基礎 データ型とアルゴリズム ライブラリの使い方 ファイルとディレクトリへのアクセス テスト・デバッグなど |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 中級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 一般価格:1万3,200円(税込) 学割価格:6,600円(税込) |
対象者 | Pythonの実践力を身につけたい方 |
公式サイト | Python3エンジニア認定実践試験 |
Python3エンジニア認定データ分析試験
「Python3エンジニア認定データ分析試験」は、データサイエンスやAI開発分野に関するスキルを認定している資格です。
Pythonを扱うためのスキルだけでなく、数学やデータ分析関係のライブラリを扱うための専門的な知識が問われるため、基礎試験に比べると難易度は少し高めになっています。
データサイエンティストやAIエンジニアを目指したい方におすすめです。
主教材は「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」となっているので、出題範囲から優先的に学習を進めましょう。
出題範囲 | Python基礎 ライブラリによるデータ分析 数学基礎など |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 中級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 一般価格:1万1,000円(税込) 学割価格:5,500円(税込) |
対象者 | Pythonでデータサイエンス・AI開発スキルを身につけたい方 |
公式サイト | Python3エンジニア認定データ分析試験 |
こちらの記事で、未経験からAIエンジニアに転職する方法を解説していますので、気になる方はご覧ください。
Pythonに関する海外の資格試験の概要
Pythonの資格試験の中には、ポーランドの団体によって認定されている「Python Certifications」があります。
英語での試験にはなりますが、国際的に活躍したい方は受験を検討してみると良いでしょう。
ここでは、以下の4つの試験について概要をご紹介します。
試験名 | 費用 | 難易度 | 合格ライン |
---|---|---|---|
PCEP | 59USドル | 初級 | 正答率70% |
PCAP | 295USドル | 中級 | 正答率70% |
PCPP-32-1xx | 195USドル | 上級 | 正答率70% |
PCPP-32-2xx | 195USドル | 上級 | 正答率70% |
PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer
「PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer」は、入門向けの資格試験です。
日本の「Python3エンジニア認定基礎試験」と同等レベルの難易度で、Pythonの初歩的な文法事項や、プログラミングについての基礎的な知識が問われます。
入門向けとはいえ英語で出題されるため、日本の試験よりも難易度は高いと言えるでしょう。
指定教材「PYTHON ESSENTIALS – PART 1」の目安学習時間は40時間ですが、英語に不慣れな人はもう少し時間がかかることもあるので注意してください。
出題範囲 | Python基礎 |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 初級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 59USドル |
対象者 | Pythonの基礎を身につけたい方 英語力に自信がある方 海外で活躍したい方 |
公式サイト | PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer |
PCAP – Certified Associate in Python Programming
「PCAP – Certified Associate in Python Programming」は、Pythonの実務遂行レベルのスキルを問う試験です。
基礎的な技術に加え、オブジェクト指向やPythonのモジュールの使い方など、より実践的なスキルが求められます。
主教材「PYTHON ESSENTIALS – PART 2」の目安学習時間は60時間となっているので、余裕を持って勉強を進めましょう。
出題範囲 | Python基礎 オブジェクト指向 例外処理 モジュールなど |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 中級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 295USドル |
対象者 | Pythonの実践力を身につけたい方 英語力に自信がある方 海外で活躍したい方 |
公式サイト | PCAP – Certified Associate in Python Programming |
PCPP-32-1xx – Certified Professional in Python Programming 1
「PCPP-32-1xx – Certified Professional in Python Programming 1」は、高レベルな国際的Pythonエンジニアに必要なスキルを認定している試験です。
受験するためには、「PCAP」に合格していなければなりません。
GUIプログラミングスキルやデータ分析に関する専門的な知識が要求されるため、十分なPython経験を積んでから受験を検討してみてください。
主教材である「Python Advanced 1~5」の目安勉強時間は120時間とされているので、十分に学習時間を確保する必要があるでしょう。
出題範囲 | ファイル処理 ライブラリ オブジェクト指向 GUIプログラミングなど |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 上級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 195USドル |
対象者 | Pythonの上級スキルを身につけたい方 英語力に自信がある方 海外で活躍したい方 |
公式サイト | PCPP-32-1xx – Certified Professional in Python Programming 1 |
PCPP-32-2xx – Certified Professional in Python Programming 2
「PCPP-32-2xx – Certified Professional in Python Programming 2」は、Pythonの資格の中では最も難易度の高い試験ですが、まだ試験の受付は開始されていません。
(2023年5月時点では「2023 年第 3 四半期/第 4 四半期に公開予定」とHPに記載あり)
「PCPP-32-1xx」への合格が受験の条件となっています。
データベース制御やネットワークプログラミング、パッケージの作成と配布といった、かなり高度な知識が問われる試験です。
推奨教材などはまだ指定されていませんが、それ以外にも実践的な知識が要求されます。
出題範囲 | ネットワークプログラミング パッケージの作成・配布 データベース制御など |
試験方法 | CBT方式 |
難易度 | 上級 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 195USドル |
対象者 | Pythonの上級スキルを身につけたい方 英語力に自信がある方 海外で活躍したい方 |
公式サイト | PCPP-32-2xx – Certified Professional in Python Programming 2 |
役に立つ?Pythonに関する資格を取得するメリット
上記にご紹介した資格を取得できれば、以下のようなメリットが期待できます。
- Pythonのスキルレベルを証明できる
- Pythonエンジニアへの転職に役立つ
- 年収アップにつながる
- Python学習に役立つ
Pythonのスキルレベルを証明できる
Pythonの資格を取得していれば、自分のエンジニアとしてのスキルレベルを証明できます。
世間的にも知名度のある資格は、Pythonがどれくらい扱えるのか客観的な指標になるからです。
たとえば「データ分析の勉強をしました」よりも「Pythonエンジニア認定データ分析試験に合格しています」の方が面接ではアピールになります。
まだ業務でPythonを活用していない人でもスキルを証明できるので、転職活動やキャリアアップにも有効です。
Pythonエンジニアへの転職に役立つ
資格をPythonエンジニアへの転職に役立てられます。
とくにIT未経験からPythonエンジニアを目指す場合、資格を取得していると最低限のスキルがあることを伝えられるためです。
PythonはマーケティングやAI、データサイエンスやデータベースなどのさまざまな領域で活用されています。
志望する業務や領域が明確な場合は、それにあわせて資格を取得しておきましょう。
ただしエンジニアへの転職においては、資格よりも実務経験や開発経験が重視される傾向にあります。
資格の取得だけを転職活動の武器にするのではなく、オリジナルアプリの開発などで実務経験も積むことも重視しましょう。
詳しいPythonエンジニアの求人例や必要なスキルをこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
年収アップにつながる
レベルの高いPython資格を取得すると、副業やキャリアアップによって年収アップにつながる場合もあります。
ニーズの強いPythonのスキルを活かすことで、社会に価値のある仕事を提供できるためです。
たとえば、現在営業職の人がPythonのスキルを身につければ、Pythonの知識と持ち前の営業力を活かし、エンジニアやIT企業の営業職に転職できる可能性があります。
クラウドソーシングで副業を行う際も、資格取得者の方が任せられる業務をイメージしやすくなり、仕事のチャンスを広げられるのもポイントです。
キャリアアップにつながらないレベルの資格でも、企業によっては資格取得手当や報奨金が出る場合があります。
業務に直結する資格の場合は受験料を負担してくれる企業もあるので、社内規則をチェックしておきましょう。
効率的にPythonを学習できる
資格取得を目標にすることで、Pythonの知識・スキルを効率的に学習できることもメリットになります。
資格の教材やスクールのカリキュラムを活用することで、体系的な知識が身につくからです。
Pythonは人気のある言語のため、教材やドキュメントが多く、どこから学習したらいいかわからないこともあるでしょう。
資格のカリキュラムを参考にすると、道筋を立てて抜け漏れなく学習できます。
おすすめのPython学習教材については、以下の記事も参照してください。
Pythonに関する資格の試験対策方法
Pythonに関する資格試験への対策には、以下の3つの方法があります。
- 指定テキストの利用
- スクールの受講
- 学習サイトの利用
指定テキストの利用
日本国内で認定されている、「Python3エンジニア認定試験」であれば、公式に利用が推奨されているテキストがあります。
Pythonはテキストも豊富で、書店などで簡単に手に入るため、1冊は指定テキストを購入しておくと良いでしょう。
テキストを利用した学習はコストが低いものの、手を動かして学習しにくいといったデメリットもあります。
学習サイトの利用と併用する形で勉強しましょう。
スクールの受講
Pythonに関する資格試験対策を提供しているスクールもあります。
スクールはプロのエンジニアのサポートが受けられることや、資格取得後の転職を支援してもらえるのがメリットです。
ただし、資格を取得する以外にはどんなスキルが習得できるか、カリキュラムは事前に確認しましょう。
活学ITスクールでは、初学者向けにPythonの知識が学べるAIアプリコースを提供しています。
Pythonを用いたオリジナルアプリを作成しながら開発スキルを身につけられるので、検討してみてください。
学習サイトの利用
スクールに通っている時間が確保できない人は、学習サイトを利用するのもおすすめです。
なかには実行環境を提供してくれているサービスもあり、スマートフォンでもプログラムが実行できます。
このため、初心者の最初の関門である環境構築でつまずかないのが学習サイトのメリットです。
おもな学習サイトとしては、動画でPythonを学習できる「Udemy」や「ドットインストール」、Youtubeの動画教材などがあげられます。
しかし学習サイトでは動いただけで満足して原理を理解しておらず、試験の役に立たない場合もあるでしょう。
このため、テキストや模擬試験などと併用しながらの試験対策がおすすめです。
Pythonの資格に関するよくある質問
最後に、Pythonの資格に関するよくある質問をご紹介します。
- Pythonの資格は意味ない?
- Pythonの資格試験に過去問はある?
- Pythonに国家資格はある?
- Pythonに関する資格以外におすすめの資格は?
- Pythonエンジニアが資格以外に身に着けておくべきスキルは?
資格取得を目指す前に、疑問点がある場合はここで解消しておきましょう。
Pythonの資格は意味ない?
実際のところ、未経験者がPythonの資格を取得しただけではキャリアアップにつながりにくいのが現状です。
「プログラミング資格は取得しても意味が無い」という意見も多く聞かれるのは、資格よりも実際の開発経験が重要視されるためです。
採用現場では、資格を持っている未経験者よりも、資格を持っていない経験者が採用されることは少なくありません。
もちろん資格は客観的なスキルの証明にはなりますが、知識を身に着けるだけでなくアプリ開発など実践的な経験も積んでおきましょう。
Pythonの資格試験に過去問はある?
Pythonに関する資格試験の過去問は、現在のところどの資格でも公開されていません。
しかし、Python3エンジニア認定基礎・データ分析・実践試験は模擬試験アプリが公開されており、誰でも無料で利用可能です。
模擬試験が収録された問題集もあるので、試験の形式に慣れておくために受験の前に利用しましょう。
Pythonに国家資格はある?
現在のところ、Pythonに関する国家資格はありません。
国内の資格試験はいずれも、民間資格という扱いになっています。
しかし、Pythonをはじめとしたプログラミングの資格全般は、資格そのものよりも勉強を通じて身につけた知識・スキルが重要です。
資格の取得をゴールにせず、業務に活かせるように実践的な学習も欠かさないようにしましょう。
Pythonに関する資格以外におすすめの資格は?
Pythonに関する資格以外に、特にIT未経験者におすすめの資格として「基本情報技術者試験」があります。
IT全般についてのスキルを広く学べるため、ITエンジニアとして転職を目指したい方はぜひ取得をめざしましょう。
高度な開発能力があることを証明するためには、応用情報技術者やデータベーススペシャリストもおすすめです。
その他のIT資格について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
Pythonエンジニアが資格以外に身に着けておくべきスキルは?
Pythonエンジニアが評価されるポイントは、資格以外にも次のようなスキルがあげられます。
- Linux環境での開発経験
- データベース・データ分析のスキル
- コミュニケーションスキル
- 情報収集能力
エンジニアとして活躍したい場合にはPythonに関する知識・スキルだけでなく、システム開発全般のスキルが重要です。
加えて、企業で働く上では周りのエンジニアと円滑にコミュニケーションを取りながら開発を進める能力も必要になります。
Pythonの資格はスクール受講で効率的に学び取得しよう
Python初心者で資格の取得を検討している方は、「Python3エンジニア認定基礎試験」から受験を考えると良いでしょう。
Pythonの資格を取得することで、転職しやすくなったり学習効率が上がるというメリットがあります。
もちろん、資格の取得だけを目的に勉強してもあまり意味はありません。
IT業界では、資格の有無よりも実務経験の有無が重視されるため、資格取得と並行して、オリジナルアプリの開発をはじめとする実践的な練習を重ねることが大切です。
資格試験対策にはテキストとWebサイトを利用するのが一般的ですが、スクールの受講も視野に入れて検討してみてください。
独学よりも効率的に学べ、模擬試験の受験も可能なので、有効に活用することをおすすめします。