WebアプリとWebサイトの違いは?特徴や使い分けるポイントも解説

ネットを使ったサービスや情報発信において、「Webアプリ」や「Webサイト」は非常に重要なツールとなります。

しかし、その違いや特性を理解するのは難しいです。

そこで今回の記事では、「Webアプリ」と「Webサイト」の基本的な特徴から、それぞれの機能・仕組み・使い分けのポイントまで解説します。

これらの違いを理解することで、ビジネスを成長させるためにはどちらを使うべきか、どのようなスキルを習得すべきかが見えてくるでしょう。

目次

Webアプリとは?

Webアプリとは、Webブラウザを通じて利用するアプリケーションのことです。

特別なソフトウェアをインストールすることなく、インターネット接続があれば誰でも利用できます。

仕組み

Webアプリは、Webサーバー上に設置されたプログラムをブラウザから操作することで動作するシステムです。

HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語が主に用いられ、ブラウザがこれらの言語を認識して表示します。

サーバー側で動作するものを「サーバーサイド」と、ブラウザ側で動作するものを「クライアントサイド」と呼び、これらを組み合わせてデータの保存や取得、画面の更新などが行われます。

導入のメリット

Webアプリを導入する最大のメリットは、アップデートが容易であることです。

一度サーバー側のプログラムを更新すれば、すべてのユーザーが新しいバージョンのアプリを利用できます。

デバイスの種類を問わず利用できるため、ユーザーが個々にアップデートする手間も省けます

データを中央のサーバーに集約することで、セキュリティ管理やバックアップも一元化できるのも利点です。

開発の流れ

Webアプリの開発は、大まかには要件定義・設計・実装・テスト・リリースの流れで行われるのが一般的です。

要件定義では、アプリが何をするものなのか、どんな機能が必要なのかを詳細に決めます。

設計では要件定義を実現するため構造を考え、設計に基づいてプログラムを書いて実装を行います。

実装したものが正しく動作するかをテストをして、問題がなければリリースしてユーザーに利用してもらうというのが、一連の流れです。

導入事例

Webアプリの導入事例としては、オフィスツールのGoogle Docsや、プロジェクト管理ツールのTrelloなどです。

また、企業では業務効率化のための自社開発のWebアプリを導入することもあります。

顧客管理や売上管理、在庫管理など、業務に合わせたカスタマイズが可能なため、作業の効率化やミスの減少が期待できます。

教育分野ではオンライン学習システムの形でWebアプリが導入されていて、自宅・学校・職場など場所を問わず、必要な時に学習することが可能です。

また、学習の進捗管理や成果の評価もリアルタイムに行うことができ、個々の学習効果を高める支援が可能となります。

Webサイトとは?

Webサイトとは、インターネット上に公開され、ブラウザを通じてアクセスして閲覧することができる情報の集まりです。

個人・企業・団体などが自己表現や情報発信、商品の販売などの目的で制作・運営します。

仕組み

WebサイトはHTML・CSS・JavaScriptなどの言語を用いて構築され、サーバー上に配置されます。

ユーザーはインターネットを通じてこのサーバーにアクセスし、Webサイトを閲覧します。

Webサイトは基本的に静的な情報を提供しますが、JavaScriptを用いることで動的な表現やユーザーとのインタラクションを実現することも可能です。

導入のメリット

Webサイトを導入することで、自身の活動や商品、サービスをインターネット上で広く一般に紹介できます。

情報の更新や閲覧は24時間365日可能で、地理的な制約もないため、より多くの人々に情報を伝えることができます。

また、SEO(検索エンジン最適化)により、特定のキーワードで検索された時に自社のWebサイトが表示されるようにすることで、新たな顧客獲得につなげることも可能です。

開発の流れ

Webサイトの開発は、大きく分けて情報設計・デザイン・コーディング・テストの4つの工程で行うことが一般的です。

まず、情報設計でサイト全体の構成や各ページの内容を決定し、それに基づいてデザインを作成します。

デザインをもとにHTMLやCSSでコーディングを行い、Webサイトの形にします。

最後に、ブラウザやデバイスごとの表示確認やリンクの確認などのテストを行い、問題がなければ公開するという流れです。

導入事例

企業のホームページやECサイト・ニュースサイト・ブログなど、情報を一方向に発信する場合に多く用いられます。

特にECサイトでは、商品の紹介から購入、支払いまでを一貫して行うことができ、さまざまな顧客に対して商品を販売することが可能です。

ブログでは個人の考えや活動を発信し、読者とのコミュケーションを図れます

一方で、大規模なニュースサイトでは、タイムリーな情報を多くの人々に提供するために使用されます。

企業のホームページでは、企業のビジョンや製品・サービス情報、採用情報などを広く一般に伝える手段として使用可能です。

ホームページについて、さらに詳しく知りたい調べたい方はMYNT blogの「何も考えられていないホームページと、考え込まれたホームページの違い」も面白いのでぜひ読んでみてください。

WebアプリとWebサイトの違い

特性や使用目的など、WebアプリとWebサイトの違いを紹介します。

通信方法

WebアプリとWebサイトの最大の違いは、通信方法です。

Webアプリは、クライアントとサーバー間の双方向通信を主に利用します。

これにより、リアルタイムなデータ更新やユーザーとのインタラクションが可能となります。

一方、Webサイトは一方通行の通信が主で、サーバーからクライアントへの情報提供が主な役割です。

情報の発信や閲覧という目的を持つため、ユーザーからの情報入力は少ないです。

目的

WebアプリとWebサイトは使用目的も異なります

Webアプリは、ユーザーが特定の作業を効率的に遂行するためのツールとして設計されます。

これに対して、Webサイトは情報を提供し、広く共有することが目的です。

機能

WebアプリとWebサイトの機能の違いも重要なポイントです。

Webアプリは、ユーザーが直接操作し、データの入出力や処理を行うための多機能性が求められます。

しかし、Webサイトは情報の発信が主目的なため、特に動的な機能は必要とされません

開発費用

開発費用もWebアプリとWebサイトでは大きく異なります

高度な機能を持つWebアプリの方が、開発費用は高額になる場合が多いです。

ユーザー認証

ユーザー認証やセキュリティ面でも性能が異なります

Webアプリでは、ユーザー認証が一般的に必要とされ、個々のユーザーにカスタマイズされたサービスを提供します。

一方、Webサイトは認証を必要としないことが多く、全ての訪問者に同じ情報を提供することが一般的です。

WebアプリとWebサイトの共通点

WebアプリとWebサイトは多くの違いがありますが、以下のような共通点もあります。

インターネット接続が必要

インターネット接続が必要である点が、WebアプリとWebサイトの最大の共通点です。

WebアプリもWebサイトも、基本的にはインターネットを通じてユーザーにサービスを提供します。

そのため、どちらもインターネット接続が必要です。

ブラウザで完結

ブラウザで完結するという共通点もあります。

ユーザーは特別なソフトウェアをインストールすることなく、ブラウザを通じてWebアプリケーションやWebサイトにアクセスし、さまざまな情報の閲覧や操作が可能です。

このため、さまざまなデバイス(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)で簡単に利用できるというメリットがあります。

強固なセキュリティが必須

強固なセキュリティが必須であるという点も、WebアプリもWebサイトの共通点です。

どちらもユーザーの個人情報を扱う場合があるため、ユーザーの情報を保護するために、強固なセキュリティ対策が必要となります。

WebアプリとWebサイトを使い分けるポイント

WebアプリとWebサイトを適切に使い分けるためのポイントを解説します。

以下の3つのポイントを考慮しながら、自分たちが提供したいサービスや、ユーザーが必要としている体験に最も適した形を選択していくことが大切です。

ユーザー属性

適切な選択を行うための一つ目のポイントは、ユーザー属性です。

利用者が主にどのような行動を取るのか、どのような情報を求めているのかといった属性を考慮に入れて、WebアプリかWebサイトかを選びます。

例えば、複雑な操作や状態管理が必要な場合はWebアプリが、情報提供が主な目的の場合はWebサイトが適しているでしょう。

開発コスト

開発コストも、WebアプリとWebサイトを適切に使い分けるためのポイントです。

WebアプリとWebサイトでは開発に必要なコストに大きな差があります。

通常、Webアプリの開発は、高度な機能を実現するためにより多くの時間とコストが必要です。

一方、Webサイトは情報を一方的に提供するだけなので、開発コストは比較的低く抑えられます。

ユーザー体験

ユーザーが求める体験は、WebアプリとWebサイトで異なる可能性があります。

Webアプリはインタラクティブな体験を提供することができますが、Webサイトは情報を簡単に、そして速やかに手に入れることが可能です。

まとめ

この記事では、WebアプリとWebサイトの違いについて詳しく解説しました。

Webアプリは、ユーザーとの対話性を重視し、複雑な操作や情報の管理が求められる場面で使われます。

対してWebサイトは、情報提供が主体となり、ユーザーに迅速に情報を伝えることができます。

ユーザーの属性・開発コスト・ユーザー体験などを考慮し、それぞれの特性を理解した上で、最適な選択を行うことが重要です。

これらの知識をもとに、自身のビジネスややプロジェクトに最適な選択をしてみてください。

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