仕事を辞めるのは逃げではない!
「まだ頑張れる」「もうちょっと仕事を続けてみよう」
このように自分を鼓舞して限界まで頑張ってしまう人がいます。
しかし、仕事を辞めることは逃げではありません。
ここでは、その理由を2つ紹介します。
人それぞれ限界点が異なる
仕事を辞めるのは逃げではない1つ目の理由として、「人それぞれ限界点が異なる」ことが挙げられます。
仕事が辛いと感じた時に「同僚も頑張っているのだから自分も頑張ろう」と思う人は多くいます。
しかし、仕事内容や上司、取引先など、人それぞれ異なるはずです。
そのため、同じ会社の同僚や大学の同期と自分の状況を比較しても、あまり意味がありません。
また、さまざまな出来事の受け取り方や感じ方も人それぞれ異なります。
まずは、自分基準で仕事について考えてみましょう。
心や体が発する警告に耳を傾ける
仕事を辞めるのは逃げではない2つ目の理由として、「心や体が発する警告に耳を傾ける」ことが重要だからです。
以下に当てはまる警告が発せられたら、一度立ち止まって休むことを考えましょう。
- 心が発する警告:眠れない、涙が出るなど
- 身体が発する警告:頭痛、めまい、吐き気、腹痛など
上記のような警告が発せられているのに、無視して仕事を続けると、やがてうつなどの大きな問題に発展する可能性があります。
うつなどの精神的な問題を抱えると、仕事のストレスに苦しんだ期間よりも治療に長い期間をあてなくてはいけません。
そのため、心や体から警告が発せられたら仕事を辞めることを検討しましょう。
仕事を辞めることが逃げにならない理由6選
ここでは、仕事を辞めることが逃げにならない代表的な理由を6つ紹介します。
1.精神的・肉体的に追い詰められる
夜眠れなかったり、朝起きて会社に行こうとすると頭が痛くなったり、精神的・肉体的に追い詰められているようであれば、すぐに会社を休んで自分を休ませてあげる必要があります。
責任感が強い人は少しの体調不良で休むのは周りに迷惑をかけてしまうと考えてしまいがちですが、無理を続けると最終的には長期休暇を取る事態になりかねません。
そのため、精神的・肉体的に追い詰められていると感じる時は休暇を取るなどしてください。
以下に精神的・肉体的に追い詰められている時に出る症状を挙げます。
- 精神的な症状
突然涙がでる、気分の浮き沈みが激しい、小さなことでイライラする、以前楽しかったことが楽しめない
- 肉体的な症状
食欲がない・増加する、吐き気、腹痛、下痢・便秘など
2.会社に将来性がない
会社が倒産しそうなど、会社に将来性を感じない場合、仕事を辞めても逃げにはなりません。
会社が倒産してしまったら無職になるため、金銭的な面から考えても転職活動は早い方がいいでしょう。
会社の将来性が見込めない場合、職場の優秀な人がどんどん辞めている、業績が悪化している、給与やボーナスがカットされているなどの現象がみられます。
3.職場環境が悪い
人間関係が良くない場合や、騒音で仕事に集中できない職場環境であれば、今の仕事を続けるか悩んでしまいます。
職場では1日の3分の1以上を過ごすため、職場環境が悪いと仕事に集中できずストレスの元となります。
人間関係や騒音などの職場環境は、自分の努力では状況を変えることができないため、仕事を辞めることは逃げではありません。
4.仕事内容が合わない
今の仕事が自分に合わないと思う瞬間が多くあれば、退職を検討してみましょう。
この先のキャリアパスとして、今の仕事が通過点であれば我慢する価値はありますが、性格的に難しい仕事内容であれば早めに見切りをつけるべきです。
例えば、細かい作業が苦手なのに日常的に細かい作業を行う必要があったり、腰痛持ちなのに長時間立ち仕事を強いられるなどです。
自分に合う仕事内容は何かを考えて転職した方がスキルが蓄積し、給与が将来的に増加する可能性があるでしょう。
5.他にやりたいことがある
他にやりたいことがある場合、今の仕事に身が入らず仕事を辞めたいと思うようになるでしょう。
やりたいことがあれば、早いうちにチャレンジすることを検討してみてください。
なぜならば、悩んでいる間に歳を取ってしまうと、高いスキルを求められる可能性があるからです。
転職の場合だと、業界にもよりますが、年齢とスキルが比例関係にあることが多いです。
6.辞めたい原因が自分では解決できない
辞めたい理由は人それぞれ異なりますが、人間関係や環境など自分ではどうすることもできない状況があります。
例えば、ハラスメントにあって会社に申し出ても解決されない場合などです。
ある程度改善に向けて努力した後に見切りをつけることも重要といえます。
新人が仕事を辞めることは逃げなのか?
「新人なら経験を積むべき」
「一通りまずはやってみて」
このように上司や先輩から言われる新人は多いです。
新人が仕事を辞めることは逃げなのでしょうか。
大前提:仕事を辞めることは逃げではない
まず、新人かどうかに関係なく、仕事を辞めることは逃げではありません。
働きたくないから辞めたい、という理由は確かに逃げになるかもしれませんが、基本的に仕事を辞めるのは個人の自由です。
辞めたい理由は人それぞれ異なるからこそ、他人に理解されにくいこともあるでしょう。
まずは自分がなぜ辞めたいのかを考えてみることが重要です。
辞めたい理由を分析する
辞めたい理由を明確にすると、実際に辞めた時に自分の中で納得感が生まれます。
転職活動時に前職の退職理由を聞かれることも多いため、理由は明確にしておきましょう。
退職理由が「人間関係」だった場合、「風通しの良さを重視している御社で働きたい」ということができます。
他にも、退職理由が「他にやりたいことがあった」場合、転職活動時に「だから御社で働きたい」とアピールすることができます。
一番避けたいのは、勢いで辞めてしまうことです。
失業手当の対象になる期間
雇用保険に加入している人が仕事を辞めると、一定の条件を満たすと受給できるのが失業手当です。
入社3日で辞めてしまうなど、極端に勤務期間が短いと失業手当(失業保険)はもらえません。
退職理由が自己都合の場合、1年以上の勤務期間で受けとることができます。
失業手当は退職理由と勤務期間、年齢によって受給期間や受給額が異なるため、退職前に確認しておきましょう。
仕事を辞める逃げ癖で生じるリスク5選
前述したとおり、無理をしながら仕事を続けるリスクがあることを紹介しましたが、すぐに辞めてしまうと、些細なことで辞めてしまう逃げ癖がついてしまいます。
ここでは、仕事を辞める逃げ癖がついてしまうと生じるリスクを5つ紹介します。
1.退職を繰り返すと転職が難しくなる
退職を複数回繰り返していると、企業側の採用担当者に悪い印象を与える可能性があります。
企業側としても採用後には、教育などの費用がかかるため、すぐ辞めてしまう可能性が高い人は敬遠されてしまいます。
一般的に、2回以上の短期離職経験があると企業は要注意とされることが多いです。
このような場合には、高スキルなどでカバーするなどの工夫が必要になります。
2.諦めが早くなる
逃げ癖がついてしまうと、些細なことで仕事を辞めるようになってしまいます。
仕事で楽しいことばかり起こるのは稀です。
ある程度の忍耐力を持って仕事に臨む心持ちがなければ、どんな仕事も長続きしなくなってしまいます。
3.スキルが蓄積されない
業界にもよりますが、短い期間に転職を複数回繰り返している場合、スキルが蓄積されません。
また、スキルの有り無しは、給与にも影響を与えるため、年齢が上がっても周りよりも低い給与である可能性が高くなります。
どんな仕事にも大なり小なりスキルは必要になるため、自分が納得いくスキルを有してから退職することをおすすめします。
4.失業保険が受け取れない可能性がある
前述したとおり、失業手当(失業保険)を受給するためには要件を満たすことが重要です。
基本的に自己都合退職の場合だと、1年以上の勤務期間が受給要件になるため、転職を繰り返して働いている期間が短いと失業保険を受け取れない可能性があります。
仕事を辞めると、無職になる期間が少なからず発生するため、収入面で失業手当を受給できるのは非常に助かります。
失業保険の受給要件をあらかじめ確認し、受け取れるか受け取れないか確認しましょう。
5.資金形成がしづらい
仕事を辞めると給与という形で定期的な収入が途絶えてしまいます。
そのため、逃げ癖がついて複数回転職を繰り返している場合、資金形成がしづらいといわれています。
無職の期間が発生しないように転職活動を計画的に効率よく行うことがおすすめです。
他にも、転職先によっては給与やボーナスが同じ会社の同年代よりも低い可能性があります。
勤続年数をみるローン審査などにも関わってくるため、これらを考慮に入れて準備をしておく必要があります。
逃げ癖になる退職理由3選
仕事を辞めることは仕事人生で大きな決断ですが、それを繰り返すと退職のハードルがどんどん低くなります。
ここでは、逃げ癖になる退職理由を3つ紹介します。
理由1:短期間で退職する
短期間で退職する人は次の転職先も短期間で退職する可能性が高いといわれています。
短期間で退職することは、前述したとおりリスクが高いです。
仕事に行くのが辛いときは、休暇を取るなどでリフレッシュしたり、異動を願い出るなど、理由に応じて適切に対処しましょう。
理由2:単純に仕事をしたくない
退職の理由として、単純に「仕事をしたくない」人は一定以上います。
仕事は、生活をする上で必要なお金を稼ぐために行います。
そのため、社会人の多くが一度は働きたくないと思いながら働いた経験があります。
仕事をしたくない、という理由だけで仕事を辞めてしまっては、どんな仕事に就いても長続きしないでしょう。
理由3:辞めてもいいと思える環境がある
辞めてもいいと思える環境がある場合、我慢して働く必要がないと考えがちです。
以下に一例を挙げます。
- お金に困っていない
- 実家や配偶者などの援助が受けれる
経済的、精神的に自立して仕事に取り組む姿勢を持つことが社会人として重要です。
しかし、うつなどの精神的な問題を抱えている場合はその環境に甘えましょう。
仕事を辞めたくて逃げたい時の対処方法5選
仕事を辞めたくて逃げたい時、どのような行動を取ればいいのでしょうか。
ここではその対処方法を5つ紹介します。
1.今の仕事の目標を設定する
仕事を辞めたくて逃げたい時はそのことばかりが頭にあり、仕事に集中できない状態です。
他にもモチベーションが低下して、やる気がないように見えるでしょう。
そこで、対処方法として今の仕事の目標を設定することをおすすめします。
例えば、新しい資格や上位資格に挑戦する、経験のない仕事内容に挑戦するなどです。
仕事へのモチベーションが高まる以外にも、最終的に退職する手段を選んだ場合でも、転職先との面接でアピールに使うことができます。
2.逃げた時のデメリットを書き出す
仕事を辞める前に、辞めて逃げた時のデメリットを紙やメモ機能などに書き出してみましょう。
例えば、給与がもらえなくなる、転職したら年収が下がる可能性がある、周囲の目が気になるなどです。
自分の今の状況に合わせて、具体的に書き出してみましょう。
紙などに書き出すことによって、客観的に物事を判断することができるようになります。
もし、デメリットの方が仕事を辞めたい理由より辛いと感じる場合は、今の会社でもうしばらく頑張ってみましょう。
対して、デメリットを取っても今の仕事を辞めたいと思った場合はすぐに辞めず、退職の準備をすることをおすすめします。
3.問題解決を図ってみる
仕事を辞めたい理由について、問題解決を図ることもおすすめの対処法です。
例えば、「通勤が辛いと感じるようであれば、会社の近くに引っ越す」、「仕事内容が自分に合わない場合は、異動を申し出る」などです。
自分だけの力ではどうしようもできない問題もあるため、上司や会社の力を借りて解決方法を模索することをおすすめします。
4.休職して今後について考えてみる
仕事に追い詰められている状況で仕事を続けるか、退職するか、正しい判断がしづらい状況といえます。
そのため、休職制度を利用して心身ともに休めながら、今後について考えてみましょう。
仕事に行きたくない理由や退職以外に方法はあるのか、転職するとしたらどのような仕事内容・企業が良いのかなど、具体的に考えることが重要です。
この場合にも、紙やメモ機能などで書き出してみると、物事を客観的に判断できます。
もし相談できる友人や家族がいる場合に相談してみるのも有効な手段です。
今後の自分の行動が決まってくるでしょう。
5.限界の時は退職する
身体的・精神的な症状が出ているなど、もう限界だと感じる時は退職することをおすすめします。
このような症状が出ている場合、うつなどに発展する可能性が高いです。
うつなどの精神的な問題を抱えると、我慢しながら働いていた時間よりも、治療に長い時間がかかってしまいます。
場合によっては、治ったと思っても再発する可能性もあります。
自分が限界と感じた場合は、思いきって退職するということも重要です。
言いにくい場合は退職代行を利用する
退職の旨を伝えるには勇気が必要です。
強い引き留めにあう可能性が高い場合や、パワハラ・セクハラに合っている場合など、自分では言いにくい状況にあれば、退職代行を利用しましょう。
退職代行とは、自分に代わって退職代行サービス会社が退職の手続きを行ってくれます。
まとめ:仕事を辞めるのは逃げではない
仕事を辞めることは逃げではありません。
今の自分の仕事に責任をもつことは立派ですが、自分の心を無視して自分の将来を潰してしまう可能性もあります。
まずは、仕事を辞めたい理由を分析し、適切な対処方法を試した上で、納得感をもって転職の選択肢を選べるようにしましょう。