日々仕事をしている中で、
・今の職場にはこれ以上いたくない
・自分が働いている会社・業界には将来性がないのではないか
・このまま働いても自分のキャリアアップに繋がらないのではないか
・もっと自分に向いている仕事があるのではないのか
などの思いから「今の仕事を辞めたい」と思ったことはあるけれど、貯金の額も不安だし、何よりもこの物価高…経済的な心配からなかなか一歩を踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、
・今の仕事を辞めて転職しようとしたら、具体的に何にお金がかかることになるのか
・お金がないけれど仕事を辞めたいときに気を付ける出費
・仕事を辞めても経済的に追い込まれないための対策
・たとえお金が無くても仕事を辞めた方が良い人の特徴
について、余すところなくお伝えします。
仕事辞めたいけどお金ない。転職しようとしたら何にお金がかかる?
転職先が決まっていない状態で退職した場合、ともすれば収入のない状態で転職活動をすることになります。
そもそも生活するための資金も必要ですが、ここでは、転職活動だけに必要な費用を紹介していきます。
転職希望先によっては思わぬ額になることも考えられるので、今のうちからシミュレーションしてみましょう。
面接のための交通費
近年はオンラインのみの選考とする会社も以前よりは増えてきているものの、その数は決して多くありません。
また、オンラインでの選考方法を採用していたとしても、最終面接は人柄をより確実に知るために対面での面接を行っていることがほとんどです。
特に遠方の企業に転職しようと思っている方は、面接会場へ行くためだけに膨大な交通費が必要になります。
転職イベントの参加費用
転職に関する最新の情報を得たり、様々な企業の採用担当と知り合う機会を得たり、転職活動中の人と知り合いたいと思う人は、転職イベントに参加することをおススメします。
大手のものは無料のものが殆どですが、有料のイベントもあり、無料のイベントでは受けられない専門的なセミナーやキャリアコンサルタントとの個別面談が受けられます。
転職エージェントの紹介費用・手数料
自分の要望にあった会社と確実かつ効率的に出会いたいと思う方は、転職エージェントを活用することをおすすめします。
エージェントには無料で利用できるものと、有料で利用できるものがあります。
無料サービスでは、公開されている採用情報の提供やキャリアに関する一般的なアドバイス等が受けられます。
対して有料でのサービスでは、非公開の求人情報や、より個別的かつ専門的なキャリアアドバイスを受けることができます。
有料のものは、サービスのグレードや運営会社によって異なりますが、月に数千円ほどを定額で支払っていくタイプや、契約してからすぐに十数万円程を前払いするもの、内定決定の後に成功報酬が発生するものなどがあります。
運営会社によって得意としている業界が異なり、同じ会社でもサービス内容の違う複数のプランを用意していることも多いので、自分の予算や専門家にサポートしてほしいところを整理したうえで、コスパよく効率的に転職を進められるサービスを厳選しましょう。
面接用の服装のための費用
今の職場が私服可能である等の理由で、スーツなどの正式な場に適した洋服を持っていない場合は、面接のために新しく服を買う必要があるでしょう。
比較的安価で手に入るチェーン店もありますが、それなりの出費になることもあるので覚悟が必要です。
お金ないけど仕事を辞める時に気を付けるべき出費と節約方法10選
ここまで転職活動だけのために必要な費用をお伝えしましたが、これらの費用がかからなかったとしても、お金がない状態で仕事を辞めた際に気を付けるべき出費があります。
どこに気を付ければよいか、どうすれば節約できるかをご紹介します。
1.住居費
住居費とは、月々の家賃や住宅ローンといった、住宅そのものにかかるお金を指します。
住居費に含まれるものは定期的に一定の支払額が発生するので、お金に余裕がない時には家計に大きな打撃となることが考えられます。
転職に要する時間と貯金額を鑑みて、ある程度の余裕をもって生活していくために家賃が高すぎると思われる場合は、引っ越しを検討するのが最も効率的な節約術です。
2.食費
特にお酒が好きな方は、飲料だけでもかなり出費がかさんでいることもあります。
昨今の物価上昇は激しいものがあるとはいえ、食費は、量や質を調節し、外食を自炊にするなどの方法をとれば、ある程度までは比較的簡単にコントロールできます。
まずはランチをお弁当にするところから、少しずつ始めて行きましょう。
3.交通費
通勤にかかる交通費は、1日では数百円程であっても、1か月分ともなると数千円・数万円とかなりの額になります。
まずは、他にもっと安く使える路線がないか検証し、そこからさらに電車・バスを自転車や徒歩に変えるなどすれば、簡単に節約できます。
退職前から少しずつ節約できる部分なので始めやすいといえますが、体力的に無理のない範囲から始めるようにしましょう。
4.携帯電話料金
契約の仕方によっては、使わない・必要のないサービスが盛り込まれていることにより、使っているサービスに見合わない、高額な料金を請求されていることもあります。
毎月の出費となるため、出費の見直しにおいて優先順位が高い項目の一つです。
昨今では格安SIMも登場していますので、格安SIMのおすすめポイントをわかりやすく比較して紹介しているサイトを活用してみるといいでしょう。
大手キャリアでも月々の通話時間によって異なるプランが用意されている場合があるので、今のプランが自分に合っているのか、再確認してみることが大切です。
5.ネット回線通信費用
携帯電話料金と同じく、ネット回線通信費用も、月々大きな金額が出ていくため、見直しを検討する必要があります。
最近では、スマホとセットで利用すると割引がきく光回線のプランもおすすめです。できるだけコストパフォーマンスのいいプランを探してみてください。
特に、月ごとに使うデータ量に差がある方や、そもそもあまりネット回線を使わない方は、使用量に応じて料金が請求されるようなプランになっているか、今一度確認しましょう。
6.クレジットカード年会費
一見すると大きな金額ではないようで、塵も積もれば山となるもの。
特に複数のクレジットカードを持っていて、それぞれ年会費がかかるプランである場合は、合計するとかなりの出費になっていることも考えられます。
必要なカードに絞ったり、年会費が無料のカードに乗り換えたりすることで節約していきましょう。
7.公共料金
電気やガス、水道代は、昨今値上げされていることもあり、家計の大きな負担となっている方も多いはず。
「やりっぱなし」にしているところがないかをこまめに確認していくと、案外節約できる余地があることに気づくかもしれません。
昨今では電気・ガスの格安プランを提供している会社もあるので、この際乗り換えを検討するのも良い策です。
8.動画配信サービスなどの定期購読料
電子書籍や動画配信の定額サービス、いわゆるサブスクリプションサービスに加入している場合は、節約を考えるならば、まずはじめに解約を検討しましょう。
月に数千円が必ず引き落とされてしまう定額サービスは、日々の確認で節約できる公共料金の少なさを考えると、かなり大きな出費であることがわかります。
心の健康のための娯楽であっても、他の代用などを探していくことをおすすめします。
9.保険
保険や年金、税金についても、工夫の余地があります。
大抵の場合、将来の危険に備えて一定額を定期的に支払う制度になっていますが、貯蓄が少ない状態で更に収入が減ればかなりの負担になっていくことが予想されます。
現時点で加入している保険の金額や保険内容を見直し、複数加入している場合は、一部を除いて解約することも検討しましょう。
10.税金や年金
国民健康保険料や住民税については、申請すれば減額や免除をしてもらえることもあります。
たとえば、病気や妊娠、会社都合などの外発的な事由で退職した場合は、国民健康保険料の負担が2割〜7割軽減されます。
また、年金についても、特例免除制度があります。
転職先未定のまま退職した場合、国民年金に加入する手続きをとる必要があります。ここで加入手続きを怠って未納期間が長期化すると、将来的に年金受給額が大幅に減少します。
ただ、失業期間中であれば、特例免除を申請することができます。申請によって将来の受給額は減額されますが、未納期間を作るよりは小さな額で済むので、必ず検討しましょう。
お金ないけど仕事を辞めても経済的に追い込まれないための方法10選
ここまでは節約ばかりに注目してきましたが、節約以外でも、ある程度の経済的余裕を保つ方法はあります。
ここではそんな方法を10個ご紹介します。
副業を行う
貯金が少ない状態で一切の仕事を辞めてしまうと、思わぬ出費がかさんで、経済的に様々なリスクに見舞われる可能性が出てきます。
そこで、今の仕事をしながらできる範囲で副業を行うことをおすすめします。
少しずつでも始めておけば、今の仕事(本業)を辞めたときの収入源をある程度確保できます。
転職したい業界に関する仕事を選べば、新たなスキルを得て転職時のアピールポイントを増やすこともできます。
アルバイトをする
仕事を辞めた後でも諸費用を賄い、キャリアのブランクを作らないためには、たとえ雇用形態が異なっても、働き続けることが大切です。
また、今の仕事や転職希望先の職種と異なる仕事であっても、全く新しいスキルを得られる可能性があるため、一石二鳥といえます。
転職活動をひたすら効率化
転職活動は長引くほどに時間とエネルギーを消費し、経済的負担も増えていきます。
今すぐ会社を辞めるとしても、あともう少し勤め続けるにしても、転職先を見つける作業は短ければ短いほど良いと言えるでしょう。
とはいえ、性に合わない仕事や将来性のない会社に勤めてしまっては、働き続けられません。
大切なのは上質な情報です。
積極的に求人サイトや転職イベントで情報収集したり、エージェントを活用したりするなどして効率化していくことで、最短の時間とエネルギーで終わらせる工夫をしましょう。
ボーナス受け取り後に転職する
たとえ大きな額でなくとも、今すぐ辞めて転職先が決まらなかった場合のことを考えると、貯金は少しでも多い方が良いです。
もし自分の心身の状況や会社の状況が許すならば、なるべくボーナス受け取りを待ってから転職しましょう。
とはいえ、転職(退職)の告知を事前にしてしまうと、ボーナスが減額されてしまう恐れがあります。
細かな規定や手続きについては就業規則や労働契約書を確認すべきですが、だいたいボーナス受け取りの1か月後くらいでの退職を目安にすれば、角も立ちにくく、しっかりした額を受け取ってから辞めることができます。
失業後に補償・手当を受け取る
職を失った方向けに、国や地方自治体は様々な制度を用意しています。主なものに
・生活保護
・特定失業者雇用確保給付金
・都道府県ごとの就職支援・職業訓練
などが上げられますが、特に生活保護と特定失業者雇用確保給付金は給付に際して厳しい条件を満たす必要があります。
また、労災が疑われる場合は、労働災害発生届を労働基準監督署に提出し、労災が認められた際には労災申請書を所定の窓口に提出すれば、労災保険から保険金を受け取れます。
生活費を中心に節約していく
経済的にピンチに追い込まれないためには、収入について工夫するだけでなく、支出を抑える努力をする必要があります。
先述の節約方法のなかでも、比較的簡単に始められる生活費の節約を、なるべく早く始めておきましょう。
定期的に買い替えが必要なものほど、節約したほうがいいです。
楽天などのモバイルクーポンやキャンペーン情報をわかりやすく解説しているサイトを活用すると、お得に買い物をすることができます。
貯蓄を増やせるだけでなく、節約を習慣化すれば、様々な変化に見舞われる退職後において、ストレスを軽減することも期待できます。
無利息キャッシングを活用する
無利息キャッシングとは、一定期間利息がかからないキャッシングのことを指します。
貯金が足りず一次的なお金が必要な場合には、便利な制度であると言えます。
とはいえ、利息がかからない期間は通常最大30日ほどと短い場合が多く、返済期限を守れなければその分多額の利息がかけられます。
転職先をなるべく早く決めることを覚悟して利用するようにしましょう。
失業手当を受け取る
失業手当は、雇用形態や雇用保険の加入期間、正当な失業理由等のいくつかの条件をクリアすれば受給することができます。
ただし給付の条件として、再就職のために努力をしていることをハローワークに通うなどして示す必要があります。
申請の手間など、煩雑に感じることもあるかもしれませんが、政府が出している給付金であるため、安心して受け取れるお金でもあります。
ハローワークに申請して各種給付金を受け取る
ここまで、公的サービスとして提供されているいくつかの給付金をご紹介しましたが、他にもハローワークで申請し、受け入れられれば受給できるお金があります。
主なものでは転職支援手当てがそれにあたります。
年収によって受け取れる額が異なるものの、非正規雇用から正社員に転職する場合に転職活動のための費用としてお金を受け取ることができます。
詳しくは最寄りのハローワークやハローワークのHPで確認することができます。
税金・保険料の減免申請を出す
こちらも先述の通り、税金や年金には減免制度があるので、申請すれば一部免除を受けられる可能性があります。また、国民健康保険料についても、条件を満たせば減免を受けることが可能です。
税金・保険料は、節約努力にかかわらず必ず一定額の支払いが求められますが、条件に合う場合は書類を揃えて提出すれば必ず減免してもらえます。
但し、手続きに時間を要する場合も考えられるので、早めに行動しましょう。
お金が無くても仕事辞めて転職した方が良い人
ここまで、お金が無くても仕事を辞めたい方向けに、できる工夫をお伝えしてきました。
ちょっとした工夫で始められるものもありますが、かなり手間と時間を要するものも見られ、やはり無理をしてでも働き続けようと思った方もいらっしゃるかもしれません。
それでも、先々のキャリアを考えれば、今すぐ転職したほうがよい場合もあります。
ブラック企業で働いている人
過剰な残業や、職場における諸問題の対処を怠るなどが習慣化しているような「ブラック企業」で働いている方は、退職・転職を検討すべきです。
環境の悪い場所では、勤務し続けるだけでも悪習慣を身に着けてしまい、今後のキャリアに悪影響を及ぼしかねません。
一つの会社に勤続することは大切ですが、心身のストレスの大きさを鑑みれば、転職してしまった方が長い目で見てキャリアアップにつながるでしょう。
精神的に限界で健康に問題が出ている
心の健康に大きな不調が見られる場合は、環境を変えることを真剣に検討しましょう。
心の問題と体の問題は直結すると言われますが、明らかに健康に問題が出ている場合は、何らかの精神疾患に見舞われている場合も想定できます。
特に、うつ病をはじめとした精神的な疾患は、一度罹患すると快復するのに大変な時間とエネルギーを要します。
人生100年時代、長い人生を少しでも健康的かつ楽しく過ごすためにも、今後着実にキャリアアップしていくためにも、限界が来ているならばなるべく早期の離職を考えましょう。
転職先で給与が上がる見込みがある
キャリアアップのための転職は、自分のスキルアップにも繋がり、市場価値を高めることにもつながるので積極的に進めるべきです。
自信がない場合は、逆オファー型の転職サイトなどに登録してみましょう。
現在の職場では会社の事情などで給与が上がらずとも、思わぬ給与・ステータスでの求人に出会えることも考えられます。
まずは転職サイトへの登録などから、少しずつ踏み出してみましょう。
こんな場合はどうすればよい?
仕事を辞めたいと思っていても、様々な事情で二の足を踏んでしまう方もいることでしょう。
ここではいくつかの例をとって、それぞれの場合に取りうる方策をご紹介します。
ひとり暮らしで頼れる人がいない
実家を遠く離れて暮らしている場合、仕事を辞めてしまうことで、経済的に追い込まれる可能性があるのはもちろん、精神的にも孤独な状況に陥る不安があります。
そのような場合、可能であれば、まずは実家に帰りましょう。
実家に帰れば、ひとり暮らしの時よりも家賃などの生活費を節約でき、そばに人がいることで完全に孤独な時間を減らすことができます。
また、何らかの事情で実家に帰れないという方は、これまでご紹介した節約術等を試しながら、積極的に転職セミナー、ハローワークでのワークショップ等に足を運び、様々な人と繋がるようにしましょう。
精神的に追い込まれないためにも、また、視野を広く保つためにも、たくさんの人と関わることが大切です。
今の会社にパートで勤めていて経済的に不安
現在非正規雇用で働いている場合は、仕事を辞めることによってすぐに金銭的な問題に直面する不安をお持ちの方もいるかもしれません。
その場合には、完全に仕事をやめて失業手当を受給するか、働き続けながら資格の勉強をするなどして、転職のために今すぐできることを少しずつ始めるようにしましょう。
シフト制での仕事の場合には、シフトを減らしてもらい、その分を自分のスキルアップ・資格勉強にあてるのも、長い目で見れば有益な投資になります。
できることから少しずつ始めるようにしましょう。
職場の人間関係が悪く、転職しても同じ問題が起きることが不安
人間関係の悩みから辞職を考えている場合、たとえ転職しても同じようなトラブルに見舞われる不安を持つ方もいるでしょう。
そのような方は、一度転職活動を始めて、情報収集をすることをおすすめします。
たとえば転職イベントに参加すれば、他社・他業界の求職者と交流して、他の会社の人間関係や環境づくりに理解を深められます。
また、実際の面接試験の際に、コミュニケーションやチームワークの取り組みについて質問すれば、会社独自の取り組みについて聞くことができる場合もあります。
情報を手に入れて判断材料を増やし、そのうえで今すぐに辞職・転職するかどうかを決めていきましょう。
仕事辞めたいけどお金がない時は「できることから一歩ずつ」が大切!
「今の仕事を辞めたい」と思うようになるには、様々な思いや理由があると思います。
中には今すぐにでも辞めたいという思いをしている方もいるでしょう。
とはいえ、先立つものが無ければ、思い切った一歩は踏み出せません。
金銭的な余裕が全くない状態で仕事を完全にやめてしまうと、経済的にも精神的にも不安定な状態で転職活動を進めることになります。
そのような状態では、審査で十分な持ち味を発揮できない可能性もありますし、なによりも心身の健康のためによくありません。
たとえ今すぐ仕事を辞められる状況になくても、いつか仕事を辞めた後で効率的に転職を進めるために、今からできることはたくさんあることを、本記事ではご紹介してきました。
まずは今の自分ができる、無理のない範囲で始めて行きましょう。