LPICはシステム管理者および雇用担当者にとって、非常に価値のある認定。
そんなLPICですが、じつは有効期限が存在することをご存知でしょうか。
その有効期限が切れると、せっかくとった資格は実質無効となってしまいます。
この記事では、LPICの有効期限について詳しく解説します。
さらに期限が切れる前にとるべき行動や手続き、そして学習の進め方についても詳細にご紹介。
有効期限に留意しながら保持し続けることは、保持者としての技能を示す重要な要素になります。
ぜひこの記事を通じて理解を深めていただき、効果的なアクションを把握してください。
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LPICの有効期限は何年間?
有効期限ですが、結論、5年間と認識しておくのが賢明です。
厳密にいうと、LPICには「有効期限」というものは定められていません。
すなわち無期限で有効なので、「◯年後に更新しないと認定が消失される」というルールも存在しないのです。
ところが有効期限とは別ものとして、「資格の有意性を示すための期限」なるものが存在し、これが5年間と定められています。
LPICの有効期限にまつわる「有意性」について
前述した「資格の有意性を示す期間」とはどのようなものかについて解説します。
そもそも有意性とは、「意味」や「意義」というニュアンスをもつ言葉です。
つまり今回のケースにおいては、「その資格が、今どれくらい意味のあるものか」を示しています。
さらに詳しく述べると、たとえば資格の獲得から5年以上経過した場合、IT界隈の技能のトレンドなどはすっかり変わっているもの。
この5年が過ぎた場合、消失までには至らないものの、資格の価値は下がってしまいます。
これでは「有意性がある」とは言い難いので、有識者としては最新のトレンドや技能に対する理解と知識の継続的な向上が欠かせないというわけです。
こういった移り変わりの早い時代において、常にモダンな技能に精通し続けることで、大きな価値を保つことができています。
LPICの有効期限が切れる前にとるべき行動
実質の期限である5年間が経過する前に、とっておくべきアクションを見ていきます。
LPICの知見が役立つ環境で良質な経験を積む
5年が経過する前に、有識者としての知見を活かせる環境で、経験を積むようにしてください。
IT界隈では資格がなくても「経験」さえあれば、高度な企業や案件、あるいはプロジェクトにアサインできる確立が大きく上がるからです。
その経験を積むためには、プロジェクトやタスクへの参加をリクエストすること。
つまり面接を積極的に受けたり、ネットやSNSでの案件募集に応募してみることが大切です。
高度なプロジェクトや実務的なタスクに参加することによって、現場さながらの環境における問題解決能力や実践スキルを養うことが可能になります。
より理想の働き方に向けて転職や交渉を行う
理想の働き方に向け、実際に転職や交渉を行ってみることが大切です。
前述との違いは、
- ベースとなる経験を先に積むか
- 先に目的の達成に向けて行動するか
となります。
まず、現在の職場やポジションが自分のゴールに適切なものであるかを再評価しましょう。
資格を活かせる環境やポジションが求められているかを確認し、必要なら交渉や転職を検討することも一つの選択肢です。
自分にとって理想となる働き方に身を置くことは、自分の人生の満足度に直結します。
交渉にせよ転職にせよ、念入りなリサーチと早めの行動が大切なので、戦略的にスケジュール調整をしておきましょう。
いま持っている試験を再受験する
こちらはすでにもっているLPIC認定を、維持する手段となります。
もし有効期限が迫っている場合やスキルをアップデートしたい場合、もう一度おなじレベルを再受験して認定を受けることで、引き続き5年間の有意性をキープすることが可能です。
まずは「有意性が残っている認定を、すぐに活かすことができないか」を自己評価してください。
やはり資格は取ることが目的ではなく、何らかのキャリアに活かすことが目的です。
そのうえで認定をキープすることを決断したら、1度目の受験時と同様に、再受験に向けた準備・対策を進めていきましょう。
5年も経つと内容も大きく変わっている可能性は高いので、余裕をもった早めの計画をつくることが大切です。
いま持っている試験より上のグレードを受験する
現在受けている認定より上のレベルのものを受験することも、一つの有益な選択肢です。
LPICはレベルによって分類されており、レベル1から3までの階層が存在します。
たとえば、もしいまレベル1を持っているなら、レベル2の試験を受けることで技能のアップグレードが可能です。
上位レベルの試験はもちろん難しさがアップしていますが、合格に見合った成果は期待できます。
まずは該当するレベルのシラバスや出題範囲を確認し、不足している知識を補うべく、勉強に励みましょう。
上位レベルの試験を受けることは、有意性が切れる前の自己研鑽として、大変有効な機会といえます。
さらなる高みを目指してがんばりましょう。
LPICに挑戦する際の学習の進め方
学習の進め方については人それぞれスタイルがあり、自分に合ったやり方で実践するのが得策です。
本項では、推奨される効率のいい学習の進め方について紹介しますので、ひとつの参考にしてください。
問題集をトピックごとに解く
教本をひととおり読んで基礎知識を押さえたことを前提として、問題集をトピックごとに解いていきましょう。
過去問題集サイトのPing-Tでは、トピックは大きく4つに分かれているので、ひとつのトピックごとに問題を解いていくという形になります。
正解数を重ねると、トピックごとに解く問題がどんどん減っていくので、それがすべてなくなり次第、次のステップに進みます。
コマ問をトピックごとに小テスト形式で解く
すべての問題をトピックごとに解いていったら、今度はコマ問をトピックごと、小テスト形式で解いていきます。
コマ問というのは、いわゆる記述問題のことです。
LPIC試験は基本的に選択式ですが、1〜2割は記述問題が出題されるので、その対策ということになります。
毎日20問程度の小テストを行っていき、正解率が8〜9割程度になったらそのトピックは合格という形で進めていきましょう。
ポイントとなるのは、1回の問題数を20問程度にすること。
そして回答内容を忘れないよう、1日1回は小テストを行うことです。
一度で一気にやり切るのではなく、毎日少しずつコツコツ行うのは、試験勉強における基本といえます。
すべてのトピックとコマ問を模擬試験で解く
小テスト形式での学習がひととおり完了したら、次はトピックごとのコマ問を、模擬試験形式で解くフェーズです。
模擬試験形式で解くことで、本番のような緊張感をもって取り組めることと、時間配分を把握できるメリットがあります。
こちらは正答率が9割程度になる頃まで、繰り返し練習しましょう。
ここで問題数を増やしたり範囲を急激に広げると、間違える数も学習時間も増えてしまい、モチベーションの維持が難しくなります。
なので「9割正解するまでは、決まった範囲内でやりきる」など、各々のモチベーションを下げない工夫を取り入れるといいでしょう。
問題集を変えて時間も考慮しつつ模擬試験
ひとつのテキストでの模擬試験で正解率9割以上を達成できたら、テキストを変えてまた時間を考慮しながらの模擬試験を行いましょう。
新しいテキストにすると出題の内容も変わるので、より理解の範囲を広げることが可能になります。
できる範囲でこのやり方を繰り返すことで、合格率を確実に上昇させられるでしょう。
わからなければセミナー受講を検討する
分からない部分に直面し、学習が滞ってしまったり、モチベーションの低下で継続が難しくなることもあるでしょう。
そういった場合は、セミナーの受講などを検討しましょう。
必ずしもセミナーでなくとも、インターネットでの交流に参加したり、スクールの利用を試してみるなど、詳しい人に聞く機会に参加することができればOK。
不明点や悩みの解決策は、実際にその経験をしてきた有識者に聞くのがいちばんです。
自分ひとりで悩むことでは、絶対に思いつかないような改善策に出会える可能性もあります。
LPICの有効期限に関するQ&A
ここでは、有効期限についてよく問われるQ&Aをまとめました。
2試験の合格が必須の試験では、2個目の受験までの期間はある?
はい、2回目の受験までは5年間という期間が定められています。
たとえば
- レベル1(101試験と102試験)
- レベル2(201試験と202試験)
といった、2つの試験に合格しなければならないものは、5年間のうちに両方の試験に受からなければいけません。
たとえば101試験に合格しても、5年以内に102試験に合格できなければ、もう一度101試験を受ける必要があるのです。
再認定ポリシーとはなに?
再認定ポリシーとは、「資格の有意性を示す決まりごと」のことです。
たとえば認定後から5年以上が経過した場合、IT界隈の技能のトレンドなどはすっかり変わっています。
それに伴い、ステータスが「ACTIVE(有意性あり)」から「INACTIVE(有意性なし)」に変更され、消失までには至らないものの、認定の価値が下がります。
有意性を維持するには、5年経過する前に、同レベルおよび上のレベルの認定を新たに受ける必要があるのです。
5年後に有意性がなくなった後、放置していたら資格は無効になる?
LPICの場合、認定から5年が経過してなお放置していても、無効になることはありません。
ただ前述のとおり、5年経過後は自動的に資格が「有意性なし」のステータスに切り替わるので、実際のところ価値のない資格を持ち続けるという状態になります。
現役から退くといったケースなら放置でも構いません。
しかし第一線で現役で活動していたり、目的を果たしていない状態なら、ぜひ再受験で認定を維持するかアップグレードしましょう。
レベル1獲得後、有意性がないままレベル2を受験すると認定は受けられる?
いいえ、レベル1が有意性なしのステータスに切り替わると、そもそもレベル2に挑戦することができません。
レベル2を受験するためには、「有意性のあるレベル1の認定を受けていること」が条件です。
もし5年が経過してしまっていたら、レベル1を新たに受験のうえ、認定を受けてからレベル2に挑戦する流れとなります。
まとめ:LPICに合格しても有意性の期限には配慮しよう
認定を受けることは素晴らしいことであって称賛に値しますが、その認定には期限があることを忘れてはいけません。
テクノロジーは進化を続けるので、新しいバージョンやアップデートが頻繁に登場します。
したがって認定後も、学習と技能の向上の継続に努め、最新の知識を保持することが保持者の役目です。
認定後も期限には配慮しつつ、余裕をもって再認定を受けるようにしましょう。