カテゴリー
クラウドエンジニアとは?仕事内容や目指すために必要なスキル・資格も紹介!

「クラウドエンジニア」という言葉を知っていても、
- 具体的にどんな内容の仕事をしているのか
- インフラエンジニアとはどう違うのか
までは、わからない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、クラウドエンジニアの概要や仕事内容、気になる年収などを詳しくご紹介します。
また未経験から目指すための方法や必要なスキルもわかるため、これから目指す方にとって必見の情報となるでしょう。
ぜひ最後までお読みのうえ、参考にしていただければと思います。

- 主にクラウドサーバーやネットワークの設計・構築・管理を行う。
- インフラエンジニアとの違いは、扱う機器がクラウドかそうでないか。
- クラウドエンジニアの平均年収は、約597万円。
- クラウドサービスをひと通り使える技術や、オンプレミスの知識が必要。
- 未経験から目指すなら、ITスクールがおすすめ。
- あると有利な資格には、CCNA CloudやCompTIA Cloudがある。
そもそもクラウドとは?
ここでは、より理解を深めるために、そもそもクラウドとはどのようなものなのかについて解説します。
クラウドとは
クラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネットを通じて、遠隔のコンピュータリソース(計算能力や記憶容量など)やサービスを、「必要な時に」「必要な分だけ」利用できる仕組みのことです。
代表的なサービスに「Google Workspace」「Microsoft 365」「Dropbox」「Zoom」などがあります。
クラウドサービスの種類
日本企業で利用されるクラウドサービスは、以下の3つが主流となっています。
・AWS(Amazon Web Services)
世界的に最もシェアが大きいクラウドサービスで、非常に多くの機能を提供しています。
規模が大きく、豊富なツールとサービスが揃っており、スタートアップから大企業まで幅広く利用されています。
・Microsoft Azure
Microsoftが提供するクラウドサービスで、特にWindowsサーバーやMicrosoft製品との親和性が高いです。
企業向けのITシステムをクラウドに移行する際によく利用されます。
・Google Cloud
Googleが提供するクラウドサービスで、特にデータ解析やAI、機械学習の分野に強いという特徴を持っています。
Googleの大規模なインフラを利用して、高速で効率的なサービスを提供しています。
オンプレミスとクラウドの違い
ネットワーク上のサービスを利用するクラウドサービスに対して、
自社でサーバー(サービスを提供するコンピューター)を管理する場合をオンプレミスといいます。
オンプレミスとクラウドには以下の違いがあります。
オンプレミス | クラウド | |
---|---|---|
設備管理 | 自社で管理する。 | 他社が管理し、ネットワーク上に 用意しているものを利用。 |
システムの拡張性 | 自社で用意するため、 設備、新サービス追加に 時間とコストがかかる。 | ネットワーク上に用意された設備を用いるので、 需要に応じて柔軟に設備を増減可。 新サービスの追加も迅速。 |
コスト構造 | 機材等の初期投資が高額。 運用コストがかかる。 | 初期投資なし。 サービスを使用した分だけ支払う。 |
このように、クラウドはオンプレミスに比べ、コスト面や拡張性の面で大きなメリットがあります。
クラウドエンジニアとは?基本的な役割と仕事内容
ここまで、基礎的なクラウドの知識をご紹介してきました。では、実際にクラウドエンジニアはどのような仕事を行うのでしょうか?
クラウドエンジニアの役割と特徴
クラウドエンジニアの役割は、企業がクラウドサービスを活用できるように基盤を構築し、その運用を支えることです。
また、クラウドエンジニアには以下のような特徴があります。
・幅広い知識が必要
クラウドエンジニアは、サーバー、ネットワーク、セキュリティ、データベース、さらにはプログラミングスキルまで、多岐にわたる知識が必要です。
・セキュリティと拡張性の重視
クラウドにおけるセキュリティ対策や、システムの拡張性に注力し、企業の運用を安定させます。
・柔軟性のある働き方
クラウド技術はインターネット環境があればどこからでも作業が可能なため、リモートワークも普及しています。
クラウドエンジニアの仕事内容
クラウドエンジニアは以下の仕事を行います。
クラウド基盤の 設計・構築 | 企業のニーズに合わせてクラウド環境を設計し、 ユーザーが快適に利用できる環境を整備します。 |
運用・保守 | 日々のシステム監視や障害対応を行います。 たとえば、クラウド環境で異常が発生した際には迅速に原因を特定し、解決します。 定期的なアップデートやセキュリティパッチを適用します。 |
コスト最適化 | クラウドサービスの利用状況を定期的に分析し、無駄なリソースを削減します。 たとえば、利用頻度が低いサーバーを停止することでコストを抑える提案を行います。 |
新技術の導入 | 日々進化するクラウド技術に対応し、効果的な技術やサービスを導入します。 |
クラウドエンジニアの仕事については、以下でより詳しく特集しています。
ぜひ参考にしてみてください。
クラウドエンジニアのやりがいや大変なこと
これまでクラウドエンジニアの仕事内容について見てきましたが、そのやりがいはどういったところにあるのでしょうか。
また、やりがいとともに苦労する点についても解説します。
やりがい
・技術を通じた価値の提供
企業やサービスにおいて、効率的なクラウド基盤を構築することは、プロジェクトの成功に不可欠であり、その基盤の構築には大きな達成感があります。
・最新技術の活用
クラウドプラットフォームでは常に新しい技術やサービスが導入されており、それらを取り入れることで革新的な手法を提供することができます。
・様々なキャリアパス
需要の高いスキルを身につけることで、大手企業やグローバルなプロジェクトで活躍する機会を増やすことができます。
大変なこと
・技術の進化への対応
クラウド技術は日進月歩で進化しているため、新しいサービスや技術を継続的に学び続ける必要があります。
・迅速な判断
トラブルシューティングや障害対応の際には、短時間で的確な判断を下すスキルが求められます。
・チーム間での連携
クラウドエンジニアは、開発チームや運用チーム、さらにはビジネス部門と連携しながら作業を進める必要があります。
このようにやりがいと大変なことは、ある意味表裏一体となっています。
気持ちの持ち方次第で、大変なこともやりがいになりえます。
クラウドエンジニアの平均年収

大手求人サイト「求人ボックス」が2023年2月に行った調査によると、クラウドエンジニアの平均年収は平均で597万円です。
こちらを月給で割ると約50万円となるので、日本国内の平均的な収入で比較しても高い傾向にあると見ていいでしょう。
クラウドエンジニアも、インフラエンジニア同様「絶対に支障をきたしてはいけない部分」を扱うため、知識と責任が伴うことが大きな要因です。
ただ全体の収入幅を見ると378〜997万円と幅広く、年齢や経験、スキルによって前後することがわかります。
引用:求人ボックス|クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料
クラウドエンジニアのリアルな年収事情については、こちらの記事で詳しく解説しています。
踏み込んだ内容について知りたい方は併せてご覧ください。

クラウドエンジニアの需要・将来性

クラウドエンジニアは今後の需要も拡大していくため、将来性は明るいと言っていいでしょう。
以下は2022年、総務省が集計したクラウドサービスの利用状況です。

2017年と2021年を比較すると、「全体的な業務でクラウドサービスを利用」している企業が大きく増えていることがわかります。
また「部分的にクラウドを導入」している企業も増え、さらに「クラウドを知らない」企業が減少していることから、知名度も上がっている傾向です。
このような背景からクラウドエンジニアは、今後しばらく仕事に困らない職業と考えていいでしょう。

クラウドエンジニアになるために必須のスキル・能力

クラウドエンジニアは、企業のインフラやアプリケーションをクラウド環境で効率的に運用、管理するため、幅広い技術的知識が求められます。
クラウドプラットフォームとインフラの基本知識
クラウドを運用するにあたって、以下のような基本的な知識が必要です。
・クラウドプラットフォームの理解
クラウドインフラを提供する主要なプラットフォーム(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform)に関する深い理解が求められます。
・インフラの基本知識
物理サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラは、クラウドインフラの基盤となる要素なので、しっかりと理解しておく必要があります。
クラウドセキュリティの知識
セキュリティはクラウド環境で特に重要です。以下のポイントを押さえましょう。
・データ暗号化とアクセス制御
データ保護の基本です。アクセス権限を厳格に管理する必要があります。
・ネットワークセキュリティ
ファイアウォールやVPNを利用して、不正アクセスを防ぎます。
・監視とログ管理
システムの動作状況を把握し、異常を検知します。
セキュリティの知識が不足していると、データ漏洩やサービス停止のリスクが高まります。
これらを防ぐために最新のセキュリティ対策を学ぶことが必要です。
実践的な知識
クラウドエンジニアには、理論だけでなく実践的な知識が求められます。例えば、以下のような場面で役立ちます。
・クラウド移行プロジェクト
既存のシステムをクラウドに移行する際に計画を立案し実行する。
・パフォーマンスチューニング
システムの応答速度を向上させるための最適化を行う。
・トラブルシューティング
問題発生時に迅速かつ効果的な解決策を提供する。
実際のプロジェクトに参加することで、現場で必要なスキルを身につけることができます。
実践を通じて得た知識は、書籍や講座で学ぶ内容を補完し、より深い理解を可能にします。
れません。認識の相違を生まないコミュニケーション力は、身につけたいところです。
未経験からクラウドエンジニアを目指す方法

現在実務未経験で、クラウドエンジニアを目指したいと思う方もいるでしょう。
この章ではそのような方に向けた「クラウドエンジニアになるための方法」を紹介します。
独学を行い未経験OKの企業へ応募する
市販の書籍やネット教材を用いた独学を行い、未経験OKの企業へ応募する方法です。
この方法のメリットは、それほどお金をかけず、マイペースでじっくり学習できる点にあります。
実務に必要な知識やスキルを習得したうえ、何らかの実績を作って面接に挑みましょう。
経験が求められがちなクラウドエンジニアですが、あらゆる転職サイトやエージェントを駆使することで「未経験OK」の求人に出会うことも可能です。
また応募の際はひとつの企業に注力するより、泥臭く数を打つことのほうが大切になります。
クラウド関連の資格を取得する
未経験からクラウドエンジニアになるためには、クラウド関連の資格をとるのも有効な対策になります。
資格を保有することで、未経験でもスキルと知識を備えていることが証明でき、面接で圧倒的に有利になるからです。
企業によっては「資格の保有で年収が上がる」など、独自のルールを設けているケースもあります。このような背景から、資格はもっておいて損はありません。
なお、具体的におすすめの資格は後述しています。
専門学校やITスクールを利用する
専門学校およびITスクールを検討することも、クラウドエンジニアになるための手段のひとつです。
ゼロからクラウドエンジニアを目指す方の中には、まず独学から始める方も多いです。
しかしその難易度の高さから、挫折してしまう方は跡を絶ちません。
「クラウドエンジニアになりたい」という明確な目標が決まっているなら、ITスクールの利用がおすすめです。
専門学校に比べて安い金額で済むことと、実践的なスキルを短期間で効率的に学習できるためです。
なお数あるITスクールの中でもとくにおすすめなのが、ITスクール「活学ITスクール」です。日本初のアニメーション動画での学習プログラムが組まれており、最短1ヶ月の短期集中でITエンジニアを目指せます。
また未経験や初心者の方に向けたスクールとなっており、スキルゼロ・文系の未経験者の方にぜひおすすめです。
まずは他職種エンジニアを目指す
クラウドエンジニアを目指す前に、開発やインフラ系といった多職種のエンジニアを目指す方法になります。
具体的にはまず現場に飛び込み、日々の業務をしっかりこなします。そこで経験と信頼を積み上げ、スキルアップとしてクラウドエンジニアを目指す形です。
最初からいきなりクラウドエンジニアを目指すより、段階をふむことで再現性が上がるでしょう。
クラウドエンジニアのロードマップについては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

他職種のエンジニアについては、こちらの記事も参考になります。
クラウドエンジニアを目指す際に有利な資格

この章では、これからクラウドエンジニアを目指していこうと考えている方におすすめの資格を5つご紹介します。
本当は他にもいろいろあるのですが、長くなってしまうので代表的なものだけ紹介しています。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

AWS認定ソリューションアーキテクト
こちらはAmazonが提供しているクラウドサービス「AWS」に関する資格です。
分野は11種類にも及び、受験者層はIT初級〜上級者まで幅広くなっています。
これからクラウドエンジニアを目指す方やAWSの知識をアピールしたい方は、自分のレベルに合わせて受験してみましょう。
Google Cloud認定資格
こちらはGoogleが提供しているクラウドサービス、「Google Cloud」のスキルが証明できる資格です。
取得によって専用のバッジと証明書が付与され、より実践的なスキルをもつことをアピールできるでしょう。
これから「Google Cloud」環境を用いた企業への就職を狙うなら、ぜひ保有しておきたい資格です。
Microsoft Azure認定資格
マイクロソフトが運営するクラウドサービス、「Microsoft Azure」の専門的な知識とスキルが証明できる資格です。
こちらも全部で9つの項目で初級〜上級レベルに分類され、自分のレベルに合ったものを受験できます。
「Microsoft Azure」を用いた現場へ就職するとき、保有していれば面接で間違いなく有利になるでしょう。
CompTIA Cloud
こちらはCompTIA(コンプティア)が運営する資格のひとつです。
CompTIA(コンプティア)が運営する資格は大きく4つの項目に分かれ、全部で17種類が存在します。
中でも本資格はクラウド関連に特化し、十分な実践知識をもつことをアピールできるでしょう。
国際的な知名度が高い資格なので、外資系や海外移住を考えている方にもおすすめです。
CCNA
CCNAは「シスコシステムズ」が運営するIT資格の総称です。
CCNAはインフラ系の資格の登竜門とされています。
このCCNAを学ぶことで、クラウドエンジニアの業務で頻繁に使われる用語や仕組みを効率よく学ぶことが出来る、初心者の方に非常におすすめの資格です。
これまで内定をもらえなかった人が、このCCNAに合格した瞬間に内定を取れるようになったという方もいるくらいです。
それくらい、意味のある資格と言えるでしょう。
なおITスクール「活学ITスクール」を使えば、こちらのCCNAが取得できます。
合格率も92%と高い水準を誇るので、これからクラウドエンジニアになる方は検討してみてはいかがでしょうか。
また、クラウドエンジニアにおすすめのIT資格について、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。

まとめ:クラウドエンジニアは需要拡大中で将来性も明るい!

クラウド関連の技術やサービスは、これからも増えることが予想されます。
それに伴いクラウドエンジニアの需要も高まるため、将来性も明るいことは間違いありません。
仕事内容や必要なスキルを把握し、より市場価値の高いクラウドエンジニアを目指していきましょう。