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SESと客先常駐の違いとは?契約・仕組み・働き方を図解で徹底比較!

「SESと客先常駐って結局どう違う?」に現役目線で答えます。
IT業界の職種として「SES」や「客先常駐」は、よく取り上げられるものの、どう違うのかわかりにくい職種です。
契約の根拠・評価軸・求人票の見分け方を最短で整理し、向き不向きまで一気に把握できます。
実際、同じ仕事を表す言葉として使われることもありますが、両者には仕事内容や契約の仕方において違いがあります。
- 契約と責任の違い
- 求人票での見分け方
- 働き方のメリット/デメリット
- キャリアの選び方と転職で失敗しないコツ
【図解で比較】SESと客先常駐の仕組みと契約の違い
SESと客先常駐は似ていますが、契約の仕方や業務の責任がだれになるのかにおいては大きな違いがあります。
それぞれ、SESと客先常駐はどのように違うのかを解説していきます。
SESとは?

SESは民法に基づく準委任契約、客先常駐は労働者派遣法に基づく派遣契約が中心です。
つまり、SESは「作業時間」に対して報酬が支払われ、客先常駐は「成果や稼働状況」によって報酬や評価が変動します。
民法第656条(準委任契約)・第627条(退職の自由)参照:e-Gov法令/労働者派遣法:派遣三者関係の定義:厚労省公式ページ
SESは、仮に作業の進行が遅れたり、納品したものに不備があったとしても、その分報酬が下がったりすることは基本的にありません。
SESについての仕事内容はこちらで詳しく解説しています。

客先常駐とは?
客先常駐は、企業が自社のエンジニアを他社(クライアント)に派遣し、指揮命令下で業務を行う働き方です。
派遣契約が多く、評価や給与は派遣先企業での貢献度に左右されます。
SESと違い、作業の成果・クオリティに対しても責任が発生することが多いです。
従って、プロジェクト成功時や納品したものが評価された場合に成果報酬が出ることがあります。
一方で、基本的にクライアント先に常駐することになるので、リモートワークになる可能性は低いですが、長期プロジェクトに関わることが多く、専門性を深めたい人に適しています。
表からもわかるように、SESは「時間」ベース、客先常駐は「成果」ベースで契約内容が決まります。
【比較表】SESと客先常駐の違い
契約形態・評価・働き方の違いを一目で理解できるよう、以下に比較表をまとめました。
| 項目 | SES | 客先常駐 |
|---|---|---|
| 契約根拠 | 民法(準委任契約) | 労働者派遣法 |
| 評価基準 | 稼働時間・勤怠 | 成果・品質 |
| 報酬決定 | 時間単価制 | 時給/月給+成果反映 |
| 働く場所 | クライアント先/リモート可あり | クライアント先常駐 |
| スキル習得 | 幅広い経験が可能 ※クライアントの指示に従い、時間内で様々な業務を担う | 業務内容に特化 ※依頼された業務に特化して行う |
| 責任範囲 | 成果物の責任は限定的 | 成果に対する責任を負う |
| キャリア自由度 | 案件選択の自由が高い | 安定だが業界に依存しやすい |
この表からもわかるように、SESは「時間」ベース、客先常駐は「成果」ベースで契約内容が決まります。
SESと客先常駐の共通点も理解しよう
両者の違いだけでなく、共通点を理解しておくことで自分の適性を判断しやすくなります。
どちらの働き方も「プロジェクト単位で働く」「環境が変わりやすい」という共通特徴があります。
両者とも「外部で働く」スタイル
自社ではなく、クライアント企業の現場で働くスタイルが基本です。
現場によって文化やルールが違うため、柔軟な対応力が求められます。
プロジェクト単位の契約
どちらも3か月〜1年単位の契約更新が多く、プロジェクト終了に合わせて配属が切り替わります。
正社員でも現場が変わる
自社雇用でも現場はクライアント側。帰属意識を持ちにくい一方、多様な経験が積めるのが特徴です。
現場が変わるたびに不安を感じる方「SESを辞めたい…判断基準と転職成功の秘訣」をご覧ください。

SESで働くメリット
SESは、現場で経験を積みながらスキルを磨ける柔軟な働き方です。
ここでは、SESならではの6つの魅力を紹介します。
多様なプロジェクトを経験できる
SESでは、業界やクライアントの規模に応じて多彩な案件に関わることができます。
金融・医療・物流など多彩な分野を横断できるため、スキルの幅が広がり、市場価値が高まります。
スキルアップの機会が多い
プロジェクトごとに使用技術が異なるため、最新フレームワークやツールを実務で学べます。
AWS・Python・Dockerなどの経験を積むことで、次のキャリアへ有利に働きます。
人気資格ランキングは「IT資格ランキング2025」を参照。

柔軟な働き方ができる
近年はリモート勤務を許可するSES企業も増加。
契約単位で働き方を選べるため、リモートワークや時短勤務などライフスタイルに合わせた調整が可能です。
育児や副業と両立するSESエンジニアも増えています。
契約期間終了後は案件を選び直せるため、キャリアの方向転換もしやすい点が魅力です。
人脈を広げる機会が多い
現場ごとに異なるメンバーと協働するため、エンジニア・PM・コンサルなど多職種とのつながりを築けます。
転職・独立時に強みとなるネットワークを形成できます。
業界への理解が深まる
業界横断的な案件に関わることで、IT業界全体の仕組みを理解できます。
これは将来的にITコンサルやPM職へ目指す人にも有利です。
キャリアの選択肢が広がる
SESで基礎スキルを磨いた後は、社内SE・自社開発・フリーランスなど、さまざまなキャリアに移行可能です。
キャリアの可能性を試したい人に向いています。
SESのデメリットと注意点7選
SESは経験を積みやすい一方で、働く上で注意すべき点も多くあります。
ここでは、現役エンジニアの実体験や一次情報をもとに、7つのデメリットを具体的に紹介します。
指示待ちの業務形態
SESではクライアントの指揮命令に従うため、自分の裁量が限られやすく、主体性を発揮しづらい環境もあります。
自発的に提案したい人は、上流工程や自社開発企業への転職も視野に入れましょう。
「SES案件から抜けたいときの判断と次の一歩」も参考にしてください。

スキルに偏りが出やすい
長期的に同じ案件に関わると特定の技術ばかりになる傾向があります。
特に運用・保守系の業務では、最新技術を学ぶ機会が限られます。
ITスキルの市場動向は「IT資格ランキング2025」で確認できます。

裁量が限られることが多い
プロジェクトの方針決定権はクライアントにあり、マネジメント力を伸ばしにくい面も。
将来リーダー職を目指すなら、上流工程へのキャリアパスを意識して現場を選ぶことが重要です。
キャリアが不透明になりやすい
案件ごとに業務内容が変わるため、専門スキルが定まりにくく、キャリアの軸を見失うケースもあります。
キャリア整理が難しい場合は、プロに相談してみるのも手です。
活学キャリアでは、未経験からIT転職に強く、理想に向けたロードマップを提案してもらえます。
長時間労働のリスク
クライアント都合で急な残業や休日出勤が発生する場合もあります。
契約前に「精算幅」や「時間外労働の上限(労働基準法第36条)」を必ず確認しておきましょう。
参考:厚労省:時間外労働の上限規制
福利厚生や教育体制が不十分
SES企業の中にはフォロー体制が薄い会社もあります。
教育・キャリア支援が充実している優良企業を選ぶには、SES優良企業ランキング を確認しましょう。

離職率が高くなりがち
配属先によって環境差が大きく、ストレスから離職する人も少なくありません。
転職を考える際は、現場の課題整理と次のキャリア戦略を同時に進めることが重要です。
客先常駐で働くことのメリット6選
客先常駐は「安定して長期的に働きたい人」や「専門性を磨きたい人」に向いた働き方です。
ここでは実際に現場で働くエンジニアの声をもとに、主な6つのメリットを紹介します。
業界の知識が深まる
金融・製造・医療などの特定業界で長く働くことで、業界特有のIT課題やプロセスに詳しくなれます。
専門業界での実績は転職市場でも評価されやすいです。
仕事の安定性が高い
プロジェクト期間が長く、SESよりも勤務地や業務内容が一定しているため、生活リズムを保ちやすいのが特徴です。 家庭やプライベートを重視する人に向いています。
プロジェクト全体を理解できる
要件定義〜運用まで一貫して関わるため、上流工程へのステップアップがしやすい働き方です。
PM・リーダー職を目指す人には最適です。
スキルの多様性を得られる
1社内でも複数システムに携われることが多く、システム統合や他部署連携など幅広いスキルが身につきます。
キャリアアップのチャンスがある
成果が直接評価に繋がるため、頑張りが報酬に反映されやすい環境です。
派遣先からの直接雇用につながるケースもあります。
専門分野での実務経験を積める
製造・流通・公共などの特定分野で長く働くことで、その分野の業務知識を深く習得できます。
専門性を磨きたい人には魅力的な環境です。
客先常駐のデメリットと課題5選
客先常駐にも注意すべき点があります。
SESとの違いを理解し、自分の価値を高めるための対策を意識しましょう。
労働条件の不安定さ
案件終了のタイミングで次の職場が決まっていないと、収入が一時的に不安定になる場合があります。
契約内容を確認し、更新条件を明確にしておきましょう。

スキル停滞のリスク
長期的に同じ業務を続けると技術習得の幅が狭まりやすくなります。
定期的な学習計画を立てて、最新技術をキャッチアップする意識が重要です。
長時間労働の可能性
納期がタイトなプロジェクトでは残業が多くなることもあります。
労働時間の上限を確認し、36協定の範囲内で働ける環境を選びましょう。
評価の不透明さ
派遣先での評価が自社に反映されにくいケースがあります。
事前に評価フローを確認するか、客観的評価を受けられる仕組みのある会社を選びましょう。
リモート勤務が難しい
セキュリティ上の理由から、リモートワークができない現場もあります。
柔軟な働き方を望む人はSES契約の現場を検討しましょう。
SESと客先常駐を求人で見分ける6つのポイント
求人票で両者を見分けるには、「契約形態」「勤務地」「評価基準」などに注目することが大切です。
ここでは6つの観点からチェック方法を紹介します。
- 契約形態:SESは準委任契約、客先常駐は派遣契約が多い。
- 契約期間:SESは数ヶ月単位、派遣は最長3年。
- 勤務地:SESは「クライアント先」とのみ記載されることが多い。
- 評価基準:SESは稼働時間中心、客先常駐は成果重視。
- 報酬体系:SESは時間単価、派遣は時給+成果反映。
- 進捗報告:SESは本人報告、派遣は企業経由。
求人票に「クライアント先勤務」「準委任」などの記載がある場合は、SES契約の可能性が高いです。
SESと客先常駐のキャリアパスを比較
どちらの働き方もスキルアップ次第でキャリアの可能性は広がります。
自分に合う環境を選び、将来的にどう成長したいかを明確にしましょう。
スキル棚卸しと目標設定
まずは現在のスキルを可視化し、将来的に目指したいエンジニア像を設定します。
活学キャリアの無料相談では、IT業界専任のアドバイザーが一緒にキャリア設計を行ってくれます。
資格取得と学習時間の確保
CCNA・LPIC・AWSなどの資格はどちらの働き方でも評価されます。
仕事の合間にオンライン学習を取り入れ、次のステップに備えましょう。
現場選びの戦略
SESでは新技術を扱う現場、客先常駐では長期案件で上流工程を経験できる現場を選ぶのが理想です。
詳しくは SES優良企業ランキング を参考にしてください。

SESと客先常駐、自分に合った方を選ぶには?
SESも客先常駐も、それぞれに強みとリスクがあります。
大切なのは、自分のキャリアや働き方の軸にどちらが合うかを見極めることです。
ここでは、キャリア・ライフスタイル・転職支援の3つの視点から最適な選び方を整理します。
キャリアの方向性で選ぶ
幅広い経験を積みたい→SES
専門性を高めたい→客先常駐
「将来的にどんなエンジニアになりたいか」で選び方は変わります。
幅広い技術や案件を経験して自分の強みを探したいなら、SESのほうが適しています。
短期間で多様な現場を渡り歩くため、成長スピードが早く、転職市場でも評価されやすい傾向があります。
一方、特定の業界や技術を深く極めたい人は、客先常駐を選ぶのがベターです。
長期的な案件に関わることで、専門分野の知見を深め、要件定義やマネジメントに挑戦できるチャンスが広がります。
例えば「クラウド技術の専門家になりたい」「業界のIT戦略に関わりたい」といった明確なゴールがある人には、客先常駐のほうがキャリアの軸を作りやすいでしょう。
ライフスタイルで選ぶ
柔軟性重視→SES
安定志向→客先常駐
SESは案件ごとに働き方を選べるため、リモート勤務や短期契約など、ライフスタイルに柔軟に合わせやすい働き方です。育児や副業と両立しながらキャリアを積みたい人に向いています。
反対に、客先常駐は職場や勤務時間が安定している分、生活リズムを整えやすいのがメリット。
長時間労働を避けたい、家族との時間を確保したいといった人に適しています。
ただし、どちらを選んでも「案件の選び方」がカギです。
ワークライフバランスを重視するなら、契約時に残業時間・精算幅・リモート可否を必ず確認しましょう。
転職エージェントを活用する
自分だけで求人を見極めるのが難しいと感じたら、IT特化型の転職エージェントを活用しましょう。
活学キャリアでは、あなたの経験や希望をもとに最適な現場・契約形態を無料で提案しています。
「SESでスキルを広げたい」「安定した客先常駐で専門性を磨きたい」など、方向性が定まっていなくても大丈夫。
専任アドバイザーが、面接対策から年収交渉までトータルで支援します。
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さらに、専任のキャリアアドバイザーのカウンセリングに基づいて、自分にぴったりの現場とマッチングしてもらえます。
実際にSES(客先常駐)で働く人の声
異業種への転職も考えたのですが、やっぱりITコンサルになりたいという夢を諦めることが出来なかったんですよね
文系からITコンサルタントを目指して某IT企業に新卒入社したこの方。
しかし実際に任されたのは事務仕事ばかりで、エンジニアとしてのキャリアアップにつながらないと感じ、転職を決意しました。
(転職活動を通じ)自分らしく働くことの大切さを改めて感じました。
暫くはエンジニアとして様々なプロジェクトを経験して、自分の引き出しを増やしていきたいなと思っています。
ただ、実際にエンジニアとして実働してみると思いの外楽しくて…(笑)
ITコンサルタントの夢に向けて進みながら、SESとして働き続けていくことにやりがいを感じているそうです。
SESでも客先常駐でも、自分に合った現場を見つけることができれば、日々に充足感を持って働けるようになります。
実際に活学キャリア支援での転職を通じ、自分のキャリアの軸をみつけることができたこの方の体験談は、キャリアについて考えている方に参考になると思います!
このインタビューの全文はこちらからご覧ください。

まとめ:違いを理解して、自分に合った働き方を選ぼう!
SESと客先常駐はよく似ていますが、働き方や契約方法において様々な面で違いがあります。
特にリモートワークなどの働き方にこだわりがある方や、安定した環境で働きたいと思っている方は、それぞれどのような特徴がある職種なのかを見極めてから応募するようにしましょう。
両者の違いを意識しつつ、自分が目指すキャリアに合わせて合った現場を見つけるのが大切です。
活学キャリアでは、一人一人の理想の働き方の軸を見つけ、そこに向けて最短で進める道筋をサポートしてくれます。
まずは、気軽にプロに相談してみることをおすすめします。















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