取るべきIT資格をジャンル別に紹介!学習方法や注意点も解説

「IT業界にはどのような資格があるのか」

「どのような資格から取っていけばよいのか」

IT未経験からIT業界への転職を考えている方の中には、このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

IT系資格は多種多様であるため、IT未経験の方にとっては分かりにくいところもあるでしょう。

この記事では、IT系資格の基本的知識を解説した上で、取るべきIT系資格・知っておくべきIT系資格を分野別にご紹介していきます。

また、取得を目指す際の学習方法や注意点などもご紹介していきます。

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目次

IT系資格の分類

まず、IT系資格の分類について解説します。

IT系資格は、「国家資格」「ベンダー資格」「ベンダーニュートラル資格」の大きく3つに分けられます。

国家資格

国家資格とは、国の法律に基づいて実施される資格のことです。

日本のIT系国家資格としては、経済産業省所管の独立行政法人「情報処理推進機構」によって運営される「情報処理技術者試験」があり、全部で13種類に区分されています。

なお、この記事でご紹介する資格の半数近くが、この情報処理技術者試験の資格です。

国家資格には、認知度が高い、信頼性が高い、比較的受験料が安いといった特徴があります。

ベンダー資格

ベンダー資格とは、特定の製品を提供するベンダー企業(販売業者)によって運営される資格のことで、その製品を扱う知識・スキルが問われます。

ベンダー資格には、比較的受験機会が多い、世界に通用する資格がある、その製品を扱う企業で重宝されるといった特徴があります。

ベンダーニュートラル資格

ベンダーニュートラル資格とは、国にもベンダー企業にも依存していない中立的な立場の組織によって運営される資格のことです。

ベンダーニュートラル資格には、比較的受験機会が多い、世界に通用する資格がある、汎用的であるため役立つ場面が多いといった特徴があります。

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IT系資格を取得するメリット

IT業界で働く場合、資格は必須なのでしょうか。

実は必須ではありません。

資格がなくてもIT業界で働くことはできます。

しかし、資格を取得することには、主に次の4つのメリットがあります。

体系的な知識・スキルが身に付く

資格の取得を目指し学習を行っていく過程で、必要な知識・スキルを体系的に学ぶことができます。

頭が整理され、理解が深まったり知識漏れが解消されたりします。

技術力を客観的に証明できる

資格を取得すれば、自分の技術力を客観的に証明することができます。

人に分かりやすい形でアピールできるようになるため、任せてもらえる仕事の範囲が広がりますし、転職活動なども行いやすくなります。

キャリアの形成に役立つ

資格は、ステップアップのマイルストーン(中間目標、区切り)として利用することができます。

たとえば「1年に1つは取得しよう」「課長になるためにはマネジメントスキルが必要だから3年以内に資格Aを取得しよう」「資格Bを取得したら転職しよう」など。

そのため、キャリア計画を立てることや、その進捗管理に役立ちます。

資格手当をもらえる

一部企業では、取得した資格に応じて手当を支給しています。

報奨金として一度のみ支給されるタイプと、毎月の給与に上乗せする形で支給されるタイプの2つがあります。

一般的に、国家資格は手当が高額であるケースが多いです。

おすすめのIT資格ランキングは以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください!

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取るべき・知っておくべきIT系資格:全般系

ここから、代表的なIT系資格を、「全般系」「開発系」「インフラ系」「マネージャー系」の4ジャンルに分けて、ご紹介していきます。

・全般系:どの職種でも取得したい資格

・開発系:システム開発に携わる人が取得したい資格

・インフラ系:システムを運用していく上で必要となるITインフラ(サーバーなど)に携わる人が取得したい資格

・マネージャー系:プロジェクト管理に携わる人が取得したい資格

まずは、「全般系」からです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の一つで、「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれる資格です。

出題範囲は、ネットワークやデータベース、セキュリティ、アルゴリズム、開発手法、プロジェクトマネジメント、ITを活用した経営戦略など、IT全般で、IT人材に必要となる基本的な知識・スキルを有しているかが問われます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験の一つで、前述した基本情報技術者試験のワンランク上の資格という位置付けです。

出題範囲は、基本情報技術者試験とほぼ同様で、IT人材に必要となる応用的な知識・スキルを有しているかが問われます。

取るべき・知っておくべきIT系資格:開発系

続いて、開発系の資格をご紹介していきます。

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験とは、日本の民間企業、サーティファイが運営するベンダーニュートラル資格です。

プログラミング言語であるC言語のスキルを有しているかが問われ、レベルは3級から1級までの3段階あります。

※C言語とは、多くのシステム開発の現場で用いられるプログラミング言語で、記述がシンプル、処理が高速といった特徴があります。

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験は、C言語プログラミング能力認定試験と同様、サーティファイが運営するベンダーニュートラル資格です。

プログラミング言語であるJavaのスキルを有しているかが問われ、レベルは3級から1級までの3段階あります。

※Javaとは、C言語と同様、多くのシステム開発の現場で用いられているプログラミング言語で、大規模開発によく利用されています。

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験とは、一般社団法人PHP技術者認定機構が運営するベンダーニュートラル資格で、プログラミング言語であるPHPのスキルを有しているかが問われます。

レベルは「初級」「上級/準上級」「認定ウィザード」の3つがあります。

※PHPとは、主にWebサイトやWebアプリケーションなどの開発に用いられているプログラミング言語で、動的な仕組みの開発を得意としています。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験の一つです。

システムの要件定義・設計業務の責任者に必要となる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。

情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度情報処理技術者試験」に分類されます。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報処理技術者試験の一つです。

組織のセキュリティ確保や安全なシステム運用を行うために必要となる基本的な知識・スキルを有しているかが問われます。

取るべき・知っておくべきIT系資格:インフラ系

続いて、インフラ系の資格をご紹介していきます。

IT未経験の方にとって、インフラの概念は分かりにくいかもしれません。

IT業界におけるインフラとは、システムを24時間365日安定稼働させていく上で必要となるサーバーやネットワーク、データベースなどを指します。

近年では、クラウドサービスを活用して構築されるケースもあります。

OSとしては一般的にLinuxが多く用いられています。

CCNA(シスコ技術者認定資格)

Cisco Certified Network Associate(CCNA)は、アメリカの世界最大規模のネットワーク機器ベンダー、Cisco Systems(シスコシステムズ)が運営するベンダー資格です。

ネットワークに関する基本的な知識・スキル、および同社製品を扱うスキルを有しているかが問われます。

CCNAについて詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。

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Linux技術者認定試験

Linux技術者認定試験は、カナダに本拠地をおく非営利団体、Linux Professional Institute(LPI)が実施するベンダーニュートラル資格です。

Linuxに関する知識・スキルを有しているかが問われます。

世界共通の「LPIC(エルピック)」と、日本向けに最適化された「Linuc(リナック)」の2つがあり、基本的に問われる内容は同じで、レベルはレベル1からレベル3までの3段階あります。

LPICとLINUCについて詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。

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ORACLE MASTER

ORACLE MASTER(オラクルマスター)とは、日本オラクルが運営するベンダー資格です。

データベースの基礎知識と同社のデータベース関連製品「Oracle Database」を扱う知識・スキルを有しているかが問われます。

レベルは「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4段階あります。

Oracle Databaseは世界的にシェア率の高い製品であるため、ORACLE MASTERは世界に通用する資格です。

AWS認定資格

AWS認定資格とは、Amazon社が運営するベンダー資格で、同社が提供するクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を扱う知識・スキルを有しているかが問われます。

分野別・レベル別に12種類の資格に分かれています。

AWSは世界最大シェアを誇るクラウドサービスであるため、クラウド環境に携わる場合に押さえておきたい資格です。

ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャは、情報処理技術者試験の一つで、システムの管理・運用・保守業務の責任者に必要となる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。

情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度情報処理技術者試験」に分類されます。

取るべき・知っておくべきIT系資格:マネージャー系

最後に、マネージャー系の資格をご紹介していきます。

Project Management Professional(PMP)

Project Management Professional(PMP)は、アメリカの非営利団体、Project Management Institute(PMI)が運営するベンダーニュートラル資格です。

プロジェクト全体を管理する立場の者に必要となる知識・スキルを有しているかが問われます。

試験内容は、同団体が作成したプロジェクトマネジメントに関するノウハウ体系「Project Management Body of Knowledge(PMBOK)」に基づいています。

PMBOKはプロジェクトマネジメントノウハウの世界標準であり、PMPは世界で通用する資格です。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の一つで、プロジェクト全体を管理する立場の者に必要となる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。

情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度情報処理技術者試験」に分類されます。

ITストラテジスト試験

ITストラテジストは、情報処理技術者試験の一つで、ITを活用した経営戦略・事業戦略を策定・推進する立場の者に必要となる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。

情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度情報処理技術者試験」に分類されます。

IT系資格取得の注意点

ここまでで、代表的なIT系資格をご紹介してきましたが、実際の取得に際しては次の3点に注意してください。

取得する順番を考える

資格取得の順番は重要です。

最初は、基本的な内容の資格、全般的な内容を問う資格から取り組むのがよいでしょう。

もちろん、高度な専門知識を身に付けることも大事ですが、土台がない状態で学習しても内容が頭に入りません。

先ほどご紹介した資格の中では、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などが、土台を作りやすい資格です。

土台を作っておけば、高度な資格、専門的な資格に挑戦する場合でも学習がスムーズにいきます。

自分のキャリアを見据えて取得する

資格は自分のキャリアを見据えた上で取得していきましょう。

将来どのように活躍したいのか、どんな分野で強みを持ちたいのかなど、どのような立場でいたいのかなど、自分のキャリアビジョンが明確になると、自分に必要な資格が見えるようになります。

トレンドは移り変わる

IT業界は変化の激しい業界であり、トレンドはどんどん移り変わっていきます。

IT系資格を取得したとしても、その資格が同じだけの価値を持ち続けるわけではありません。

中には時代とともに廃れてしまう資格もあります。

「資格を取得したらそれで終わり」というスタンスではなく、トレンドに即した対応を行っていくことが重要です。

IT系資格の学習方法

IT系資格の学習方法にはどのような方法があるのでしょうか。

主に3つが挙げられます。

参考書・問題集

最もはじめやすい方法として、参考書や問題集を活用して学ぶ方法が挙げられます。

最近では、IT系コーナーが設置されている書店が増えてきました。

中にはメジャーなIT系資格の参考書・問題集を取り揃えている書店もあります。

参考書・問題集を活用して学ぶ方法には、比較的コストを抑えやすい、自分のペースで進められるといったメリットがあります。

なお、試験の出題内容は改訂されることもありますので、なるべく最新版のものを選ぶようにしましょう。

学習サイト・動画サービス

はじめやすい方法として、学習サイト・動画サービスを活用して学ぶ方法も挙げられます。

Udemy(ユーデミー)やProgate(プロゲート)などが有名で、質の高い学習プログラムが数多く提供されています。

参考書・問題集で学ぶ方法との大きな違いは、視覚的・聴覚的に学べる点です。

こちらの方が学びやすいという方も多いでしょう。

ITスクール

ここまで、独学での勉強方法をご紹介してきましたが、独学が難しい場合は、ITスクールで学ぶ方法もあります。

入学金や授業料など費用はかかりますが、その分野に詳しいプロ講師から直接教わることができますし、分からないところがあれば質問ができるため、独学よりも効率的に学習を進めていくことができます

スクール内で友達ができれば、情報交換もできるでしょう。

IT系資格の学習ポイント

IT系資格の学習方法についてご紹介してきました。

ここでは、そのポイントを4つご紹介していきます。

事前に計画を立てる

まずは、しっかりと事前に計画を立てることです。

受ける資格の試験日を調べ、その試験日をもとに、いつまでに何をしておくか、スケジュールを組むようにしましょう。

どんな人でも、やるべきこととその期限が明確でなければ先延ばしをしてしまいがちです。

いつも先延ばしをしていれば次第にモチベーションも下がっていくでしょう。

計画を立てることにより、高い意識を保ったまま集中して学習に取り組めるようになります。

過去問を活用する

過去問は積極的に活用しましょう。

過去問は試験の傾向をつかむ上で役立ちます。

出題範囲や難易度、得意分野、苦手分野が明確になれば、具体的な対策を考えやすくなるでしょう。

過去問は各運営元サイトで公開されている場合もあるため、適宜確認してみてください。

スキマ時間を有効活用する

まとまった時間を確保できない場合は、スキマ時間を活用しましょう。

電子書籍端末やタブレット型端末などがあると便利ですので、おすすめの電子書籍をチェックしてみてください。

通勤時間や休憩時間、待ち合わせ時間などでも学習ができます。

しっかりとアウトプットを行う

資格対策では、インプット学習ばかりになりがちですが、アウトプット学習も取り入れましょう。

たとえば、学習した内容をノートにまとめる、知人に伝える、パソコンで実践してみるなど。

アウトプット学習を行うことで、より理解が深まり、頭に定着しやすくなります。

IT系資格関連でよくある質問

最後に、IT系資格に関してよくある質問にお答えしていきます。

Q:営業職でも資格を取得する必要があるか

営業職でも、基本情報技術者については取得を検討してみる価値が十分にあります。

特に、非IT系企業の営業職からIT系企業の営業職に転職する場合は、選考でとても有利になります。

既にIT系企業にいる場合でも有効です。

顧客やエンジニア職とのコミュニケーションがスムーズになり、成果を出しやすくなります。

Q:エンジニア職でもITパスポート試験は取得した方がよいか

ITパスポート試験の対象は、エンジニア職ではなく、ITを活用する全社会人です。

エンジニア職の場合、取得するしないは自由ですが、取得したことによって市場価値が高まることは一般的にはありません。

Q:転職に役立つ資格はどれか

IT未経験からIT業界への転職に役立つのは基本情報技術者試験です。

そのワンランク上の応用情報技術者試験も役立ちますが、IT未経験の方には難易度が高いでしょう。

既にIT業界にいてさらなるキャリアアップを目指す場合には、情報処理技術者試験のうち「高度情報処理技術者試験」に分類される資格が役立ちます。

国家試験は信頼性が高いため、多くの企業が参考にしています。

まとめ

この記事では、代表的なIT系資格や取得を目指す際の学習方法などをご紹介してきました。

資格取得には、体系的な知識・スキルが身に付く、技術力を客観的に証明できる、資格手当がもらえるなど、さまざまなメリットがあります。

学習に役立つ書籍やサイト、スクールなども数多くあります。

現時点での技術レベルやキャリアビジョンなどを考慮しながら、ご自身に合った資格の取得を目指してください。

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