IT業界には、数多くのベンダー系資格が存在しています。
その中で、インフラエンジニア・ネットワークエンジニア系の資格として最も有名な資格が今回紹介する「CCNA」です。
CCNAは転職にも優位に働き、インフラ周りやネットワークに関する知識と技術を世界的に証明できる稀有な資格ですので、是非とも本記事を参考にCCNAについての理解を深めてください。
取るべき資格に迷っている方は、以下の記事でジャンル別に詳しく解説しているので参考にしてください。
CCNAとは?
「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は、世界最大手のネットワーク関連機器メーカー・シスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する試験です。
ネットワークエンジニアの登竜門的な立ち位置の試験でもあり、転職を考えている人たちにも人気の資格です。
CCNAは、TCP/IPなどの基礎的なネットワーク知識を保有している証となるだけではなく、世界的に広く使われているシスコ社のルーターやスイッチに関する技術力の証明にもなります。
シスコ社の製品は、数多くの現場で使われているシェア率の高い製品であるため、業界ではより実践的な資格として評価されています。
また、世界共通基準の資格であるため、国外・外資系企業に転職を考えている際にも役立つ資格です。
試験のグレードと対象分野
CCNAはシスコ技術者認定資格のひとつですが、シスコ技術者認定には5つのレベルがあり、難易度の高い順に
「アーキテクト」
「エキスパート」
「プロフェッショナル」
「アソシエイト」
「エントリー」
に区分されます。
CCNAはその中で、「アソシエイト」のレベルに位置している資格で、シスコの運営する資格試験の中で、最もポピュラーなものとしても有名です。
CCNAの対象分野としては、ネットワークの基礎に始まり、ネットワークアクセス、IPコネクティビティ、IPサービス、セキュリティ、自動化とプログラマティビティなどが挙げられます。
いずれもネットワークに関係する分野であり、CCNAはネットワーク分野の幅広い問題が出題されます。
他資格と比較した詳しいCCNAの難易度については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
CCNAを取得するメリット
それではここからは、 CCNAを取得するメリットについて見ていきましょう。
ネットワークに関する知識・スキルが身に付く
CCNAではネットワークに関する問題が幅広く出題されます。
そのため第一のメリットとして、これからネットワーク技術者として働く人や、既にネットワーク関係で勤めていてキャリアを上げていきたいという人にとって役立つ知識を学ぶことができる点が挙げられます。
シスコ製品に関する知識・スキルが身に付く
CCNAは、シスコシステムズ社が主催する試験です。
そのため試験内容はシスコ製品に関する知識に偏りがあり、幅広く同社の製品を取り扱う上での知識やスキルが身につくと言えるでしょう。
しかしシスコ製品は業界で圧倒的なシェア率を誇っているため、 シスコ製品についての知識があるということはどのような現場でも、またどのような国でも共通して評価される資格であると言えます。
広くネットワークエンジニア・インフラエンジニアの業務において持っておきたい知識であるため、どのような現場で働いている人にもおすすめできる資格です。
優先的に仕事がもらえる
CCNAは、数多くの資格が存在するIT業界内でも知名度・評価が高い資格です。
取引先や職場などによっては、資格取得をしているエンジニアに優先して仕事を振り分ける場合などもあります。
CCNAを取得することで仕事の受注も多くなり、結果的に様々な経験を獲得して最終的な技術力にもつながるでしょう。
将来的に更に活躍するネットワークエンジニアを目指すためにも、CCNAは非常におすすめできる資格です。
就職や転職の際に有利となる
CCNAの資格取得は、基礎的なネットワークの知識を持っていることの証明になります。
そのため就職や転職の際に、有利になることは間違いないです。
実際に、ネットワークエンジニア・インフラエンジニアの求人を見ても、必須条件としてCCNAを挙げている企業も散見されます。
CCNAを取得しておくことで、資格のない候補者に比べて転職活動が一歩有利になると言えるため、CCNAはこれからネットワークエンジニア・インフラエンジニアを目指すという方にも非常におすすめできる資格です。
また、CCNAはフリーランスへの業務外注の際にも重宝される資格です。
そのため、フリーランスの方にとっても、CCNAは業務の幅が広がる大切な資格となります。
CCNAの概要
ここからは、CCNA試験の概要についてまとめていきます。
試験時間・出題形式・合格点
CCNAの試験時間は120分間です。言語は英語と日本語から選択できます。
試験はCBT方式で実施され、全国のウェブ受験センターで受験が可能です。
また、出題形式としては、選択問題が多い傾向にありますが、入力問題やシミュレーション問題も出題されることを頭に入れておきましょう。
CCNAでは、問題数や合格点については非公開となっています。
1000点満点中、およそ825点から850点で合格とも言われていますが、試験ごとに合格点が変更されることも大いに考えられるため、余裕を持った学習を心がけておくことが大切です。
試験範囲
2023年3月現在、CCNAの試験範囲は「ネットワークの基礎」「ネットワークアクセス」「IPコネクティビティ」「IPサービス」「セキュリティの基礎」「自動化とプログラマビリティ」となっています。
HP上にはこれ以上の詳しい説明は書かれていませんが、書籍や対策サイトなどには試験範囲を網羅した教科書や練習問題などが多数収録されていますので、学習の際にはそうしたものを利用することがおすすめです。
有効期限
CCNAの有効期限は3年間となっています。資格取得から3年間経つと、自動的に資格失効となるため注意が必要です。
再認定の際には、認定有効期限までに試験を受け直す必要があります。認定の有効期限が切れた後に資格を再取得する場合には、認定試験の全てのプロセスをやり直さなくてはならなくなるので注意しましょう。
試験日・試験会場
CCNAに指定された試験日はなく、基本的に日曜・祝日以外は毎日実施されています。
申し込みも希望試験日の前日までに済ませればよいため、他の各試験と比べると受験しやすい試験であると言えるでしょう。
また、試験会場は、「ピアソンVUE:テストセンターリスト」に掲載されている全国に100ヶ所以上あるデータセンターの中から選択できます。
試験開始時間については試験会場によって異なってきますので、事前に確認しておきましょう。
CCNAの難易度は?
また、CCNAは2020年に内容が改定され「難易度が従来よりも上昇した」との声も見受けられます。
2020年以前の過去問題のみで学習を終了するのではなく、しっかりと最新の問題に触れておくことが試験合格の鍵となります。
CCNAの難易度については、こちらで詳しく解説しています。
CCNAの合格率は?
CCNAの問題は試験ごとにランダムに出題されるため、同じ会場で同時に受験している方でも異なる出題内容となっています。
そのため、一概に合格率を出すことはできず、非公開となっています。
合格率や合格点は公式では非公開となっていますが、勉強サイト「Ping-t」などでは、合格された方々が何点で合格したかが投稿されています。
確かな数字ではありませんが、学習を進めていく際のひとつの基準となることは間違いありませんので、事前に参照しておくことをおすすめします。
CCNA受験までの流れ
ここからはCCNA受験までの流れについて見ていきましょう。
申し込み
CCNAを受験するためには、前日までに事前申し込みをしておく必要があります。
事前申し込みはオンライン上で行えるほか、テストセンターに直接行って申し込むことも可能です。テストセンターによっては、現金での支払いを受け付けているところもあります。
ちなみに、現在(※2023年3月)の受験料は33,600円です。
毎日受験はできますが、受験料はやや高額であるため、しっかりと学習してから受験予約をすることをおすすめします。
試験当日
試験当日は、1点もしくは2点の本人確認書類を提示する必要があります。
有効な本人確認書類を提示できない場合は試験を受けることができなくなるため、忘れずに持っていくようにしましょう。
本人確認書類の詳細は、こちらよりご覧ください。
一般的に、テストセンターへの来場時間は予約日時の15分前となっていますが、試験プログラムによって入場時間は異なりますので、必ず予約確認メールを確認しておくようにしましょう。
CCNAの再受験ポリシー
1回目の受験で残念ながら不合格となってしまった場合、同じ科目の2回目を受験できるのは中5日空けた翌日からとなります。
例えば1回目の受験を4月1日にした場合、2回目の受験は4月7日以降です。
なお、PCの不調などで正確に受験が終えられなかった場合については、日程を改めて再受験が可能となっています。
CCNAのおすすめ勉強方法
それでは最後に、CCNAのおすすめ勉強方法について見ていきましょう。
参考書・問題集で勉強する
はじめに、参考書・問題集で勉強することをおすすめします。
CCNAの合格には過去問をひたすらに解くことも大切ですが、まずは参考書や教科書で試験範囲を網羅的に理解し、またシスコのコマンドや独自プロトコルについてざっと学んでおくことも大切です。
参考書・問題集を選ぶ際には、最新版の新試験 (200-301) に対応したものを購入しましょう。
一般的に、ネットワーク初心者の方は、最初の1巡目が一番時間がかかるとも言われています。
最初の一巡を終えずに挫折してしまった、との声も散見されますので、まずは全てを完璧に記憶・理解しようとするのではなく、 一通り内容をザッピングする、くらいの気持ちで取り組んでみましょう。
こちらでおすすめの参考書を紹介してるので、参考にしてみてください!
過去問を利用する
シスコ技術者認定では、公式での過去問公開はありません。 また受験者に対して試験問題の漏えいを禁止しているため、正式な手段で過去問を入手することは実質不可能であると言えるでしょう。
しかし、書籍の教科書や参考書には過去問を模したものが付属されていることが一般的で、次項で紹介するおすすめの勉強サイトでも非常に秀逸な練習問題が公開されています。
試験合格には、とにかく過去問に何度も挑戦することが大切です。
ひと通り教科書・参考書にて内容を把握した後は、試験当日までひたすら過去問を解いておくことをおすすめします。
おすすめの勉強サイト
最後に、おすすめの勉強サイト「CCNAイージス」と「Ping-t」を紹介します。
「CCNAイージス」は、CCNAの無料Web教科書です。 個人の方が運営するサイトとなっていますが、市販の参考書や教科書と遜色のないとても充実した内容が記載されています。
CCNAイージスには最新版のCCNA(200-301)の試験範囲のすべての技術解説があり、CCNAイージスだけでCCNAに合格するためのネットワーク知識・技術力を身につけることができます。
「Ping-t」は、ユーザー登録を行うだけで閲覧できる無料Web問題集です。こちらは企業が運営している勉強サイトとなります。
コマ問やドラッグ&ドロップ式の問題も多数掲載されており、実際の試験の雰囲気を掴むことが可能です。
CCNAイージスについての詳しい解説はこちら
CCNAの具体的な勉強方法や試験の注意点などは、こちらで解説してるので参考にしてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、インフラエンジニア・ネットワークエンジニア系の資格として最も有名な資格であるCCNAを解説しました。
是非とも本記事を参考にCCNAを勉強してみてください!