Linuxの資格は、IT分野で活躍したい方にとって重要な要素です。
とはいえ「とくに必要ない」という意見が横行していることも事実で、戸惑っている方もいるでしょう。
この記事では、Linux資格の必要性から学習方法、メリットや活用例について詳しく紹介します。
この記事を読み終えた頃には、IT業界において目覚ましい活躍を実現するためのヒントを得られることでしょう。
また、Linux以外も含めたおすすめのIT資格が知りたい方は下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
Linux関連資格は必須?
結論、必ずしも必要になるものではありません。
ただネットワーク管理者やセキュリティ管理者といった、総合的な管理を行う役職を務めるとき、たいへん有用になります。
また必要性や有用性は、個々のゴール設定や、目指すべき業界の内容によっても変わるものです。
たとえばネットワーク系はもちろんですが、オープンソース技術やクラウドコンピューティングなどの分野でも役立つので、大きな価値をもたらしてくれるでしょう。
したがって、自身の目指すべき分野や興味関心に基づいて、慎重に選択することが大切です。
そもそもIT資格自体取るべきなのか?がわからない方は下記記事も参考にしてください。
Linux関連資格で得られるメリット
資格取得で受けられる恩恵について、代表的なものを3つ紹介します。
Linuxの知見が深まる
取得のための勉強によって、知見が深まります。
実際の学習過程のなかで、Linuxの内部構造や仕組みについて理解を深められるので、高度な任務を担当することも可能です。
そのため試験の結果がどちらに転がっても、実際の現場にてより高いレベルの技術を提供できるようになるでしょう。
外資系企業への転職や海外移住で役立つ
Linuxはグローバルな知名度と需要をもっているので、国内にとどまらない広い土俵での活躍を望む方に向いています。
たとえば外資系企業の多くはLinuxを採用しているので、資格はたいへん魅力的なポイントとして見てもらえるでしょう。
さらに国外に移住するとなったときも、現地での就職や仕事探しにおいて重宝することは間違いないです。
このように、国境を越えた挑戦の心強い味方となってくれます。
サーバーOS関連の市場は拡大している
近年ではビッグデータやIoTの普及により、サーバーOSの関連市場の重要性が急速に増しています。
ここで技術を担保できるものがあると、企業や組織から「信頼できる専門家」として認められ、求人市場での競争力アップが可能です。
さらにクラウドプロバイダーやデータセンター分野への挑戦も視野に入ってくるため、まったくあたらしいキャリアを切り拓くことができます。
代表的なLinux関連資格一覧
Linuxの資格として代表的なものには、以下が挙げられます。
LinuC
LinuC(Linux Professional Institute認定資格)は、Linuxに特化したスキルセットを評価するためのものです。
難易度はレベル1からレベル3までの3つに区分され、レベル1が最も初心者向けとなっています。
Linuxの中でも日本語で受験できる貴重な資格のため、国内へのキャリア展開においてもたいへん有用性が高く、界隈でも馴染み深いことが特徴です。
なお本記事でもこちらのLinuCを強く推奨しており、その理由や特徴については、記事後半でも詳しくご紹介します。
LPIC
こちらのLPIC(Linux Professional Institute Certification)は、カナダのNPO法人Linux技術者認定機関「LPI」が提供する資格です。
国際的に認められていることで知られ、国内外の企業や組織へのチャレンジに有用性を発揮します。
そのため、貴重な挑戦への第一歩を踏み出すにあたって、たいへん価値のある選択となるでしょう。
Red Hat認定資格試験
こちらは企業向けディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」の開発元である「レッドハット」が運営している資格の総称です。
Red Hat認定資格試験には数十種類もの資格が存在しますが、中でも代表的なものとして、
- Red Hat Certified System Administrator(RHCSA)
- Red Hat Certified Engineer(RHCE)
- Red Hat Certified Architect(RHCA)
の3つがあります。
RHCSAは主にシステム管理者としてのあらゆる知識、RHCEはその上位版です。
そしてRHCAは、最難関のプロフェッショナルレベルとなっています。
いずれもRed Hat専門家としての価値を認めてもらえる、有益な資格となるでしょう。
Linux Foundation認定資格
開発や普及を促進する非営利団体「Linux Foundation」が提供するこちらは、とくに産業界での認知度が高いことが特徴。
Linuxの基礎から応用はもちろん、コンテナ技術やブロックチェーンに関する込み入った内容も加わっています。
近年のインフラ分野の実態が濃く反映されており、前述のRed Hat認定資格試験とおなじく実技がメインです。
オープンソースのコミュニティへの貢献度を示すことにも有用で、すこし難易度が高く設定されています。
Linux関連資格をとるならLinuCがおすすめな理由
もしいま「Linuxの資格をとりたい」と考えているなら、前述で紹介した「LinuC」を狙うことが望ましいです。
その理由を以下でご紹介します。
Linux基礎を網羅的に習得できるから
LinuCを推奨する理由は、Linuxの基礎を多面的に習得することができるからです。
LinuCはLPICレベル1やレベル2といった複数のレベルから成り立っており、いろんな側面にわたる知識が求められます。
管理者としての土台をしっかりと築くなら、ベストな選択肢です。
幅広い職種で汎用的に役立つから
LinuCはネットワーク系のほかにも、
- データエンジニア
- ブロックチェーン技術
- クラウドプロバイダ系
など、さまざまな職種で必要とされています。
そのため、多くのIT従事者が目指す「Web系自社開発企業」への転職も、十分に射程圏内に入ってくることも理由のひとつです。
LinuCの特徴
推奨されているLinuCは、以下の代表的な特徴をもっています。
3つの難易度レベルに分かれている
LinuCは、以下の3つのレベルに分かれているのが特徴です。
- LinuCレベル1(LinuC-1)
- LinuCレベル2(LinuC-2)
- LinuCレベル3(LinuC-3)
LinuCレベル3(LinuC-3)になるほど難易度が上がる仕組みになっていて、システムインテグレーションや、認証サーバーの構築などの知見が問われます。
期間内の2種類の試験の合格が必要
LinuC-1とLinuC-2では、2種類の試験の合格が必要です。
どういうことかというと、上記2つははそれぞれ、
- LinuC-1=101試験+102試験
- LinuC-2=201試験+202試験
といったように、2分野の試験で構成されています。
たとえば101試験に合格したら、そこから5年以内に102試験にも合格しないと、「LinuC-1取得」は認められません。
それどころか5年を過ぎると101試験が失効となり、再度試験を受ける必要があります。
ちなみにLinuC-3には、このような期間は設けられていません。
ステータス制度が設けられている
LinuCでは3つのレベルすべてに、
- ACTIVE(活動期間中)
- INACTIVE(活動期間外)
の2つのステータスが設けられています。
これは資格をとってから5年以内なら「ACTIVE」、5年を過ぎていたら「INACTIVE」に変わる仕組み。
つまりは「取得者のノウハウの新鮮さ」をあらわしており、ACTIVEのほうが価値が高いということです。
【難易度レベル別】LinuCの主な試験内容
LinuCの試験内容の違いを一覧でまとめると、以下のとおりです。
主な試験内容 | 試験の種類 | |
---|---|---|
LinuC-1 | 物理および仮想サーバー構築・運用 | ・101試験・102試験 |
LinuC-2 | 仮想マシンおよびコンテナを交えた仮想サーバー構築・運用 | ・201試験・202試験 |
LinuC-3 | OpenLDAPおよびSambaを用いた認証サーバー構築システムぜい弱性および対策の評価 | ・300試験・303試験・304試験 |
LinuC-2はLinuC-1の上位版という位置づけで、LinuC-3になるとさらに範囲が広がり難易度は高くなります。
Linux資格を獲得するための学習方法
Linuxの試験に受かるためには、以下で紹介する学習方法が有益です。
まったくの初心者、そして知見および経験のある方に分けて紹介します。
Linux完全初心者の方の場合
これから初めてLinuxに触れるという方は、「まず実践を優先すべき」といえます。
いきなり試験の問題集を手にとっても、内容を見て意欲が下がってしまう可能性が高いからです。
入門の本を買って、記載のとおり、実際にいま使っている自分のパソコンにLinuxをインストールし、
- どんな雰囲気のものなのか
- どんなことができるのか
を知り、興味をもつことが大切です。
「百聞は一見にしかず」なので、まずは実際に触れてみて、問題集を解くのはその後にしましょう。
Linux完全初心者の方の勉強法については下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
Linux経験のある方の場合
すでにLinuxへの知見や経験がある方であれば、まずは問題集をすべてひととおり読んでみてください。
その中で、これまで関与したことがない分野を見つけ次第、その部分を重点的に学習していく方式にすると、効率のいい学習を実現できます。
その分野の学習が終わったら、ひたすら模擬試験を繰り返しましょう。
Linux資格が活かせる場面・仕事内容
Linuxの資格をとると、次のような場面で活かすことができます。
サーバー管理・運用
サーバーの管理や運用の業務は、まさしくLinux資格を存分に活かせる場面となります。
インストールからパフォーマンス最適化、セキュリティの補填など、いろんなタスクをこなすだけの実力が伴うためです。
クラウド環境の構築・運用
Linuxはクラウド環境の構築・運用にも広く使われているOS。
そのため、この分野における多彩なタスクの処理において、資格は存分に役立つでしょう。
また近年では、クラウド分野の仕事が急激に幅を広げているので、長期的な目線で考えても、取得は有用な選択になるのは間違いありません。
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Linuxの資格についてのQ&A
Linuxの資格にかかわる、よくある質問を見ていきましょう。
とくに難易度が高いLinux関連資格はどれ?
とくに高難易度のものを挙げるなら、以下のとおりです。
- LinuC-3
- Red Hat Certified Architect(RHCA)
- Linux Foundation認定資格
いずれも幅広い知見はもとより、高い技術が求められる、実践メインのものとなっています。
LinuCとLPICはどう異なる?
LPICはグローバル向けに作られている一方、LinuCはコミュニティ向けに作成されているという違いがあります。
難易度でいうとLPICのほうが高いので、これから取得を目指すならLinuCを選ぶといいでしょう。
LInuCとLPICの違いについては下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
LinuCの受験料はいくら?
LinuCは3つのレベルすべてが、受験料16,500円で統一されています。
さらにLinuC-3に関しては、もし不合格になったときの再受験料が、1回限り5,500円です。
他のものと比較しても、たいへん良心的な価格設定といえます。
LPICとLinuCはどっちがおすすめ?
LinuCがおすすめです。
理由は、
- Linuxそのものを深く学ぶことができるから
- 日本語にも完全対応していて受験しやすい
- 受験料も良心的
といったものがあります。
Linuxのプロフェッショナルとして、さらなる高みを目指したい方は、LPICへの挑戦もおすすめです。
まとめ:Linux関連資格をとって多方面で活躍できるエンジニアへ!
Linux資格は、「多方面で活躍できるエンジニア」を目指す方に最適な手段です。
存分に活かすことでネットワークだけでなく、クラウド分野やオープンソースの技術、データセンター業務へ携わることも現実的になります。
ぜひ高い汎用性をもつLinux資格をもち、幅広い分野で活躍するエンジニアになりましょう。