UNIX系のオープンソースOSとして広く親しまれている「Linux」。
IT業界やインフラストラクチャ関係の仕事に従事したい方なら、ぜひ習得しておきたいものではある一方、始めるまでの座敷が高く一歩を踏み出すのに渋っている方も少なくないでしょう。
今回はLinuxの勉強を始めるときに、初心者にとって身に付きやすい学習法などを詳しく解説します。
学習を始める前にかならず頭に入れておきたい情報が満載ですので、ぜひお読みになりご活用いただければと思います。
Linuxとは何か？から始めたい方は、下記記事でわかりやすく解説しているので先に読んでみてください。
Linuxを勉強するときの手順
Linuxを勉強するなら、以下の手順で勉強していくのが効果的です。
- 勉強における目標やゴールを定める
- コマンドをはじめとする基礎をひととおり勉強
- 実際にLinuxをインストールし動かしてみる
- Linuxカーネルを勉強
- プロトコルの分野を勉強
それぞれ、詳細を見ていきます。
勉強における目標やゴールを定める
Linuxの勉強に手を付ける前に、勉強する目標やゴールを定めることが重要です。
はじめのステップとして、自分がLinuxで達成したいことや学びたい領域を設定しましょう。
それによって、学習の方向性や必要なスキルが枝分かれされていきます。
人によって
- 「IT業界に従事したい」
- 「サーバー関連のスペシャリストとして働きたい」
など、方向性は異なります。
また方向性がわかることで、定期的に進捗を見直し、目標に向けて進んでいるかを評価することも可能です。
コマンドをはじめとする基礎をひととおり勉強
次に、入門となるコマンドの使い方やシェルの操作方法を学びましょう。
主にファイルの移動や作成、削除、権限変更など、よく用いられるコマンドに慣れることが目的です。
また、コマンドオプションや引数の使い方にも注意を払いましょう。
さらにシェルスクリプトの作成やパイプライン、リダイレクションといった高度な機能も押さえておくと、より効率的な作業の実現が可能となります。
Linuxコマンドについては、下記記事でさらに詳しく、やさしく解説しているのでぜひ参考にしてください。
実際にLinuxをインストールし動かしてみる
基礎となる情報をひとまずインプットしたら、次に自分のPCや仮想環境にLinuxをインストールしてみることです。
数あるLinuxディストリビューションから好きなものを選び、それに沿ったインストール手順で進めていきます。
インストールの作業も重要な勉強の一環なので、しっかり覚えるつもりでこなすことが大切です。
無事にインストールが終わったら、デスクトップ環境を操作したり、コマンドラインインターフェースに入力してみたりと、実際に体験してみましょう。
頭と体を使った体験は、素早い習得に大きく貢献します。
また、慣れてきたらネットワーキングやサーバ構築など、実務的なプロジェクトに挑戦してみるのもひとつです。
Linuxのインストールについては、下記記事でわかりやすく説明しているので参考にしてください。
Linuxカーネルを勉強
Linuxに実際に触れて体験したら、次のステップは「カーネル」です。
LinuxカーネルはLinuxオペレーティングシステムの核となる部分のことで、システムの動作原理を学ぶなら欠かすことはできません。
まずはLinuxカーネルの概念やアーキテクチャ、主要なサブシステムについて学びましょう。
またカーネルのソースコードの読解やデバッグ方式、ビルドやカスタム、バッジ適用といった実務要件にも、取り組む価値はあります。
不明点があればウェブやコミュニティを活用し、理解を深めることが大切です。
プロトコルの分野を勉強
Linuxの中だと応用知識に該当する、プロトコルおよびネットワークについて学習してみることも大切です。
TCP/IPモデルなど、広く普及された標準プロトコル関連は、Linuxのスペシャリストを目指すなら避けて通れない道となります。
さらにIPアドレス、サブネットマスク、ルーティング、ポート番号などの周辺知識、またプロトコルの分類やパケット解析についても理解が必要です。
プロトコル分野の理解を深めることで、Linuxシステムの運用力を着実に向上させることができます。
Linuxの勉強を行うための手段
Linuxの勉強に手を付けるなら、真っ先に挙げられる手段となるのが以下です。
市販の書籍
市販の書籍は、Linux学習においてぜひ積極的に活用したい手段のひとつ。
豊富な情報と体系的な内容が特徴であり、さまざまなテーマやレベルの書籍が市場に存在します。
自習に適した形式であるため、自分のペースで進めることができ、コマンドをはじめ実用的なプロジェクトの応用力が鍛えられるでしょう。
書籍を選ぶ際には、著者の信頼性や出版社の規模感などを吟味し、納得行くものを選ぶことが大切です。
学習サイト
Linux学習において、学習サイトは活用しない手はありません。
インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスできる手軽さが魅力で、提供されているコンテンツの種類も星の数ほどあります。
基礎のインプットから実務的なアウトプット、ビデオレッスンまで、多様なニーズに沿った学習ができるため、柔軟性と効率性の観点で学習に拍車をかけることが可能です。
ただ、コンテンツの信頼性や品質には十分な配慮を行い、膨大な情報を取捨選択することが重要となります。
プログラミングスクール
プログラミングスクールも、Linuxの勉強において侮ってはならない存在です。
人間の講師による指導や集中的なカリキュラムが提供されているため、短期間で実力を伸ばせることが最大の利点となります。
とくにLinuxに特化したスクールでは、ゼロからの基礎概念はもとより、現場で役に立つ実践力を養えることがポイント。
グループ学習や他の学習者との交流や共有も、学習を捗らせてくれる要素になります。
大きく確実な価値がありますが、そのぶん大きな初期投資が必要になるので、あらかじめ自分の中での必要性を十分に検討しておかなければなりません。
スクールを使うべきか否かは、次章でご紹介します。
Linuxを独学で勉強したほうがいい人
ここでは、スクールを使わず、独学すべき人の特徴を見ていきます。
勉強の費用を抑えたい
勉強にかけられる費用が限られており、なるべく安く抑えるに越したことはないという方は、独学で勉強したほうがいいでしょう。
オンラインの無料リソースやドキュメントをフル活用し、なるべく費用をかけずに学習を進めていってください。
ちなみにオープンソースのLinuxコミュニティは活発に活動が行われており、オンラインでの交流や質問応答の場を提供しています。
マイペースに好きな時間で勉強したい
勉強を始める時間、やめる時間などを定められることに嫌気が指してしまうタイプの方であれば、独学のほうが適しています。
当たり前ですが、独学では自分のスケジュールに沿って勉強時間を細かく調整できることが利点です。
もちろん勉強の範囲も自分のペースによるので、興味のあるトピックを深く探ったり、理解が追いつかない部分を繰り返し学習する時間も確保できます。
他人との関わりを避けたい
チーム学習で他人とのコンタクトを取れることがスクールのひとつの利点ですが、そのような関わりに苦手意識をもつ方ももちろんいます。
なるべく人との交流を避け、黙々と学習に集中したい方ならば、独学という選択肢が最適解です。
独学では、他人とのコミュニケーションや協力を必要としません。
個人的な学習スタイルやプライバシーを重視しつつ、静かな環境で集中して勉強することが可能です。
Linuxの勉強を始めようという方は、下記記事を参考にしてください。
Linuxをスクールで勉強したほうがいい人
かたや独学ではなく、プログラミングスクールを活用したほうがいいのは、以下に該当するような方々です。
勉強時間を短縮し効率よく学びたい
独学をしていく中で、
- 勉強に時間をかけたくない
- ひとりで悶々と悩んでいる時間がもったいない
- 1日でも早く「稼ぐフェーズ」に移行したい
という気持ちが芽生えたら、スクールを活用した方がいいでしょう。
スクールは一人ひとりのレベルに合わせたカリキュラムが用意され、1日、1時間単位でムダのない学習スケジュールを組んでもらえます。
学習スピードと効率を考えると、スクールに勝るものはありません。
わからないことをすぐに質問したい
わからないことを一人で悩むより、分かる人に質問してすぐに解決できる環境は、スクールに投資した人ならではの特権です。
スクールでは経験豊富な講師やスタッフが常に近くにいるので、疑問や困りごとはすぐに聞いて解決できます。
不明点に対して即座にフィードバックを得られるのは、学習の停滞やモチベーション低下の対策となり、理解も早まります。
モチベーション維持に自信がない
独学によるモチベーション維持に限界を感じている方も、スクールを活用したほうが賢明といえます。
スクールでは経験豊富な講師や学習仲間との相互作用を通じて、モチベーションを高めるサポートが提供されています。
また定期的な進捗チェックや目標設定により、学習の進度を管理することも可能です。
励まし合いや学習の意義の共有は、モチベーションの維持に大きな有用性を発揮してくれます。
他人と切磋琢磨したい
Linuxの学習に、他人との切磋琢磨を求める方も、スクールを利用したほうがいいです。
スクールでは同じ志をもつ多くの学習者が集まっており、互いに学び合う環境と設備が整っています。
グループプロジェクトやディスカッションによって意見交換を行い、新たな視点やアイデアを受給できるのは、非常に良い刺激となるでしょう。
ちなみに「他人からの目線がないとダラけてしまう」タイプの方にとっても、スクールの効果は大きいです。
Linuxの資格をとりたい
何らかのLinux資格を狙っている方にとっても、スクールの利用は有益です。
スクールではエンジニア転職のみならず、資格をとるのに重要な実力を網羅的にカバーするコースも用意されています。
さらに資格試験の情報や対策についてのサポートも充実しており、合格への道筋を大きく助けてくれます。
十分な学習のサポートと環境によって、資格取得の確かな一歩を踏み出せるでしょう。
Linuxの資格を目指すなら活学ITスクールへ！
前項で紹介した「Linuxの資格を取りたい」に該当する方は、ぜひ活学ITスクールの利用を検討されてはいかがでしょうか。
日本で初めてのアニメーション動画講習を導入しているため、初学者の感じる「わかりやすさ」に徹底的にこだわっています。
さらに動画は1本10分程度の内容となっているので、集中力の観点でもちょうどよく、スキマ時間の学習にもうってつけです。
カウンセリングは無料なので、どんな方でもどんな悩みでも、お気軽にご相談いただければと思います。
Linuxを勉強する時併せて身につけたいスキル
Linuxを学ぶなら、一緒に覚えておきたい項目として以下があります。
ディストリビューションの操作や種類
Linuxにおいては、どのディストリビューションを選ぶかで使い勝手がまったく違ってきます。
ディストリビューションとは、「Linuxの動作に関連するいろんなソフトウェアの機能」をひとまとめにしたパッケージのことを指し、それぞれが個性豊かな独自の特徴や管理方法をもっているからです。
代表的なディストリビューションには、以下のような種類があります。
- Ubuntu
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL)
- CentOS
- Debian
- Fedora
違いや操作を学ぶことで、実務的な運用能力を養えるようになるので、ぜひ習得したい項目です。
各種サーバー運用に関する知見
Linuxは、コマンドを覚えることがゴールではありません。
コマンドを入力のうえ、システムを構築したり、運用できることが本質です。
そのため、アパッチサーバーやウェブサーバーのインプットも、侮ってはいけない項目となります。
クラウドサーバーが普及しつつある現代ですが、まだまだ自社サーバーを扱っているIT企業は少なくありません。
そのため各種サーバーの知見は、Linuxとともに押さえておきましょう。
データサイエンスの知識
データサイエンスは、データの収集、分析などを通じて、有意義な情報や洞察を得るための手法です。
じつはLinuxはデータサイエンスにおいても広く活用されており、データ前処理やモデリング、分析ツールやライブラリが多く提供されています。
データサイエンスの知識をLinuxの勉強に併せて身につけることで、データ処理や機械学習モデルの構築、クラウド環境でのデータ処理など、実践に必要な能力を培うことが可能です。
Linuxを勉強するときに覚えておきたいこと
Linuxの勉強に手を付けるとき、先に覚えておきたい知識を紹介します。
やりたいことに向けアウトプットするのがもっとも早い
Linuxを勉強するなら、やりたいことに向けてアウトプットするのが、もっとも効率がいいです。
漠然とした「Linuxを覚えたい」という気持ちのもと、テキストを読んだり、講義を受けたりするだけでは、なかなか身につきません。
そうではなく、
- Linuxエンジニアになりたい
- Linuxの資格をとって国外に転職したい
といったゴールから逆算し、必要なタスクを淡々とこなしていくことが、もっとも効率のいい学習です。
ひたすら勉強よりも触って慣れること
ただひたすら勉強するよりも、実際にLinuxを触りながら慣れることが、Linux習得の近道です。
テキストやチュートリアルを読むのは最初だけにとどめ、思うがままに自分の手でコマンドを実行してみましょう。
自由に実践を繰り返すことで、コマンドを理解できるとともに、Linuxの環境に順応できるようになっていきます。
またエラーや問題に直面したら、それを解決するために調べたり、他のユーザーの経験を参考にすることで、理解が深まっていくでしょう。
ダラダラ続けないようタイムリミット設ける
Linuxの勉強では、時間を制限して取り組むことも、効果的な対策として挙げられます。
タイムリミットがないと、時間が許す限りダラダラと学習が続き、効率が落ちてしまうからです。
具体的な対策には、
- 30分〜1時間の学習セッションを設定する
- 今日のタスクを前日に決めておく
- 半年～1年後の取得後の自分をイメージしながら動く
といったものがあります。
時間管理を意識し、定期的な休憩をはさみながら、学習効率をキープしていきましょう。
まとめ：ゼロからLinuxを勉強して知識をつけよう！
ゼロの状態からLinuxを勉強するなら、まず基本的なコンセプトや用語について学ぶことから始めましょう。
インストールや基本的なコマンドの使い方を覚えたら、実際にLinuxを使いながら慣れていくことが重要です。
やみくもに勉強するのではなく、自身の目標を定義しつつ実務的なプロジェクトに取り組むことで、知識の理解は深まっていきます。
定めたゴールから逆算してアウトプットを行い、着実にLinuxを頭に定着させましょう。
