今回の記事は、
- 「サーバーサイドエンジニアって、具体的にどんな仕事をするの?」
- 「未経験から目指すならどうしたらいい?」
といったことでお悩みの方へ向けた記事になります。
サーバーサイドエンジニアという職業に焦点を当て、概要や年収相場、未経験から目指す方法などを徹底解説。
本記事を理解することでサーバーサイドエンジニアへの理解がより深まるため、志すにあたってのハードルも下がるでしょう。
ぜひご一読のうえ、サーバーサイドエンジニアを目指すきっかけにしてください。
サーバーサイドエンジニアはどんな職種?
サーバーサイドエンジニアは、Webサイトやアプリの裏側で稼働するシステムにおいて重宝されている職種です。
主にシステム構築や管理をはじめ、ロジック実装やデータベース設計、API開発といった、現代のテクノロジーにおいて不可欠な役割を担っているといっても過言ではありません。
基本的に仕事はすべて、ユーザーからは直接見えない部分を担当しますが、円滑なシステムの運用には絶対に欠かせない重要な仕事です。
サーバーサイドエンジニアが担当する仕事
サーバーサイドエンジニアが担っている仕事を細分化すると、以下のようになります。
サービスの開発や運用
担っている仕事の1つ目に挙げられるのが、サービス開発や運用です。
開発でいうと主にWebサイト、Webアプリ、APIを担当し、運用ならデータベースやセキュリティ周りを担当することが多くなっています。
サーバーサイドで扱うデータの管理
「サーバーサイドで扱うデータ管理」もサーバーサイドエンジニアが担う仕事のひとつです。
主に開発や運用の作業がひととおり済んだ後に行われるタスクとなり、データの正確性に注意しつつ、効率的なデータ操作を実現するために遂行されます。
たとえば、サーバーサイド技術を駆使して
- データ形式
- 格納の手法
- 抽出の方法
- 最適な環境
などを考慮のうえ、より円滑に業務がこなせるような仕組みを作ります。
万が一トラブルが発生した際は、データの修繕や復旧作業に関わることも、サーバーサイドエンジニアの任務のひとつです。
エラー修正およびデバッグ作業
担当業務の3つ目に紹介するのが、「エラー修正およびデバッグ作業」です。
システムの動作中に発生するエラーやバグを特定し、解決策を見つけるためにデバッグ作業に取り組みます。
具体的にはログの分析やテストの実施、コードのレビューなどを通じ、問題箇所を特定して修正を行う流れです。
エラー修正とデバッグ作業によって安定性や品質が確保されるので、システムを長く愛用してもらうために不可欠なタスクとなります。
ソフトウェアのアップデートやインストール作業
「ソフトウェアのアップデートやインストール作業」も、サーバーサイドエンジニアの重要なタスクの一環です。
最新のソフトウェアやライブラリのバージョン管理を行い、必要なアップデートを実施。
また新しいソフトウェアやツールの導入・インストールも担当します。
さらにシステムに用いられるソフトは、定期的にアップデートが行われるため、それに対応できるよう調整を施すことも役割のひとつです。
ただアップデートするのではなく、処理速度や安定性を考慮しつつ、適切な調整を施さなくてはならないところが大変な点とされています。
サーバーサイドエンジニアが取得すべきプログラミング言語
サーバーサイドエンジニアを目指す、またはサーバーサイドエンジニアとして従事しているなら、以下のプログラミング言語は扱えるようにしておきましょう。
コンパイラ型言語
取得すべきプログラミング言語に、コンパイラ型言語があります。
コンパイラ型言語は「実行前にソースコードを機械語に変換する言語」です。
そのため、実行時の処理速度が速く、CPUなどの負荷が小さいという特徴があります。
コンパイラ型言語の代表的な例には、
- Java
- C
- C++
などがあります。
サーバーサイドエンジニアにうってつけの言語と言えますが、ただ学習のハードルが少し高いという点がデメリットです。
インタプリタ型言語
「インタプリタ型言語」も、サーバーサイドエンジニアが取得すべき言語のひとつです。
こちらは前述のコンパイラ型言語とは異なり、ソースコードを逐次実行する言語となっています。
そのためコンパイラ型言語に比べると実行速度が遅く、メモリ効率が悪い点がデメリットです。
しかしコードを1行ごとに都度実行できるため、動作の確認をこまめに行いながら開発作業ができるうえ、軌道修正も容易なのが特徴。
とくにスクリプトの開発やプロトタイピング開発に適した言語となっています。
代表的な例には、
- Python
- Ruby
- PHP
- JavaScript
といったものがあります。
未経験からサーバーサイドエンジニアを目指す方法
初心者の状態からサーバーサイドエンジニアになるなら、学ぶべきことは以下のとおりです。
サーバーサイドの基礎を勉強する
はじめにサーバーサイドについての基礎を学習することが重要です。
「サーバーサイドとはなにか」からはじめ、それに付随するプログラミング開発言語やフレームワークなどの仕組みを理解しましょう。
セッション管理を学習する
セッションとは、ユーザーのログイン状態や入力内容などを記憶しておく仕組みです。
セッション管理をすることでユーザーがシステムを利用する際に、毎回ログインや入力の手間をかけずに利用できます。
セッションには、大きく以下の2種類があります。
- サーバーサイドセッション
- クライアントサイドセッション
サーバーサイドセッションは、ユーザーのセッション情報をサーバーに保存する、セキュリティ優先の方法。
クライアントサイドセッション管理は、ユーザーのセッション情報をクライアント側のブラウザに保存する、パフォーマンス優先の方法です。
双方の知識をもつことで、サーバーサイドエンジニアとしての大きな成長が見込めます。
プロトコルを理解する
プロトコルの理解は、サーバーサイドエンジニアには必須となります。
プロトコルとは、コンピューター同士が通信するためのルールのこと。
プロトコルを理解することで、コンピューター同士がどのように通信するのかを理解しながら、システム開発を行えます。
プロトコルの代表例は、以下のとおりです。
- HTTP(Webサイトの閲覧)
- HTTPS(1のセキュリティ強化)
- FTP(ファイル転送)
- SSH(システム同士のセキュアな通信)
しっかり理解を深めることで、質の高いサーバーサイドエンジニアを目指せます。
未経験可の求人に積極的に応募する
未経験からサーバーサイドエンジニアになるために重要なのが、未経験可の求人に積極的に応募することです。
IT求人の多くは実務経験者を募集しているのが現状ではあるものの、未経験者の意欲を優先する積極的な企業も少なくありません。
これらの求人に片っ端から応募し、自分がこれまでやってきた学習の成果や、その意欲を存分にアピールしましょう。
ただ未経験可の求人の中には、サーバーサイドエンジニアとしてではなく、まったく別の仕事ばかりを任せる企業もありますので、見極めは大切です。
サーバーサイドエンジニアに求められる能力
サーバーサイドエンジニアに必要とされる能力は、以下が挙げられます。
データベースを扱う技術力
データベースとは、大量のデータを効率的に保存・管理するための仕組みです。
サーバーサイドエンジニアは、それらの種類や仕組みを理解のうえ、適切なデータベースの選定および運用を行う必要があります。
またデータベースの操作方法を習得したうえ、データの登録・更新・削除などの処理を行うことも大切な業務のひとつです。
フレームワークを編集する技術力
フレームワークは開発効率を向上させるための重要なツールです。
自社の要件に合わせてカスタマイズや拡張がかならず必要になるので、必要な変更を加えるためのプログラミング言語やフレームワークの詳細な知識が求められます。
またフレームワークの障害発生時のトラブルシューティングや復旧作業にも対応できる能力が必要です。
円滑な環境構築を行う力
円滑に環境構築を行う能力も、サーバーサイドエンジニアには欠かせません。
そもそも円滑に環境構築ができないと、サーバーやネットワーク、さらにはセキュリティといった大変重要なインフラ部分に、何らかの異常が起きてしまうためです。
また環境構築は、スピーディーなシステム開発作業においても重要となります。
もし何らかのトラブルが生じてしまった場合、開発エンジニアは総じて手を止めることを余儀なくされ、時間とお金のロスが生じてしまうためです。
システム全体を見渡し、問題が発生しないように環境を構築するための技術は、かならず身につけておくべきでしょう。
サーバー関連の知識および技術
求められる能力のひとつに、「サーバー関連の知識や技術」があります。
サーバー関連の知識および技術とは、
- サーバーの仕組みやつくり
- OSやミドルウェアの種類
といった、「サーバーを効率的に扱うために必要な技術」をいいます。
サーバーサイドエンジニアはその名のとおり、サーバーサイドで動くロジックを担当する職種。
これらがあいまいなままでは、プロとして務めるのは難しいでしょう。
プロトコル関連の知識および技術
プロトコル関連も、ぜひ覚えておきたい知識のひとつです。
プロトコルはネットワーク通信やデータのやり取りにおけるルールおよび規約のことを指し、HTTP、TCP/IP、WebSocketなどが代表的な例として挙げられます。
サーバーサイドエンジニアには、これらのプロトコルの基本原理を理解のうえ、効果的に扱うスキルが求められます。
実際のプロジェクトや実践的な学習を通じて、プロトコルに関する知識と技術を磨きましょう。
サーバーサイドエンジニアの気になる年収
IT求人サイト大手「レバテックキャリア」の求人から算出したデータによると、サーバーサイドエンジニアの年収は、おおよそ600〜800万円前後となっています。
さらに年齢や経験によっては400万程度になったり、逆に1,100万円に達したりと、年収の幅やその人のステータスで大きく上下しているのが現状です。
参考:サーバーサイドエンジニアの年収や転職成功のポイントを徹底解説|レバテックキャリア
サーバーサイドエンジニアの需要はこれから伸びる?
サーバーサイドエンジニアの需要は、今後も伸長していくことが期待されています。
理由は大きく、以下のとおりです。
- IT業界全体の安定した需要に伴っている
- Webサービスやアプリの需要の急拡大
- 人工知能やクラウドなどの新技術の発展
そもそもITという莫大な市場が右肩上がりな状態のため、衰退はとても考え難い状況となっています。
またWebの需要の普及度合い、および新たな技術の組み合わせによる可能性の拡大を考慮すると、サーバーサイドエンジニアはますます人材価値が上がる職業と考えていいでしょう。
サーバーサイドエンジニアなら目指したい資格
サーバーサイドエンジニアになりたい場合、以下の資格をとるのがいいでしょう。
MCSA
サーバーサイドエンジニアなら目指したい資格として、MCSA(Microsoft Certified Solutions Associate)があります。
MCSAはMicrosoftの製品やテクノロジーに関連するスキルを評価するための資格。
サーバーやクラウドの製品に精通している証となることから、サーバーサイドエンジニアにとって価値のあるものとなるでしょう。
オラクルマスター
オラクルマスターは、日本オラクル社が定めるデータベース認定試験です。
情報処理のベンダー資格の中では比較的ポピュラーで知名度も高いことが特徴として挙げられます。
サーバーサイドエンジニアである以上、データベースの勉強は避けられないので、必ず役に立つ資格です。
Linux技術者認定試験(LPIC)
とっておきたい資格3つ目は、Linux技術者認定試験(LPIC)です。
Linuxを基盤としたサーバーサイドの設計、構築、管理において長けていることを証明できる、サーバーサイドエンジニア向けの資格といえます。
またこちらの資格は、国際的に認められているので、グローバルな知名度と需要から、国内にとどまらない広い土俵での活躍を望む方に向いています。
たとえば外資系企業の多くはLinuxを採用しているので、たいへん魅力的なポイントとして見てもらえるでしょう。
サーバーサイドエンジニアに関するQ&A
サーバーサイドエンジニアについて、よくある質問を紹介します。
サーバーサイドエンジニアはどんな仕事内容?
システムにおけるロジックやAPI部分など、いわゆる「内部」を担当します。
外装とは異なりユーザーが目にしない部分ではありますが、システムの運用のためには欠かせない仕事です。
サーバーサイドのイメージをもっとつけたいという方は、下記のような会社からサーバーを契約して見てみるのもいいかもしれません。
サーバーエンジニアと何が違う?
サーバーサイドエンジニアは、「すでにでき上がっているサーバー」のうえでシステムの内部を実装していく仕事です。
一方のサーバーエンジニアは、サーバーそのものを建てたり対策を施すのが仕事です。
サーバーサイド言語とはなに?
Webシステムにおいて、「サーバー側で稼働させる処理」を書くための言語をいいます。
具体的にサーバーサイド言語には、
- JAVA
- Python
- Ruby
- PHP
- Go
など、比較的現代を代表するようなモダンな言語が揃います。
まとめ:今後も活躍できるサーバーサイドエンジニアを目指そう!
サーバーサイドエンジニアは、システムの裏側を担うため「縁の下の力持ち」のようなポジションですが、開発には欠かせません。
また今後のIT技術の発展の影響もあって、大きな急伸の可能性も秘めています。
ぜひ業界に必須でやりがいのあるサーバーサイドエンジニアに挑戦してみてはいかがでしょうか。