AIエンジニアの平均年収は？国別・年齢別・企業規模別に紹介

2024年5月30日

「AIエンジニアに興味があるけど年収はいくら？」

「AIエンジニアは高年収を得られる？」

このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

この記事では、AIエンジニアとしてのキャリアを目指す方、既にエンジニアとして活躍している方、そして転職を考えている技術者の方々へ、年収に関する最新情報とアップの方法を詳しく解説します。

なお、未経験の方がエンジニアに転職するのであれば、活学キャリア支援をご活用ください。

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AIエンジニアとは？

AIエンジニアは、AI（人工知能）技術を使用して、ITシステムやソフトウェアを設計・開発・運用するプロフェッショナルです。

データサイエンティストや機械学習エンジニアとは異なる役割を持っています。

AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアの仕事は、AI技術の開発やAIモデルの構築など、研究・開発・教育・実装・調整と多岐に渡ります。

また、実際のビジネスの現場での問題解決にも取り組みます。

機械学習エンジニアやデータサイエンティストとの違い

AIエンジニア	・AI技術全般を扱う専門家・機械学習だけでなく、ニューラルネットワークの設計/開発、音声/画像認識システムの開発など、幅広い分野に関する知識が求められる
機械学習エンジニア	・データの収集や分析を主な業務・データをもとにビジネス上の意思決定をサポート
データサイエンティスト	・データをもとにモデルを訓練し、具体的なタスクを実行する

上記の職種はプロジェクトのなかで連携し、業務を進めることが多いです。

データサイエンティストが得た洞察を基に、機械学習エンジニアがモデル設計。AIエンジニアがそれを実装する流れで業務が進みます。

国内AIエンジニアの平均年収は約539万円

厚生労働省が提供している職業情報サイト「jobtag」によると、国内AIエンジニアの平均年収は約539万円です。

ただし、経験やスキル、所属する企業の規模などによって異なります。

特に大手IT企業やAI技術を積極的に取り入れているスタートアップ企業では、高い年収が期待できるでしょう。

5年以上の経験・実績があるエンジニアであれば、平均年収は800万円以上となることもあります。

参照：jobtag「AIエンジニア」

海外AIエンジニアは年収1,000〜2,000万円も可能

一方で、海外AIエンジニアなら年収1,000〜2,000万円も十分に狙えます。

アメリカの求人情報サイト「Glasdoor」によると、年収の中央値は$217K（約3,000万円）です。

最高年収は$259（約4,000万円）なため、経験を重ねれば3,000万円や4,000万円も夢ではないといえるでしょう。

参照：Glasdoor「Total Salary Range for Glassdoor Machine Lerning Engineer」

【年齢別】AIエンジニアの平均年収

ここからは、AIエンジニアの平均年収を年齢別に紹介します。

20代の平均年収は約350万円
30代の平均年収は約500万円
40代の平均年収は約650万円

20代の平均年収は約350万円

厚生労働省が提供している職業情報サイト「jobtag」によると、20代の平均年収は約350万円です。

20〜24歳が約322万円、25〜29歳が約400万円となっています。

日本人の平均年収が20〜24歳で約273万円、25〜29歳が約380万円であることを考えると、高い水準といえるでしょう。

参照：jobtag「AIエンジニア」
参照：国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

30代の平均年収は約500万円

同じく厚生労働省が提供している職業情報サイト「jobtag」を見ると、30代の平均年収は約500万円とわかります。

30〜34歳が約480万円、35〜39歳が約545万円です。

日本人の平均年収が30〜34歳で約425万円、35〜39歳で約462万円なことを踏まえると、こちらも高い水準といえます。

参照：jobtag「AIエンジニア」
参照：国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

40代の平均年収は約650万円

40代のAIエンジニアの平均年収は非常に高く、約650万円です。

40〜44歳が約650万円、45〜49歳も同じく約650万円となっています。

日本人の平均年収が40〜44歳で約491万円、45〜49歳で約521万円なため、高水準の職種であるといえるでしょう。

参照：jobtag「AIエンジニア」
参照：国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査

【企業規模別】AIエンジニアの平均年収

次に、AIエンジニアの平均年収を企業規模別に紹介します。

100人未満は約490万円
100〜999人は約530万円
1,000人以上は約610万円

以下、それぞれ具体的に説明します。

100人未満は約490万円

求人ボックスによると、従業員が100人以下の企業は、平均年収が約490万円です。

男性なら約520万円、女性なら440万円となっています。

小規模の企業は、資金やプロジェクトの規模が限られることが多く、中規模・大規模の企業に比べると給与が低くなりがちです。

ただ、個々のスキルや経験、業務内容によって大きく異なる場合があるため、あくまで一指標としてみておくとよいでしょう。

参照：求人ボックス

100〜999人は約530万円

求人ボックスによると、従業員が100〜999人の企業は、平均年収が約530万円です。

中規模の企業が小規模企業より年収が高くなるのは、企業が成長フェーズの場合が多いことが理由として考えられます。

技術革新を推進するための投資が活発に行われている結果、エンジニアの年収にも反映しているといえるでしょう。

なお、男性は約550万円、女性は約460万円となっています。

参照：求人ボックス

1,000人以上は約610万円

従業員が1,000人以上いる企業は、平均年収が約610万円と高水準です。

大規模の企業は資金力が豊富なため、大規模なプロジェクトや研究開発に携われる点が理由として考えられます。

高度な技術力を有しているAIエンジニアを集めるために、年収が高めに設定されている可能性が高いです。

男性は約640万円、女性は約510万円となっています。

参照：求人ボックス

なお、1000人以上従業員がおり、AI開発に定評のある具体的な企業別の年収相場は以下のとおりです。

スクロールできます

企業	職種	年収・月収	募集要項など
株式会社DeNA	エンジニア（AIスペシャリスト）	600～1,000万円	https://student.dena.com/job/aispecialist/
ソニー株式会社	AIエンジニア	700万円～（上級）1,000万円～（マネージャー）	https://careers.i-web.jpn.com/s/bosyu/career/search/index.html?job=refine&si1=1
日本電気株式会社（NEC）	AI開発エンジニア・コンサルタント	680～800万円（主任）900～1,100万円（マネージャー）	https://jobs.nec-careers.com/u/job.phtml?job_code=2289
株式会社カカクコム	機械学習エンジニア	月収44.1万円～	https://hrmos.co/pages/kakakucom/jobs/1011006

とくに経験とスキルが求められる中途採用の場合、年収が1,000万円を超える企業も少なくはありません。

【雇用形態別】AIエンジニアの平均年収

ここからは、AIエンジニアの平均年収を雇用形態別に紹介します。

正社員は約598万円
アルバイトは平均時給1,300円程度
派遣社員は平均時給 2,241円程度

以下、それぞれ具体的に解説します。

正社員は約598万円

求人ボックスによると、正社員AIエンジニアの平均年収は約598万円です。

ただ、企業の規模や個人のスキルによって異なります。

正社員でも、年収で1,000万円以上稼いでいる人は少なくありません。

より専門的なスキル・知識を身につけることで、市場価値を高められるでしょう。

参照：求人ボックス

アルバイトは平均時給1,300円程度

求人ボックスによると、アルバイトAIエンジニアの平均時給は1,300円程度です。

日本の最低時給が全国平均で1,004円であることを考えると、高い水準であるといえるでしょう。

参照：求人ボックス
参照：日本労働組合総連合会

派遣社員は平均時給2,241円程度

求人ボックスによると、派遣社員の平均時給は2,241円程度です。

日本の派遣社員の平均時給が1,688円であることを踏まえると、派遣AIエンジニアは高水準であるといえるでしょう。

参照：求人ボックス
参照：エン・ジャパン株式会社「2024年1月度派遣時給レポート」

AIエンジニアが年収を上げる方法

ここでは、AIエンジニアが年収を上げる方法を4つ紹介します。

スキルと実績を積む
外資系企業に転職する
フリーランスエンジニアとして独立する
AIエンジニア関連の資格を取得する

スキルと実績を積む

AIエンジニアの年収には、スキルと実績が大きく関わります。

扱えるスキルを増やし、さまざまな案件に携わって実績を積んでいくことで、年収アップが期待できるでしょう。

AIエンジニアに必要なスキルの幅は広く、機械学習に関する知識やプログラミングスキル以外も大切です。

年収を上げるために、以下のようなスキルの習得を検討してみましょう。

データサイエンス
コンサルティング
マネジメント
IT全般に関するスキル

外資系企業に転職する

外資系企業への転職も、年収を上げるために効果的な手段の1つです。

日系企業よりも、外資系企業の方が給与水準が高いため、転職を成功させることができれば高年収が期待できるでしょう。

高レベルなスキルと実績はもちろん英語力も求められるため、転職は簡単ではありませんが、チャレンジする価値はあります。

AIエンジニアの転職事情については、以下の記事もご覧ください。

フリーランスエンジニアとして独立する

フリーランスエンジニアとして独立することで、年収を上げられることもあるでしょう。

平均年収で比較すれば、正社員よりもフリーランスの方が年収は高くなる傾向にあります。

フリーランスとして活動しているエンジニアは、一定レベル以上のスキルや実績を有しているからです。

スキルや実績に対して年収が思うように上がらない方は、独立も視野に入れてキャリアプランを検討してみると良いでしょう。

フリーランスのAIエンジニアについては、以下の記事もご覧ください。

AIエンジニア関連の資格を取得する

AIエンジニア関連の資格取得が評価につながることもあります。

自分のスキルを証明するための材料になるため、スキルアップ・年収アップの手段として取得を検討してみましょう。

AIエンジニアの資格に関しては、以下の記事もご覧ください。

AIエンジニアのキャリアパス

AIエンジニアとしてのキャリアは、初心者からマネージャーまでさまざまなステージが存在します。

スペシャリストやマネージャーレベルとなると高収入が期待できるので、自分のキャリアをイメージする材料としてください。

初心者

初心者の場合、データの前処理や簡単なモデルの構築、既存のコードの修正や改善などのタスクを担当します。

求められるスキルは、基本的なプログラミングスキル、データベースの基礎知識、簡単な機械学習アルゴリズムの理解などです。

キャリアアップのポイントは、メンターや上司からのフィードバックを活用してスキルを磨くことです。実務経験を積み次のステップへと進みましょう。

中級者

中級者の場合、複雑な機械学習モデルの構築やチューニング、プロジェクトの一部をリードするなどのタスクを担当します。

求められるスキルは、複数の機械学習アルゴリズムの深い理解、データ解析や前処理の高度な技術、チーム内でのコミュニケーション能力です。研修やセミナーに参加することで、専門的な知識を深めましょう。

また、チーム内でのリーダーシップをとることで、マネージメントのスキルを磨いていくことも重要です。

上級者

AIエンジニアは、上級者レベルになると、プロジェクト全体のリードや、新しい技術の導入、チームのメンバーの育成や指導などのタスクを担当します。

機械学習の知識や技術は高度なものが求められることが特徴です。さらに、プロジェクトマネジメントのスキルや、他部署や外部のステークホルダーとのコミュニケーションも円滑にできなければなりません。

企業全体のビジョンや戦略に合わせた技術の提案や導入を行うため、後輩育成や指導を通じて、マネージメントの経験を積む必要があります。

スペシャリストやマネージャー

特定の技術領域におけるエキスパートや、複数のプロジェクトやチームのマネジメントを担当するポジションになれば、高収入を見込めます。

エキスパートの例は、データサイエンティストです。データサイエンティストはAIエンジニアの技術はもちろんのこと、膨大なデータから価値のある情報を抽出するスキルが必要です。さらにプロジェクトの戦略改善に役立つ情報をつかまなければならないため、マーケティング能力やビジネス戦略の知識も有している必要があります。

また、データサイエンティスト以外にも、フルスタックエンジニアを目指すのもおすすめです。AIを利用したサービスの開発に総合的に携わることもできるでしょう。

マネジメントレイヤーの場合、AI開発プロジェクトのマネージャーとして活躍可能です。進捗やメンバー管理を行い、計画通りにプロジェクトを遂行するために全体の指揮をとる仕事となります。

プロジェクト経験を数多く積むことはもちろん、組織全体のマネジメント能力が必要です。