データサイエンスは、近年のビジネスで貴重な役割を果たしています。
その分野でキャリアを始めるには、どのような資格が役に立つのでしょうか。
本記事では未経験者向けに、データサイエンスで重宝する資格について詳しく解説します。
難易度や取得することによるメリットについてもご紹介しますので、データサイエンスへの興味を持っている方は必見。
さまざまな資格の概要や必要スキルを知ることで、自身のキャリアパスを考える手助けになるでしょう。
データサイエンスの世界への一歩を踏み出すための貴重な情報を、ぜひご一読ください。
データサイエンティストの仕事内容とは?
データサイエンティストの仕事内容は、企業や組織のデータを分析し、有益な情報を抽出しつつ、問題解決に貢献することです。
大量のデータを収集・整理し、統計的手法や機械学習アルゴリズムを使用して、傾向やパターンを分析します。
また、データの可視化や報告書の作成も重要な任務。
ビジネス上の問題を理解し、データに基づいた意思決定をサポートします。
さらにデータサイエンティストは
- 予測モデルや推薦システムの開発
- マーケティング最適化
- 顧客行動の分析
など、多様な業務に携わります。
データサイエンスの資格の必要性
先に結論を言うと、データサイエンスにおいて資格は必ずしも必要ではありません。
データサイエンティストは資格ありきの職業ではないため、無資格で従事している方も少なくないからです。
ただ急速に成長を続け、競争が激化している市場で有利になるためには、あって損はないといえます。
データサイエンスの資格では、実用性のあるプロジェクトやケーススタディをとおし、実務で使える技能を磨けます。
その職業を目指す分には必須ではありませんが、自己成長および各数字の向上には、大いに役に立つでしょう。
データサイエンスで役に立つ資格一覧
ここではデータサイエンスの分野で必要とされる、10種類の資格を紹介します。
DS(データサイエンティスト)検定
その名のとおりデータサイエンスに特化した、その分野での技能を評価できる、世界でも珍しい資格です。
データ分析や機械学習の根本となる技能をテストするものであり、データサイエンティストとしての力が試されます。
また統計学やプログラミング、データマネジメントなど、多岐にわたる領域を網羅しています。
合格することで、データの収集や前処理、モデリング、可視化など、データサイエンスのフルサイクルを理解していることが示せるでしょう。
またこちらは産業界や研究機関での信頼性も高いので、就職や自己成長での優位性も高められます。
統計検定 準1級
こちらは統計学および統計的手法をデータ解析に適用する実力を証明する検定です。
データサイエンス分野に従事したいなら、準1級以上を目指すことが理想となります。
この資格統計検定の準1級は、推定、仮説検定、回帰分析、実験計画法データの信頼性や傾向の解析、実験結果の解釈などの力が身につきます。
取得することで、データの分析やモデリングにおいて統計的なアプローチを取る能力がアップするでしょう。
G検定およびE資格
両者ともに、AIに関する実力が試される検定です。
これらの大きな違いとしては、
- G検定…既存のAIを使いこなすスキル
- E資格…AIをゼロから開発するスキル
といったものになります。
双方の検定で試される機械および深層学習は、データサイエンスに必要とされる能力です。
したがって、これらの資格を目指すことは有効といえるでしょう。
どちらも難易度はやや高く、さらにE資格については特定の受験条件があるので、念入りな準備をして望む必要があります。
Python3エンジニア認定基礎試験
Pythonを活用した、幅広い分析能力が試される検定です。
データサイエンスを名乗るなら、プログラミング言語のひとつ「Python」に精通していることが推奨されています。
こちらの言語を適切に扱える能力も養えるので、データサイエンス分野にはぴったりな検定です。
リリースされたばかりの比較的モダンな検定なので合格率は明らかになっていませんが、傾向としては初心者に向けたレベルなので、手始めに挑戦してみるのもいいかもしれません。
OSS DB技術者認定試験 Silver
データサイエンスに従事するなら、データベースに関する一定の実力が求められます。
この検定を受けることで、それらの源となる技能を獲得することが可能です。
本資格のOSSというのはオープンソースという意味で、インターネット上で無料で交付されているものを指します。
データベースの場合、MySQLなどが代表例となるでしょう。
またSilverというのは試験のグレードを指しており、SilverとGoldの2種類が存在します。
Silverのほうが難易度が低いので、まずはこちらに挑戦しましょう。
AWS認定ソリューションアーキテクト
Amazon Web Services(AWS)のクラウドプラットフォームを使用したアプリケーション、およびシステムの展開などに関する技能が試されます。
データサイエンスにおいてクラウドベースのインフラは、大規模なデータ処理や機械学習モデルを実行するのに不可欠です。
こちらの検定により、AWSのサービスを効果的に活用してデータ処理環境を構築し、パフォーマンスを最適化する技能を養うことができます。
情報技術者試験
こちらはIPAが提供している国家試験の総称となります。
数ある検定の中でも、具体的に目指すべきは、
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
が挙げられます。
どちらも「IT従事者なら押さえておきたい基本的な実力」が問われるので、初心者が知識のベースを作るときにもってこいの検定といえます。
この検定で培った技能は、データサイエンスにもしっかり役立てることができるでしょう。
なお応用情報技術者はすこし難易度が高いので、まずは基本情報技術者からチャレンジすることを推奨します。
画像処理エンジニア検定 エキスパート
データサイエンス従事者が必ず行うタスクのひとつ、「画像処理」。
この検定は、その画像処理にフォーカスを当てて用意されたものです。
主に画像処理アルゴリズムの理解や実用技術が試されます。
また画像の特徴抽出、セグメンテーション、機械学習モデル適用など、さまざまな課題への解決策を提供しなければなりません。
グレードは「ベーシック」と「エキスパート」がありますが、エキスパートへの挑戦が望ましいです。
データ解析士 2級
データサイエンスにおいて、データの解析と洞察を得ることは重要な要素。
この検定では統計分析、予測モデリング、可視化技術といった、基本的な解析を実行するための技能が求められます。
また、データの信頼性や傾向の把握、意思決定に基づいた提案など、実務で役に立つデータ解析の実力を磨くことが可能です。
データサイエンス分野に従事するなら、2級以上の獲得を目指しましょう。
統計検定 1級
データサイエンスは、分析力がもっとも大切な要素と言われます。
こちらは、この分析における実力をどれほど保持しているかが試される検定です。
挑戦することで回帰分析、実験計画法、時系列分析、多変量解析などの高度な統計手法を理解できます。
また統計モデルの評価や仮説検定など、統計的な推論を行う技能の向上も期待できるでしょう。
グレードは5級まで存在しますが、即戦力を求めるなら1級は欲しいところです。
データサイエンスの資格をとるメリット
データサイエンスの資格を目指すと、次のような利益が期待できます。
データサイエンティストになれる可能性が高まる
データサイエンティストになれる可能性が高まるため、目指している方にとっては取得は大きなメリットになります。
データサイエンスは未経験や初学の方が従事することは困難なのが現状です。
専門職であり、かつ雇用主は即戦力を求めるので、エキスパートレベルでないと就業の機会を得られない可能性もあります。
そこで一定の知見や意欲をアピールできることで、これまでになかった機会を獲得するチャンスは増えます。
近年着目されている技術に追いつける
ここ数年で急激に伸びてきたあたらしい技術に追いつくことができます。
データサイエンス分野は急速に進化しており、新しいツールや手法が続々と登場しています。
市場からの要求に応えるためには、自身のスキルセットを最新に保つことは欠かせません。
自身の価値を高め、成功への道を開拓するためにも、検定は貴重な要素です。
国境を超えた仕事に従事できることもある
国境を超えた仕事にチャレンジできる可能性が上がることも、大きなメリットになります。
データサイエンスの需要は、いまや国内にとどまるものではないからです。
国内外の企業や雇用主にその専門性を売り出すことで、自身の仕事の幅をより拡大させられるかもしれません。
データサイエンスの資格をとるための学習方法
データサイエンスの検定に受かるために、効果的な勉強法を見ていきます。
オンライン講座を受けてみる
データサイエンスは、初学者がネットの情報源だけで独学で学ぶのは、すこしハードルが高いです。
なので名の知れた大きな規模の機関が運営する、オンライン講座などに投資することをおすすめします。
スケジュールが柔軟なので、時間と場所に制約されないという利点があります。
現代ではさまざまなオンラインプラットフォームや教育機関が、
- ビデオレッスン
- オンデマンドのコンテンツ
- 実践的な課題やプロジェクト
など、多様な教育手法で講座を運営。
自身の興味や目標に合わせ、好きなものを選ぶのがコツです。
学校およびITスクールを活用する
学校やITスクールの利用は、検定に受かるために有効な手段です。
学校では、データサイエンスに関連する学位プログラムやコースが用意されており、体系的な知識の習得が期待できます。
専門の教員や研究者からの指導も受けられるので、基礎から応用まで徹底的に吸収できるでしょう。
一方のITスクールは、独自のトレーニングプログラムによって、実際のデータサイエンスの技能を養えます。
たとえば活学ITスクールでは、理解のしやすさにこだわった独自の動画教材を用いています。
専門学校や大学に通うより安価で済むこともポイントです。
書物を購入して独学に励む
一般的な書店で売られている書籍で独学することも、選択肢に入ります。
いまやデータサイエンスに関する本は書店やネットなどどこでも売られているので、簡単に入手が可能です。
こちらも時間や場所に関係なく、自分のペースでじっくり取り組むことができます。
ただ効率の面では講座やスクールには敵わないので、モチベーションの管理にも配慮しながら継続する必要があります。
データサイエンスの資格の難しさ
データサイエンスの検定といっても種類はさまざまなので、もちろん難易度もまちまちです。
ただあくまで参考ですが、今回の記事で紹介した10個の資格の合格率を平均すると、約45%となります。
合格率が50%を超える初めての方向けの検定もあれば、逆に20%を下回るような検定も存在します。
検定に受かるには、それなりの努力と継続的な積み上げが必須。
種類によっては難解に感じてしまうものですが、自分の身の丈に合わせ、のちのちの成果を楽しみにチャレンジすることが大事です。
データサイエンスの資格はゆくゆく抹消される?
将来的に抹消されるか否か、明確に予測することは困難です。
とはいえ、今後しばらくは抹消されることはないと考えて問題ありません。
データサイエンスは現代において進化と拡大が目覚ましく、いろんな技術が絶えずリリースされている現状です。
またデータに基づく意思決定や予測分析は、近年のモダンな企業の競争力向上や戦略立案において重要な役割を果たしています。
こういった背景から、検定の価値は今のまま維持されるか、高騰する可能性が高いでしょう。
まとめ:資格を取得してデータサイエンティストになろう!
データサイエンスに従事するなら、認定を受けることは重要なプロセスのひとつとなります。
検定は受かって終わりでなく、常に学び続けてモダンなノウハウに順応していくことが求められます。
ただ、認定を受けることで現場で戦力として数えられる人材になれるうえ、自信が生まれてそれがパフォーマンスにも直結するものです。
データサイエンティストになるための第一歩として、ぜひ検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。