技術や科学の原則を活用して問題を解決したり、革新的な製品やサービスを作り出す「エンジニアリング」。
この記事ではエンジニアリングの意味を探りながら、主要な7つの種類とそれぞれの人気の理由について解説していきます。
エンジニアリングは近年、私たちの日常生活や産業に大きな影響を与えており、その重要性がますます高まっている一方です。
今後の社会をよりよくするエンジニアリングの魅力について、深掘りしていきましょう。
エンジニアリングとはどういう意味？
エンジニアリングは、科学と数学を応用して問題を解決したり、新しいイノベーションを生み出すためのための技術の総称です。
さまざまな分野や専門知識を活かして、課題を解決するために
- 設計
- 開発
- 構築
- 改良
などを行うのが、主な仕事となります。
ちなみに、エンジニアリング（Engineering）という単語を直訳すると「工学」という意味。
ただエンジニアリングは工学以外にも、交通や電力、通信、医療といった事業においても使われることから、幅広い意味をもつことも事実です。
エンジニアリングはいまや私たちの生活に不可欠であり、社会や産業の進歩を牽引しているといっても過言ではありません。
主なエンジニアリングの種類7つ
ここからは、主要なエンジニアの種類を7つご紹介します。
ITエンジニアリング
ITエンジニアリングは、情報技術を活用してソフトウェアやシステムを開発する分野です。
具体的にはプログラミング言語やデータベース知識を駆使し、企業や組織のニーズに合ったソリューションを提供するのが主な仕事となります。
ITエンジニアリングといっても、
- Web
- アプリケーション
- ネットワーク設計
- ほか
など、その領域は複数に細かく分かれているのが特徴。
技術の進化に迅速に対応する必要があり、新しいことへの好奇心と学習意欲が求められます。
またコミュニケーション能力や問題解決力も重要であり、チームとの協力も欠かせません。
ITの発展が進む現代において、ITエンジニアリングは必要不可欠な職種です。
機械エンジニアリング
機械エンジニアリングは、主に機械や機構における
- 設計
- 製造
- 運用
- 操作
- メンテナンス
に関わる分野です。
機械エンジニアは、機械部品やシステムの設計図を作成し、性能や耐久性を考慮しながら最適な設計を行います。
自動車や航空機、ロボットなど幅広い分野で活躍しており、安全性や品質の向上に貢献。
さらに材料の選定や製造プロセスの改善も行っており、効率的な生産を目指すのが主な目的です。
数値解析やCADなどのツールを使いこなす技術力、そしてチーム同士で強調する力が求められます。
電子・電気エンジニアリング
電子・電気エンジニアリングは、電子回路や電気システムの設計、開発、保守に関わる分野です。
電子部品や回路を組み合わせて電子機器や制御システムを構築するのが、メインの仕事内容となります。
具体的にはパソコンやスマートフォンをはじめとする通信技術や制御システムの開発に、深い関連があります。
最新のデジタル技術やマイクロプロセッサの知識、プログラミングや回路設計のスキルも求められます。
またチーム連携やプロジェクト管理にも注力しつつ、クライアントのニーズを満たすソリューションを提供する、やりがいのある仕事です。
電子・電気エンジニアリングは現代においても、電子機器やエネルギーの基盤を支える重要な役割を果たしています。
化学エンジニアリング
科学エンジニアリングは、あらゆる分野のプラント業務がメインの目的です。
担当する分野は科学はもとより、製薬や建築、食品加工、電気、土木のほか、多岐にわたります。
具体的には化学反応の設計や装置の設計、および生産プロセスの改善などが主な仕事です。
さらに材料の選定や試験、環境への影響評価も、科学エンジニアの重要な任務のひとつとなります。
最新技術や環境への配慮が求められるほか、人々の安全・安全にも直結するため、社会貢献度は高いといえるでしょう。
プラントエンジニアリング
プラントエンジニアリングは、その名のとおりプラントの設計、建設、運営を担当する分野です。
具体的には、
- 効率的なプロセスフローの設計
- 的確な装置の配置
- 安全性の確保
- 生産性および品質向上
などがメインの業務となります。
主に化学、石油化学、製薬、エネルギーなどの産業分野で幅広く活躍しており、いまやなくてはならない存在となっています。
また最新技術や持続可能エネルギーに対する関心も高まっており、エネルギー効率や環境負荷の低減にも積極的です。
レコーディングエンジニアリング
レコーディングエンジニアリングは、主に音楽の分野における職種です。
メインの業務を分類すると
- 音楽・音声の録音
- 編集
- ミキシング
- マスタリング
- セッション・スケジュール管理
などが挙げられます。
レコーディングエンジニアは、スタジオやライブイベントにて、音響機材のセットアップや調整を行います。
マイク配置や音響処理、ミキシング機器などを駆使し、アーティストの意図や楽曲の要素を最大限に引き出すのが目的です。
また、録音セッションの管理やスケジュール調整の能力も欠かすことはできません。
最新のデジタル技術やオーディオ機材の知識を武器とし、クリエイティブな視点で音響制作に取り組んでいます。
シビルエンジニアリング
シビルエンジニアリングは、建築物やインフラストラクチャーの設計、建設、維持管理を担当する分野です。
主なシビルエンジニアの業務は、
- 道路
- 橋
- ダム
- トンネル
といった、公共事業や建築物の構造設計や施工計画となります。
さらに土壌調査や地震などの自然災害対策、持続可能な開発への配慮も重要な任務として担っています。
また最新の技術や地域のニーズに応えつつ、より便利で快適なインフラ整備に取り組んでいるのも特徴。
都市開発や交通インフラ、環境保護などの分野で活躍していることもあり、社会貢献度の高い職業といえます。
エンジニアリングが担う職務とは
エンジニアリングが担う主な職務の共通点を、3つご紹介します。
作業効率や生産性を上げる
作業効率や生産性の向上は、エンジニアリングが担う重要な職務のひとつ。
エンジニアは効率的なプロセスやシステムを設計し、作業フローを最適化することで、時間とコストの削減を実現しています。
たとえば、世の中のあらゆる企業は
- プログラミングで毎日のタスクを自動化
- 業務管理アプリで進捗を一元管理
など、エンジニアリングによって計り知れないほどの恩恵を受けていることは間違いありません。
エンジニアリングの技術革新、また最新のテクノロジーによって、この流れはさらに加速していくでしょう。
普段の生活の利便性を上げる
エンジニアリングは、私たちの普段の生活の利便性向上にも重要な役割を果たしています。
実際に情報技術エンジニアは、インターネットを発展させることで、
- わからないことはネットで調べる
- 店舗よりも安いネットで買う
- チャット形式で気軽に連絡をとる
- リアルタイムでより新鮮な情報を入手する
- 定額で音楽や映画を好きなだけ楽しむ
など、私たちの普段の生活の利便性を激的に向上させました。
エンジニアたちは、職種ごとの技術を駆使し、私たちの生活の利便性向上に大きく貢献しています。
コミュニケーションにおける選択肢が増える
コミュニケーションにおける選択肢の増加も、エンジニアリングが担う職務のひとつです。
情報技術エンジニアは、新しいコミュニケーションツールやプラットフォーム開発により、私たちの選択肢を圧倒的に広げました。
具体例として、現代では
- ソーシャルメディア
- メッセージングアプリ
- ビデオ会議ツール
などの普及により、遠く離れた人々ともリアルタイムで交流可能です。
このようにエンジニアは、技術の進歩と創造性を結びつけることで、より多様で豊かなコミュニケーションの実現を果たしています。
エンジニアリングに人気が集中する理由
エンジニアリングの人気が高まる理由は、大きく以下の5つです。
未経験からでも目指しやすい
エンジニアリングが人気を集める理由は、未経験者でも比較的容易に参入できるからです。
いまや書籍はもちろん、オンライン教材やスクールが充実しているため、自己学習を始めるハードルは下がっています。
また多様な分野や専門化が存在し、個々の興味や適性に合わせてキャリアを選択できることもポイント。
技術の進化と需要の増加も魅力であり、今後の成長性も期待されます。
高い将来性があって安定している
エンジニアリングに人気が集中する理由は、その高い将来性と安定性にもあります。
エンジニアは技術の進化に常に関与しているため、日に日に需要が増え続ける一方です。
近年ではAI、データサイエンス、エネルギーなどの分野でとくに求人数が増加しており、将来的なキャリアの安定性が期待できます。
この影響から、エンジニアは高い報酬や成長の機会を享受できることも、人気の秘訣です。
新しい技術の導入や生産でやりがいがある
新しい技術の導入や生産におけるやりがいも、エンジニアリングが人気の理由です。
エンジニアは常に最新のテクノロジーやイノベーションに直に関わります。
新しい技術やシステムの開発に携わることで、自身の創造性や能力を養えることは、大きなやりがいといえるでしょう。
また自分のアイデアや設計が、現実の製品やサービスとして具現化する喜びは、エンジニアならではの醍醐味です。
職種によっては時間と場所を問わず働ける
エンジニアリングが人気を集める理由に、時間と場所に制約されずに働けることがあります。
たとえばITエンジニアは頭脳労働がメインのため、PCなどのデジタルデバイスひとつで場所や時間を問わず就業可能です。
通勤時間やオフィス環境から解放された柔軟な働き方は、多くの注目を集めました。
コロナウイルスが5類に移行し、もとの日常が戻りつつある現在でも、その快適さを求めたり、手放せない方は多数を占めます。
圧倒的な需要の高さで常に人員不足
圧倒的な需要の高さと人員不足も、エンジニアリングの人気の理由です。
現代社会ではとくにIT需要の急激な高まりから、エンジニアの専門知識とスキルが必要不可欠となっています。
このためエンジニアは市場価値が高く、求人数が供給を上回っている現状です。
その結果、比較的高い給与や好待遇が提供されることが多く、安定したキャリアパスが期待できます。
エンジニアリングに向いている人の共通点
エンジニアリングに向いている人の共通点として、大きなものを5つご紹介します。
好奇心をもって新しいことや変化を学べる人
好奇心をもち新しいことや変化を学ぶ意欲がある人は、エンジニアリングに向いています。
エンジニアは常に技術の最先端に立ち、新しいアイデアや革新的な解決策を求められます。
そのような職業柄もあり、探究心や好奇心が重要な要素となるからです。
また好奇心だけでなく、変化に対して柔軟であることも重要。
テクノロジーは日々進化を繰り返すため、継続的な学習と適応能力は必須といえます。
普段から効率化や自動化を考えられる人
普段から効率化や自動化を考えることができる人も、エンジニアリングに向いているでしょう。
わかりやすく言い換えるなら、めんどくさがりな人です。
日常のルーティンやタスクを当たり前と思わず、「もっとラクするにはどうすればいいか」と解決策を思考する力は、エンジニアとして必須といえます。
エンジニアリングは、人々の生活を便利（ラク）にするのが目的。
そのため自動化や効率化の方法を普段から考えられる人は、エンジニアとしての適性があります。
ものごとをロジカルに考えられる人
ものごとをロジカルに考えられる人は、エンジニアリングに向いています。
エンジニアは問題解決に取り組み、システムやプロセスの設計を行うのが仕事。
複雑な課題や抽象的な概念を論理的に分析し、解決策を導き出す能力が求められます。
ここで役に立つのがロジカルな思考力であり、現にエンジニアは論理的思考や分析力を駆使し、課題を細部まで追求します。
またエンジニアは、複数のアイデアを組み合わせてシステムを構築するため、システムの全体像を把握したうえ、パーツ同士の関連性を理解するスキルも必要。
ロジカル思考をもちながらも、創造性や革新性も併せもつ人は、確実にエンジニアリングに向いている人材です。
コミュニケーション能力に長けている人
エンジニアリングには、コミュニケーション能力も重要な要素となります。
エンジニアは基本的にチームやクライアントとの協力があって成り立つ仕事なので、コミュニケーションは必要不可欠です。
もはや、開発作業やプロジェクトの成否を分けるのは、円滑なコミュニケーションといっても過言ではありません。
コミュニケーション能力の他にも、
- プロジェクトメンバーを牽引する主導力
- クライアントのニーズを深く理解するヒアリング力
- ニーズを理解した上での提案力
などもあれば、言うことなしでしょう。
集中力と柔軟な判断力のある人
エンジニアリングに向いている人の共通点として、集中力と柔軟な判断力をもつことも挙げられます。
エンジニアは複雑な問題に取り組み、技術を駆使して課題を解決する職業柄のため、高い集中力が求められるからです。
また、エンジニアは状況に応じて柔軟に判断を下す能力も必要です。
たとえば実際のIT現場のプロジェクトでは、
- クライアントの要望
- メンバーの欠落
など状況は常に変化し、課題は次々と出てくるもの。
そうした場面における柔軟な思考や判断力がある人は、エンジニアリングに向いています。
まとめ：社会をよりよくするエンジニアリングを目指そう
エンジニアリングは技術革新と創造力を活用し、社会の課題解決や発展に貢献する仕事です。
常に最新技術と共存するエンジニアリングは、技術の進化が目まぐるしい現代において、もっとも将来性の高い職業といってもいいでしょう。
また自分のアイデアや創造性が形になり、社会に貢献できる実感は、エンジニアリングならではの醍醐味です。
エンジニアリングを目指し、社会をよりよくするプロセスに携わってみてはいかがでしょうか。
