ネットワークエンジニアに関心をお持ちの場合、「年収がどれくらいか」というのも気になるでしょう。
ネットワークエンジニアの年収は、年齢や作業工程などによっても左右されます。
本記事では、ネットワークエンジニアの実際の平均年収について紹介します。
他のエンジニアにも関心をお持ちの方は、こちらの記事もよく読まれていますので、ぜひご覧ください。
ネットワークエンジニアの業務とは
まず、ネットワークエンジニアの業務について紹介します。
業務内容
ネットワークエンジニアの業務は、コンピューターや電子機器をつないだ「ネットワーク」を設計・構築することです。
クライアントの要望に合わせて最適なネットワーク環境を提供するには、高度な技術が求められます。
また、構築したネットワークが正常稼働を続けるように運用・保守することも業務の一環です。
運用・保守は、既に完成したネットワークの監視業務などになるため、未経験の人や経験が浅い人も担当しやすい特徴があります。
エンジニアと聞くと、「常にパソコンに向かって仕事をしているイメージ」を持つ人もいるでしょう。
しかし、ネットワークエンジニアはLANケーブルやルーターのような実物の機器を扱う職種です。
ネットワークエンジニアの具体的な業務については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
サーバーエンジニアとの違いは?
ネットワークエンジニアと似た職種に「サーバーエンジニア」があります。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアは、総称して「インフラエンジニア」と呼ばれます。
サーバーエンジニアの業務は、サーバー(データや情報などを提供するコンピューター)の構築・運用です。
ネットワークエンジニアは、サーバーエンジニアが設計・構築したサーバーをつなげるのを担当します。
サーバーエンジニアの業務については以下の記事でも紹介していますので、詳しく情報収集したい場合はぜひご覧ください。
ネットワークエンジニアの年収は?
では、実際にネットワークエンジニアの年収はどれくらいなのでしょうか。
「全体」「年齢・男女別」「作業工程別」「企業規模別」の平均年収を紹介します。
ネットワークエンジニア全体の平均年収
ネットワークエンジニア全体の平均年収は、448.3万円です。
また、年間ボーナス平均額は134.5万円です。
年収分布は300万円台が最多の30%、次に400万円台が22%、500万円台が17%となっています。
出典:doda職種図鑑
年代・男女別 ネットワークエンジニアの平均年収
年代・男女別で見るネットワークの平均年収は、以下になります。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 526万円 | 343万円 |
25~29歳 | 540万円 | 415万円 |
30~34歳 | 520万円 | 411万円 |
35~39歳 | 537万円 | 479万円 |
40~44歳 | 600万円 | 534万円 |
45~49歳 | 685万円 | 612万円 |
50~54歳 | 755万円 | 676万円 |
55~59歳 | 747万円 | 669万円 |
60~64歳 | 484万円 | 431万円 |
20代から50代になる過程で、男女ともに年収が上がっていく傾向がわかります。
出典:年収.JP
作業工程別 ネットワークエンジニアの平均年収
作業工程別で見るネットワークエンジニアの年収は、以下になります。
作業工程 | 平均年収 |
---|---|
設計・構築 | 471万円 |
保守・運用・監視 | 369万円 |
上流工程(設計・構築)と下流工程(運用・保守・監視)どちらを担当するかで、大きく年収が変わってきます。
上流工程は高い技術を必要とする分、年収も高くなります。
出典:転職会議 ネットワーク設計・構築の年収まとめ
転職会議 ネットワーク運用・保守の年収まとめ
企業規模別 ネットワークエンジニアの平均年収
企業規模別でもネットワークエンジニアの平均年収を見てみましょう。
企業規模 | 平均年収 |
---|---|
大規模 | 760万円 |
中規模 | 629万円 |
小規模 | 570万円 |
上の表から、企業規模に比例して年収も高くなる傾向がわかります。
出典:年収.JP
ネットワークエンジニアで年収アップする方法
ネットワークエンジニアで年収アップするための方法について紹介します。
先に見てきたとおり、もちろん年齢や企業規模に伴った年収アップも期待できますが、自発的に年収アップを目指すのも良いでしょう。
努力によっては、年収1,000万円を超えることも可能です。
社内評価を上げる
まずは、自身の社内評価を上げるのが一つの方法です。
社内評価が高くなれば、給料やボーナスの昇給を期待できます。
所属企業の評価基準を意識して、昇給の条件を満たすことを目標にしましょう。
社内評価を上げるためには、現在以上に高いスキルを身に着け、社内で欠かせない人材になることです。
現在の作業工程が下流工程(運用・保守・監視)の場合は、上流工程を目指すのも選択肢です。
転職する
転職するのも一つの方法です。
現在の所属企業よりも年収条件が良い企業へ転職できれば、すぐに年収アップを実現できるでしょう。転職するのであれば、若いときの方が有利になります。
しかし、場合によっては現在の所属企業で上位の役職を目指す方が、年収アップできることもあります。
転職後に「前の企業の方が良かった」と後悔しないように、慎重に考えたうえで転職活動を進めましょう。
フリーランスへの転身
フリーランスへの転身も選択肢です。
昨今、フリーランスとして働くネットワークエンジニアも増加傾向にあります。
業務の獲得やスケジュール管理などにおいてすべて自分の裁量次第ですが、企業で働くとき以上に業務量を増やすことも可能です。
そのため、たくさんのクライアントから高単価案件を獲得できれば年収1,000万円を目指すのも夢ではありません。
しかし、会社員のように毎月決まった給料をもらえる安定がない点も考慮し、フリーランスへ転身する際は慎重に考えましょう。
最初からフリーランスを目指すのではなく、副業として少しずつ案件を獲得し、ゆくゆく独立する計画を立てるのも良いでしょう。
フリーランスの案件を探す際は、クライアントとネットワークエンジニアを仲介する「マッチングサービス」などを利用するのがおすすめです。
単価や必要稼働時間などの条件を吟味しながら、自身に合った案件を探していきましょう。
リモート案件であれば、自宅で働くこともできます。
海外で働く
海外企業で働くのも選択肢です。
高度なIT技術を扱うアメリカや中国などの企業に採用されれば、日本企業で働くよりも年収アップが見込めます。
ただし現実的に、海外企業への転職は高いスキルを持つ人材のみへ開かれた狭き門です。
また、ネットワークの技術のみならずビジネスで使うレベルの語学力も必要です。
資格を取得する
資格を取得することも、年収アップにつながります。
資格は自身のスキルや知識を手っ取り早く証明できる手段で、勉強の際に得た知識は日々の業務にも役立てられます。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
ネットワークエンジニアになる魅力
ネットワークエンジニアは、技術と実績により高収入を得られる職種です。
年収はシステムエンジニアよりも高い傾向にあるため、システムエンジニアからネットワークエンジニアを目指す人もいます。
反対に、未経験で無資格のネットワークエンジニアの場合、年収が低めになるのも実情です。
自分の努力はきちんと年収に反映されることを念頭に、ぜひ技術・実績を高めて年収アップを目指しましょう。
また、ネットワークエンジニアは収入面以外でも魅力・将来性のある職業です。
ネットワークエンジニアの将来性に関しては、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
ネットワークエンジニアの転職傾向
ネットワークエンジニアの転職事情はどうでしょうか。
ネットワークエンジニアへ転職した人は、前職もネットワークエンジニアもしくはIT・通信系エンジニアだった傾向があります。
doda職種図鑑「ネットワークエンジニアの前職調査」の結果によると、最多なのは「ネットワークエンジニア」32.5%でした。
また、2位以下でもIT・通信系エンジニアが多く「社内SE」が25.0%、「サーバーエンジニア」が15.6%、「テクニカルサポート・ヘルプデスク」が5.0%、「品質管理(IT・通信)」が2.5%という結果です。
そして、ネットワークエンジニアが転職する際も、再びネットワークエンジニアかIT・通信系エンジニアとして働く傾向があります。
doda職種図鑑「ネットワークエンジニアの転職後の職種調査」の結果によると、「ネットワークエンジニア」が33.8%で最多でした。
2位以下については、「社内SE」が25.3%、「サーバーエンジニア」が16.9%、「アプリケーションエンジニア」が8.4%、「データベース セキュリティエンジニア」が4.5%になっています。
出典:doda職種図鑑
ネットワークエンジニアの転職事情については、こちらの記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
まとめ
ネットワークエンジニアの年収は、年代や作業工程によっても変わってきます。
また、ネットワークエンジニアの年収アップを実現するにはさまざまな方法があり、どれが最適かは人によって異なります。
転職やフリーランスへの転身を目指す場合は、リスクも伴うので慎重に考えましょう。
年収アップを狙う際は、後先のことまでよく考えることも大切です。
そこでまずは、社内評価を上げることや資格取得などリスクの少ない方法を検討するのも良いでしょう。
努力次第では1,000万円以上の年収も稼げるネットワークエンジニア。
需要が高く安定した職種であるため、自身の努力次第で年収アップできる可能性が開かれています。