高卒でプログラマーを目指す場合、「大卒と比べて就職やキャリアの面で不利なのでは?」と不安をお持ちの方もいるかもしれません。
プログラマーに興味があっても、採用されるかわからないと行動に移しづらいですよね。プログラマーは学歴より実力や意欲が重視されるため、高卒でも目指せます。
ただし大卒者と比べて不利な面が存在するのも事実です。
この記事では、高卒プログラマーの厳しい現実や解決策、プログラマーとして成功するポイントを解説します。
高卒でプログラマーを目指す方はぜひ参考にしてください。
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高卒でもプログラマーに挑戦できる3つの理由
高卒でもプログラマーを目指せる理由は、主に以下の3つです。
- IT業界が人手不足で需要があるから
- ITスキルを身に付ける環境が充実しているから
- 学歴よりも意欲を重視する企業があるから
それぞれ具体的に解説します。
1.IT業界が人手不足で需要があるから
IT業界では人材不足の問題に直面しており、エンジニアの需要が高まっています。
IT市場は拡大を続けているため、需要に供給が追いついていないのが現状です。
経済産業省が2018年に実施した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると見込まれています。
とくに、高度な知識やスキルが求められるプログラマーの不足は顕著です。
プログラマーの不足により、企業は学歴を問わず採用しないと追いつかない状況にあります。
参照:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
2.ITスキルを身に付ける環境が充実しているから
IT人材の需要の高まりに合わせ、IT人材を育成するための学習サイトやスクールも充実しています。
無料のプログラミング学習サイトを活用すれば、時間や場所を選ばず、自分のペースでプログラミングスキルを学べます。
プログラミングスクールは、プロの講師のもとで効率的に学べる点がメリットです。
中には転職サポートが受けられるプログラミングスクールもあり、イチからプログラミングを学び、キャリアチェンジを目指す人々をサポートしています。
3.学歴よりも意欲を重視する企業があるから
企業によっては、学歴よりも成長意欲がある人材を採用したいと考えています。
プログラマーにとって、成長意欲は不可欠だからです。
IT業界は技術やトレンドが急速に変化するため、知識や情報のアップデートが必須です。
プログラマーは世の中のスピードに合わせて、スキルと知識を高めていかなければなりません。
学ぶ意欲がなければ長続きしないため、企業は意欲を重視する傾向にあります。
「なぜプログラマーを選んだのか」「プログラマーになるためにどのような努力をしたのか」を採用担当者に伝え、成長意欲をアピールすることが重要です。
高卒プログラマーが知っておくべき厳しい現実
高卒でもプログラマーを目指せる一方で、以下の厳しい現実も知っておく必要があります。
- 大手企業への就職は難しい
- 書類選考の時点ではじかれる可能性がある
- 自己学習が必要
- 年収は大卒に比べると低い
- 忙しく残業や休日出勤が多い可能性がある
詳しくみていきましょう。
大手企業への就職は難しい
高卒でプログラマーを目指す場合、大手企業への就職は難しいでしょう。
大手企業は応募者が多いため競争率が高く、企業側も人材を選びやすいです。
多くの応募者から人材を選べるため、高学歴・経験豊富な人材が優遇されます。
さらに以下のような理由も挙げられます。
- 大手企業は上流工程の業務が多く、高卒に向かない仕事がある
- 大手企業の上層部には年配者が多く、学歴を重視する風習が存在する
- 高卒者は大卒者と比べて経験不足を懸念される傾向にある
大手企業はプログラマーの仕事を外部の企業に委託することが多く、自社でプログラマーを直接採用する機会が少ない現状もあります。
書類選考の時点ではじかれる可能性がある
企業によっては、書類選考の時点で大卒者を優先している可能性があります。
一般的に大卒者は、幅広い教養や知識を身に付けているとみなされるためです。
大学のゼミや研究室では、特定のテーマについて研究することで、情報収集能力や分析能力、論理的思考やプレゼンテーションスキルなどが磨かれます。
アルバイトやサークル活動を通じて、コミュニケーション能力も鍛えられます。
これらのスキルはプログラマーがタスクを効率的に進めたり、チームでの作業をスムーズに進めるために必要です。
そのため、これらのスキルをすでに習得していることが期待できる大卒者は、企業にとっては魅力的な存在となるのです。
自己学習が必要
高卒未経験でプログラマーを目指す場合、独学やスクールでのプログラミング学習が必要です。
独学でプログラミングを学ぶ場合、どの言語を習得するべきか、どの教材を使うべきかなどの判断が難しいもの。
予期しないエラーやバグを解決できず挫折してしまう人が大勢いるのも現状です。
必要なスキルや知識を効率よく習得するためには、プログラミングスクールに通うことも有効です。
スクールでは疑問点や不明点をすぐ講師に質問でき、独学と比べて挫折せずに学習を進められます。
研修制度が充実している企業を選ぶことも有効です。
年収は大卒に比べると低い
学歴を重視する企業は、大卒者の人材を集めるために大卒の給与を高めに設定することがあります。
厚生労働省の統計調査によると、2022年の高卒と大卒の初任給(男女)の差は以下の通りです。
- 高卒:18万1,200円
- 大卒:22万8,500円
この結果は、大卒の初任給が高卒と比べ明らかに高いことを示しており、多くの企業が大卒の学生の能力を高く評価していることがわかります。
しかし、この初任給の差は、あくまで入社直後のものです。
入社後はスキルを磨き、キャリアアップに努めることで、高卒者でも大卒以上の収入を得られる可能性があります。
参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査(新規学卒者)」
忙しく残業や休日出勤が多い可能性がある
プログラマーとして就職すると、忙しくなる可能性があります。
これには、IT業界が多重請負構造であることが関係しています。
多重請負構造とは、受注会社が発注会社から受託した業務の一部を、下請けの会社へ委託する構造のことです。
一つのプロジェクトを複数の企業が協力して遂行する形態で、IT業界ではよく見られます。
一見効率的に思えますが、再委託が増えるほど下の階層の下請け企業が受け取る利益が少なくなります。
そのため下請け企業の従業員は、低賃金で長時間働く状況になることがあるのです。
とくに、受注会社に対して立場が弱く、言いなりになっている企業の場合、スケジュール管理ができず残業や休日出勤で対応せざるを得ないこともあります。
学歴不問で賃金の安いプログラマーを雇い、長時間労働を強いる企業(いわゆるブラック企業)も存在します。
そのような企業に就職しないためにも、会社選びは慎重に行いましょう。
高卒プログラマーの求人で働きやすさをチェックするポイント
「高卒プログラマーに厳しい現実」を解消するためには、会社選びが重要です。
「高卒でも雇ってくれるから」と安易に会社を決めると、入社後のキャリアパスや働き方に影響する可能性があります。
プログラマーにとって働きやすい会社(ホワイト企業)を見極めるポイントを紹介します。
二次請け案件の比率が多いか
三次請け・四次請などの下請け企業を避け、二次請け案件を多く受注している企業を選びましょう。
企業の主要取引先を調べることで、二次請けかどうか判別できます。
二次請け企業では、一次請け(元請け)企業から受注した案件の開発業務を担当します。
プログラミングなど実務を担当できるため、プログラマーとしてのスキルが身につきやすい点がメリットです。
顧客と直接やり取りを行うことで、プロジェクト全体のマネジメント能力や交渉力も磨かれるでしょう。
三次請け・四次請けなどの下請け企業では、膨大な動作確認やテストなどの体力を必要とする単純作業が主な業務となります。
一般的に給与が低い傾向があり、自ら努力しないと大幅な成長が見込めないため、注意が必要です。
自社でWebサービスを企画運営しているか
自社でWebサービスを企画運営している企業に就職すると、プロジェクトの方向性や進行を自分たちで決定できます。
そのため、クライアントに振り回されることや、厳しい納期に悩まされることがありません。
先述した一次請け企業は大手が中心で、高卒で就職するのは難しいでしょう。
将来の転職先として目指すこともできますが、一次請けは直接開発に携わることが少ないため、プログラマーとして成長したい人には適していません。
一方で、自社でwebサービス開発を行う企業であれば、プロジェクトの上流から下流まで携われるので幅広いスキルが身に付きます。
研修制度が整っているか
新入社員だけでなく、全体の社員教育に力を入れている会社は優良企業といえます。
企業が研修制度を重視する理由は、プログラマーのスキルを向上させることで業務効率が上がり、結果として会社全体の生産性が高まるからです。
研修制度が充実している企業は、社員のスキル向上を大切にし、プログラマーの成長を後押ししてくれると解釈できます。
社員教育に力を入れる企業は、社員のワークライフバランスも重視する傾向にあります。
仕事とプライベートのバランスが取れた環境は、ストレスが少なく、仕事へのモチベーションも保ちやすいでしょう。
社員の離職率が低いか
社員の離職率が低い企業は、従業員満足度が高いといえます。
社員の満足度が高い企業は、従業員の待遇や教育、福利厚生などに配慮していると推測できます。
これらは、従業員が長い期間安定して働き続けるために重要な要素です。
離職率を調べる際は、入社後3年以内に退職する人の割合である「3年後離職率」を確認しましょう。
3年後離職率が低い企業は、従業員を長期間働かせるための環境が整っている可能性があります。
厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、新規高卒就職者の就職後3年以内の離職率は37%でした。
産業別で離職率を見てみると、「宿泊業、飲食サービス業(62.6%)」が最も高く、全体平均を大きく上回っています。
一方で、情報通信業の離職率は36.4%。
新規高卒就職者の平均離職率とほぼ同じです。
参照:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」
高卒未経験でプログラマーに就職する方法
プログラミングの知識が無い高卒者でも、プログラマーとして就職することは可能です。
具体的な内容をみていきましょう。
プログラマーに必要な知識・スキルを身に付ける
大卒との差別化を図るためには、プログラマーに必要な知識・スキルを磨くことが重要です。
大学では情報処理の授業で知識やスキルを身に付けていることがほとんどです。
大卒者との競争に勝つためには、能動的に学ぶことでその差を埋める必要があります。
具体的には以下のようなスキルを身に付けるとよいでしょう。
情報技術の基礎知識
プログラマーを目指す場合、情報技術の基礎知識は最初に習得しておきたいところです。
とくに、ハードウェアやネットワークの知識は、プログラミングで役に立ちます。
近年、IoT(モノのインターネット化)が加速しており、コンピューターやネットワークスキルの需要が高まっています。
コンピューターの仕組みやネットワークの基礎知識を理解していれば、プログラムやシステムのトラブルにも適切に対応できます。
プログラミング言語・フレームワーク
プログラマーを目指すのであれば、プログラミング言語とフレームワークの知識は習得しておきましょう。
フレームワークとは、プログラム開発に必要な機能をまとめた枠組みのこと。
開発者が効率的にアプリケーションを開発できるよう、機能や設計パターンがあらかじめ設定されています。
以下に、需要の高いプログラミング言語とよく使用される代表的なフレームワークを紹介します。
プログラミング言語 | 代表的なフレームワーク |
---|---|
Java | Jakarta Server Faces Spring FrameworkHP Play Framework |
PHP | Laravel CakePHP FuelPHP |
Python | Django Bottle Flask |
JavaScript | React Vue.js AngularJS |
活学ITスクールでは、アニメーション動画を使った「わかりやすい」カリキュラムの講座を受講できます。
知識ゼロから開発スキルを身に付けたい方は、最も需要が高い言語Pythonでオリジナルアプリを開発する「AI・アプリコース 」の受講を検討してみてください。
IT系の資格を取得する
資格はスキルを客観的に証明する手段となります。
以下の資格は比較的取得しやすいとされています。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- C言語プログラミング能力認定試験
- Javaプログラミング認定試験
難易度の低い資格からチャレンジしてみましょう。
プログラマーへ就職するために高卒者が取得しておくと良い資格については、以下の記事も参考にしてみてください。
ポートフォリオを作成する
実際に動作するプログラムをポートフォリオにしてまとめておくと、実績の証明になります。
面接でプログラミングスキルを示すのは難しいですが、ポートフォリオがあれば実際にどのようなプログラムを作れるのかを具体的に示せます。
実務未経験の場合、ポートフォリオを提示することで熱意が伝わり、評価につながることもあるでしょう。
以下のような項目を記載し、アピールすることが重要です。
- 自己紹介
- 使用できる言語やOS、ツール
- プログラミングに対するこだわり
- プログラムの概要や制作コンセプト など
転職エージェントに相談する
転職エージェントを活用すると、就職の成功率が上がります。
高卒でプログラマーに挑戦できる企業を自分で一から探すのは難しいですが、転職エージェントに相談することで、高卒でもチャレンジ可能な企業を紹介してもらえます。
転職エージェントを利用すると、他にもさまざまなメリットがあります。
- 無料で利用できる
- 企業との調整を担当してくれる
- 非公開の求人情報を紹介してもらえる
- 履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらえる
- 面接対策してもらえる
- 条件交渉を代行してもらえる
転職エージェントは「この会社なら紹介できる」と自信を持って企業の求人を紹介しています。
就職活動を全面的にサポートしてくれる転職エージェントは、効率良く就職活動を進めたい方におすすめです。
活学キャリア支援はコンサルティングに特化した転職支援を行っています。
取り扱っている求人は、独自の厳しい基準を満たした求人のみ。
IT研修付き求人も多数扱っているため、ITスキルをお持ちでない方はぜひ無料カウンセリングにご参加ください。
高卒プログラマーに求められる資質
プログラマーに向いている人の特徴を4つ紹介します。
コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力は、技術的なスキルと同じくらいプログラマーに必要です。
プログラミングはチームで行うことが多いため、他のメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることがプロジェクトの成功につながります。
コミュニケーション能力があると、自分の考えを他の人々に的確に伝え、同時に他人の意見や提案を理解し、対応できます。
また、コミュニケーション能力はチーム内の信頼関係を築くのにも役立ちます。
お互いに信頼し理解することで、チーム内のコミュニケーションがさらにスムーズになり、メンバー間の協力が得やすくなるでしょう。
体力がある
プログラマーの作業はデスクワークが中心ですが、体力勝負の仕事でもあります。
パソコンの前に座ったまま、長時間の集中に耐えるには体力が必要です。
プロジェクトの締め切りが近づくと、残業が増えることもあります。
過酷な状況にも耐えられる体力があることが重要です。
協調性がある
異なる意見をもつ人とも協力できる人はプログラマーに向いています。
前述したように、プログラマーは、一人で黙々と作業するだけでなく、数名で協力して行うことが多い職種です。
協調性のある人は、他のメンバーの意見に耳を傾け、チームの目標に向かって協力しながら働けます。
意見の違いを受け入れながら、円滑な関係を築くのが得意な人は、周囲からの信頼も得やすく、仕事を任されやすくなります。
学習意欲が高い
新しい知識を吸収する意欲が高い人は、プログラマーに適しています。
技術の進歩が速いIT業界で、新しい知識を積極的に学ぶことで、自分自身の技術力をさらに高められます。
既存の知識にとらわれず、新しい技術に対する理解を深めることで、プログラマーとしてのキャリアの可能性を広げ、キャリアアップを実現できるでしょう。
高卒プログラマーのキャリアパス
プログラマーのキャリアパスは、主に「技術職」「管理職」「独立」の3つに分けられます。
代表的なキャリアパスには以下のような特徴があります。
キャリアパス | 特徴 |
---|---|
システムエンジニア | ソフトウェアの設計や開発、テスト、保守を担当。 ユーザーのニーズに合わせてシステムを調整する |
プロジェクトリーダー(PL) | プロジェクトチームを始動し、プロジェクトの計画、実行、管理を担当する。 |
プロジェクトマネージャー(PM) | 複数のプロジェクトを同時に管理し、リソースの配分、スケジューリング、リスク管理を担当する |
ITコンサルタント | クライアントがテクノロジーを使用してビジネス目標を達成するのを手助けする |
キャリアパスを意識することで目標が明確になり、目標に向かって努力できます。
自分の能力が活かせる仕事を選びながらステップアップを続け、より充実したキャリアを築いていきましょう。
まとめ:プログラマーは高卒でも目指せる職種
プログラマーは、高卒未経験でも目指せる職種です。
高卒プログラマーが厳しいといわれる理由は以下の通りです。
- 大手企業への就職は厳しい
- 年収は大卒に比べて低い
- 忙しく働く可能性がある
高卒が厳しいといわれる背景を理解した上で知識やスキルを身に付け、強みとしてアピールできれば、プログラマーとして活躍することも充分可能です。
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