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経歴詐称SESの経歴詐称がやばい!裁判事例と回避法を徹底解説


「うちの会社も経歴詐称させられたけど、これって犯罪?」



「経歴詐称させる会社でも働き続けなきゃダメですか?」
弊社の無料カウンセリングには、SESとして働いている方からよくこういった不安の声が寄せられます。
SESは本来、これまでの経歴や実績に基づいて入れる案件を探して面接を受けます。
しかし昨今、どんどん案件を獲得して利益をだそうとするSES企業が、エンジニアや営業担当に命じて経歴書を改ざんしているという事例がたくさん発覚してきました。
今回はそんなSESの「経歴詐称」について、実際に裁判になってしまった事例を参考にしつつ、どうすれば経歴詐称させるような会社で働き続けなくて済むのかを解説していきます。
SESの「経歴詐称」とは?
SESは大抵、経歴書の審査を経てSES面接を行い、面接に受かると契約に至ります。
つまり、経歴書の審査に通らなければ、面接にすら進めないのです。
そこで、一件でも多く契約を取ろうとするSES企業は、エンジニアや営業担当に、エンジニアの経歴書にうその経歴を書かせる「経歴詐称」を強要してしまうことがあります。
スキルに関して経歴書で嘘をつかせてしまうパターンとしては、以下のようなものがあります。
・完全未経験でも「実務経験3年」などと書かせる
・研修期間を「経験年数」と書く
・実務期間を長く申告させる
・実務経験のない言語などを「経験あり」と書かせる
・SES面談で「なんでもできます!」と言わされる
クライアント側も、すべてのエンジニアの経歴を細かく調べられない場合が多いので、とりあえず書類審査も面接も合格となってしまう場合も多いです。
とはいえ、偽の経歴で採用されても実際に現場に入っても、実際には現場の進度についていけず契約を解除されたり、辞めることになってしまいます。
SESの経歴詐称スキームを見抜け!やり口6選
ここでは、実際に訴訟問題に発展したSES企業のやり口を参考に、経歴詐称をさせるような会社に巻き込まれてしまうステップを解説していきます。
もちろん、問題のあるSES企業も最初から問題があると分かるわけではありません。
もし怪しい企業に入ってしまったとしても、選考や研修、SES面談などが進んでいく中で、なるべく早い段階で気づいて回避すれば、転職してキャリアアップにつながる道へもどれるかもしれないので、ぜひ参考にしてみてください。
・その1:完全未経験の応募者を採用する
・その2:併設されているスクールと契約する
・その3:スクールで経歴詐称のノウハウを教え込む
・その4:SES面談を受けさせる
・その5:現場に送り込まれる
・その6:辞職に追い込まれる
完全未経験の応募者を採用する
危険なSES企業は、IT業界に詳しくない人、IT業界で全く働いたことが無い人、エンジニアの仕事やキャリアについても良く知らない人ばかりを採用します。
もし短期間に「未経験歓迎」の求人を大量に出していたり、未経験ではできないはずの「ITコンサルタント」のような仕事の求人を「完全未経験可」として出している会社は、注意が必要です。
そのような会社では面接したらほとんどの人を採用してしまうのですが、面接の際に「ITスクールと契約してもらえるか」をしつこく確認し、「ITスクールと契約しなければ採用はできない」などと言って迫ってきます。
完全未経験の応募者を大量採用していても、
・しっかり自社研修がある。
・スキルアップしていける案件先をたくさん持っている。
SES企業は優良企業なので、面談時に逆質問して確認しましょう。
どんな逆質問をすればよいかはこちらで解説しています。


スクールと契約させる
面接の後、採用となると、なるべくすぐにその会社が契約・併設しているITスクールと契約させようとしてきます。
ここでITスクールでの学習内容について質問しても、「ITエンジニアに必須のスキルやノウハウを教えます」などと曖昧な回答ばかりしてくる場合には注意が必要です。
怪しいとおもったら、
・実際にどんな言語を学ぶのか
・授業を受けることでどんな資格をとれるのか
などについて質問して、具体的な回答をしてもらえるか試してみてください。
優良SES企業は、エンジニアが資格を持っていることでクライアントに対するアピールになることをわかっているので、無償で研修やスキルの証明となる資格を取れるようにしています。
SESブラック企業は、ほぼ自社内で研修を行なっておりません。
行なっていたとしても、他社のカリキュラム動画を見る自己学習のみが多いです。
このようなSES企業は、3次請け以下の企業である可能性が高いです。
3次請け以下ではどうしても薄利になるため、結果としてエンジニア育成に投資ができず、目の前の利益目的だけで経営してる場合が多いからです。
手順その3:スクールで経歴詐称のノウハウを教え込む
実際にスクールに入ると、エンジニアとしてキャリアアップしていくために必要なスキルや知識の教育は行われません。
それどころか、クライアントとのSES面談で、どうすれば経験があるエンジニアかのように見せられるかといったテクニックを身に付けるように言われます。
また、授業や教材があったとしても、資格を取得できたり、ひとりでエンジニア業務をこなせるほどの知識は教えてもらえません。
スクールの目的は、経歴詐称をしていることがばれないような言動ができる人材を育てることなので、最小限の専門用語の意味や、面接で良くある質問への解答例しか教えてもらえないのです。
手順その4:派遣先企業と面接させる
ITスクールで教えられた、経歴詐称をばれないようにするノウハウをもとに、クライアント企業と面接をするように言われます。
このとき面接を受けさせられるのは、自分の目指したい方向性や希望している職種の現場とは全く関係なく、とにかく報酬の単価が高いものです。
「なんでもできます」と言うように言われたり、経験してきた業務についてウソの体験談を話すようにエピソードを教え込まれることもあります。
手順その5:現場に入らせる
SES企業は、案件の契約を獲得することで利益を得ているので、現場に入らせることができて仲介料さえ入れば、エンジニアは用済みになってしまいます。
一方で現場に入らされたエンジニアの方は、仕事の進め方もわからず、業務内容についても理解でない苦しい日々が待っています。
実際に働き始めて全く仕事を任せてもらえなかったりして困っているときに相談しようとしても、SES企業側がサポートしてくれることはありません。
営業担当に問い合わせても「自分で解決してください」と言われてしまったり、最悪の場合連絡が付かないこともあります。
手順その6:辞職に追い込む
案件に入ったにもかかわらず仕事ができないエンジニアは契約を早期に解除されます。
契約を解除されてしまうと、大抵の場合次の案件も見つからないので「待機期間となります。自宅で自学自習してください」というような指示が出されます。
しかし自習に関する指示は一切出されず、給与も大幅に減らされてしまうので、エンジニアは結局辞めるしかありません。
実際に退職する時にはITスクールでの研修内容や業務内容、経歴詐称については一切口外しないようにと固く口止めされます。
結果として、実績も知識もないまま再度転職するはめになり、転職活動時にも事情をうまく説明できずなかなか再就職につながらないエンジニアも多くいます。
経歴詐称により、
転職活動がうまく行かない・・
次も失敗したらどうしよう・・
と不安な方は、活学キャリアへご相談ください。
2次請け以降のSES企業は扱っておらず、未経験からでもしっかり上流工程へキャリアアップしていける企業のみを扱っております。
SESの経歴詐称での裁判事例
ここでは、近年明らかになってきた経歴詐称の実際の事例について紹介しながら、実際に経歴詐称をするパターンとしてどんなものがあるか、経歴詐称によってどのような裁判になったのかについて解説していきます。
・未経験なのに「Javaでの開発経験5年」とされてしまった例
・年齢から他の業務歴まですべてがウソの経歴書をつくられていた例
未経験なのに開発経験5年扱いで派遣される
実際に2024年7月、経歴詐称をさせられたエンジニアが、現場で精神的苦痛を味わわされて精神的苦痛を受けたとして元雇用主を訴えたことで裁判になりました。
日本経済新聞の取材によれば、被告側のSES企業はIT業界で働いたことが無い人を、ITスクールに契約することを条件に「未経験からでもエンジニアになれる」といって採用していたことがわかりました。
しかし経歴書には勝手に「Java開発経験5年」と書かれ、実際のITスクールでは、SES企業や実際の現場でどのように振る舞えば開発経験者として怪しまれないかを教えられたそうです。
とはいえ、実際にSESとして雇われた人は現場に入っても仕事ができず、仕事を回してもらえなくなるばかりで辞職に追い込まれたとのこと。
日本経済新聞によれば裁判所は判決文に以下のような見解を示しています。
「被告らの事業内容は、取引先に対する詐欺行為により利益を得ようとするものというほかない」
本件について裁判所は、被告のSES企業の経歴詐称は「詐欺行為」に当たるとして、被告企業側に慰謝料などの支払いを被告に命じる判決を下したとのことです。
年齢も業務歴も全部ウソの経歴書
言語と開発経験の年数だけでなく、年齢もその他業務歴もすべて嘘を書いているSES企業もあるという情報もあります。
朝日新聞の取材によれば、複数の所属エンジニアや関係者が「技術者のほとんどが中国人」「経歴書に書かれてる年齢も業務歴も全部ウソ」などとという証言も出ています。
この企業に関しては、本社が中国にあるということもありまだ裁判沙汰にはなっていませんが、この会社は東証一部上場しているような大企業にもエンジニアを送っていたとのこと。
経歴詐称という問題が、大企業でもだまされてしまうことがわかっています。
SESが「経歴詐称」で巻き込まれるリスク4つ
このように、既に経歴詐称をやっていたSES企業が告発されたことで、裁判所により経歴詐称は「詐欺行為」であるという判決が出ています。
つまりエンジニアの経歴詐称は違法行為であり、これに加担すればエンジニアの側にもたくさんのデメリットが出てくるのです
ここでは、経歴詐称を実際にやることでエンジニアの方にどんなリスクがあるのかを4つの視点から解説していきます。
・詐欺の共犯となった、偽装請負をしたとみなされる可能性
・現場に入った際に強いストレスを負う
・契約解除されたり、損害賠償の影響を受ける
・お金のトラブルになってしまう
偽装請負や詐欺の共犯と見なされる可能性
もし経歴詐称がSES企業からの一方的な指示であり、詐称させられることに同意していなくても、ウソの経歴書で案件を取ってしまったら詐欺罪(刑法246条)に問われてしまうかもしれません。
これまでは、クライアントからSES本人が訴えられたというケースはまだありません。
企業が経歴詐称主導していたことが発覚してしまうと、その会社にエンジニアとして所属していたというだけで業界内での信用を失い、IT業界での転職が難しくなります。
未経験で現場に放り込まれる精神的ストレス
経歴を偽って案件に入ったとしても、エンジニアは結局実力が全てです。
現場で業務が遂行できなければエンジニアとしての価値は無くなってしまうので、短い納期の中で即戦力を求める開発現場では、短期間で契約解除されます。
実際に、経歴詐称をさせたSES企業を訴えたエンジニアは、「仕事ができないと繰り返し責められた」「業務遂行ができず公然と指摘された」といった状況で、精神を病んでしまったと証言していました。
損害賠償請求・契約解除される
そもそも経歴詐称をして採用されたとしても、仕事ができなければクライアントから早期に契約を解除されてしまいます。
さらにそのエンジニアのせいでプロジェクトが破綻したり、大きな損害が出るようなミスをしてしまうと、取引先企業がSES企業に損害賠償を請求することがあります。
その影響でエンジニア本人にも賠償請求が及んだり、取引先はもちろん、SES企業からも契約解除され、短期間で職を失うことになることも考えられるのです。
お金のトラブルに発展する
経歴詐称させるような会社は、所属するエンジニアの教育や育成ができていないので、結局単価が高い案件は取れず、SESを紹介する事業からは利益をとれていません。
そこで未経験の応募者に「エンジニアになるための必須スキルをITスクールで教えます」などと言って、スクールの授業料と称して大金を払わせ、ITスクールと契約させます。
結果として、授業料として法外な金額を支払いながら、スクールでは「経歴詐称でクライアントをだます方法」しか教えてもらえず、もちろん授業料の返金もしてもらえなくなってしまうのです。
SES企業が「経歴詐称」をする理由5選
ここまで見てきたように、「経歴詐称」は訴訟に発展する可能性もあるため、やっても何も良いことはありません。
それでもSES企業が経歴詐称を指示するのはなぜなのかについて、ここでは5つ解説していきます。
・1件でも多く契約を取りたいから
・取れる案件の単価を上げるため
・エンジニア不足で案件が決まらない
・そもそも適する案件が少ない
・エンジニアの待機期間を作りたくない
1件でも多く契約するため
SES企業は、エンジニアが契約を取れなければ利益が出ないので、人材不足な状態でも1件でも多く契約しなければいけません。
しかし求人が出ているのは、高いレベルの知識や経験年数があるエンジニア職ばかり。
そこでSES企業としては、未経験のエンジニアにも「実力がある」と嘘を言ってでも案件を獲得したいと考えるのです。
ちなみに優良SES企業であれば、クライアント企業から信頼があるため、未経験エンジニアと経験エンジニアとでチームで案件に参画させてもらえます。
獲得する案件の単価を上げたい
案件の単価は、エンジニアがどれだけたくさんのスキルや実績を持つかによって決められています。
応募資格・経験年数 | 単価の平均(1か月あたり) |
---|---|
テスター経験者/実務1年 | 40万円前後 |
PG(プログラマー)経験者/実務2年 | 50~55万円前後 |
PG(プログラマー)上級者/実務3年 | 55~60万円前後 |
SE経験者/実務4年 | 60~75万円前後 |
SE上級者/実務5年 | 70~90万円前後 |
PM(プロジェクトマネージャー)経験者/実務5年以上 | 90~100万円以上 |
以上はあくまで目安ですが、テスターとプログラマーのあいだ、経験年数1年目と2年目のあいだでも報酬に1か月換算で10万円以上の違いが出ています。
もしテスターの経験しかなくても、「プログラマーとしての経験あり」と書いてしまえば、それだけで報酬に10万円以上の違いが出ます。
さらに資格を持っていたりすれば付加価値が付くので、同じ経験年数でも上の表より報酬が大きく上がることもあります。
もっと詳しくSESの年収事情について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてくださいね!
エンジニア不足で案件が決まらない
コロナ以降にIT化が増々進んだことで案件自体は増えていますが、それに対して十分なスキルを持った人材が集まらず、慢性的なエンジニア不足になっています。
特にブラックなSES企業では優秀なエンジニアがどんどん辞めているので、単価の高い案件を獲得できるエンジニアがおらず、利益になるような案件はなかなかとれません。
また、未経験エンジニアの教育や育成に力を入れることもしません。
結果として、低いレベルのスキルしか持っていないエンジニアの案件が決まらず、待機状態のエンジニアを大量に生み出し、さらに会社全体でもなかなか契約が取れず利益が出ない状況になってしまうのです。
そもそも案件が少なすぎる
経歴詐称をするような会社は、営業力が弱くそもそもあまり契約をとれていないことが多いです。
そもそも多くの求人はひとりでたくさんの業務をこなせる人材をもとめており、スキルのないエンジニアができる案件は少ないので、営業力が低い会社では初心者向けの案件はほとんどとれません。
しかしブラックなSES企業は、所属するエンジニアのほとんどが、未経験か経験年数がかなり少ないエンジニアです。
結果として、所属しているエンジニアに合う案件がないので、スキルを盛ってでもアピールしようとするのです。
待機期間を作りたくない
一つの契約が終わっても、次の案件が決まらずにエンジニアとしての仕事をできない期間を「待機期間」といいます。
ここまで見てきた通り、SES企業のほとんどが、所属しているエンジニアの多くがスキルが低かったり、経験が浅かったりします。
結果として、エンジニアがたくさん所属していても「待機期間」ばかりで案件に入れない、スキルの低いエンジニアがあふれてしまうことになります。
そこでSES企業は、エンジニアの経歴にうそをつくことで少しでも早く契約を取り、利益を上げようとするのです。
SESで「経歴詐称」する会社の発見方法8選
経歴詐称するような企業は、質の高いエンジニアが定着せず、長期的に見れば経営もうまくいっていないことが多いです。
そのような会社では、経験の浅いエンジニアはキャリアアップしていくことはできません。
ここではそんな危険な会社を回避する方法を8個紹介します。
・企業の公式HPで派遣事業者認定やPマークを取得しているか確認する
・短期間にエンジニアの大量募集を繰り返している
・実績必須のはずの職種の求人が「未経験歓迎」になっている
・求人内で「スキル不要」ばかりを強調する
・転職サイトの口コミの悪評に怪しい記載がある
・多重下請けの案件ばかり
・案件の数が少なく待機期間が長期化してしまう
・待機期間中に減給される
また、このほかにもSES企業を見分けるうえでチェックすべきことについては以下の記事で詳しく扱っています。
求人票の具体的な見方なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
派遣事業者認定やPマークを取得していない
「Pマーク」や「一般労働者派遣事業許可」は、公的機関や一般財団法人といった信頼性の高い機関に依頼したうえで、厳しい審査を通らなければ取得できません。
それなりにコストもかかりますが、そういった認可を取っているということは信頼性の高い企業であることにもこだわりをもって経営していることになります。
そうでない会社が必ずしもブラック企業とは限りませんが、公的機関によるチェックが入っていない分、クリーンな経営がされているか自分で気を付けてチェックしましょう。
短期間にエンジニアの大量募集を繰り返している
システム開発系の職種で短期間に「未経験歓迎」「完全未経験でもOK」のような求人を繰り返し出していたり、いつでも大量に未経験者向けの求人を出している企業には注意が必要です。
もし十分なスキルを持ったエンジニアを雇い続けられている企業であれば、未経験者を常に応募する理由はありません。
インフラ系の職種であれば、優良SES企業でも大量に未経験者向けの求人を出している場合があるので見極めが必要です。
実績必須の職種で「未経験者」を募集してる
たとえば「ITコンサルタント」や「PM(プロジェクトマネージャー)」といった仕事は、必ずIT業界での長年の経験が必要であることはイメージできますよね。
にもかかわらず、「IT業界未経験歓迎」のような書き方の求人を出す企業には注意しましょう。
必ず実績が必要なはずの職種に応募してくる時点で、危険なSES企業が狙っているような、IT業界に対して知識が全くない人材であることを証明してしまっているようなものです。
もし最終的にITコンサルタントやPMになりたいとしても、「未経験歓迎」と標榜しているような会社には応募しないでください。


「スキル不要」ばかりを強調する
エンジニアはITの専門スキルが必須なので、優良企業はかならず入社後に研修を実施してスキルを身に着けてから現場に送り出してくれます。
だからこそ、優良企業ではかならず、スキルを身に付ける心の準備があるかどうかを入社の選考で確認されます。
「ITエンジニア」と書いてあるにもかかわらず、「スキルが無くてもできる仕事」をあまりに強調してくる場合には、本当にスキルが無くてもできるような事務作業を任されてしまう可能性があります。
キャリアアップできるような支援体制があるかどうかを必ず確認しましょう。
転職サイトの口コミにあやしい報告がある
危険なSES企業では、退職後に経歴詐称のことを絶対口外しないようにと厳しく言われます。
だからこそ、本当に経歴詐称をやっているような会社を転職サイトなどから見つけ出すことはとても難しいのです。
とはいえ、なかにはなんとなく口コミサイトで危険性について教えてくれている場合もあります。
入社を決めてしまうよりも前に、転職サイトはかならず確認するようにしましょう。
多重下請けの案件ばかり抱えている
多重下請けとは、大企業や大規模なプロジェクトに関して、他社に依頼された案件を下請けして受注することです。
なかには元請けと下請けの間に、さらにたくさんの会社が下請けとして入っている場合もあります。
その場合、最後に実際にエンジニアを送り出すSES企業は下請けの最下層になってしまうので、報酬のほとんどを仲介した業者に払わなければならず、低い報酬で長時間にわたる勤務をこなさなければならないこともあります。
そんな状態では利益を出せないため、エンジニアに経歴詐称させて単価の高い案件と契約を結ばせることで、少しでも利益を増やそうとする会社も多いです。
特に3次請け以降は避けた方が良いです。
案件が少なく待機期間が長期化しがち
経歴詐称をさせるような会社は、そもそも規模が小さく、ある程度の規模があったとしても営業力が弱いせいで案件を獲得できていないことがほとんどです。
結果として、たとえ新しくエンジニアを採用したとしても、そもそも案件が少なすぎて条件に合うような案件が見つからず、結局待機期間になったエンジニアが大量発生してしまうのです。
そのような会社は、待機になってしまっているエンジニアに少しでも早く現場に出てもらうため、実務経験年数などをごまかして新しい案件に受かりやすくしようとするのです。
これも3次請け以降のSES企業の特徴です。
待機期間に減給してくる
条件が合った案件に出会うのを待っている待機期間は、SES企業の営業力が足りないせいで案件が決まらないことも多いので、優良企業では減給されることはありません。
にもかかわらず減給されるような会社は、エンジニアの働く環境への意識が低かったり、そもそも会社の利益が出ないせいで少しでも経費を削減しようとしている可能性が高いです。
そういった会社は、案件の契約を取るためなら経歴詐称をさせることをためらわない場合が多いので注意が必要です。
これも3次請け以降のSES企業の特徴です。
SESの待機期間については以下の記事で詳しく解説しています。
給料の事情についても扱っているので、ぜひ参考にしてみてください。
経歴詐称させてくる会社だったら?脱出策と対応策
ここまで経歴詐称をさせてくる会社の特徴や見分け方について解説してきましたが、どんなに気を付けていても、実際に入社してから危険な企業だったと初めて気づくことも多いでしょう。
ここでは、もし入社した会社が経歴詐称をさせるような会社だった時、どうやって回避すればいいか、対処法について解説していきます。
・経歴詐称は断って大丈夫…むしろ断ろう!
・実際の経歴を自分でまとめて対策しておこう
・面談対策は転職後のためにもやっておこう
・ホワイトSES企業への転職を考えよう
・そもそもSESが合わない人は他の職種へ転職しよう
経歴詐称は断ろう!
クライアントは多くの場合、短い納期の中でも確実に実力があり即戦力になるエンジニアを雇うために、経歴や実績を重視して審査します。
しかもSESの契約形態のせいで、エンジニアが期待通りの仕事ができなかったとしても、クライアントは支払った報酬を払い戻しすることはできません。
クライアントは損だけして、SES企業は報酬を持ち逃げすることになるので、経歴詐称に手を貸すことは詐欺に加担することと同じだという事です。
経歴詐称をすることは決して当たり前ではありません。
もし指示されても絶対断りましょう。そして、転職を考えましょう。
実際の経歴・スキルをまとめておこう
断ってもすぐに対応してもらえず、またすぐに会社を辞める訳に行かない場合には、自分の経歴・スキルをまとめた経歴書を自分で作っておきましょう。
同時に、クライアントに提出されている偽の経歴書のデータや、経歴詐称をさせられているという証拠も音声データなどで持っておけると、会社が摘発されたときにも対応できます。
転職時に聞かれたときも、自分の意思でなく経歴詐称させられていたことを証明できます。
同時に、事前に十分な書類を準備できていれば、転職できるチャンスが来た時にすぐに行動できます。
経歴詐称させるような会社はなるべく早く転職するべきなので、準備はなるべく済ませておくことが大切です。
SES面談は確実に対策しておく
たとえその会社でキャリアを積めそうになくても、面談の対策は必ず十分にしておきましょう。
そもそも面談で自分の特技や経歴を説明できるようになるには、たくさん面談をこなして練習していく必要があります。
たとえブラックなSES企業から転職できず、資格の勉強などもできない状態であったとしても、転職後にスムーズに良い案件に出会えるように面接の練習をしておきましょう。
面談について対策したほうがいいことについては以下の記事でも特集しているので、ぜひ参考にしてみてください!
1人での面談対策に不安がある方は活学キャリアへご相談ください。
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【転職1】ホワイトSES企業を探そう
経歴詐称をするような会社だとわかったらまずやるべきは、より良いSES企業を目指して転職活動をすることです。
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転職エージェントであれば、希望する職種や条件をもとにおすすめの会社を絞り込んで紹介してくれます。
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3次請け以降のSES企業は扱っておらず、満足度、定着率ともに98%以上と高水準です。
併設のITスクールでは、業界で人気の専門資格を取得できる講座を無料で受講できる制度もあります。
本当に自分に合った会社、確実にキャリアアップできる会社に出会いたいという方はぜひ参考にしてみてください。
【転職2】他職種への転職も考えよう
どんな会社であろうと、SESとして働いている限りは常に数か月おきに案件を選びなおし、面接を受けて、働く場所も環境も全く異なる現場へ行かなければいけません。
常に環境が変わり続けるようなあわただしい働き方が合わない方は、SES以外の職種への転職を考えましょう。
・SIer
・社内SE
・自社開発
・ヘルプデスク
これらの仕事はSESよりも高いレベルのスキルが求められることが多く、出会うのが難しい半面、一度就くことができれば、一つの現場で安定して働き続けることができます。
【実体験】SES企業に経歴詐称を強要されキャリアが壊れかけた話
経歴詐称は誰でもやっているし、やらないとよい案件には出会えないとまで言われて。
当時は未経験から研修を受けたばかりで何も知らなかったから、そうなんだと思い込むしかありませんでした。
完全未経験で入った会社で経歴詐称を強要されたというこの方。
このままではエンジニアとしての実務経験も積めないという不安から、転職をはじめたものの、思うように進まなかったと言います。
そもそも、どんな企業なら信頼できるかも見分けられませんでした。
それに、規模の大きいSES企業では、資格もない状態では採用できないと言われてしまい、たまたま面接に進んだ別の会社でも前職では実務経験を積めなかったと伝えたとたんに面接をおわらせられてしまって。
そんな時、活学キャリアに出会い、無料カウンセリングを受けたことで転職活動の流れが大きく変わったそうです。
「無料カウンセリングでは、前職の会社の状況をとてもよく汲み取ってくださって。
さらに、併設スクールで受けられる資格取得講座を無料で受けられ、資格を取りながら安心して転職できました。
今の会社は、前職の経歴より私の熱意を認めて採用してもらえました。
営業担当からのサポートも手厚く、次の案件についてもいくつか選択肢をいただけていて、充実しています。」
活学キャリアでは、無料カウンセリングから企業への人材紹介、選考の際のサポートまですべて一人のキャリアカウンセラーが一括して担当するからこそ、履歴書や経歴書からは伝わらない「想い」や「ポテンシャル」の部分を十全に伝えることができます。
Pマークも取得しているのでクライアントからの信頼度も高く、転職後の企業満足度は98%、定着率も98%と実績も確実です。
まとめ
ブラックなSES企業ではよく、
「SESの経歴詐称なんて当たり前」
「今時、経歴詐称くらいやらないと、まともな案件は取れない」
などと言ってエンジニアを誘導する声が良く聞かれます。
しかし本当にエンジニアのことを考えてくれるような企業は、経歴詐称をすすめてくるようなことは絶対にありません。
とはいえ、そういった会社は社員が辞めてからも情報が出回らないように厳しく口止めしているので、事前に危険に気づけないことがほとんどです。
活学キャリアでは、契約する会社を厳選したうえで、無料カウンセリングから一貫したキャリアカウンセラーがあなたにぴったりの企業に絞ってご紹介しています。
自分で見分けられるか不安、最短距離で成長できる自分にぴったりの会社に出会いたいという方は、ぜひご相談ください。