Webアプリケーションエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルも解説

Webアプリケーションエンジニアの職業に興味を持ち、未経験からその道を歩み始めたいと考えている方は多いかもしれません。

しかし、「一体どのような仕事内容なのかわからない」「どんなスキル・知識が必要なのか」「自分に向いている職業なのだろうか」といった疑問や不安があり、一歩を踏み出せないかもしれません。

この記事では、Webアプリケーションエンジニアの仕事内容や必要なスキル、そしてその魅力と厳しさを丁寧に解説します。

何も知らない状態からでも、プログラミング学習を始められる方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

Webアプリケーションエンジニアとは?

Webアプリケーションエンジニアは、ウェブを介して機能するアプリを創り出す専門職のエンジニアです。

彼らが作成するアプリは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど多種多様なデバイスから利用可能で、オンラインのマーケットプレイス、SNS、クラウドベースのサービスなどをユーザーに提供します。

このようなWebアプリ開発のプロセスには、サーバーやフロントエンドの知識はもちろん、両方を繋げるAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)の構築などのタスクも行います。

Webアプリケーションエンジニアの仕事内容

Webアプリケーションエンジニアの業務は、大まかには設計・開発・テスト・運用の4つの段階に分けられます。

設計とは、お客様が要求する機能に基づき、どのようにアプリを組み立てるかを思考し、プランを練っていくプロセスです。

試行錯誤を繰り返して開発プランを創りあげたら、プログラミング言語を活用してアプリケーションを実際に構築する、開発フェーズに突入します。

開発フェーズが完了したら、事前のプラン通りに動作するかをチェックするテストを行います。

そして、完成したアプリは運用段階に移行し、1ヶ月に複数回といった日々のメンテナンス業務で、安定性を保証したり、新機能の追加等を完遂させます。

Webアプリケーションエンジニアの基本情報・特徴

Webアプリケーションエンジニアの職種について、その需要や収入、そしてキャリアパスの概要を説明します。

Webアプリ開発の需要・将来性

現代社会全体で著しいデジタル化の推進が行われ、オンライン上で物事を完遂させるのが当たり前になっています。

そのため、オンライン上で企業やサービスの価値を最大限に引き出すWebアプリを創り出す技術者は、欠かせない存在になっています。

Webアプリ開発の年収

Webアプリケーションエンジニアは一般的に高給と言われています。

もちろん、勤務先の業績やプロジェクトに携わってきた経験によって収入は上下します。

ですが、様々な業界から自社専用アプリを開発する技術者になってほしいと要望があるため、転職活動や収入で困ることはないでしょう。

特に、チームをリードするリーダー職・中間管理職は高収入を期待できます。

Webアプリ開発のキャリアパス

キャリアパスは無限大で、自分の夢やなりたい理想像に応じて、進む道を変えられます。

技術者としてのスキルを磨き続け、シニアエンジニアやアーキテクトなどへと進むこともあります。

また、プロジェクトの管理やメンバーのリーダーシップをとるマネージャー職へとステップアップすることも可能です。

Webアプリケーションエンジニアに必要なスキル

一人前の技術者になってアーキテクトやマネージャー職にステップアップするために、必要なスキルを説明します。

プログラミングスキル

プログラマーにとってプログラミングスキルは、その仕事を遂行する上で絶対に必要なものです。

それは、建築家が設計図を書くために設計スキルを必要とするのと同じです。

プログラマーは、人々が日常生活で使うオンラインショッピングサイトから、天気予報アプリ、さらにはソーシャルメディアのプラットフォームまで、私たちが日々利用するものすべてを創り出します

これらはすべてコード、つまりプログラミング言語によって作られているため、コーディングの知識は最低限持っておくべきスキルになります。

フレームワーク・ライブラリの知識

フレームワークとライブラリは、プログラマーがソフトウェアを効率的に開発するための重要なツールです。

それらがなければ、プログラマーはすべての機能を一から作り上げなければならないでしょう。

時間がかかるだけでなく、エラーが発生しやすい状況を作り出します

例えば、ホームページ作成をするときに、ユーザーがログインして自分のプロフィールを編集でき、他のユーザーとメッセージを交換できる機能が必須の機能だったとします。

これらの機能を一から作成することは可能ですが、時間と労力がかかります。

ですが、Ruby on Railsというフレームワークを使用すると、ログイン機能やデータベースとのやり取りなど、ウェブサイトの基本的な部分を短時間で作成できます

できるだけ少ない労力で成果を出すためには、これらを使わない選択肢はありません。

データベースの知識

データベースは情報を整理・保存・取り出すための中心的なツールです。

例えば、あなたがオンラインショッピングサイトのプログラマーだとしましょう。

顧客が商品を検索したときに発見できる情報は全てデータベース上にあり、商品の名前・価格・製造場所・製品コード・在庫情報などが一覧になっています。

また、顧客が商品を購入すると、その情報もデータベースに保存されます。

これにより、後で顧客の購入履歴を確認したり、商品の売上を計算したりすることが可能になります。

これらのタスクを行うためにも、プログラマーはデータベースの知識が必要です。

Webアプリケーションエンジニアの仕事のやりがい

Webアプリケーションエンジニアとして仕事をするうえでの、やりがいについて解説します。

人々の生活に直接影響を与えられる

Webアプリケーションエンジニアの仕事の醍醐味は、自ら開発したアプリケーションが直接人々の生活に影響を与え、生活をより良いものに変えられるという点です。

例えば、ユーザーが毎日の食事や運動を記録し、それに基づいて健康状態を分析する健康アプリを作ったとします。

ユーザーはこのアプリを使って自分の健康状態をよりよく理解し、必要ならば生活習慣を改善できます。

このアプリを使うことで、昔から悩んでいた持病や健康問題が改善され、生活の質が向上するかもしれません

エンジニアとして成長できる

プログラマーがエンジニアとして成長する過程は、やりがいを感じる瞬間がたくさんあります。

例えば、初めてチームでコーディングしたときは、新言語や未経験との出会いも多く、発見が多い日々になるでしょう

会社に入ってから一度も顔を合わせたことがない人たちと、毎日のように新しい技術を作り上げていくのも大きな成長の一歩になります。

ニーズ(市場価値)が高まる

プログラマーが市場価値を高めるためには、最新の技術トレンドを追いかけ、新しいスキルを習得することが重要です。

例えば、あるプログラマーが新たに人工知能(AI)のプログラミングに興味を持ち、Pythonや機械学習のライブラリであるTensorFlowを学び始めたとします。

彼は自分の時間を投資して新しいスキルを習得し、最初は手書きの数字を認識するシンプルなシステムしか創り出せないかもしれません。

しかし、技術をさらに深めていくと、より複雑なAIプロジェクト、例えば画像認識や自然言語処理を扱えるようになります

このように未開拓の分野に挑み続けていくと、確実にスキルアップして、多くの企業から高い評価を得られるようになります。

Webアプリケーションエンジニアの仕事の厳しさ

プログラマーの仕事はやりがいがある一方で、以下のような厳しさも伴います

残業や休日出勤が多い

プログラマーが残業や休日出勤が多いと感じる理由は、仕事と私生活のバランスが崩れることや、健康や精神的なストレスが増えることが主な要因となります。

例えば、プロジェクトの納期が迫っているときに、毎日深夜まで働き、週末も休むことなく作業を続けることを求められるかもしれません。

このような状況では、自分の時間を持つことが難しくなり、趣味や家族との時間、友人との交流など、私生活を楽しむ時間が減少して精神的にストレスを感じるでしょう。

また、長時間の作業は体力的にもストレスを増加させます。

長時間の座り仕事は体に負担をかけ、視力の低下や肩こり、腰痛などの健康問題を引き起こす可能性があります。

新しい技術を学び続ける必要がある

プログラミングの世界は常に進化し続けているため、新しい技術やツールを学び続ける必要があります。

例えば、自社が新しいフレームワークの導入を決定したとします。

仕事の合間に自主学習を始めますが、いきなり新しい概念やパターンを理解するのは難しいため、想像以上に学習が進まずに不満を感じることもあるでしょう。

さらに、彼は既に持っている仕事の責任と並行して学習しないといけないため、時間的なプレッシャーも感じます

顧客やユーザーからのプレッシャーが大きい

プログラマーが顧客やユーザーからのプレッシャーを感じることがあるのは、その要求がプロジェクトの進行や品質に直接影響を与えるからです。

例えば、新アプリの開発に取り組んでいるときに、開発中に予期せぬ問題が発生し、リリース日が遅れる可能性が出てくるとします。

この時点で、顧客からは「なぜ遅れるのか?」「いつ完成するのか?」といった質問や要求が増えるでしょう。

また、ユーザーからは「待っている人々をがっかりさせないで」といったメッセージが届くかもしれません。

これらのプレッシャーは、プログラマーにとって大きなストレスとなります。

Webアプリケーションエンジニアに向いている人の特徴3選

以下の特徴を持つ方は、Webアプリケーションエンジニアとして活躍できる可能性が高い人材です。

論理的思考力が高い

プログラミングは基本的に、コンピュータに対して特定のタスクをどのように実行させるかを指示する一連の命令を書くことで、コーディングするには論理的思考力が必要です。

例えば、オンラインショッピングサイトのショッピングカート機能を開発するタスクを任されたとします。

まず、ユーザーが商品をカートに追加し、その後でカートを確認し、最終的に購入を完了するという一連の流れを理解しなければなりません

この流れをコードに落とし込むためには、彼は各ステップを論理的に分析し、それぞれのステップがどのように連携して全体の機能を成り立たせるのかを理解する必要があります。

例えば、商品をカートに追加するというアクションは、商品の在庫を減らし、カートの中身を更新し、ユーザーにフィードバックを提供するという複数の結果を引き起こします。

論理的思考力が高くないと、複雑なコーディングを行うのは不可能です。

コミュニケーション能力が高い

プログラマーにとってコミュニケーション能力は非常に重要な特性です。

例えば、チームで新しいソフトウェアの開発に取り組んでいるとします。

このプロジェクトでは、彼は他のプログラマー、プロジェクトマネージャー、デザイナー、そして顧客と連携する必要があります。

彼が自身のアイデアを明確に伝え、他人の意見を理解するためには、高いコミュニケーション能力が必要です。

また、プログラミングには複雑な問題がしばしば伴うため、問題をスムーズに解決するためには、他のメンバーとの協力が必要です。

彼が問題を明確に説明し、他のメンバーと共に解決策を見つけるためには、効果的なコミュニケーションが必要です。

集中して1つの作業を続けられる

プログラミングは、複雑な問題を解決するために高度な集中力を必要とする作業です。

新しい機能を開発するためには、他の機能を理解して連携させる必要があります。

全体の設計を考え、どの部分がどのように連携するのかを完璧に理解し、全体像を把握するためにはかなりの集中力が求められます。

実際にコードを書き始める時も、一つのミスが全体の動作に影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払いながらコードを書く必要があります。

Webアプリケーションエンジニアに向いていない人の特徴3選

以下に当てはまる人はプログラマーやコーダーになることを、一度検討した方が良いでしょう

自発的に勉強する習慣がない

プログラミングは常に進化し続ける分野であり、新しい技術や言語、ツールが日々生まれています

そのため、プログラマーには自発的に新しい知識を学び続ける習慣が必要とされます。

例えば、使用している言語が定期的に新しいバージョンになり、新機能が追加されたり、既存の機能が変更されたりします。

新機能がリリースされる度に対応するには、継続的に新しいバージョンの学習を進める必要があるため、自発的に勉強する習慣は必須です。

1人で作業を進めるのが好き

プログラミングはしばしば孤独な作業と見なされがちですが、実際にはチームでの協力が非常に重要な要素です。

例えば、チームで新しい機能を開発しているときに、1人で作業するのが好きな人は自分だけで開発しようと決め、他のチームメンバーとのコミュニケーションを避けます。

しかし、他のチームメンバーとコミュニケーションを取らないため、チームメンバーが開発している機能と適合できずに、開発が失敗するかもしれません。

ホームページやアプリはほとんどチームで開発しているため、協力的な性格で報告・連絡・相談ができる人ではないと、活躍するのは難しいでしょう。

作業中にミスが多い

プログラミングは、精密さと注意深さを必要とする作業であり、ミスが多い人には向いていないかもしれません。

例えば、新しいソフトウェア開発のコーディング中に、一部の変数名を間違えて入力したとします。

このミスは一見小さなものに見えますが、その結果、ソフトウェアは期待通りに動作しなくなります

さらに、このミスはデバッグ(エラーの原因を探し出し修正する作業)を非常に困難にします。

コードのどこが問題を引き起こしているのかを見つけ出すのは難しいため、ミスを修正するために多くの時間と労力を費やすでしょう。

また、ミスが多いとソフトウェアのリリースが遅れ、顧客に対する信頼を損なうだけでなく、ビジネスの機会を逃すおそれもあります。

Webアプリケーションエンジニアになる方法

実際にWebアプリケーションエンジニアとして働くための方法を紹介します。

書籍や学習サイトを使って独学をする

プログラミングは、書籍やオンラインの学習サイトを使って独学で学ぶことが可能なスキルの一つです。

例えば、Pythonに興味を持ち始めたら、基本的な文法や概念を学ぶための書籍を手に入れます。

プログラミングの基本から始まり、より高度なトピックまでをカバーしているため、1冊を繰り返し読み直すだけでも十分実務として使える知識が身につくでしょう。

また、Udemyのようなオンライン上の学習サービスでは、実際にコードを書きながら学べるため、実務のコーディングと似た経験ができます

もし、エラーが修正できないという壁にぶつかったとしても、GitHubのようなコミュニティサイトを利用して質問を投稿したり、他の人の解決策を見たりして改善する糸口が見つけられるでしょう。

プログラミングスクールでスキルを身につける

プログラミングスクールは、実践的な経験を積む機会が与えられるため、プログラマーになるための有効な方法の一つです。

例えば、独学を初めてみたけどすぐに挫折した人が、オンラインスクールで手を動かしてコーディングをしてみたところ、想像以上に楽しくてグングンスキルが身についたという事例はよくあります。

各自のレベルに合わせたカリキュラムがあるため、現状の知識やバックグラウンドに関係なく、プログラマーへの確実で大きな一歩を踏み出せるのがメリットです。

経験豊富な講師から直接フィードバックを受けて、自身の弱点を改善したり強みをさらに伸ばしたりすることで、企業で実務ができるレベルまでステップアップすることができます。

未経験OKの求人に応募する

実際の業務経験を持つことは、プログラミングスキルをさらに深めるために非常に重要です。

例えば、ある人が自己学習でPythonの基本的な知識を身につけ、簡単なプログラムを書くことができるようになったとします。

しかし、実際の業務経験がないと、自分のスキルを活かしてどんな製品開発ができるのかわからないでしょう。

ですが、転職サイトや逆求人サイトに登録してみると、未経験者でも応募可能な求人が複数見つかります。

求人には入社した人が今後どんなプロジェクトに参画するか、参画するまでの研修内容や研修期間が書かれています。

転職して働き出すことを現実的に考えられていないとしても、一度求人の詳細を確認して今後のキャリアについて考えてみるのは、非常に有益な作業なのでおすすめです。

まとめ

Webアプリケーションエンジニアとは、インターネットを通じて提供されるさまざまなービスの設計・開発・運用を担当する技術者です。

業務で必要になってくるスキルや知識は数多くあり、新たな技術の学習やコミュニケーション能力も求められます。

プログラマーになるためには苦労することも多いですが、それ以上にやりがいと楽しさもたくさんあるため、興味がある方は正しい方法で勉強を始めてみましょう。

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