システムエンジニアの年収を他業種・年代・地域別に比較!年収アップの方法も紹介!

近年のIT需要の増加や将来性から、システムエンジニアを目指す方が増えています。

「システムエンジニアの平均年収は高い」と聞くものの、実際の相場がわからず気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、システムエンジニアの平均年収を業種・年齢・地域別にご紹介します。あわせて、システムエンジニアとして年収を上げる方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

システムエンジニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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目次

システムエンジニアの平均年収はいくら?他業種と比較!

2023年に厚生労働省が公開した職種別の平均年収は、下表のとおりです。

業種分類平均年収
システムコンサルタント・設計者約660万円
ソフトウェア作成者約550万円
その他の情報処理・通信技術者約530万円
技術者(機械)約610万円
技術者(建築)約620万円
デザイナー約480万円
営業約470万円
受付・事務約350万円
運輸約480万円
金融営業職約650万円
引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」企業規模計(10人以上)

国税庁の調査による日本の平均年収は458万円、システムエンジニアの平均年収は約550万円です。

システムエンジニアは「ソフトウェア作成者」に該当しますが、他業種と比較しても平均年収は高めの傾向です。平均年収が高めである背景には、IT技術者の慢性的な人手不足が関係していると推測できます。

参照:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査
参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

年齢別に見るシステムエンジニアの平均年収

年齢別のシステムエンジニアの平均年収は、以下のとおりです。

年齢平均年収
20〜24歳約322万円
25〜29歳約434万円
30〜34歳約518万円
35〜39歳約601万円
40〜44歳約635万円
45〜49歳約685万円
50〜54歳約701万円
55〜59歳約698万円
引用:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(業務用システム)

ここでは、年齢別の平均収入を紹介します。

20代の平均年収

まだ経験の浅い20代前半は、システムエンジニアの平均年収よりは低めの水準です。20代の平均年収は、以下の表のとおりです。

年齢平均年収
20〜24歳約322万円
25〜29歳約434万円
引用:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(業務用システム)

システムエンジニアはスキルや経験によって収入が変動しやすい傾向があります。そのため20代後半になると、経験に比例して収入アップが見込めます。

30代の平均年収

経験を積みスキルアップした30代は、リーダーのような責任ある立場となるケースも多く、高い年収が見込めます。30代の平均年収は、以下のとおりです。

年齢平均年収
30〜34歳約518万円
35〜39歳約601万円
引用:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(業務用システム)

ある程度の経験を積んだ30代以上は、国税庁が発表している日本の平均年収458万円を上回っています。

システム開発における上流工程を担当するシステムエンジニアは、専門知識だけでなくマネジメントスキルなど幅広い能力を求められる職業です。プロジェクトマネージャーのような業務を担当できるようになれば、さらに大きな収入アップも目指せます。

40代・50代の平均年収

40歳以上は管理職となるケースも多く、30代よりも年収向上が期待できます。40代・50代の平均年収は、以下のとおりです。

年齢平均年収
40〜44歳約635万円
45〜49歳約685万円
50〜54歳約701万円
55〜59歳約698万円
引用:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(業務用システム)

40代以上の平均年収は約600万円以上、50代以上は約700万円以上と高めの傾向です。管理業務のスキルに加えて、現場をまとめるためのコミュニケーション力やマネジメントなどのスキルも必要となるものの、その分昇給も期待できます。

企業規模別に見るシステムエンジニアの平均年収

システムエンジニアは経験やスキルだけでなく、企業規模によっても平均年収に違いが出ます。厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとにした企業規模別の平均年収は、下表のとおりです。

企業規模平均年収
10〜99人約450万円
100〜999人約540万円
1,000人以上約675万円
引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

大企業ほど管理を担うポジションに求められる役割が大きくなり、平均年収より高い収入が見込める傾向です。

中にはスキルや経験によって、1,000万円前後の年収を求人サイトに提示している企業もあります。エンジニア管理職になれば年収1,000万円を超えるケースもあると考えられるでしょう。

地域別に見るシステムエンジニアの平均年収

同じシステムエンジニアであっても、地域によって年収に差が生じます。

以下の表は、2024年3月に大手求人サイトの求人ボックスが集計した「システムエンジニアの仕事の地域別給料」です。

地域平均年収
北海道・東北約411万円
関東約456万円
甲信越・北陸約420万円
東海約421万円
関西約438万円
中国約411万円
四国約419万円
九州・沖縄約398万円
引用:求人ボックス給料ナビ「システムエンジニアの年収・時給・給料

関東・関西の2地域とその他の地域で、年収に開きがあることがわかります。関東の年収が最も高い傾向にあるのは、東京にIT企業が集中している影響もあるでしょう。また、関西も企業や人の数が多いことから、関東圏に近い水準です。

システムエンジニアの需要や将来性も気になる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

システムエンジニアの職業別平均年収ランキング

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」にもとづく、インフラエンジニアの職業別平均年収ランキング上位3つを紹介します。

  • 基盤システムエンジニア
  • 組込みエンジニア
  • Webサイト開発エンジニア

基盤システムエンジニア

職業別名社内システムエンジニア、 システムアーキテクト、 システム設計技術者、 ソフトウェアアーキテクト、 ITアーキテクト、 インフラエンジニア、 基盤システムエンジニア
使用する言語JAVA、JavaScript、Pythonなど
平均年収約660万円

ITインフラ(基盤システム)を設計・開発することが基盤システムエンジニアの仕事です。サーバーやOSなどを設置し、ストレージ(記憶装置)・ネットワークなどを構築します。

最近では、クラウドを利用した運用も多く、企業によっては社内SEとしてシステムの設計を担当する場合もあります。

参照:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(基盤システム)

組込みエンジニア

職業別名組込系ソフトウェア開発技術者、 制御系ソフトウェア開発技術者、 ファームウェア開発技術者
使用する言語JAVA、C言語、Python、Rubyなど
平均年収約550万円

家電機器に内蔵される制御システムを開発します。収入については、システムエンジニアの平均年収とほぼ同じ水準です。

IoT技術の普及により、インターネットに接続される製品・サービスは増加傾向にあるため、組み込みエンジニアの需要も高まっています。

参照:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(組込み、IoT)

Webサイト開発エンジニア

職業別名WEB系ソフトウェア開発技術者
使用する言語JAVA、C言語、Python、Rubyなど
平均年収約550万円

Webサイト、ECサイトの機能やUIの開発を行います。主要なプログラミング言語のスキルに加えて、クライアントの要望をしっかりとヒアリングして問題解決に導くスキルや、データベースの知識も不可欠です。

参照:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(Webサイト開発)

システムエンジニアの平均年収が高い理由

システムエンジニアの平均年収が高いとされる理由は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 高度なスキルを要する
  • IT業界全体が人手不足のため希少性が高い
  • 休日対応や残業がある

3つの理由について、紹介します。

高度なスキルを要する

インフラエンジニアは高度なスキルが必要となるため、高収入となる傾向にあります。

さまざまな企業でITシステムが導入されており、とくに金融業界のような要求レベルが高い仕事の場合、より高い年収が期待できます。

とはいえプログラミングのスキルは一度習得すれば終わりではなく、常に新しい知識を取り入れアップデートする努力が必要です。地道な努力を継続できるかどうかが、年収アップにつながる分岐点となるでしょう。

IT業界全体が人手不足のため希少性が高い

システムエンジニアの平均年収が高い理由として、IT業界の深刻な人手不足も挙げられます。経済産業省が発表したIT需要とIT人材の推移グラフは、以下のとおりです。

引用:経済産業省「IT人材需給に関する調査

上記のグラフを見ると、IT需要は拡大し続けていることがわかります。2030年には約45〜79万人のIT人材が不足し、供給が追いつかなくなると推測できます。

グラフは2030年までの推移ですが、それ以降もIT需要とエンジニア供給の差は広がっていくでしょう。この背景からシステムエンジニアは希少性が高く、高収入が見込める職業といえます。

休日対応や残業がある

企業によっては休日対応や残業がある場合が多く、時期や状況次第で激務となるケースもあります。

たとえば顧客がタイトな納期を提示した際は、できる限りその希望に合わせる必要があるでしょう。また仕様変更による出戻りが発生したり、体調不良を起こすメンバーがいたりする可能性もゼロではありません。

プロジェクトにイレギュラーがつきもののため、クライアントやプロジェクトの進行状況によって、休日対応や残業が増えやすいことも平均年収が高い理由と考えられます。

システムエンジニアとして年収を上げる方法

年収アップを狙う方法として、以下の4つのポイントを解説します。

  • トレンドや最新の技術を学ぶ
  • 上流工程を経験し実績を積み上げる
  • 転職で年収を上げる
  • IT資格を取得する

トレンドや最新の技術を学ぶ

近年のIT技術は激しく変化しているため、トレンドの言語や最新技術を学習し取り入れることが重要です。

「昨年まで主流だった技術や言語が、今年になってすっかり入れ替わった」などのケースも、珍しいことではありません。必要に応じてその都度新しい技術を習得することが必要です。

一度習得した技術に固執していると、スキルアップできずに停滞し、システムエンジニアとしての市場価値も徐々に下がっていきます。常にアンテナを張りめぐらせ、企業に貢献できるような知識をアップデートしておきましょう。

上流工程を経験し実績を積み上げる

システムの全体的な骨格や土台を決定する上流工程の実務経験は、年収アップにつながる大きな要素といえます。上流工程の経験によって、以下のようなスキルを身につけられます。

  • 顧客が本当に欲しがっている機能を理解するヒアリング力
  • 顧客のニーズをしっかり満たせるシステムの提案・ソリューション能力
  • プロジェクトを進捗などを管理し、適切で柔軟な指示や判断ができるマネジメント能力
  • プログラマの苦労や事情も理解できるプログラミングスキル

上流工程を実務で経験できれば、システムエンジニアとしての市場価値が上がり、より高い収入を目指せるでしょう。

転職で年収を上げる

できるだけ早く年収アップを目指したいなら、高収入を見込める報酬水準の企業へ転職することも選択肢の一つです。現在勤めている企業での実績と経験を転職時にアピールできれば、今より年収アップに期待できます。

日々の業務に向上心を持って取り組み、経験を積んだあとは自分の市場価値を確かめるべく、他のIT企業へ積極的に応募するのもよいでしょう。

他業種から年収アップを目標にシステムエンジニアへの転職を考える方は、転職エージェントを活用するのも有効です。

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IT資格を取得する

ITの資格を取得することも、システムエンジニアの年収を上げる手段として有効です。

資格を取得することで、専門的な知識と高度なスキルを備えていることや、資格を取得するだけのやる気や行動力、自走力があることをアピールできます。転職で有利になるうえ、市場価値の向上にも大きく役立つでしょう。

システムエンジニアとして年収を上げていくためのキャリアプランについて、以下の記事で詳しく解説しています。

システムエンジニアの年収アップにつながりやすい資格

システムエンジニアとして年収アップにつながりやすい資格を4つご紹介します。

  • 応用情報技術者試験
  • システムアーキテクト
  • データベーススペシャリスト
  • CCNA シスコ技術者認定

応用情報技術者試験

出題範囲テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
試験時期春期(4月)、秋期(10月)の年2回
受験料7,500円(税込)
公式サイト応用情報技術者試験
※記事公開時点での情報です。

応用情報技術者試験は「基本情報技術者」の上位資格に位置する、経済産業大臣認定の国家資格の一つです。

資格取得により、運用保守業務、経営戦略に関する業務のような高度な専門知識に精通し、優れたスキルを持っていることがアピールできます。

基本情報技術者資格と比べて、より踏み込んだコンピューターシステムやセキュリティ知識が問われるため、経験者向けの資格といえます。

システムアーキテクト

出題範囲テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
試験時期春期(4月)の年1回
受験料7,500円(税込)
公式サイトシステムアーキテクト
※記事公開時点での情報です。

システムアーキテクトは、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。取得することで実務における専門スキルが証明できます。

システム開発における上流工程を担う立場を目指す方向けの資格であり、市場価値も上がるため、年収アップにもつなげやすくなるでしょう。

システムアーキテクト試験は、「高度区分試験」の一つです。情報処理技術者試験の中でも最難関とされているため、習得には相応の努力が必要です。

データベーススペシャリスト

出題範囲テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
試験時期秋期(10月)の年1回
受験料7,500円(税込)
公式サイトデータベーススペシャリスト
※記事公開時点での情報です。

データベーススペシャリストは情報処理推進機構(IPA)が運営する資格であり、データベースに特化した資格です。おもに論理設計、スキーマやデータモデルに関する質問が穴埋め形式で出題されます。

この資格を取得することで、データベースの高度な知識、データ操作、設計スキルを備えていることが証明できます。

さまざまな企業でデータベースが使われていることから、エンジニアのみならずIT業界にかかわる方には不可欠な知識となります。転職活動において、最大限に活かせる資格となるでしょう。

CCNA シスコ技術者認定

出題範囲ネットワーク基礎
ネットワークアクセス
IP接続
IPサービス
セキュリティ基礎
自動化とプログラムアビリティ
試験時期随時実施
受験料4万2,600円(税抜・2024年時点)
公式サイトCCNA-シスコ技術者認定
※記事公開時点での情報です。

CCNA シスコ技術者認定は、ネットワーク機器大手であるシスコシステムズが運営している資格の一種です。

出題範囲が広く、ネットワーク知識の基礎から応用、シスコ社のシステム使用方法まで幅広く網羅されているのが特徴です。取得すれば、ネットワークの専門的な知識の証明となります。

CCNA資格の取得を目指すなら、プログラミングスクールを利用するのも一つの手です。活学ITスクールでは、日本初のアニメーション動画を採用したわかりやすい講座で効率的に学習できます。年収アップのためにCCNAの取得を検討している方は、ぜひご活用ください。

CCNAやIT資格について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ:付加価値をつけて年収の高いエンジニアになろう

他業種や年代で比較しても、システムエンジニアの年収は比較的高い傾向にあります。

とはいえ、扱う技術や言語、業務形態によって年収に開きがあることも事実です。高年収のシステムエンジニアになるには、職場で積んだ実績や経験、最新技術の知識のような付加価値が必要です。自分だけの付加価値を身につけ、年収の高いシステムエンジニアを目指しましょう。

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