クラウドサービスを導入する企業が増える中、「クラウドエンジニア」が注目を集めています。
クラウドエンジニアとは、ITエンジニアの一種で、クラウドサービスにおける情報システムの構築や運用などを担うエンジニアです。
資格がなくてもクラウドエンジニアになれますが、資格があれば就職や転職に有利になったり、年収アップが期待できたりするため、取得しておくのがおすすめです。
この記事では、クラウドエンジニアにおすすめの資格を紹介します。
また、資格の選び方や資格取得の対策ポイントなども解説しているので、資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
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【難易度別】クラウドエンジニアにおすすめの資格一覧
クラウドエンジニアにおすすめの資格を難易度別にまとめました。
次からは、それぞれの資格の詳細を解説していきます。
クラウドエンジニアにおすすめの資格:初級
まずは、クラウドエンジニアにおすすめの初級者向け資格を5つ紹介します。
- 基本情報技術者試験
- Linux技術者認定試験LinuC レベル1
- Cisco Certified Network Associate(CCNA)
- CompTIA Cloud Essentials+
- AWS認定資格 クラウドプラクティショナー
順番に解説します。
基本情報処理技術者試験
基本情報技術者試験は、経済産業省所管の独立行政法人・情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。
情報処理技術者試験には基本と応用があり、基本は初級者向けの資格です。
出題範囲は、ネットワークやデータベース、セキュリティ、アルゴリズム、開発手法、プロジェクトマネジメント、ITを活用した経営戦略などIT全般で、IT人材に必要とされる基本的な知識・スキルを有しているかが問われます。
クラウドエンジニアに特化した資格ではないですが、「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれる資格であるため、クラウドエンジニアを目指す場合でも取得を検討しましょう。
Linux技術者認定試験LinuC レベル1
Linux技術者認定試験は、カナダに本拠地をおく非営利団体・Linux Professional Institute(LPI)が実施する資格です。
資格名のとおりLinuxに関する知識・スキルを有しているかが問われます。
Linux技術者認定試験には、世界共通の「LPIC(エルピック)」と、日本向けに最適化された「LinuC(リナック)」の2つがあり、基本的に問われる内容は同じです。
日本でエンジニアとして活動するのであれば、日本国内での認知度が高く、学習しやすいLinuCを取得するとよいでしょう。
LinuCには3段階のレベルがあり、レベル1は初心者向けでLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行えるかが問われます。
Linuxはこちらの記事でくわしく解説しているので、ご覧ください。
Cisco Certified Network Associate(CCNA)
Cisco Certified Network Associate(CCNA)は、世界最大規模のネットワーク機器ベンダー・Cisco Systems(シスコシステムズ)が実施する認定資格の一つです。
ネットワークに関する基本的な知識・スキル、および同社製品を扱うスキルを有しているかが問われます。
CCNAは以下の記事でくわしく解説しているので、ご覧ください。
CompTIA Cloud Essentials+
CompTIA Cloud Essentials+(コンプティアクラウドエッセンシャルズプラス)は、アメリカに本拠地をおくIT系非営利団体・Computing Technology Industry Association(CompTIA)が実施する認定資格の一つです。
CompTIA認定資格試験は、各クラウドサービスベンダーに依存していない数少ない資格として人気があります。
CompTIA認定資格試験には13種類あり、それぞれで求められるスキルや難易度が異なります。
CompTIA Cloud Essentials+で問われるのは、クラウドコンピューティングを導入する意義やメリット・デメリットを判断するための知識やスキルです。
クラウドコンピューティングに関わる職業に従事する人にとって、基礎的な知識とスキルを証明する資格です。
AWS認定資格 クラウドプラクティショナー
AWS認定資格とは、Amazon社が実施する資格で、同社が提供するクラウドサービスAWSに関する知識・スキルを有しているかが問われます。
AWSはクラウドサービスの中で最大シェアを誇るため、AWS認定資格はクラウドエンジニアにとって必須の資格といってもよいでしょう。
AWS認定資格は、参考書が多く学習がしやすいのも特徴です。
AWS認定資格は分野別・レベル別に12種類の資格に分かれています。
その中でもクラウドプラクティショナーは、AWSとクラウドコンピューティングの基礎知識を証明する初級者向けのAWS認定資格です。
クラウドエンジニアにおすすめの資格:中級
続いて、中級者向けの資格を7つ紹介していきます。
- 応用情報技術者試験
- Linux技術者認定試験LinuC レベル2
- AWS認定資格 ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
- Microsoft Azure認定資格 Azure Administrator Associate
- Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer
- Alibaba Cloud認定資格 ACP(Alibaba Cloud Certifid Professional)
順番に解説します。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つで、前述した基本情報技術者試験のワンランク上の資格です。
出題範囲は、基本情報技術者試験とほぼ同様で、IT人材に必要とされる応用的な知識・スキルを有しているかが問われます。
Linux技術者認定試験LinuC レベル2
Linux技術者認定試験LinuC レベル2は、前述したLinuC レベル1の上位資格です。
レベル2では、Linuxシステムの設計や構築、トラブル対応ができるかが問われます。
受験制限はありませんが、認定を受けるにはレベル1の認定を受けていることが必須です。
そのため、基本的にはレベル1を取得してからレベル2を受験しましょう。
AWS認定資格ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
AWS認定資格ソリューションアーキテクト(アソシエイト)は、前述したAWS認定資格の一つです。
AWSテクノロジーに関する幅広い知識とスキルが問われます。
対象者は、AWSの使用経験が1年程度あることが望ましいとされています。
Microsoft Azure認定資格 Azure Administrator Associate
Microsoft Azure認定資格とは、Microsoft社が実施する資格で、同社が提供するクラウドサービスMicrosoft Azureに関する知識・スキルを有しているかが問われます。
同社から「Microsoft Learn」という無料の学習システムが提供されているため、コストをかけずに学習できます。
Microsoft Azure認定資格は分野別・レベル別に21種類の資格に分かれています。
その中でも、Azure Administrator AssociateはAzureサービス全般に関する専門知識が問われる資格です。
Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer
Google Cloud認定資格は、Google社が実施する資格で、同社が提供するクラウドサービスGCPに関する知識・スキルを有しているかが問われます。
Google Cloud認定資格に合格すると、GCPのロゴが入ったリュックやパーカーなど、公式グッズが贈呈されるのが嬉しいポイントです。
Google Cloud認定資格は分野別・レベル別に11種類の資格に分かれており、その中でもAssociate Cloud EngineerはGoogle Cloudの基礎知識が求められます。
試験にチャレンジするには、6ヶ月以上のGoogle Cloudの構築経験が望ましいとされていることから、中級者向けの資格です。
Alibaba Cloud認定資格 ACP(Alibaba Cloud Professional)
Alibaba Cloud認定資格は、中国のAlibaba社が実施する資格で、同社が提供するクラウドサービスAlibaba Cloudに関する知識・スキルを有しているかが問われます。
Alibaba Cloudはアジア地域ではトップシェアを誇るクラウドサービスですので、アジアでビジネス展開をしている企業にお勤めの方に適しています。
Alibaba Cloud認定資格は、3段階のレベルがあり、その中でもACP(Alibaba Cloud Professional)はAlibaba Cloudの実務経験を有する中級者向けの資格です。
ACPでは、分野別に以下の6種類の資格が取得できます。
- ACP クラウドコンピューティング認定
- ACP クラウドネットワーキング認定
- ACP DevOps エンジニア認定
- ACP クラウド・セキュリティ認定
- ACP ビッグデータ認定
- ACPコンテナーサービス認定
CompTIA Cloud+
CompTIA Cloud+は、前述したCompTIA認定資格試験の一つです。
CompTIA Cloud+では、クラウド環境で実務を行う上で必要となる知識・スキルを有しているかが問われます。
CompTIA Cloud+を取得すれば、クラウドエンジニアとして実際の業務で即戦力になれることを証明できるでしょう。
クラウドエンジニアにおすすめの資格:上級
最後に、上級者向けの資格を5つ紹介していきます。
- Linux技術者認定試験 LinuC レベル3
- AWS認定資格 ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
- Certified Cloud Security Professional(CCSP)
- ネットワークスペシャリスト試験
- 情報処理安全確保支援士試験
順番に解説します。
Linux技術者認定試験LinuC レベル3
Linux技術者認定試験LinuC レベル3は、前述したLinuC レベル2の上位資格です。
レベル2と同じく下位資格の認定を持っていないとレベル3の認定が受けられないため、レベル2を取得してからチャレンジしましょう。
LinuC レベル3には、分野別に以下の3種類があります。
- LinuCレベル3 300 Mixed Environment
- LinuCレベル3 303 Security
- LinuCレベル3 304 Virtualization & High Availability
それぞれ個別に認定が受けられるため、極めたい分野の資格を選ぶとよいでしょう。
AWS認定資格ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
AWS認定資格ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)は、前述したソリューションアーキテクト(アソシエイト)の上位資格です。
アソシエイトよりも複雑な環境でAWSの設計や評価を行うための知識が問われます。
対象者はAWSの使用経験が2年以上あることが望ましいとされており、AWSを使用するクラウドエンジニアとして、さらにスキルを上げたい人はチャレンジしてみましょう。
Certified Cloud Security Professional(CCSP)
Certified Cloud Security Professional(CCSP)は、アメリカに本拠地をおくIT系非営利団体・International Information System Security Certification Consortium((ISC)²)が実施する資格です。
クラウドサービスを安全に利用するために必要な知識・スキルを有しているかが問われます。
ITに関する業務経験が5年以上、情報セキュリティに関する業務経験が3年以上の人を対象としています。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。
ITプロジェクトにおけるネットワーク責任者およびネットワークに関して指導・助言を行う立場の者に必要とされる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の一つです。
ITプロジェクトにおけるセキュリティ責任者およびセキュリティに関して指導・助言を行う立場の者に必要とされる高度な知識・スキルを有しているかが問われます。
クラウドエンジニア向け資格を選ぶポイント
クラウドエンジニア向けの資格は、主に以下の4つの基準で選ぶとよいでしょう。
4つの基準について、順番に解説します。
基本的・網羅的な資格から順番に取り組む
最初は、基本的・網羅的な資格から順番に取り組むようにしましょう。
もちろん、高度な専門知識を身につけることも大事ですが、土台が無い状態で学習しても内容が頭に入りません。
先ほど紹介した資格の中では、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などが、土台を作りやすい資格です。
土台を作っておけば、高度な資格、専門的な資格に挑戦する場合でも学習がスムーズでしょう。
自分のビジョンを考慮する
自分のビジョンにあった資格を選ぶことも大事です。
どんな強みを持ちたいのか、どんな弱点を解決したいのか、将来どのように活躍したいのかなど、ビジョンが明確になると、自分に必要なスキル・資格が見えるようになります。
たとえば、将来的にセキュリティの分野に行きたい気持ちがあるなら、セキュリティ系の資格を重点的に取得していくと効率的です。
また、これから転職を考えている企業あるいは業界があれば、そこで必要とされるスキルを身につけやすい資格を取得するのもよいでしょう。
世の中のトレンドを考慮する
IT業界は変化の激しい業界であるため、世の中のITトレンドにあった資格を選ぶことも大事です。
たとえば、現在では、AWS、Microsoft Azure、GCPの3つが3大クラウドサービスといわれますが、今後、急激にシェアを伸ばすようなクラウドサービスも出て来るかもしれません。
その際、そのクラウドサービスに関する認定資格を早めに取得しておけば、何かと重宝されるでしょう。
また、中国はIT分野が急成長しているため、中国で最大シェアのAlibaba Cloudの認定資格を今のうちに取得しておけば、将来、クラウドエンジニアとしての市場価値が自動的に高まっていくかもしれません。
コストパフォーマンスを考慮する
紹介した通り、クラウドエンジニアにおすすめの資格は多くの種類があり、難易度もさまざまです。
難しい資格ほど学習時間やコストがかかります。
しかし、時間をかけて難易度の高い資格を取得しても、目指す企業ではその資格が求められていない場合があるかもしれません。
目指す企業や目標とするポジションで求められている資格をあらかじめリサーチし、コストパフォーマンスのよい資格を取得するのがおすすめです。
クラウドエンジニア向け資格取得の対策ポイント
次に、資格取得の対策ポイントを4つ紹介します。
遠回りしないため、ぜひ参考にしてください。
事前に計画を立てる
まずは、事前にしっかりと計画を立てることです。
受ける資格の試験日を調べ、その試験日をもとに、いつまでに何をしておくか、スケジュールを組むようにしましょう。
最近では、自分のタイミングで受けられるタイプの資格もありますが、その場合でも同様です。
試験日を決めて、スケジュールを組むことをおすすめします。
どんな人でも、やるべきこととその期限が明確でなければ先延ばしをしてしまいがちです。
いつも先延ばしをしていれば次第にモチベーションも下がっていくでしょう。
計画を立てることにより、高い意識を保ったまま集中して学習に取り組めるようになります。
実践学習を行う
資格対策では、座学学習ばかりになりがちですが、実践学習も取り入れましょう。
実践学習を行うことで、より深い理解が得られ、記憶に定着しやすくなります。
優先度の高い一つの資格取得に集中する
資格勉強をする場合は、一つの資格に集中しましょう。
資格について調べると、複数の資格を取得したいと考える人もいるかもしれません。
しかし、複数の資格勉強を同時にすると、どの資格に対しても学習が不十分になり不合格になるリスクがあります。
「まずはこの資格を取る」と決めて、優先度の高い一つの資格について勉強をはじめましょう。
独学が難しい場合はスクールを活用する
資格によっては独学が難しく、勉強が辛くなる場合も考えられます。
独学が難しいと感じたら、スクールの活用も検討しましょう。
スクールでは体系化されたカリキュラムに沿って学習を進めますし、わからないところがあればその都度質問ができるため、学習を効率的に進められます。
スクール内で友達ができれば、情報交換もできるでしょう。
クラウドエンジニアが資格を取得するメリット
クラウドエンジニアとして活動していく上で、資格は必須ではないものの、資格を取得することには次の3つのメリットがあります。
順番に解説します。
体系的な知識・スキルが身に付く
資格の取得を目指し学習を行っていく過程で、必要な知識を体系的に学べます。
頭が整理され、理解が深まったり知識漏れが解消されたりします。
当然、これは普段の業務にも活かされます。
技術力を客観的に証明できる
資格を取得すれば、知識・スキルを客観的に証明できます。
人にわかりやすい形でアピールできるようになるため、任せてもらえる仕事の範囲が広がりますし、転職活動なども行いやすくなります。
クラウドエンジニアに転職するためのロードマップは以下の記事で解説しているので、ご覧ください。
年収アップ・キャリアアップを目指せる
資格を取得することによって資格手当が出たり、より高度なスキルが必要な業務を任されたりして、年収アップやキャリアアップが期待できます。
資格取得を推進している会社では、とくに積極的に資格勉強をするとよいでしょう。
また、資格の取得が社内での評価につながり、昇進する可能性もあります。
クラウドエンジニアに求められるスキル
クラウドエンジニアに求められるスキルには、主に次の3つがあります。
活躍できるクラウドエンジニアとなるには資格取得も重要ですが、スキルアップのための努力も欠かせません。
順に解説します。
ITインフラに関するスキル
クラウドエンジニアがメインで携わるのはITインフラであるため、サーバーやネットワーク、データベース、ストレージなどに関するスキルが求められます。
また、ITインフラはOSとしてLinuxが用いられることが多く、多くのクラウドサービスもそれに準じているため、Linuxに関するスキルも重要です。
Linuxについてくわしくはこちらで解説しています。
クラウドサービスに関するスキル
当然のことではありますが、クラウドサービスを活用してITインフラの構築などを行うクラウドエンジニアは、AWS、Microsoft Azure、GCPといった各種クラウドサービスに関するスキルが求められます。
コミュニケーションに関するスキル
クラウドエンジニアはチームで業務を進めるため、コミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーションスキルが不足していると、業務をスムーズに進められない恐れがあります。
また、社内だけでなく、クライアントとの打ち合わせも行います。
打ち合わせ時に高いコミュニケーションスキルを発揮できると、クライアントへも好印象を与えられるでしょう。
まとめ:クラウドエンジニアを目指すには有利な資格を取得しよう
この記事では、クラウドエンジニアにおすすめの資格や選び方、資格取得の対策ポイントなどを紹介してきました。
近年、クラウドサービスを導入する企業が増えているため、クラウドエンジニアの需要も高まってきています。
活躍できるクラウドエンジニアを目指すなら、ぜひ資格取得にチャレンジしましょう。
資格取得を目指す過程で体系的な知識を身につけられたり、自分の技術力を証明できるようになる分、キャリアアップや収入アップにつながったりします。
この記事で紹介した内容を参考に、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
資格取得からクラウドエンジニアへの転職を目標にしているなら、活学キャリア支援にお任せください。
資格の取得はもちろん、その後の転職活動まで徹底的にサポートいたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。