Webサイトから見える部分のプログラムを書く仕事が、フロントエンドエンジニアです。
フロントエンドエンジニアに興味はあっても、どのくらいの年収があるのか気になってしまいますよね。
そこで本記事では、フロントエンドエンジニアの年収や、IT職種との年収の違い、年収アップする方法を紹介します。
フロントエンドエンジニアへ転職を考えている方や、フロントエンドエンジニアの年収が知りたい方は、是非とも本記事を参考にしてみてください。
フロントエンドエンジニアの年収は低い?
フロントエンドエンジニアは、Webサイトのビジュアル部分を作る仕事でもあることから、プログラミング初心者や若手エンジニアに人気の職種です。
ここでは、フロントエンドエンジニアの年収を見ていきましょう。
フロントエンドエンジニアと日本の年収
2023年6月現在、フロントエンドエンジニアの平均年収は、595万円です。
- フロントエンドエンジニアの年収……595万円
- 日本の年収……443万円
日本の平均年収と比べると、フロントエンドエンジニアの年収が高いため、未経験から高年収を目指したい人におすすめの職種といえます。
(参照:フロントエンドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)民間給与実態統計調査)
経験年数別フロントエンドエンジニアの年収
フロントエンドエンジニアは、経験年数に応じて年収アップが期待できる仕事です。
年収の目安としては、1年目が約300~350万円、2年目で約450万円、3年目で約550~600万円となっています。
年代別で見ると、40~44歳(約621万円)でフロントエンジニアの平均年収(約595万円)を上回っていることから、経験を積むほど給与面で有利になることが分かります。
地域別フロントエンドエンジニアの年収
フロントエンドエンジニアの年収を地域別に比較すると、都市部の方が高い傾向です。
年収が高い都道府県は、東京都の622万円で、最下位が沖縄県の487万円となります。
最近では、リモートワークが増えていることから、地方出身でも都市部の企業で働くことが可能です。
とはいえ、スキルなしの状態でリモートワークが認められることは多くありません。
優良企業も都市部に集まりやすいため、地域によって年収に差があると知っておくとよいでしょう。
(参照:フロントエンドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ))
フロントエンドエンジニアの仕事内容は、こちらでもまとめてますので、合わせてチェックしてみてください!
フロントエンドエンジニアの平均年収と中央値
PROJECT COMPによると、フロントエンドエンジニアの平均年収と中央値は、下記になります。
- フロントエンドエンジニアの平均年収……660万円
- フロントエンドエンジニアの中央値……610万円
企業によっても年収は変わってくるので、フロントエンドエンジニアの年収の相場を理解しておくことは大切です。
フロントエンドエンジニアとIT職種の年収を比較
ここでは、代表的なITエンジニア職種とフロントエンドエンジニアの年収を比べてみましょう。
(参照:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説)
フロントエンドエンジニアとITコンサルタントの年収
ITコンサルタントとは、企業の課題をITを使って解決する仕事です。
フロントエンドエンジニアとITコンサルタントの年収の違いは次のとおり。
- フロントエンドエンジニア……約417万円
- ITコンサルタント……約590万円
IT企業では、開発やテストといった下流工程よりも、設計を行う上流工程の方が年収が高いです。
フロントエンドエンジニアは開発(下流工程)を担当するエンジニアであることから、ITコンサルタントより年収が低い特徴があります。
フロントエンドエンジニアとネットワークエンジニアの年収
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計、構築、運用、保守を専門とするエンジニアです。
フロントエンドエンジニアが開発エンジニアなのに対して、ネットワークエンジニアは、ITシステムを支えるインフラエンジニアに分類されます。
フロントエンドエンジニアとネットワークエンジニアの年収の違いは次のとおりです。
- フロントエンドエンジニア……約417万円
- ネットワークエンジニア……約436万円
上記から、ネットワークエンジニアの年収が高いことが分かります。
フロントエンドエンジニアとプログラマーの年収
プログラマーの仕事は、プログラミングをすることです。
フロントエンドエンジニアもプログラミングをしますが、主にWebブラウザ上で動作するプログラムを作ることが業務になります。
フロントエンドエンジニアとプログラマーの年収の違いは次のとおりです。
- フロントエンドエンジニア……約417万円
- プログラマー……約413万円
フロントエンドエンジニアもプログラマーも共通して、開発エンジニアと言われています。
プログラマーが高年収を稼ぐ方法は、こちらでもまとめてますので、合わせてチェックしてみてください!
未経験からフロントエンドエンジニアで年収アップする方法
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接目にする部分のプログラミングをすることが仕事です。
ブラウザで表示されたボタンを押した時の、画面が切り替わる処理だったり、テキストに入力したユーザーのアクションによって処理を記述したりします。
デザイン的要素が強いことからも、未経験からの学習がしやすいと言われています。
ここでは、未経験からフロントエンドエンジニアで年収アップするコツを見ていきましょう。
資格を取得する
未経験から就職・転職する際は、資格があると有利になります。
未経験からフロントエンドエンジニアになりたくても、開発実績がないため、どのくらい実力があるのか採用担当者に評価されにくいからです。
多くの企業は、会社に貢献してくれる即戦力を求めるのが本音といえるでしょう。
未経験の採用を認めている場合は、HTMLやCSS、JavaScriptなどのフロントエンドエンジニアに欠かせないスキルは評価項目になります。
そのため、業務に関連する資格を取得して、技術をアピールするとよいでしょう。
コーディングスキルを高める
未経験からフロントエンドエンジニアとして年収アップするには、コーディング(プログラミング)を効率アップすることは大切。
コーディングスキルを高めておくと、一日でできる作業量が増えて生産性が上がるからです。
開発経験が乏しい場合でも、ライブラリや過去のコードを使うことで、開発時間とテストの短縮ができます。
コーディングは一朝一夕で身につくスキルではありませんが、日頃から読みやすいコードを書く意識をして自身のレベルを上げていきましょう。
質の高いポートフォリオを作成する
未経験からフロントエンドエンジニアになるには、学歴があってもスキルを評価されないこともあります。
IT業界は、実力や実績が重視されるからです。
そのため、質の高いポートフォリオを作り、スキルを評価してもらいましょう。
下記の内容をポートフォリオに盛り込むことで、実力が正しく評価されます。
- これまで、どんなものを作ったことがあるか
- どんな知識を持っているか
- 過去に何をやってきたか
採用面接の場合に、ポートフォリオを持っていない人と差別化できるメリットもあります。
バックエンドエンジニアのスキルも習得する
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは、よく比べられる職種です。
フロントエンドエンジニアが、パソコンやスマホの見える部分で動くアプリを作るのに対して、バックエンドエンジニアは、サーバ側(裏側)の処理を担当します。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの処理は、データの受け渡しなど双方に関わり合っているため、バックエンドエンジニアの知識もあると重宝されるでしょう。
バックエンドエンジニアは、サーバサイドエンジニアと呼ばれ、複雑な業務になるほどバックエンドエンジニアの工数が大きくなります。
バックエンドエンジニアについては、こちらでもまとめてますので、合わせてチェックしてみてください!
複数のプログラミングスキルを活かす
活躍するフロントエンドエンジニアになるために、複数のプログラミングスキルを身に付けることをおすすめします。
フロントエンドエンジニアが使うJavaScriptの他にもプログラミングができると、業務の幅が広がるからです。
例えば、Web業界ではRuby(ルビー)やPHP(ピーエイチピー)、Python(パイソン)、Go(ゴー)などのプログラミング言語が使われます。
そのため、複数のプログラミングができると市場価値のあるITエンジニアとなれるでしょう。
Webディレクターになる
未経験からフロントエンドエンジニアとして年収を上げていくには、Webディレクターになることで年収アップできます。
Web制作においてディレクションを担当するのがWebディレクターの仕事です。
Web制作では、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2方面で制作が進んでいくため、Webディレクターは全体を管理します。
Webディレクターにはコミュニケーション能力やマネジメントスキルも重要です。
フロントエンドエンジニアで年収1000万稼ぐ方法
それでは、フロントエンドエンジニアでさらに高年収を稼ぐ方法はあるのでしょうか。
ここでは、年収1,000万円稼ぐ方法を紹介します。
大企業や年収の高い企業に転職する
転職先によっても稼げる金額は変わってきます。
大企業や年収の高い企業に転職すると、始めから高い給与水準が設定されているからです。
また、正社員の場合は、役職につくことで年収アップも期待できます。
これまでの実力や実績を評価してもらえるように、質の高いポートフォリオを作成し、転職活動に取り組んでみてください。
フリーランスで高単価案件を請ける
個人で仕事を請け負うフリーランスフロントエンドエンジニアになる方法も一つの手段。
フリーランスの場合は、案件の掛け持ちができるので、高単価案件を複数こなすことで、年収1,000万円稼ぐ人もいます。
また、フリーランスとして活躍するには、良い人脈も大切です。
フリーランスエージェント経由で案件を受注するよりも、友人や知人経由で仕事をもらう方が単価が高いこともあります。
エンジニアの勉強会やセミナーに積極的に参加することで、質の高い人脈を形成していきましょう。
上流工程の仕事に携わる
年収1,000万円稼ぐには、上流工程の仕事に携わることをおすすめします。
開発やテストといった下流工程の仕事よりも、設計などの上流工程の仕事の方が年収が高いからです。
そのため、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーに挑戦してみるのもよいでしょう。
上流工程の仕事は、プロジェクト全体を俯瞰して管理する力や、マネジメント能力も求められます。
フロントエンドエンジニアになるために有利な資格4選
就職や転職に有利な資格を取得することで、採用されやすくなるでしょう。
ここでは、フロントエンドエンジニアにおすすめの資格を紹介します。
HTML5プロフェッショナル認定試験
フロントエンドエンジニアは、HTMLとCSSの知識が必須です。
HTMLとは、Webサイトに何を表示するのかを記述したもので、CSSが文字やボタンの配色、サイズなど、どのように表示するかを記述したものになります。
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5のスキルと知識を評価する資格で、資格需要も多いです。
そのため、未経験からフロントエンドエンジニアを目指す人は、HTMLの学習のためにHTML5プロフェッショナル認定試験を受けてみるとよいでしょう。
CIW JavaScript Specialist
フロントエンドエンジニアが使うプログラミング言語は、主にJavaScriptです。
JavaScriptは、Webページに動きを付ける代表的なプログラミング言語で、フロントエンドエンジニアには必須とされています。
CIWの「JavaScript Specialist」という資格は、JavaScriptの基本的な文法から、ライブラリやフレームワークの実装まで応用スキルが学べます。
業務では必須となるため、スキルに自信のない人は資格を活用して勉強してみてください。
PHP技術者認定試験
Web業界でよく使用されるプログラミング言語にPHPがあります。
簡単にWebサイトの更新ができるWordPressは、PHPから構成されているため、PHPが使えると就職や転職で有利になるでしょう。
バックエンドエンジニアはPHPをよく使いますが、フロントエンドエンジニアも知識があることで業務の幅が広がります。
PHP技術者認定試験は、難易度に合わせて試験が分かれているため、スモールステップでスキルアップしていきましょう。
基本情報技術者試験
IT業界の就職・転職におすすめな国家資格が、基本情報技術者試験です。
基本情報技術者試験は、資格保有者数も多く人気の資格で、持っていると企業から評価されるメリットがあります。
試験内容には、プログラミングに関する問題もあるので、スキルアップに最適でしょう。
スキルに自信のない人は、下位の資格「ITパスポート」から受験するのもいいですし、基本情報技術者試験に合格すると、さらに上位資格に挑戦できます。
IT業界への転職に有利になる資格を、こちらでもまとめてますので、合わせてチェックしてみてください!
フロントエンドエンジニアの年収に関する疑問
こちらでは、フロントエンドエンジニアの年収に関する疑問を見ていきます。
疑問を解決して、フロントエンドエンジニアの理解を深めましょう。
フロントエンドエンジニアは将来性のある仕事?
スマートフォンの普及や、現代のデジタル化に伴い、Webアプリやモバイルアプリの需要は増えています。
フロントエンドエンジニアの仕事は、UI(サイトの見た目)やUX(使いやすさ)の開発に特化しているため、今後も求められる仕事といえるでしょう。
新卒からフロントエンドエンジニアになれる?
スキルがあれば新卒からフロントエンドエンジニアになれます。
なぜなら、IT業界は実力や実績が重視されるからです。
フロントエンドエンジニアの場合は、HTMLやCSS、JavaScriptのスキルは必須となります。
そのため、自信のない人は独学で学んだり、プログラミングスクールを利用したりして現場で使える技術を身に付けましょう。
フリーランスフロントエンドエンジニアの年収は?
レバテックフリーランスのサイトを見ると、月単価からフリーランスフロントエンドエンジニアの年収が分かります。
平均月単価72万円を12ヶ月で計算すると、平均年収は864万円です。
最高月単価の145万円で計算すると、平均年収1740万円と1,000万円を超えているので、フリーランスはかなり稼げると想定できるでしょう。
とはいえ、未経験から案件を受注することは難しいため、始めは実務経験を積むことに注力し、フリーランスも視野に入れてスキルを磨くのをおすすめします。
フロントエンドエンジニアに向いている人は?
コミュニケーション能力がある人は、フロントエンドエンジニアに向いています。
その理由は、バックエンドエンジニアや、Webデザイナー、プロジェクトマネージャー、他にもプロジェクトに関わるチームメンバーと仕事をするからです。
一人でもくもくと作業をするのではなく、メンバーと信頼関係を築いて情報交換しながら進められる人に向いているといえます。
さらに、クリエイティブ思考のある人や、トレンドに敏感な人もフロントエンドエンジニアに適性があるでしょう。
IT業界の代表的な職種は、こちらでもまとめてますので、合わせてチェックしてみてください!
バックエンドエンジニアとの平均年収の違い
ユーザーが見えないデータベースの登録や決済機能の実装を行うのが、バックエンドエンジニアの仕事です。
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの年収の違いは次のとおり。
- フロントエンドエンジニアの平均年収……約417万円
- バックエンドエンジニアの平均年収……約453万円
バックエンドエンジニアのスキルは、フロントエンドエンジニアよりも習得難易度が高く、さらに、リリース後の運用や保守といった仕事の需要も高いです。
そのため、フロントエンドエンジニアよりも年収が高い傾向といえます。
(参照:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説)
まとめ:フロントエンドエンジニアとして年収アップを目指そう
フロントエンドエンジニアは、実務未経験者でも数か月から半年間、しっかり学習すると十分就職や転職が可能です。
HTMLやCSS、JavaScriptは比較的学習しやすいため、未経験者も始めやすいでしょう。
これからフロントエンドエンジニアを目指す人は、ポートフォリオを作成し就職・転職活動に励んでみてください。
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