Linuxを学び始める初心者の方は、何から手を付け、どの知識が重要になるのか、戸惑ってしまうものです。
この記事では、初心者におすすめのLinux入門書籍や学習のポイント、注意点など、重要なトピックを網羅的に学ぶことができます。
さらに、効果的な学習方法や実践的な活用のヒントも盛り込みました。
入門者にとってLinuxの世界に足を踏み入れるときの貴重な情報が満載なので、スタートガイドとして、ぜひお役立てください。
Linuxとは何かと聞かれて答えられる自信がない方は、下記記事でわかりやすく解説しているので先に読んでみてください。
Linux入門者の方が覚えるべき知識
Linuxの入門者なら、以下の項目はまず覚えておくべきでしょう。
Linux環境の構築
環境構築は、Linuxを学ぶための第一歩です。
環境が作れなければ、もちろんLinuxを触ることはできません。
Linux環境を構築するには、いくつかの方法がありますが、最も簡単な方法は、仮想マシンを利用することです。
仮想マシンは「PCの中に、あたらしい仮想のPC環境を作り上げるシステム」のことで、実機に影響を与えることなく構築が行なえます。
なお代表的な仮想マシンには、「VirtualBox」や「VMware」があり、無料で利用することが可能です。
Linuxのインストール方法
入門者は、Linuxのインストールのやり方も覚えておくといいでしょう。
やり方は、選んだディストリビューションの種類によって違ってきます。
たとえば「Ubuntu」と「VMware」を用いた場合、大まかなインストール方法は以下です。
- Ubuntuの公式ページにアクセスし、インストーラをダウンロード
- VMwareをインストール
- Ubuntuをダウンロード
- VMwareを起動し、インストールイメージを選択
- インストールウィザードに従い、VMwareにUbuntuをインストール
なお、これ以外のものを選んでも、おおよその流れは共通しています。
大まかな手順や流れは、ざっくり把握しておきましょう。
Linuxのインストール方法について詳しくは下記記事でわかりやすく解説しているので参考にしてください。
Linuxの基本的なコマンド操作
Linuxの操作の多くは、コマンドで行うことが一般的です。
なので、よく使いそうなものは覚えておくに越したことはありません。
たとえばコマンドには、
- ディレクトリの新規作成・移動・削除
- ファイルのコピー・貼り付け・表示
- 現在の作業状況の表示
- ヘルプページの表示
など、いろんな種類が存在します。
すべて頭に入れることは困難を極めますが、頻繁に利用するものだけでも把握すると、見違えるほどスムーズな操作が実現可能になります。
ディストリビューションの種類・性能
ディストリビューションにはどんなものがあり、それぞれどう違うのかは、ぜひ興味をもっておきたいところです。
ディストリビューションは、「いろんなソフトウェアの機能を詰め合わせてひとつにしたもの」で、ユーザーは思うがままに活用できます。
ひとことで言っても、入門者に向いているシンプルな構造だったり、企業に向いている堅牢性の固さが特徴だったりと、それぞれがいろんな個性をもっているのが魅力です。
またハードウェアの要件、ソフトウェアの互換性なども違いますので、興味をもって広く浅く知っておくのがいいでしょう。
初心者が使うおすすめのLinux ディストリビューションについては、下記記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
不明点の調べ方・検索方法
入門者がLinuxを触っていると、必ず不明点や壁に直面します。
そのとき「どのように調べたらいいのか」ということは、ぜひ把握しておきたい項目です。
たとえばLinuxにはヘルプコマンドが標準で存在しており、入力例は「help コマンド名」です。
また「manコマンド」を入力すると、コマンドマニュアルを表示できます。
また何らかの検索エンジンを用いる際は、英語のサイトも翻訳して活用すると、より広範な情報にアクセスできるでしょう。
Linux入門として適切な書籍
書籍選びに迷っている入門者は、以下で紹介するものを選ぶのが間違いないでしょう。
さわって学ぶLinux入門テキスト
疑問に思いやすい部分や理解に苦しみそうな部分を丁寧に解説しています。
ただLinuxの基礎を覚えていけるだけでなく、LPI Linux Essentialsに合格に必要となる知識が身に付くのも特徴です。
また、学習環境の構築についても優しめの解説となっており、実際にハンズオンでコマンドを叩きながら覚えることができます。
Linuxに触れて間もない入門者にこそ、手にとってほしい一冊です。
まんがでわかるLinux シス管系女子
日経BPから出版されているこちらの書籍は、書籍名のとおりまんがで楽しく学べる教材です。
IT管理部門に新人として入社した「利奈みんと」とその先輩社員、そして大野桜子さんとのコミカルなやり取りを通じ、すぐに役に立つ知識を紹介しています。
- 登場人物の掛け合いを視覚的に見れるため、スッと頭に入る
- ほぼ全ページがまんがなので、ボリューミーな内容もしっかり記憶できた
といったレビューも多く、入門者が楽しく学ぶ用途に最適です。
ゼロからわかる Linux Webサーバー超入門
こちらの本は、技術評論社から出版されており、基礎から忠実に学ぶのにピッタリです。
「CentOS」と「Apache HTTP Server」という人気のソフトウェアでサーバーを構築し、実際にPHPプログラムを動かしながら実践できます。
基礎を学ぶだけでなく「これから実際の現場で働く」という方にとっても、次の日からすぐに使える貴重な情報を網羅しているのもポイント。
入門書としての噛み砕いた説明による理解のしやすさはもとより、既存の知識のレベルアップの用途としても不動の人気を誇る一冊です。
本気で学ぶLinux実践入門
出版元がSBクリエイティブである本書は、実際の現場での業務でよく用いられる技術の使い方と実行例をいくつも掲載している名著です。
入門知識を身に着けながらも、実用的な設定や管理の方法を吸収することができます。
また、2つの人気ディストーション「CentOS」「Ubuntu」の両方に対応しているのも、他の書籍にはない大きなポイントです。
「入門者」から一歩前進するための、読み応えのある一冊です。
新しいLinuxの教科書
こちらもSBクリエイティブから出版されている書籍で、Windowsより1世代前のOS「MS-DOS」を知らない世代に向けた入門書の決定版という位置づけです。
Linuxの特性や機能はもちろんのこと、シェルスクリプトを用いたプログラミング、Gitによるバージョン管理など、現代を生きるエンジニアに不可欠な知識が詰め込まれています。
また電子版では、画面出力やプログラムリストで組み込みフォントを採用。
表組みも含めてテキスト検索が可能になっているなど、高い利便性が提供されています。
Linux入門として最適なサイト
ウェブで学習したいLinux入門者なら、以下で紹介するものを利用することで、学習を最適化できます。
ドットインストール
いくつもの言語が動画で学べる、人気のプログラミング学習サイトです。
もちろんLinuxレッスンにも完全対応しており、ディレクトリの動かし方やユーザーの運用など、実践でよく用いられる技術を身につけることが可能です。
最初の数本の動画は無課金で何度でも視聴できるので、試しに利用してみることに損はありません。
ただし、環境構築の噛み砕いた解説などは省かれています。
なのでまったくの入門者というよりは、「すでに動かせる状態の方」のための補足情報的な用途で使うことに向いているでしょう。
Schoo
ITに関するいろんな講習を、動画形式で手軽に受講できる大手の総合学習サイトです。
Linuxの入門者に向けた動画講習の種類もたいへん豊富に取り揃えており、ファイル操作やパッケージ管理など、実務で役立つ技術が確実に身につきます。
さらにサービス管理の講習を受けることもでき、受講すればLinuxでオリジナルのウェブプログラムを立ち上げることも可能です。
月額980円でボリューミーなコンテンツを自由に閲覧できるので、入門者はまず検討したいサービスといえます。
Linux初心者入門講座
サービス名にあるとおり、初心者の入門講座としてとくに推奨したいサイトです。
こちらのサイトは動画ではなく、テキスト教材をメインで扱う類のものとなっています。
Linuxの概略からはじまり、操作の方法から実用的なアプリケーションまで、初心者が把握すべき内容が満載です。
また解説も長文ではなく、スッキリとした短い文章でまとめられているためたいへん読みやすく、さらなる知識の増強を求める方にも最適な内容となっています。
Linux初心者の基礎知識
こちらも動画ではなく、テキストメインでの学習ができるサイトです。
「入門者はもとより、中級者にも十分に満足してもらえる内容」と謳っており、Linuxをマスターするためのやさしく細かな解説がポイントとなっています。
また膨大な情報量がありつつも、非常にわかりやすく分類分けされているため、求めているものをサッと見つけて読むことが可能です。
基本的にはすべて無償で利用できるので、入門者ならまず視野に入れておきたいサイトとなっています。
一から始めるlinux
こちらもテキストメインで、とくにコマンドについての噛み砕いた説明が特徴のコンテンツです。
ただ単なるコマンドの説明のみならず、逆引きで解説を探すことができるのが大きなポイント。
たとえば
- Windowsファイルサーバを構築したい
- ユーザをSambaサーバーアクセス用ユーザとする
- ファイヤウォールをOS起動時に自動起動させたい
など、「やりたいこと」から探せるため、不明点をサッと検索する用途にうってつけです。
ただ概略など、完全入門者向けの情報は対象外となっています。
いったん別の手段で基本的なことをしっかりおさえてから、利用するのがいいでしょう。
Linuxを何から学ぶべきかわからない方は、下記記事でわかりやすく解説しているので参考にしてください。
Linuxの知識を学ぶ上で押さえるべきポイント
以下で紹介するポイントをおさえると、より容易にLinuxの実力が身につきます。
学習のゴールは見えているか
学習のゴールを定めていないと、手をつけるべきところが不明確なので、回り道を繰り返してしまいます。
その影響から、学習意欲の維持も困難になるでしょう。
目指すべきところが見えていると、不要な勉強を避けることができ、さらに学習の進捗も追いやすくなります。
新しい情報で学習できているか
Linuxを身につけるときは、古い情報に頼らず、あたらしい情報へアクセスすることが大切です。
常に進化を重ねる機能やツールに常に触れていないと、需要の高い人材になることはできません。
信頼できるニュースやブログ、公式ページなどに目をとおし、あたらしい情報を入手しましょう。
教材のUI/UXが自分に合っているか
利用している教材のUI/UXが合わないと、学習意欲が下がり挫折してしまうおそれがあります。
教材選びの際は、使いやすさやデザイン、ナビゲーションの直感性などが合っているかをよく吟味しましょう。
良いUI/UXの教材は学習のモチベーションを高め、理解度をアップさせてくれます。
Linuxを使うときの注意点
Linuxを使うときは、これから紹介する点に注意を払ってください。
カスタマイズには相応の知識が不可欠
自由な改変が魅力のLinuxですが、それには相応の知識がいります。
間違った設定や操作はシステムに悪影響を与える可能性もあります。
また改変の結果によってはサポートが受けられなくなる場合もあるため、注意が必要です。
問題が発生したら、自分で対処できるよう知識を養いましょう。
コマンド操作に慣れるまで時間がかかる
Linux入門者は、コマンドの使い方や文法を学ぶ必要があります。
コマンドラインの操作には地道な暗記や慣れが必要ですが、かならず徐々に慣れてきます。
一度にすべてに着手せず、実際に触って意味や使い方を少しずつ覚えていきましょう。
バックアップはこまめにとる
とくに入門者のうちは、操作ミスなどから「万が一の事態」がいつ起きるかも予測できません。
そのため、こまめなバックアップは習慣にすることが望ましいです。
バックアップを取ることで、データの損失やシステムの障害など予期せぬトラブルから、重要なデータを保護できます。
Linuxの入門に関するQ&A
入門者がよく疑問に思うことをまとめたものが、以下になります。
LinuxとUNIXはなにが違う?
どちらもいわゆる「Unix系OS」でたいへん似ていますが、強いて言うなら以下のような違いがあります。
- LinuxはUNIXのコードを改変して作られたもの
- LinuxはUNIXよりも若干動作が軽い
- LinuxはUNIXよりカスタマイズ性が高く、個人利用にもうってつけ
ただ、双方が親戚関係のようなもの。
「ライセンス内容が異なる」という認識で、差し支えありません。
Linuxはどういうところがいいの?
Linuxのいいところは、大きく以下です。
- 無料
- 軽量
- 高度なセキュリティ
- 自由度が高い
大手のOSにはない柔軟性から、テクニカルなユーザーに選ばれています。
Linuxは何に使われている?
サーバーや組み込みシステムはもちろん、デスクトップ環境や個人用コンピュータでも使われています。
また科学研究やデータ分析などの分野で、スーパーコンピュータとして活用されている事例もあります。
まとめ:Linuxの入門知識をおさえて有効活用しよう!
Linuxは入門知識をしっかりと押さえることで、着実に技術力を自分のものにできます。
最初こそ地道な訓練や慣れは必要になりますが、触っていくうちに必ず慣れていくものです。
あたらしい情報をしっかり活用し、継続的な学習と実践を繰り返して、Linuxを使いこなしてください。